2019.09.09

たまごは1日1個まで?殻や黄身の色で栄養が変わるの?

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栄養価の高いたまご料理

和・洋・中を問わず、おかずにもお菓子にも使われる食材である「たまご」。

価格が安定しており、さらに栄養豊富なイメージがあるいっぽう、1日1個以上は食べてはいけない?という話もあります。
今回はたまごの栄養素や食べ方、健康とのかかわりについて紹介します。

たまごのカロリー・栄養素

良質のたんぱく源

たまごは肉類や魚類と同様に、たんぱく質を豊富に含む食品です。

たんぱく質は全身の細胞の材料となる重要な栄養素のひとつで、体内で作り出すことのできない「必須アミノ酸」は、毎日の食事から十分にとる必要があります。

ヒトが必要とする量に対し、その食品に必須アミノ酸がどれだけ十分に含まれているかといった「たんぱく質の質」を表す「アミノ酸スコア」という指標があります。
肉類や魚類にくわえ、たまごもアミノ酸スコアは「100」と、良質なたんぱく質食品です。

肉類、牛乳との栄養素データ比較

主にたんぱく質の摂取源となる食品には、たまごや肉類、乳類や魚介類が含まれます。
これらのたんぱく質源となる食品の中で、たまごにどのような特徴があるか見ていきましょう。

牛乳 たまご(全卵) 豚肉(肩ロース)
エネルギー 67kcal 151kcal 253kcal
水分 87.4g 76.1g 62.6g
たんぱく質 3.3g 12.3g 17.1g
脂質 3.8g 10.3g 19.2g
炭水化物 4.8g 0.3g 0.1g
ビタミンA 38㎍RAE 150㎍RAE 6㎍RAE
ビタミンD 0.3㎍ 1.8㎍ 0.3㎍
ビタミンE 0.1mg 1.0mg 0.4mg
ビタミンK 2㎍ 13㎍ 2㎍
ビタミンB1 0.04mg 0.06mg 0.63mg
ビタミンB2 0.15mg 0.43mg 0.23mg
ビタミンB12 0.3㎍ 0.9㎍ 0.5㎍
葉酸 5㎍ 43㎍ 2㎍
パントテン酸 0.55mg 1.45mg 1.18mg
ビオチン 1.8㎍ 25.4㎍
カルシウム 110mg 51mg 4mg
鉄分 0mg 1.8mg 0.6mg
*100gあたり

※横スクロールで表全体の確認が可能です。

エネルギー(カロリー)は肉類と牛乳の中間

食品は一般的に水分の割合が高くなるほどエネルギー(カロリー)が低く、脂質が多いほどエネルギー(カロリー)が高くなります。
たまごのエネルギー(カロリー)は液状で水分の多い牛乳と、固形の肉類の間くらい。
たんぱく質の量のわりに脂質が少なく、比較的「高たんぱく低脂質」な食品といえそうです。

各種ビタミン・ミネラルが豊富

牛乳や豚肉に比べると、さまざまな栄養素を比較的多く含んでいます。
エネルギー(カロリー)は低くビタミンなどの栄養素が豊富なため、「完全栄養食品」などと呼ばれるのはこのためかもしれませんね。

とはいえ、例外となる栄養素ももちろんあります。

この表の比較でいうと、ビタミンB1は豚肉が、カルシウムは牛乳が圧倒的に多く含んでいます。
野菜などに含まれるビタミンCは、たまごをはじめ肉にも牛乳にもほとんど含まれていません。

白身と黄身で栄養価が違う?

