健康診断結果、気になったらチェック!読み方と食事の改善ポイント

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健康診断結果イメージ

1年に1度の健康診断。
日頃の生活の「成績表」みたいで憂鬱、という人も少なくないのではないでしょうか。

健康診断結果は将来の健康を維持するために重要な情報です。
疾患の中でも生活習慣病は、早い段階から生活を見直すことで予防できる病気です。
お手元の健康診断結果とともに改善ポイントをチェックしていきましょう。

健康診断で「基準値外」どうしたらいい?

まずは健診結果に従って

検査値が基準範囲から外れていた場合、検査項目や数値によって対処が変わります。
どの健康診断結果にも、

・治療が必要
・精密検査が必要
・保健指導
・経過観察

などの判定がありますので、まずはその指示に従うことが大事です。

来年まで経過観察。何かできることはある?

精密検査や保健指導を受けた場合にはそこで生活習慣の見直しや治療を受けますが、「経過観察」は意外と悩んでしまうもの。

すぐの対処は必要ないけれど、今のままの生活習慣では将来の健康が心配、ということもありますよね。

すべての項目が生活習慣の見直しで改善するわけではありませんが、生活習慣病にかかわる項目なら改善できるポイントはたくさんあります。

まずはそれぞれの検査項目が表している内容から見ていきましょう。

各項目の意味は?

健康診断項目の意味

健康診断の項目

会社員の方などが一般的に毎年受ける健康診断の検査項目は以下の通りです。

既往歴及び業務歴
自覚症状及び他覚症状
身体測定(身長、体重、腹囲)
視力・聴力検査
血圧
尿検査(尿糖、尿たんぱく)
胸部エックス線及び喀痰検査
貧血検査(血色素量、赤血球数)
肝機能検査(AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP)
血中脂質検査(TG、LDL、HDL)
空腹時血糖
心電図検査
40歳未満の人では一部の検査項目が省略される場合もあります。

健康診断結果からわかること

健康診断の中でも、生活習慣(特に食事)がかかわってくる項目の詳細を紹介します。

身長、体重

身長と体重から体格指数(BMI)を算出します。
やせ・肥満の基準になります。
やせでも肥満でも健康リスクが高くなります。

腹囲(ウエスト周囲径)

内臓脂肪の量を反映します。
内臓脂肪が多いと生活習慣病につながりやすいと考えられています。

血圧

血管内の圧力を表します。
血管内の圧力が高いと血管への負荷が大きく、動脈硬化、脳卒中・心臓病などのリスクを高めます。

尿糖

血糖値が高いと尿に糖分が出てくることがあるため、血糖値の大まかな指標になります。

尿蛋白

腎臓の機能が落ちていると尿にたんぱく質が出てくることがあるため、腎機能の大まかな指標になります。

血色素量

血液中のヘモグロビン(赤血球に含まれる、全身に酸素を運ぶたんぱく質)の量を表します。
少ないと貧血が疑われます。

ヘマトクリット値

血液のうち赤血球が占める割合です。
低いと貧血、高いと多血症や脱水症状が疑われます。
肥満や喫煙、ストレスでも高くなることがあります。

赤血球数

血液中の赤血球細胞の数です。
ヘマトクリットと同様に、少ないと貧血、多いと多血症や脱水が疑われます。
血色素量、ヘマトクリット値などと組み合わせることで貧血の種類が推定できます。

AST(GOT)・ALT(GPT)

肝臓の働きを表します。
高いと肝臓に障害があることが予想されます。

γ-GTP

こちらも肝臓の働きを示します。
特にアルコールによる肝障害、胆道系の疾患などで高い値が出ます。
非アルコール性脂肪肝などでも上昇します。

トリグリセリド(中性脂肪)

血液の中の中性脂肪の量を表します。
高いと脂質が血管内につきやすくなり、動脈硬化、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高まります。

HDL-C(HDLコレステロール)

血液中のいわゆる善玉コレステロールの量を表します。
血管内にたまったコレステロールを回収するはたらきがあるため、数値が低いと動脈硬化のリスクが高まります。

LDL-C(LDLコレステロール)

血液中のいわゆる悪玉コレステロールの量を表します。
HDLコレステロールとは逆に、肝臓で作られたコレステロールを全身に運んでいます。
増えすぎると動脈硬化や心筋梗塞などのリスクを高めます。

空腹時血糖

血液中の糖の量のことで、糖尿病の指標です。
空腹時も血糖値が高い状態が続いていると血管へのダメージが大きくなってしまい、動脈硬化のリスクが高まります。

HbA1c(ヘモグロビンA1c)

血液中の糖の量を反映します。
空腹時血糖よりも長期間の血糖値の高さを予測できます。

メタボ健診って?

