健康やダイエットに!バランスの取れた食事のコツ

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バランスの取れた食事

健康のために、体型の維持のために、大事なのは「バランスの取れた食生活」であるとよく言われます。

しかし、「バランスの取れた食事」とは、具体的にはどうすれば実現できるのでしょうか?

世の中にはさまざまな食品のメリットやデメリット、機能性成分の話などがあふれていますが、今回は基礎として、毎日の食事の選び方から解説します。

なんのためにバランスの良い食事がいいの?

現在と将来の健康のため

ヒトは食事から栄養素を摂取することで体の機能を維持しています。

体の機能の維持のため、摂取基準値が設定されている栄養素の種類は30種類以上。

食材にはさまざまな栄養素が含まれていますが、食材によって含まれている栄養素の種類や量はバラバラで、必要な栄養素をとるためには複数の食材を摂取する必要があります。

必要な栄養素が不足したり、反対に過剰摂取したりすると、体に様々な悪影響があらわれます。
悪影響は不足してすぐにあらわれるものも、数十年の積み重ねであらわれるものもあります。

栄養素の不足や過剰によっておこる体への悪影響をなるべく少なくし、健康を維持するための要素のひとつが「バランスの取れた食事」です。

体が消費するものを補給する=不足しないようにする

ヒトは生きている限り、生命の維持をするためにエネルギーを必要とします。
そのエネルギー源となるのが炭水化物や脂質、たんぱく質といった成分です。

また、生命を維持する過程で、常に体の一部を作り変えていくために必要なものもあります。

たとえば、血液中の鉄分。
血液中の鉄分は、主に赤血球に含まれており、全身に酸素を運ぶ役割を持っています。
しかし、特にけがなどをしなくても、赤血球はおよそ120日で壊され、赤血球に含まれる鉄分は新しい赤血球の材料となりますが、一部は汗や尿、皮膚から失われてしまうため、食事からの補給が必要です。

このように、生命を維持していくうえで消費されるエネルギーや体の構成成分を補う必要があります。
体が必要とするものを不足することなく取り入れるために、バランスの取れた食事が重要だといえます。

過剰に摂取することによるリスクを避ける=取りすぎないようにする

食材には体が必要とする栄養素だけでなく、体に悪影響を及ぼす成分が含まれている場合もあります。
様々な食事を幅広く食べている場合には体に良くない成分であってもその摂取量が少ないため、悪影響はほとんどあらわれないことがほとんどです。
(たとえば、魚介類の一部には水俣病などの原因となった水銀が微量に含まれているものがあります。しかし、現在ではその含有量は微量で、通常の食生活では体に悪影響が表れることはほとんどありません。)

また、体に必要な栄養素であっても、取りすぎることによって体に悪影響を与える場合があります。
塩分であるナトリウムは体に必要な成分ですが、日本ではナトリウムの摂取量は過剰になっています。
塩分のとりすぎは高血圧や生活習慣病の要因になるため、近年は取りすぎないように呼びかけられています。

特定の食品ばかりに偏ることで起こる悪影響を避けるためにも、バランスの取れた食事は重要です。

日本人の栄養バランスは乱れているの?

現代の日本人の食事バランスは、塩分過多や特定の栄養素の不足傾向はあるものの、平均的にはおおむねバランスが取れているといえます。

しかし、それはあくまで平均を見た時の場合で、個人を見た時には誰の食事でもバランスが取れているというわけではありません。

ある程度のポイントをクリアすることでバランスがとりやすい

では、具体的にバランスの取れた食事とは、どんなことに気を付ければいいのでしょうか。
栄養素レベルでの摂取基準は30種類以上もあるうえ、食材からではどの程度取れたか調べることは困難です。

