豆乳にダイエット効果はある?大豆ペプチドやイソフラボンの効果は?

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豆乳ダイエット

女性にうれしい栄養成分が含まれていることで、ダイエットにも使われることが多くなってきた豆乳。

置き換えて摂取エネルギーを低くする以外にも、大豆ペプチドやイソフラボンなどの機能性成分によってやせられるといううわさもありますが、ほんとうでしょうか?
世の中の豆乳ダイエット方法の効果をひとつずつ解説していきます。

豆乳ダイエットって?

インターネットで「豆乳ダイエット」と検索すると、実に様々なダイエット方法が出てきます。
まずは、どんな方法が示されているのか見ていきましょう。

・食事前に豆乳を飲むだけダイエット
・食事を豆乳に置き換えダイエット
・生理前に豆乳を飲むダイエット
・大豆成分の脂肪燃焼効果を利用するダイエット

主にこのような方法が見つかりました。
では、それぞれの方法はダイエット効果があるのでしょうか?

痩せる効果はある?

体重計に乗る女性

ダイエットの定義

まず、前提としてダイエットの定義を確認しましょう。
このサイトではダイエットとは健康や美容のために体脂肪を減らして体を引き締めることを指し、単純に体重を減らすことではありません
体脂肪は消費エネルギー(カロリー)が摂取エネルギー(カロリー)を上回ったときのみに減少します。
1日当たり240kcalの消費を多くすることで、ひと月で1㎏の体脂肪の減少が期待できます。
筋肉や水分が落ちたことによる体重減少はダイエットの成功とは言いません。

ダイエットについて、イマカラの基本的な考え方

豆乳の栄養価

摂取エネルギーの増減は体脂肪の蓄積にかかわるポイントの一つです。

豆乳を飲むことによって摂取することになる栄養素の量を確認してみましょう。

牛乳  無調整豆乳  調製豆乳  コーラ
エネルギー 67kcal  46kcal 64kcal  46kcal
脂質 3.8g  2.0g 3.6g  0g
コレステロール 12㎎ 0㎎ 0㎎ 0㎎
たんぱく質 3.3g  3.6g  3.2g 0.1g
アミノ酸スコア 100 100 100 
炭水化物  4.8g 3.1g  4.8g 11.4g
*100g当たり の栄養価

※横スクロールで表全体の確認が可能です。

100gあたりのエネルギーは無調整豆乳では牛乳よりは低いですが、単純にエネルギーだけを見ればコーラと同程度です。

ただ、炭水化物が少なく、タンパク質と脂質が含まれている分、コーラよりも豆乳のほうが「食事」に近い飲み物といえそうです。

次に、各ダイエット方法の効果を解説していきましょう。

食事前に豆乳を飲むだけダイエットはやせる?

豆乳を食事前に200~400ml飲むことで、満足感を得てそのあとの食事量を少なくしようという方法です。
飲んだ豆乳の摂取エネルギーよりも、減らした食事のエネルギーが大きければ痩せるといえます。
200mlの豆乳を飲んだ場合は、92kcalぶんを摂取しているので、それを上回るエネルギーを持つ食事を減らす必要があります。(炊いた白米なら92kcal=55g以上)

ひと月で1㎏の体脂肪を減らすための食事例としては、

・夕食の前に豆乳を200ml飲む
 (92kcalの摂取)
・そのあとの食事で240+92=332kcal分の食事量を減らす
 (ご飯だけなら200g=お茶碗やや大盛り1杯、鶏のから揚げなら100g強、もしくは各半量ずつ)

となり、ある程度の食事量の調整が必要です。

人によるとは思いますが、200mlの豆乳を飲んだことで、200gのごはんや100gのから揚げに相当する食事量が自然に抑えられるということはなかなか難しいのではないでしょうか。

単純に食事量を抑えるといった観点では、200mlで92kcalの豆乳を飲むよりも、歯ごたえのある野菜やキノコがたっぷり入ったノンオイルのスープをプラスするほうがおすすめです。
食物繊維もたっぷりとれて摂取エネルギーも低く、よく噛んで食べることでより満足感を得ることができます。

食事を豆乳に置き換えダイエットはやせる?

夕食など、1日のうち1食を豆乳のみに置き換えて摂取エネルギーを抑えるという方法です。
食事前に飲むのと同様、飲んだ豆乳よりも減らした食事のエネルギーが大きければ体脂肪が減少し、痩せるといえるでしょう。
一食分の食事を丸ごと豆乳に置き換えているので、食事前に摂取するよりもより大きな摂取エネルギーの減少につながるといえます。

ただし一食丸ごとを豆乳に置き換えることによって体に必要な栄養素が不足してしまう可能性が極めて高いので、体調不良を引き起こす要因になります。
また、液体である豆乳だけでは満腹感が得られず、空腹感やそのストレスに耐え切れず結局ドカ食いをしてしまうなどの失敗パターンがあります。
さらに、1食丸ごとを置き換えなどの極端な食事制限は、筋肉量が落ちたことによる基礎代謝の低下を引き起こし、太りやすい体になりやすくなってしまいます。
このような食事制限では食事内容をダイエット前に戻すと途端にリバウンドしてしまう傾向にあり、あまりおすすめできるものではありません。

生理前に豆乳を飲むダイエットはやせる?

