2019.08.05

低カロリーが魅力!鶏肉やささみの栄養とは?

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鶏肉の栄養素

「鶏肉」といえば、お肉の中でもお手頃価格で手に取りやすいイメージが強いもの。
最近では低カロリーなことからダイエット中の人にも好まれる食材です。
今回は鶏肉の栄養素について紹介します。

鶏肉のカロリー・栄養素

良質のたんぱく源となる食品

鶏肉をはじめとした肉類はタンパク質を豊富に含む食品です。

たんぱく質は全身の細胞の材料となる重要な栄養素のひとつで、体内で作り出すことのできない「必須アミノ酸」は、毎日の食事から十分にとる必要があります。

たんぱく質は米や小麦などの穀類にもある程度は含まれているものの、ヒトの体内での利用効率があまりよくありません。
鶏肉を含む肉類は、食品に含まれるたんぱく質の「質」を表すアミノ酸スコアの値も最も高い「100」となっています。

たんぱく質を効率的に摂取するためには、鶏肉を含む肉類は最適の食材といえますね。

豚肉、牛肉との栄養素データ比較

日本でよく食べられる肉類として代表的なのは、鶏肉、豚肉、牛肉ではないでしょうか。
肉類の中で鶏肉がどのような特徴があるか見ていきましょう。

鶏肉(皮付きもも) 豚肉(肩ロース) 牛肉(肩ロース・乳用肥育牛)
エネルギー 204kcal 253kcal 318kcal
たんぱく質 16.6g 17.1g 16.2g
脂質 14.2g 19.2g 26.4g
炭水化物 0g 0.1g 0.2g
ビタミンA 40㎍RAE 6㎍RAE 7㎍RAE
ビタミンK 29㎍ 2㎍ 8㎍
ビタミンB1 0.10mg 0.63mg 0.06mg
ビタミンB6 0.25mg 0.28mg 0.21mg
ビタミンB12 0.3㎍ 0.5㎍ 1.7㎍
ナイアシン 8.4mg 7.0mg 6.7mg
鉄分 0.6mg 0.6mg 0.9mg
亜鉛 1.6mg 2.7mg 4.7mg
*100gあたり

※横スクロールで表全体の確認が可能です。

たんぱく質量は同じくらい

たんぱく質が豊富なイメージの鶏肉ですが、100gに含まれるたんぱく質そのものの量は豚肉や牛肉と大きな差はありません。
どのお肉もたんぱく質源として優秀な食品です。

低脂質で低カロリー

1gあたり4kcalの炭水化物やたんぱく質とくらべると、脂質は1gあたり9kcalと高カロリーな成分です。
鶏肉は肉類の中でも比較的水分が多く、脂質が少なく、低カロリーなお肉といえるでしょう。

ダイエット中の人にも好まれるのはこういった理由が大きそうですね。

脂溶性ビタミンが比較的豊富

豚肉や牛肉と比べると、ビタミンAやビタミンKといった「脂溶性ビタミン」が比較的豊富に含まれています。
ビタミンAは皮膚や粘膜、眼の細胞を正常な状態に保つために必要なビタミンです。
ビタミンKはけがをしたときなどに血液を固めて出血を止めるために必要なビタミンです。

多いとは言っても、どちらも鶏肉で1日分をまかなえるほどの含有量ではありません。
ただし、1日通常の食事で不足することも考えにくい栄養素です。
こんな働きもあるのだな、程度にとどめていただければと思います。

水溶性ビタミンやミネラルは豚と牛に劣る

栄養素をエネルギーや体の一部に利用するのに必要な水溶性ビタミン(ビタミンB1やB6)は豚肉、血液の構成成分となる鉄分などのミネラルに関しては牛肉のほうがよりよい摂取源となります。

どのお肉にもそれぞれ特徴があり、どれかひとつが人間にとって最適の食材、ということはありません。
いろいろな食材を取り入れるのがおすすめです。

鶏肉の部位別の栄養素

鶏肉の部位

鶏肉の部位

豚肉や牛肉との比較ではもも肉を取り上げましたが、鶏肉はいくつかの部位に分けることができ、それぞれの栄養価も違いがあります。

骨がとられていることが多く使いやすいのはもも肉、むね肉、ささみ肉の3種類が代表的です。
この3種で比較してみましょう。

鶏肉(皮付きもも) 鶏肉(皮付きむね) 鶏肉(ささみ)
エネルギー 204kcal 145kcal 109kcal
たんぱく質 16.6g 21.3g 23.9g
脂質 14.2g 5.9g 0.8g
炭水化物 0g 0.1g 0.1g
ビタミンA 40㎍RAE 18㎍RAE 5㎍RAE
ビタミンK 29㎍ 23㎍ 12㎍
ビタミンB6 0.25mg 0.57mg 0.62mg
ナイアシン 8.4mg 15.4mg 16.9mg
*100gあたり