そこまでせずとも、毎日の食事を選ぶときに、いくつかのポイントをチェックすることである程度は栄養素を偏りなくとることができます。

1食ごと、1日ごと、1週間ごとにチェックポイントを紹介します。

1食単位でのバランス

主食・主菜・副菜がそろった食事

毎食、完璧な栄養バランスの食事をとる必要は全くありません。

ですが、1食の食事の中である程度の「パターン」をつくっておくことで、1日を通してのバランスがとりやすくなります。

主食・主菜・副菜をそろえる

主食というのはごはんやパン、麺などの料理、
主菜というのはメインのおかずとなる肉や魚を使った料理、
副菜というのはサブのおかずとなる野菜などを主に使った料理です。

主食を抜くと人間の主なエネルギー源である糖質が不足し、たんぱく質や脂質の過剰摂取につながりやすいです。
主菜を抜くと体の細胞をつくるたんぱく質が不足してしまいます。
副菜を抜くとビタミン類や食物繊維が不足してしまうことが考えられます。

主食・主菜・副菜の3種類をそろえるようにするだけでも、じゅうぶんに「バランスの取れた食事ができている」といえるでしょう。

主食・主菜・副菜の量のバランス

食事の適正量というものはその人それぞれの年齢や体格、活動量などにもよって変わります。
そのため、厳密な適正量というものは提示できませんが、体の大きさに合わせた目安を紹介します。

・主食はこぶしひとつ分
・主菜は手のひらひとつ分
・副菜は生なら両手に1杯、加熱したものなら片手に1杯分

このくらいがちょうどいい量に近いといわれています。
もちろん、スポーツをしている人と、反対にほとんど動くことがない人とでは違いが出ますので、参考程度にとどめてください。

食事内容が偏ったり、食べすぎてしまったら?

この目安に当てはまった食事をとることができない場合もありますが、大きな問題ではありません。
ご飯を食べすぎてしまった、野菜がほとんどなかったといった時には、1日単位でバランスが取れれば大丈夫です。

1日単位でのバランス

フルーツとヨーグルト

1日を通して偏りがないか

先ほど紹介した1食単位のバランスが取れなくても、1日のうちで帳尻を合わせられれば特に問題はありません。

昼食に野菜が少なかったのであれば夕食で野菜をたっぷり食べるように気を付けてみましょう。
高カロリーになりやすい揚げ物は連続で食べない、また、麺を食べた次の食事ではお米にする、といった工夫ができるとなお良いですね。

乳製品や果物をどこかで食べられるとよい

乳製品はカルシウムの摂取源として、果物はビタミンCやカリウムの摂取源として優秀な食品です。

毎食食べる必要はありませんが、可能であれば1日1回くらいを目標に食べられると理想的です。

朝食にヨーグルトを付けたり、食後のデザートは果物にしたりすると健康的でおすすめです。
カット済みのフルーツを活用するのも方法のひとつですね。

お菓子・嗜好飲料は適量を

お菓子や清涼飲料水、アルコールなどには、基本的には体に必要な栄養素といわれるものは少なく、取りすぎは肥満や生活習慣病の原因になります。

とはいえ、健康にいい面が少ないからと言って食べてはいけないというわけでもありません。
こういった食品は日々の生活の中での楽しみのひとつであるため、取りすぎない範囲で楽しむのがいいでしょう。

お菓子や嗜好飲料の適量の目安は200kcal以内とされています。
食べすぎ飲みすぎには、くれぐれも注意してくださいね。

適量の目安の具体的な例は、別の記事で詳しく解説しています。

→ダイエット中でもおやつ・間食は食べてもいい!

→太らないお酒・おつまみは?ダイエット中の選び方

1日3食食べるべき?