たまごの白身と黄身

たまごは白身と黄身に分けられます。
白身と黄身は、見た目だけでなく、性質にも大きな違いがあります。

たまごの白身と黄身の栄養素データ比較

Mサイズのたまごの中身はおおよそ50g。
そのうち、白身は約70%(約35g)、黄身は約30%(約15g)を占めています。
栄養データをおよそ1個当たりに換算して比べてみましょう。

たまご(全卵) たまご(卵黄) たまご(卵白)
エネルギー 76kcal 58kcal 16kcal
水分 38.1g 7.2g 30.9g
たんぱく質 6.2g 2.5g 3.7g
脂質 5.2g 5.0g 微量
炭水化物 0.2g 0g 0.1g
ビタミンA 75㎍RAE 72㎍RAE 0㎍RAE
ビタミンD 0.9㎍ 0.9㎍ 0㎍
ビタミンE 0.5mg 0.5mg 0mg
ビタミンK 7㎍ 6㎍ 0㎍
ビタミンB2 0.22mg 0.08mg 0.14mg
ビタミンB12 0.5㎍ 0.5㎍ 0㎍
葉酸 22㎍ 21㎍ 0㎍
パントテン酸 0.73mg 0.65mg 0.06mg
ビオチン 12.7㎍ 9.8㎍ 2.7㎍
カルシウム 26mg 23mg 2mg
鉄分 0.9mg 0.9mg 0mg
*たまご1個分を50gとして、卵黄15g、卵白35gあたり

※横スクロールで表全体の確認が可能です。

栄養素のほとんどは黄身に集中

たまごはビタミンやミネラルが豊富と紹介しましたが、その大部分は黄身に存在しています。

白身はほとんど水分とたんぱく質でできており、微量栄養素は含まれていないものがほとんどです。

黄身はビタミンやミネラルを豊富に含む一方、脂質も多いのが特徴といえそうです。

たまごは1日1個まで、はなぜ?

コレステロールが心配

よく、「たまごは1日1個まで」といわれます。

これは、たまごに多く含まれる「コレステロール」の健康への影響を心配してのことのようです。

コレステロールはヒトの体にとって必要な物質ですが、血液中で増えすぎると動脈硬化など様々な健康上のリスクを増やします。

そのため、コレステロールを多く含む食品はあまり多くとらないほうがいいのではないか?との考え方から、「コレステロールを多く含むたまごは1日1個以内に」というふうに言われるようになったようです。

たまごのコレステロール含有量

コレステロールは脂質の仲間ですが、エネルギー源として使われないためエネルギー(カロリー)はありません。

そのため、高エネルギー(カロリー)な食品かそうでないかはコレステロール量にはあまり関係ありません。
食品成分表に収載されている食品では、乾物を除くとたまごはコレステロールが高い部類に入ります。

たまごの中でも特に卵黄のコレステロール含有量が最も高くなっています。
たまご以外にコレステロール含量の高いものとしては「あんこうのきも」「フォアグラ」「すじこ」「うずらたまご」「たらこ」「かずのこ」などがあり、内臓や卵の類のものに多いことが分かります。

魚卵に比べるとたまごは食べる機会が多いため、コレステロールの摂取過多になりやすいということですね。

同じたんぱく源である肉類と比べても、

牛肩ロース71mg/100g
豚肩ロース69mg/100g
鶏モモ89mg/100g
全卵420mg/100g

と、大きな差があります。

食事のコレステロールは健康に影響しない?

上記のような理由から、長らく「たまごは1日1個」といわれていましたが、「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では食事からのコレステロール摂取量が直接血中総コレステロール値に反映されるわけではない、として、1日あたりのコレステロールの摂取基準値をなくしました。

実は、コレステロールは体内でも作られています。
脂質代謝に異常がない人では、食事から摂取した分と合わせて必要な量になるように調整されているため、血液中のコレステロールの量はほぼ一定に保たれています。
そのため、食事からのコレステロールが直接血液中のコレステロールを必ずしも増やすわけではないと考えられたのです。

とはいえ、いくらでも食べていいといわれているわけではなく、コレステロールの摂取量自体は「低めに抑えることが好ましい」とされています。

また、高コレステロール血症や、それによって引き起こされる動脈硬化や心筋梗塞といった疾患は、肉類に多く含まれる飽和脂肪酸や肥満、運動不足、高血圧、喫煙などにも影響されます。
コレステロールや飽和脂肪酸の高い食品の食べすぎに気を付けるとともに、それ以外の生活習慣にも気を付けていきたいですね。

殻や黄身の色で栄養価は変わるの?