※横スクロールで表全体の確認が可能です。

もも肉は脂質多め

鶏肉の脂質の大部分は皮とその周辺に多く、皮下脂肪が比較的多いもも肉は鶏肉の中では高カロリーな部位になります。
脂質が多い分、脂溶性ビタミンも多めに含まれているのが特徴です。
うまみも強くしっとりしているので、よく食べられている部位ですね。

むね肉は低価格・低脂質

鶏肉の中でも低価格で買うことができる胸肉はもも肉に比べて脂質が少なく、その分タンパク質が豊富な部位です。
皮を外せばさらに脂質をカットできるので、ダイエット中の人やボディメイクをしている人に人気の部位です。

ささみは脂質をほとんど含まない

皮がついていないため、脂質がかなり少ないのが特徴です。
構成成分はほとんどたんぱく質と水分で、低カロリー・高たんぱくな究極の食材かもしれません。
鶏肉の中でも比較的水溶性ビタミンが多いのも特徴です。
胸肉よりも割高になること、すじ取りなどの手間があることから、最近は胸肉のほうが人気かもしれませんね。

鶏肉の機能性成分?イミダゾールジペプチド

機能性成分が注目されている

鶏肉に含まれる「イミダゾールジペプチド」と呼ばれる成分が近年注目されています。
これはたんぱく質に含まれる成分で、2つのアミノ酸がつながった「ペプチド」です。
渡り鳥の羽の付け根など、酷使される部位に多く含まれるとされ、疲労回復や運動機能の向上に効果があるのではないか?と期待されています。

鶏肉やサプリの効果については研究途上

しかし、国立健康・栄養研究所の情報では疲労回復や運動パフォーマンス向上効果については研究数が少なく、十分なデータがないといわれています。
鶏の胸肉にイミダゾールジペプチドという成分が含まれているのは事実のようですが、私たちの体にどのくらい効果があるのかということはまだはっきりとはわかっていない段階といえそうです。

そのため、現段階では鶏肉(胸肉)を食べたからと言って疲れにくい体になるということは言い切れません。

イミダゾールジペプチドを活用したサプリメントなども販売されていますが、現時点では積極的に取り入れるべきものとは考えにくいでしょう。

効果は「あるかもしれないし、ないかもしれない」

もちろん、疲労の低減に対して効果があったとする報告もあります。
しかし、実施者に食肉メーカーなどの成分に対して利害関係がある立場の人が含まれているなど、実験データの信頼度がやや低いものであったりするため、「信頼性の高い情報」といえないのが残念ですね。

今後成分への注目が今以上に高まっていけば、より研究が深まり、私たちの生活に役立つ食品ができるかもしれません。
現状としては、「効果があるかどうかは、わからない」というのが正解のようです。

食べる量はどのくらい?ダイエットへの効果は?

ダイエットと鶏肉の関係

鶏肉としての目安はない

たんぱく質やビタミンなど、栄養素レベルでの「1日あたり摂取したい量」というものは定められているものの、鶏肉などの食材単位での摂取基準というものはありません。
たんぱく質を豊富に含む食品のひとつとして、選ぶときのひとつの選択肢になるといいでしょう。

食べすぎには注意!

鶏肉などの食材そのものに対しての摂取基準値のようなものはありませんが、いくらでも食べていいというわけではありません。

近年ではダイエットやボディメイクを目的として鶏肉をはじめとしたたんぱく質源となる食材ばかりを食べる場合も見受けられます。

一見すると脂質や糖質が少なくてヘルシーという印象を受けることもありますが、たんぱく質も取りすぎると健康へのリスクが高まります。

バランスの取れた食事では、たんぱく質は摂取エネルギー(カロリー)全体の12~20%を占めますが、20%を超えた食事を続けていくと肥満や生活習慣病のリスクが高くなることが知られています。

ダイエットなどを目的とした糖質や脂質の過剰なカット、または鶏肉やプロテインを多量に取り入れることによるたんぱく質の過剰摂取は体にも負担になってしまうのです。

たとえば、1日におよそ2000kcalを摂取する人(身体活動レベルがふつうの20代女性の例)では、
およそたんぱく質100g、鶏むね肉でいえば2枚分を毎日食べるような食事では健康へのリスクが増えてしまいます。

サラダチキンなどを使ったダイエットなども注目されていますが、将来の健康のためにも偏った食事になることは避けましょう。

ダイエット食材?