なぜ、1日3食がすすめられているのでしょうか。

もともとは体の小さい子供たちが必要な栄養素を十分に摂取するために、数回に分けて食事をする必要があることから推奨された食習慣であるとも考えられます。

そのため、栄養素を摂取するという観点では、1日2食であっても必要な栄養素を取り入れられることができるのであれば、大人では必ずしも1日3食を食べる必要はないとも言い換えられます。

しかし、大人でも、体内の糖質の貯蔵は数時間で使い切られるため、食事の間隔があきすぎると脳のエネルギーが不足してしまいます。
また、血液中の糖質が少ない状態が続くと強い空腹感を感じるため、人によってはドカ食いや、カロリーオーバーになりやすいといわれていたり、
朝食を抜くことで体内時計がうまくリセットされず、省エネ状態の時間が長くなり、消費エネルギーが少なくなると考えられています。

大人にとっては朝食を抜くことは栄養素の不足よりも、肥満や糖尿病になりやすくなるなど、将来の健康のリスクを高める点で避けるべきことだという見方もあります。

もともと1日3食食べていた人がダイエット目的に食事を抜くというのは逆効果になる場合もあるため、推奨できません。

1週間単位でのバランス

1日単位の食事のかたよりを修正

きのうはなんだかずっと炭水化物ばかりだった、という日もあると思います。
そういった時には、数日~1週間くらいでバランスが取れればそこまで大きな問題はありません。
あまりとれなかった主菜や野菜を補うように食べるのがいいですね。

また、1週間の中で食材のバリエーションがあるとよりよいです。
主菜でいえば、鶏肉や豚肉、牛肉、卵、魚介類などをまんべんなくとるようにするとバランスが整います。
野菜もいつも同じものではなく、いろいろなものを食べるようにするといいですね。

乳製品や果物が取れなかった日、お菓子を食べすぎた日があっても大丈夫

乳製品はともかくとして、果物を毎日食べるのは意外とハードルが高いもの。

また、少々お菓子を食べすぎた日があっても1週間でバランスが取れていれば大丈夫です。
お菓子を食べすぎた日があったら、次の日は控えめにしてくださいね。

軌道修正することが大事

大切なのは、毎食、毎日理想の食事を選ぶことではなく、食事内容を振り返って軌道修正をすることです。

ある程度は自由に、ゆるくバランスをとるのが長続きさせるコツです。

おまけ:食事・睡眠・運動のバランス

食事だけではなく、実は運動や睡眠も健康を維持するためには大切な要素です。
簡単に、健康のためのポイントをお伝えします。

運動

適度な運動をすることによって、消費カロリーを増やし、肥満や生活習慣病の予防につながります。
また、運動によって筋肉量や骨密度が維持されるので、将来の筋力低下や骨粗しょう症を予防することにもつながります。

目安としては、通勤や通学、日常生活での歩行かそれ以上の活動を1日60分行えると理想的です。
軽く息が上がる程度の運動については1週間の合計で60分程度できるとさらに健康的です。

いきなり運動習慣をつくるのが難しい、というひとは、1日あたり10分程度の歩く時間を増やすところからはじめるとよさそうです。

睡眠(休養)

健康維持のためには、十分な睡眠や休養も必要です。
睡眠不足の状態が続くと、日中の集中力の低下だけではなく、生活習慣病を悪化させることもあります。

バランスがとれているか確認するには

ダイエット・体重計

1日に摂取したいカロリーや栄養素の量についての基準はあるものの、

・実際に食べている食事がどのくらい栄養素が含まれているか
・体の必要な量に対して少ないのか多いのか

ということを正確に確認することはほとんど不可能です。

どれだけ栄養素をとった、という点よりも、自分の体に不具合がないかというところを確認する程度で問題ないと思います。

体重の増減

消費エネルギーに対しての摂取エネルギーの過不足をある程度判断することができます。
数日間での数値の変化はほとんど誤差なので、数週間以上の長い期間で体重の増減を観察するのがいいでしょう。

健康診断の結果

勤務先などで受ける健康診断の結果によって、食事などの生活上の問題が見つかることもあります。
栄養相談、栄養指導を受ける機会があった時には、ぜひ活用してくださいね。

バランスの取れた食事を続けるための工夫

手作りにこだわらなくてもOK

健康的な食事、というと家庭での手料理にこだわるイメージもありますが、手作りや自炊にこだわる必要はありません。
忙しい毎日の中で手作りにこだわってしまうと、負担が増えてしまううえ、長続きしない場合もあります。

お惣菜や冷凍野菜を活用

上で紹介した食事のバランスを整えるという意味では、お惣菜や調理済み食品、カット野菜や冷凍野菜は強い味方になります。
これらを上手に活用することでいろいろな種類の食材を取り入れられたり、手軽に野菜の摂取量を増やしたりできます。

→1人暮らしの味方!カット野菜で手軽に栄養価アップ&ヘルシーに

→冷凍野菜で手軽に栄養バランスをととのえよう!

