2019.07.08

意外にもビタミン豊富!豚肉の栄養と簡単レシピを紹介

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生の豚肉

豚肉はお肉の中でも比較的手に取りやすい価格で、どんな味付けにも合うためとても使いやすい、便利な食材です。

とても身近な豚肉ですが、たんぱく質だけではなく、実はビタミンB1も豊富な栄養的にも優れた食材。

豚肉のエネルギー(カロリー)や栄養素、部位別のおすすめポイント、フライパンひとつ・電子レンジだけでできる簡単レシピを紹介します。

豚肉はビタミンもとれるたんぱく質食品!

肉類は「質のいいたんぱく質」の摂取源

豚肉に限らないことですが、鶏肉、豚肉、牛肉といった肉類全般は、質のいいたんぱく質を摂取するのに最適の食品です。

人が体内で作ることができない「必須アミノ酸」をどれだけバランスよく含んでいるかを示す「アミノ酸スコア」という指標があります。
豚肉をはじめとした肉類・魚類・卵・牛乳などのアミノ酸スコアは100で、タンパク質の摂取源としては理想的な食品です。

そのほか、肉類全般はナイアシンやビタミンB、ビタミンB12などを豊富に含んでいます。

鶏肉や牛肉と比べると…

肉類は理想的なたんぱく質源ですが、鶏肉や豚肉、牛肉での違いはないのでしょうか?
栄養成分表を基に比較してみましょう。

鶏肉
(皮付きもも)
豚肉
(肩ロース)
牛肉
(肩ロース・輸入)
エネルギー 204kcal 253kcal 240kcal
たんぱく質 16.6g 17.1g 17.9g
脂質 14.2g 19.2g 17.4g
炭水化物 0g 0.1g 0.1g
ビタミンB1 0.10mg 0.63g 0.07mg
ビタミンA 40㎍RAE 6㎍RAE 10㎍RAE
ビタミンK 29㎍ 2㎍ 5㎍
鉄分 0.6mg 0.6mg 1.2mg
*100gあたり

※横スクロールで表全体の確認が可能です。

豚肉は肉類の中でもビタミンB1が豊富

鶏肉や牛肉と比較すると、豚肉はビタミンB1が豊富に含まれているのが特徴です。
ビタミンBは炭水化物をエネルギーとして利用するのに必要なビタミンで、ビタミンB1が足りないと糖質を摂取してもうまくエネルギーになりません。

糖質を多く含むごはんやパン、麺類などの主食と、豚肉を使ったおかずの組み合わせは栄養素から見ても効率的な組み合わせといえそうです。

ビタミンA、ビタミンK、鉄分は少ない

ビタミンAやビタミンKについては鶏肉が、鉄分に関しては牛肉に比較的多く含まれており、これらの点では鶏肉や牛肉にも優れた面があります。
豚肉は栄養価の高い食品ですが、鶏肉や牛肉もまんべんなく取り入れるのが望ましいですね。

豚肉の部位別栄養データ

お肉は部位によって肉質や味も変わります。
栄養素についても、部位によって違いがあります。

豚肉の部位

部位別・栄養素比較表

スーパーなどで身近に手に取ることができる部位を中心に、比較してみましょう。

豚ヒレ肉 豚もも肉 豚肩ロース肉 豚ロース肉 豚バラ肉 レバー
エネルギー 130kcal 183kcal 253kcal 263kcal 395kcal 128kcal
たんぱく質 22.2g 20.5g 17.1g 19.3g 14.4g 20.4g
脂質 3.7g 10.2g 19.2g 19.2g 35.4g 3.4g
炭水化物 0.3g 0.2g 0.1g 0.2g 0.1g 2.5g
ビタミンB1 1.32mg 0.90mg 0.63mg 0.69mg 0.51mg 0.34mg
ビタミンA 3㎍RAE 4㎍RAE 6㎍RAE 6㎍RAE 11㎍RAE 13000㎍RAE
鉄分 0.9mg 0.7mg 0.6mg 0.3mg 0.6mg 13.0mg
*100gあたり

※横スクロールで表全体の確認が可能です。

バランスの取れた「ロース」「肩ロース」

ロース肉や肩ロース肉は、中間的な肉質といえそうです。
栄養素も価格も平均的で、突出した特徴はないものの、ビタミンB1はしっかりと含まれていて、使いやすい点も魅力ですね。