ダイエットに最適な食材と考えられていることも多い鶏肉ですが、一番の特徴は
・脂質が少ない
・肉の中ではエネルギー(カロリー)が低い
ということであって、特別にやせる成分が含まれている食材というわけではありません。

消費エネルギーに比べて食べすぎてしまえばもちろん肥満につながりますし、栄養素も偏ってしまいます。

鶏肉の特徴を生かしつつ、健康的なダイエットを心がけたいですね。

組み合わせたい食材は?

炭水化物、ビタミン、ミネラル、食物繊維を補うとよい

鶏肉はたんぱく質を豊富に含む食品ですが、炭水化物や食物繊維、各種ビタミンやミネラルはあまり含まれていません。

そのため、単体で食べるよりも様々な食品と組み合わせることで食事全体のバランスがとりやすくなります。
具体的には、

炭水化物を豊富に含む食品…米やパン、麺類などの穀類
食物繊維、ビタミンCなどを含む食品…野菜類や果物類
ミネラル、ビタミンが豊富な食品…牛肉や豚肉、牛乳、卵など

結局のところ、何かひとつの食品に偏ることなく、まんべんなく取り入れるようにするのがバランスのいい食事といえそうです。

たんぱく質を十分に利用するためには

鶏肉のたんぱく質が豊富な点を活かす、という観点では、体内でたんぱく質を利用するときに必要な様々なビタミンを付け加えるという考え方もできますね。

にんにくやマグロ、豚の赤身に含まれるビタミンB6
ナッツ類や卵などに含まれるビオチン
マグロやカツオ、鶏むね肉などに含まれるナイアシン
パプリカやブロッコリー、かんきつ類に豊富なビタミンC

などの栄養素はたんぱく質と一緒にはたらく栄養素なので、適量をとるようにしたいですね。

通常の生活では不足して悪影響が表れるといったことは考えにくいですが、食事内容が偏らないようにいろいろな食材を取り入れる癖をつけるといいでしょう。

鶏肉活用!簡単レシピ

ささみのレンチン中華和え

レンチンささみ塩昆布和え

【材料】2人分

鶏ささみ 2本(100g)
大さじ1(15g)
砂糖 小さじ1/2(2g)
少々(1g)
きゃべつ 2枚ほど(100g)
塩昆布 大さじ1(5~7g)
ごま油 小さじ1(4g)

【作り方】
1. 耐熱の皿にささみを乗せ、砂糖、塩、酒をもみ込んで5分ほどおく。
2. きゃべつを洗って一口大に切り、別の耐熱皿に入れる。
3. ささみの皿にふんわりラップをかけ、600Wの電子レンジで2分~2分半ほど加熱する。
4. きゃべつの皿にもふんわりラップをかけ、600Wの電子レンジで1分半ほど加熱する。
5. ささみを食べやすい大きさにほぐす。スジが残っていたら取り除く。
6. きゃべつ、ささみ、塩昆布、ごま油を加えて混ぜ、全体がなじんだらできあがり。

【栄養価】
1人分 100kcal たんぱく質13.1g 脂質2.5g

鶏肉の中でも低カロリーなささみをお手軽なおかずにしました。
レンジ調理で簡単に作れます。
きゃべつだけでなく、豆苗やパプリカなどでも作れます。
お好みの野菜で作ってみてくださいね。

※横スクロールで表全体の確認が可能です。

参考文献

吉田勉 監修:「わかりやすい食品機能栄養学」.三共出版,2010.

文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2015年版)」

厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」 報告書

厚生労働省e-ヘルスネット:「良質たんぱく質」

国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所:「健康食品」の安全性・有効性情報(イミダゾールジペプチドについて)

柳内 延也.イミダゾールジペプチド 日本食品科学工学会誌,61巻 1号(2014)

西村敏英,江草 愛.平成26年度国産チキンの優位性を示すための訴求ポイントの科学的検証報告書 (一般社団法人日本食鳥協会)

鈴木 康弘,佐藤 三佳子,森松 文毅,高松 薫.鶏 胸肉エキスの長期摂取が骨格筋カルノシン濃度および短時間高強度運動パフォーマンスに及ぼす影響 日本体育学会大会号第53回(2002)