たまごの殻の色の違い

たまごはものによって殻の色や黄身の色味に違いがありますが、栄養価に違いは出るのでしょうか?

黄身の色と栄養価

赤みがかった濃い色の黄身のたまごを見ると、なんとなく「おいしそう」「栄養がたっぷり」に見えませんか?

しかし、黄身の色は栄養価とはかかわりがなく、たまごを産んだ鶏の食べていた「えさ」の色がたまごに移行しているだけなのです。

通常、鶏のエサはトウモロコシなどを与えていますが、その場合の卵の黄身の色は黄色です。
パプリカなどの赤色のえさを与えると黄身は赤みがかった色になるそうです。
トウモロコシやパプリカを少なく、色素の少ないコメなどを餌として与えたたまごの黄身は白っぽくなることが分かっています。

殻の色と栄養価

殻の白いたまごと茶色いたまご。
どちらもたまご売り場で見かけますが、なんとなく茶色い殻のたまごのほうが「よさそう」に見えることもあります。

殻の色は栄養価や餌の色素とは関係なく、たまごを産むにわとりの「品種」によって変わるものです。

白色たまごを産む鶏の数が多いため、相対的に茶色たまごの生産量が少なくなり割高であることや、名前のついたブランドたまごに茶色たまごが多いことから、茶色たまごのほうがいいというイメージがついたと考えられています。

しかし、殻の色が茶色だからと言ってかならずしもブランド卵というわけではなく、味や栄養価と殻の色とには直接の関係はありません。

組み合わせたい食材は?

たまごを使った料理

完全栄養食品ともいわれるたまごですが、ヒトに必要な栄養素を必要十分に含んでいるわけではありません。

まごにはあまり含まれない炭水化物や食物繊維、ビタミンCなどを豊富に含む食品と組み合わせるのがおすすめです。

また、たまごは優秀なたんぱく質源ですが、コレステロールをとりすぎないようにしながらたまごに少ないカルシウムやビタミン類などを効率的にとることを考えると、肉類や魚介類を取り混ぜていくのがおすすめです。

栄養豊富な食品でも、これだけ食べていればよい、というものでもないのです。

保存について

家庭での保存は冷蔵で

販売されているときは常温の場合も多い卵ですが、家庭での保管は冷蔵保存が原則です。

たまごの賞味期限も家庭では冷蔵保存される前提で設定されているため、安心のためにも冷蔵庫を活用しましょう。

また、保存するときはたまごのとがったほうを下にしたほうがより長く鮮度を保てます。
パックで売っている状態のまま、上下を変えずに冷蔵庫で保管すればOKです。

賞味期限が切れたら?

たまごの賞味期限は生ものとしては長いほうですが、それゆえに気が付いたら期限切れになっていた!ということも。

賞味期限切れのたまごは食べないほうがいいのでは…?と悩みますが、数日程度の賞味期限切れではすぐに捨てる必要はありません。

たまごの賞味期限は生で食べることを想定して決められており、しっかり加熱すれば、多少期限が切れていても大丈夫です。

気になる人は食べる前に見た目やにおいに異変がないかを確認するようにしましょう。

便利で栄養豊富なたまごを活用しよう!

コレステロールなどの不安を持たれることもあるたまごですが、安価で保存もきく優秀な食材です。
食べすぎには注意が必要ですが、上手に活用することで自炊の強い味方になってくれそうですね。

参考文献

文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」 報告書

農林水産省:「広報誌 aff 2018年9月号」

女子栄養大学:「学びの扉 卵は食べすぎても大丈夫?」

佐々木 敏:データ栄養学のすすめ.女子栄養大学出版部,2018.