豚肉の中で最も低エネルギーなのは「ヒレ肉」次いで「モモ肉」

ダイエットや肥満防止の観点からみれば、ヒレ肉は脂質が少なく重さあたりのカロリーの低い、理想的なお肉です。
ビタミンB1が豊富な豚肉の中でも特に多く、ヒレ肉90gで1日に必要なビタミンB1を確保できます。
やわらかい肉質で食べやすい魅力的な部位ですが、比較的価格が高いこと、塊肉で売られていることが多いため、量が多い点や調理が面倒な点が弱点です。
使いやすさの面でいえば、もも肉はヒレ肉に次いで脂質が少なくエネルギー(カロリー)を抑えられます。薄切りを選べば使いやすく、どんな料理にも使えます。

やわらかいけれどエネルギーも桁違いの「バラ肉」

角煮などに使われるバラ肉はやわらかくておいしい部位ですが、1/3を脂質が占め、エネルギー(カロリー)もかなり高めです。
焼き肉などの場合は薄く切ってしっかり焼く、また角煮などの場合は下茹でをして油を抜いてから煮込むことである程度の脂肪は落とすことができますが、そのような工夫をしても高エネルギーな食材という点については変わりなさそうです。
食べてはいけないわけではありませんので、一度に食べる量や、一緒に食べる食事、前後の食事でカロリー調整できるとよさそうです。

ビタミン・ミネラルの宝庫「レバー」

内臓(肝臓)なのでお肉とは区別して考える必要はあるものの、圧倒的な栄養価を誇るのがレバーです。
ビタミンB1は少ないものの、女性が不足しがちな鉄分や、各種ビタミンについて桁違いの量を含んでいます。
(100gあたり鉄(124%)・レチノール(2000%)・ビタミンB2(300%)・ナイアシン(172%)・ビタミンB12(1050%)・葉酸(338%)・パントテン酸(180%)・ビオチン(159%))

かつ、脂質が少ないためにエネルギー(カロリー)はヒレよりも低い点もポイントのひとつです。

デメリットとしては味が万人受けしにくい点、取りすぎが過剰症につながるビタミンAが多すぎるという点があげられます。

レバーは貧血にいいといわれますが、大量に食べることや高頻度で食べることは避けたほうが安心です。

こま切れ肉は?

名のついた部位と合わせて、お肉売り場で見かけることの多い「こま切れ肉」。

こま切れ肉はお手頃なお値段がうれしいですが、どこの部位を使うといった決まりはなく、お店によってもさまざまなようです。

そのため、エネルギー(カロリー)や栄養素は売っているものによってかなり幅があると考えられます。
こま切れ肉を買うときはお好みに合わせて、もも肉に近いのか、バラ肉に近いのか選ぶのがいいと考えます。

どのくらい食べるべき?

栄養素の摂取量の基準はあるものの、食材ごとの摂取の目安というものはありません。
平成29年の国民健康・栄養調査では、平均すると1日あたり40g程度を食べているようです。
毎日同じ食材を食べるわけではないので、1週間ごとに考えると豚肉は1週間で280g程度。

1回のメインおかずに使われる豚肉の量は100g前後なので、1週間に3回弱でしょうか。

1週間に1回くらいしか食べない、という人はもう少し食べる頻度を上げてもいいかもしれません。

とはいえ、豚肉ばかりでは不足する栄養素ももちろんあります。
たんぱく質源としては豚肉だけではなく、鶏肉や牛肉、魚や乳製品なども取り入れてみてくださいね。

何と組み合わせるといい?

豚肉と野菜の組み合わせ

豚肉の栄養素を補う組み合わせ

豚肉はたんぱく質やビタミンBが豊富ですが、炭水化物や食物繊維、ビタミンCなどは少なめです。
豚肉ばかり食べていては摂取する栄養素が偏ってしまうため、それを補う食品と一緒に食べるのがおすすめです。

・炭水化物が豊富な食品…ごはんやパンなど(食物繊維も比較的豊富です)
・食物繊維が豊富な食品…野菜類、海藻類、キノコ類など
・ビタミンCが豊富な食品…野菜類、果物類

ごはんやパンなどの主食に豚肉のおかず、野菜のおかずなどを組み合わせた「定食メニュー」は、不得意分野を補い合うバランスの取れた食事にしやすいです。

豚肉とにんにくはスタミナメニュー?

