トクホの効果はどこまで?機能性の読みかた|管理栄養士執筆

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ランニングをする女性

特定保健用食品、いわゆる「トクホ」は国に認められた健康機能のある食品です。
国のお墨付きがあるので信頼性が高いのが魅力ですが、効果を得るにはチェックしたいポイントもいくつか存在します。
いま、使ってみたいトクホは自分に合っているのかチェックする方法を紹介します。

トクホを取得するにはハードルが!そのため信頼性は高い

トクホマーク

消費者庁:「健康や栄養に関する表示の制度について 特定保健用食品のマークはこちら」より引用

トクホは消費者庁の審査をクリアする必要があり、科学的根拠は高いレベルが要求される

トクホは「特定の健康効果がある食品で、有効性や安全性について国の審査をクリアし、健康効果の表示が認められたもの」

トクホとして売り出すためには、「有効性・安全性についての科学的根拠」を提出したうえで、消費者庁に認められる必要があります。

補足:
通常のトクホに比べると実験方法や結果の信頼度が低いなどの理由で「条件付きトクホ」といわれるものも存在します。
「根拠は必ずしも確立されていませんが、…に適している可能性がある食品です。」
といった文章が表記されているものがこれに当たります。

トクホの有効性と安全性は「ランダム化比較試験」という、医薬品などの効果を検証するのと同等の方法で実際の製品を使って行われています。

ランダム化比較試験とは:
対象者をランダムにグループ分けし、一方(試験群)には有効性を知りたい食品、もう一方(プラセボ群)には関与成分が含まれない食品(プラセボ)を摂取してもらい、効果の違いを比較する方法。
ランダムにグループ分けを行うことで「数値が改善しそうな人を試験群に」といった偏りを避け、
また、プラセボを使うことで対象者の思い込みによる数値の改善(プラセボ効果)を差し引いた結果が得られる方法です。

特定の食品や医薬品の有効性を調べる場合、このランダム化比較試験の信頼度はかなり高いものに分類されます。

信頼性 機能性を示す根拠となる情報源
高い






低い
システマティックレビュー(複数のRCT)
ランダム化比較試験(RCT)←トクホ許可に必要
非ランダム化比較試験
観察研究(比較群有・コホート研究)
観察研究(比較群有・症例対象研究、横断研究)
観察研究(比較群なし・症例報告など)
細胞実験・動物実験
個人の経験談、権威者(専門家など)の意見←いわゆる健康食品などの広告に使われる

※横スクロールで表全体の確認が可能です。

科学的根拠という点でいわゆる健康食品とは大きく違う

いっぽう、トクホなどではない「いわゆる健康食品」はトクホのような科学的根拠を審査されているものではありません。

個人の感想や専門家の推奨コメントなどが広告に使われ、健康効果をにおわせるものが多数存在しますが、科学的根拠には乏しく、効果を期待するのは難しいと考えましょう。

このような「いわゆる健康食品」と比べると、有効性が科学的に認められているのがトクホといえそうです。

トクホ製品の機能性の読み取り方

「だれが」「何をどうすれば」「何と比べて」「どうなったか」がポイント

トクホ製品の「ききめ」を読み取るために、いくつかのポイントが存在します。
実際に届け出された例とともに、紹介します。

■誰が(例:BMI24-30の健康な男性および閉経後の健康な女性が)
■何を(例:588㎎の茶カテキンを含む340mlの飲料(=トクホ製品)を)
どうすれば(例:1日1本、12週間摂取したら)
■何と比べて(例:126㎎の茶カテキンを含む飲料(≒通常の緑茶)を飲んだ場合と比べて)
■どうなったか(例:平均で腹部内臓脂肪面積-9.0㎠、腹部全脂肪面積-24.5㎠、BMI-0.5、体重-1.3㎏)

トクホの広告ではトクホを飲んでどうなったか、という点が強調されていることが多く、「誰が」「どうすれば」という点はスルーされがちですが、実は大事なポイントです。

今回の例では、対象者から外れる人(BMI24未満の男性、閉経前の女性など)や摂取条件(1日1本を12週間毎日)を満たせなかった場合、効果が得られるかどうかはわからない、ということになってしまいます。

トクホを利用する際は、この条件に自分がどのくらい当てはまっているか、クリアできるかということも気を付けたいポイントです。

残念ながら、トクホは魔法の薬ではない

また、結果についても、トクホは全般的に薬のような効果は得られないものがほとんどです。

もちろん、科学的根拠のない「トクホですらない健康食品・ダイエット食品」に比べれば、はるかに効果を信頼できるものです。
しかし、例に挙げたトクホ飲料の「3か月で平均1.3㎏の体重減少」という結果からみても、簡単にみるみる効果があらわれるとは言えないのではないでしょうか。

まとめ:前提条件や効果について納得してから使うのが大事

トクホは国のお墨付きを得た食品ではありますが、条件が違えば期待通りの結果が得られないことも大いに考えられます。

期待外れな結果にがっかりしないためにも、前提となる条件や、現時点で認められている効果に納得したうえで活用することをおすすめします。

トクホのお茶製品3種のダイエット効果を比較した記事はこちら

→トクホのお茶でどのくらいやせる?効果を比較

参考文献

消費者庁:「健康や栄養に関する表示の制度について」

国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所:「健康食品」の安全性・有効性情報(特定保健用食品について)

花王株式会社:「茶カテキンの効果に関するご質問」

平井 しおり管理栄養士
平井 しおり管理栄養士

2013年に管理栄養士資格取得後、保育施設に勤務、栄養相談などに従事。

現在は「イマカラ」にて、栄養とダイエットに関する科学的根拠に基づいた情報を発信しています。