外食は量と頻度を

外食も悪いというわけではありません。
最近は健康志向のメニューを提供するお店も増えてきているため、かえって自炊よりも健康的な場合もあります。
ただし、満足感のために量が多くカロリーが高めであったり、脂質や塩分が過剰気味な場合も多いため、前後で調整したり、外食があまり続かないようにするといいですね。

→ダイエット中の外食で太らないようにするコツ

一歩進んだ工夫

ここからは、応用編です。
ふだんの食事で何となくバランスが取れるようになったら、健康のための工夫を取り入れてみましょう。

減塩

塩分のとりすぎが続くと、高血圧や胃がんなどのリスクを高めることが知られています。
日本人は塩分をとりすぎる傾向にあり、高血圧の予防のためにも、若いうちから減塩を心がけられると理想的です。

和食はエネルギー(カロリー)が低く健康的であるといわれますが、実はその反面、塩分の摂取量が多くなりやすいといった弱点もあります。
和食だけにこだわらず、いろいろな国の食事を取り入れるのもバランスの取れた食事につながります。
和食でも、カツオや昆布のだしや、お酢などの酸味、カレーなどの香辛料、シソや三つ葉などの香味野菜を使った料理は薄味でもおいしく食べやすいものになります。

乳製品を和食に取り入れることで減塩になる「乳和食」というものも注目されています。

食物繊維

ほとんどエネルギー(カロリー)がなく、食事のカサを増やしてくれる食物繊維。
肥満予防、便秘予防、生活習慣病の予防の観点からも、食物繊維は積極的にとりたい成分です。

野菜だけではなく、キノコや海藻、精製していない全粒穀物からもとることができます。

鉄分

毎日1mgが失われる鉄分ですが、月経のある女性ではさらに損失が大きく、不足しやすい栄養素です。
さらに、食品からの吸収率がとても低いのが特徴で、食べた量の15%程度しか吸収されません。

日本人の鉄分摂取量は不足気味なので、月経のある女性では特に気を付けたい栄養素です。

鉄分は野菜にも含まれていますが、吸収率からみると動物性食品がおすすめです。
赤身の牛肉は鉄分が豊富なので、定期的に食べるようにするといいですね。

カルシウム

カルシウムも不足が気になる栄養素です。
不足状態が続くと、骨粗しょう症や高血圧、動脈硬化につながる可能性もあります。
特に女性では、閉経後にホルモンバランスの変化によって骨粗しょう症になりやすいことが分かっており、若いころからの骨量の維持が重要です。

牛乳などの乳製品に含まれるカルシウムは吸収率もいいため、定期的にとる習慣ができると理想的です。

まとめ:できることから

一度にすべてのポイントをクリアすることは難しいと思います。
まずは手軽なところから、次の食事で主食・主菜・副菜をそろえるところから始めてみてくださいね。

参考文献

厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2015年版)」

厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」 報告書

厚生労働省:平成29年「国民健康・栄養調査」の結果

厚生労働省:「食育の推進」

厚生労働省:「日本人の長寿を支える「健康な食事」について」

社団法人日本栄養士会 監修:「「食事バランスガイド」を活用した栄養教育・食育実践マニュアル」.第一出版,2011

吉田勉 監修:「わかりやすい食品機能栄養学」.三共出版,2010.

全国健康保険協会 岡山支部:「1日の目安って?手ばかりをマスターしよう!チラシ」

厚生労働省e-ヘルスネット:「健康づくりのための身体活動基準2013」

厚生労働省e-ヘルスネット:「健やかな眠りの意義」