豚肉とにんにく・ニラの組み合わせは、「スタミナメニュー」としてよく売り出されています。
確かに、しっかり味の炒め物になっていて、ご飯の上に乗っていることも多いこの組み合わせは、元気の出る味ですね。
でも、豚肉とニラ・にんにく・ごはんの組み合わせは、味だけでなく栄養学的にも「スタミナメニュー」といえるのです。

豚肉に豊富なビタミンB1は、炭水化物をエネルギーにするはたらきを助けています。
つまり、炭水化物を豊富に含むごはんと一緒に食べることで効果を発揮します。
また、にんにくやニラに含まれている「アリシン」という成分にはビタミンB1と結合し、体内に吸収しやすくしてくれるはたらきがあります。

豚肉のビタミンB1を助けるにんにく・ニラのアリシンと、エネルギー源となる炭水化物をとることで、体はエネルギーを使いやすい状態になります。

元気を出したいときに豚肉・にんにく・ニラが入ったスタミナメニューを食べるのは、正解だったといえますね!

コラーゲン合成ならビタミンCをプラス

ダイエット中にはお肉を敬遠しがちですが、健康と美容のためにはたんぱく質源となるお肉も必須です。

美容という点でいえば、お肌のコラーゲンのもととなるアミノ酸(たんぱく質)を肉類から、コラーゲンの合成にかかわるビタミンCを野菜や果物からとれると理想的です。
ニキビなどができやすい人は、脂肪分の少ない部位を選ぶといいでしょう。
ダイエット中であっても、美容のために「バランスの取れた食事」は心がけたいポイントです。

おすすめ豚肉レシピ

スタミナ豚ニラ炒め

 

豚ニラ炒め

【材料】2人分

豚肩ロース肉(薄切り) 200g
もやし 1袋(200g)
ニラ 1/2束(50g)
にんにく  ひとかけ(5g)
チューブでも可
鷹の爪  ひとつまみ(1g)
ラー油少々でも可
ごま油 大さじ1(12g)
ひとつまみ(0.5g)
こしょう 2~3ふり
醤油 大さじ2(30g)
砂糖 小さじ2(8g)
大さじ1(15g)
みりん 小さじ2(10g)
片栗粉 小さじ1(5g)

※横スクロールで表全体の確認が可能です。

【作り方】
1. にんにくはすりおろしかみじん切りにする。にらは5㎝幅に切る。調味料は混ぜておく。
2. フライパンにごま油、にんにく、鷹の爪を入れて熱し、香りが出たら豚肉を加えて炒める。
3. 豚肉の色が変わったらもやしとニラを加え、塩コショウを振る。
4. 全体がなじんだら調味料を加え、煮立ってとろみがついたらできあがり。

【栄養価】
1人分387kcal たんぱく質20.6g ビタミンB1 0.70mg

糖質をエネルギーに変えるビタミンB1が豊富な豚肉、
ビタミンB1の吸収をよくするアリシンを含むにんにくとニラを合わせたスタミナ炒めです。
ごはんに乗せるのもおすすめです。

豚肉と豆苗のレンジ蒸ししゃぶ

 

レンジで蒸ししゃぶ

【材料】2人分

豚もも肉 200g
豆苗 1パック(85g)
白菜 2枚(150g)
大さじ2(30g)
顆粒中華だし 小さじ2(5g)
ポン酢 大さじ2(30g)

※横スクロールで表全体の確認が可能です。

【作り方】
1. 豆苗は根元を切り、半分の長さに切る。白菜は5㎝幅に切る。
2. 耐熱の皿に白菜を敷き詰め、豆苗、豚肉も重ねて敷き詰める。
3. 中華だし、酒を振りかけてラップをし、電子レンジ600Wで6分加熱する。
4. 豚肉に火が通ったらポン酢をかける。

【栄養価】
1人分234kcal たんぱく質23.6g ビタミンC 34mg

お肌のコラーゲンのもとになるたんぱく質を豚肉から、コラーゲン合成を助けるビタミンCを豆苗からとれるメニューです。
電子レンジで蒸すことでダイエット中にもうれしい低エネルギー(カロリー)メニューです。

いろいろな食材を取り入れましょう

たんぱく質とビタミンB1が豊富な豚肉を紹介しました。
様々な食品と組み合わせることで、体のはたらきを正常に保ってくれます。

ぜひ、いろいろな食事と組み合わせて食べてくださいね。

参考文献

厚生労働省e-ヘルスネット:「良質たんぱく質」

文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2015年版)」

厚生労働省:平成29年「国民健康・栄養調査」の結果

吉田勉 監修:「わかりやすい食品機能栄養学」.三共出版,2010.