生理前の女性ホルモン(エストロゲン)分泌の少ない時期に、女性ホルモンの働きを補う大豆イソフラボンを含む豆乳を飲むことで、生理後に体重が減る効果が得られるという方法です。
生理前後の体重の増減は、ホルモンバランスによる体内水分量の増減によっておこります。
生理後に痩せたと感じるのは、ホルモンバランスの変化によって生理前にため込んだ水分を排出しているからであって、豆乳に含まれる大豆イソフラボンの効果ではなく、また体脂肪の量の変動でもないと考えられます。
また、ホルモンバランスの変化によっておこる体内水分量の変動は増えるのも減るのも一時的なものなので、長期的にみると変わらないといえます。

ただし、もともと女性ホルモンが不足していて肌が荒れたり体調不良を起こす人は、大豆イソフラボンを摂取することで症状が改善される場合もありますので、そのような不調の対処には活用できると考えられます。

大豆ペプチドの基礎代謝上昇効果を利用するダイエットはやせる?

大豆に含まれる大豆ペプチドという成分には食事後のエネルギー消費を増加させる効果があることが報告されており、その効果によって消費エネルギーを増やして痩せようという方法です。
食後のエネルギー消費量を高める効果を認める研究報告*)はあるものの、体脂肪量の変化が数値に現れるほどの効果は期待できないといえます。
(基礎食に比べて3時間で14.4kcalの消費増を1日1回=1日14.4kcal=1㎏の体脂肪を落とすまで500日かかる計算)

*)小松龍史,小松恵子,山岸稔:大豆ペプチド摂取の食事誘導産熱に及ぼす影響.大豆たん白質栄養研究会会誌vol.13(1992)

また、この実験と同等の成果を出すためには、1日の摂取たんぱくのうち15g分を豆乳に置き換えることになります。
豆乳に換算すると416g、200mlパックを2つ飲むことを500日続けてやっと1㎏の体脂肪を減らす効果が得られるかもしれない、という程度です。
体脂肪の減少を期待するにはあまりにもささやかな効果であるうえ、いつもの食事に加えて200mlの豆乳を飲むだけでは摂取カロリーが過剰になってしまいます。

その他、大豆に含まれる健康効果のある成分として、レシチンやサポニンなどがあげられます。
これらが持つ抗肥満効果、脂質の代謝を改善するといった効果は、主に血中脂質の改善などの生活習慣病の予防の観点で注目されています。
しかし、ヒトを対象とした有効性はいまだ未知数で、単純に豆乳を飲むだけでは㎏単位の体脂肪を減らすまでの効果があるとは言いにくいと考えられます。

豆乳ダイエットは効果的といえるのか

?の乗ったお皿

正直なところ、豆乳がダイエットに有効な食品かと問われたら、NOという回答になるでしょう。
90%以上が水分で、摂取するのに噛んだりする必要のない豆乳には、満腹感を高める効果はあまりないと考えられます。
加えて、豆乳そのものにも牛乳やジュース類と同じくらいカロリーがあることからも、たくさん飲んでしまえばかえって太るといったことも十分に起こりえます。
無調整豆乳や調製豆乳以外の、甘い味付けやフレーバーのついた豆乳飲料ではさらにエネルギーが高くなるため、ダイエットの失敗につながりやすくなってしまいます。

豆乳を使ってダイエットを成功させるには?

豆乳そのものにダイエット効果は期待できない

豆乳そのものに体重を減らす効果はほぼないと言って差し支えないかと思います。
加えて言えば、いつもの食事に単純に豆乳を加えるだけでは太っていってしまいます。
基本的にダイエットは摂取エネルギーと消費エネルギーの差によるものなので、運動量が増えるか、食事量が減らなければ体脂肪は減らないといえます。

豆乳の役割は「栄養素補給」

また、1食まるごと置き換えダイエットなど、食事内容が偏ってしまうと低血糖やたんぱく質不足によって体調不良をきたす可能性が高まります。

豆乳は適度に食事に取り入れることでたんぱく質や大豆イソフラボンを取り入れることができることが大きな魅力の一つです。
適正な食事量と運動量を守ったダイエットの中で、健康的に痩せていくための栄養素補給の役割が最も現実的であると考えます。

大豆イソフラボンの過剰摂取について

大豆イソフラボンの過剰摂取による子宮内膜増殖症などの報告もありますが、サプリメントなどではない、豆乳などの一般の食品からの摂取は問題ないとされています。
厚生労働省の示す安全な大豆イソフラボンの1日の摂取量の70~75㎎は、豆乳に換算すると1日300ml程度となっていますので、この範囲内であれば安心して飲めると考えられます。

「○○するだけ」は成功しないことが多い

世の中には「〇〇するだけダイエット」というものがたくさんありますが、ダイエットの基本は摂取エネルギー(カロリー)を抑えて消費エネルギー(カロリー)を増やすことです。
豆乳を飲むだけで痩せる可能性は極めて低いといえます。
科学的根拠の薄い方法に惑わされずに、毎日の食生活を整えていくことが最も効果的な方法といえるのではないでしょうか。

参考文献

文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

小松龍史,小松恵子,山岸稔:大豆ペプチド摂取の食事誘導産熱に及ぼす影響.大豆たん白質栄養研究会会誌vol.13(1992)