最近よく聞く「メタボリックシンドローム(メタボ)」。
「内臓脂肪症候群」ともいい、生活習慣病になりやすい状態を指します。

具体的には、

・ウエスト周囲径(男性85㎝以上、女性90㎝以上)
かつ
・血圧(収縮期130㎜Hg以上または拡張期85㎜Hg以上)
・血糖値(空腹時100mg/dlまたはHbA1c5.6%以上)
・血中脂質(血中中性脂肪150mg/dlまたは血中HDL-C40mg/dl以下)

いずれか2つ以上に異常が見られた場合に「メタボリックシンドローム」と判断されます。
(ウエスト周囲径+1項目の場合は「メタボ予備軍」となります。)

40~74歳に必須のメタボ健診でメタボリックシンドロームと診断されると、保健師や管理栄養士から面接・電話・メールで指導を受け、生活習慣を改善する必要があります。

対象年齢以前でも、これらの項目が基準値外になっていた人は要注意。

将来のメタボリックシンドローム、生活習慣病を予防するためにも、早めの対策を始めましょう!

食事で改善できるものはある?

食習慣を見直す

生活習慣病は食生活が大事!

「私たちの体は食べたものでできている」とは言いますが、すべての病気の原因が食生活というわけではありません。

とはいえ、糖尿病や高血圧、脂質異常症からおこる動脈硬化、脳梗塞や心筋梗塞、脳卒中などの生活習慣病は食生活の改善で予防ができると考えられています。

将来の健康のために食生活を見直してみましょう!

栄養素が欠乏して起こる病気はあまり多くない

現代では特定の栄養素が足りないことで起こる疾患はあまり多くありません。

血色素量などが低い貧血にはいくつかありますが、最も多いのが「鉄欠乏性貧血」。
女性に多く、月経などによる鉄分の損失に食事からの鉄分摂取が追い付いていないのが原因です。
健康診断で貧血(貧血気味)といわれた人は鉄分をとれる食事を心がけたいですね。

鉄分といえばレバーやほうれん草がイメージしやすいですが、食べる頻度や吸収率を考えると普段のお肉やお魚が摂取源としては重要です。
日頃からお肉やお魚をしっかり食べることに加え、たまにレバーなどの食品を取り入れると改善されるかもしれません。

生活習慣病は「食べすぎ」「飲みすぎ」に注意

現代では栄養素欠乏による疾患が少ないのに対し、「とりすぎ」による健康へのリスクが心配されています。

生活習慣病などがこれに当てはまりますが、栄養素の量だけが問題なのではなく、体質や食事以外の生活習慣と深くかかわっている点がポイントです。
「この栄養素をとれば/減らせば」すぐに改善できるわけではないため、なかなか複雑ですが、改善のために食事でできることをまとめてみました。

基準値を超えるBMIやウエスト周囲径、高血圧、血中脂質の異常、肝機能の低下はそれぞれ独立した疾患の原因になるというよりも、複数の要因が重なって生活習慣病、動脈硬化性疾患のリスクを高めます。

そのため、摂取エネルギー(カロリー)の管理だけ行えばいい、塩分だけ控えればいいといったことではなく、全体的な見直しが重要です。

エネルギー(カロリー)管理

消費エネルギー(カロリー)と比較して摂取エネルギー(カロリー)が大きいと、体に脂肪が蓄積し、直接的には体重、BMI、ウエスト周囲径などに現れます。
体脂肪が多い状態では高血圧、脂質異常症、脂肪肝などの肝障害になりやすく、生活習慣病のリスクが高くなります。

体脂肪1㎏、ウエスト周囲径を1㎝小さくするためには累計で7200kcalぶん、消費エネルギー(カロリー)と比べて摂取エネルギー(カロリー)を少なくする必要があります。

1日240kcalほど、消費エネルギー(カロリー)よりも摂取エネルギー(カロリー)を小さくすると、1か月で1㎏の体脂肪を減らすことができる計算になります。

減塩

塩分の摂取量が増えると塩分を薄めようと血管の中の水分が多くなり、高血圧のリスクが高くなります。
また、塩分の高いおかずは食べすぎ・飲みすぎにつながりやすく、高血圧だけでなく肥満や肝臓の負担にもつながりやすい要素です。

現在、日本人は全体として塩分は取りすぎている人がほとんどなので、血圧に異常が見られない人でも減塩を心がけることが大切です。

薄味を心がけるほか、塩分(ナトリウム)の排出を助けるカリウムを多く含む野菜類や果物類を取り入れるようにしてみましょう。
塩分が少なくても、だしや香味野菜、スパイスなどをきかせるとおいしく食べられます。

節酒

お酒の飲みすぎは、アルコール分解を行っている肝臓に負担をかけます。
また、肥満や高血圧、脂質異常症などの要因のひとつにもなるため、適量に収めることが大事です。
「節度ある適度な飲酒」の目安としては、1日あたり純アルコールとして20g(およそビール中ビン1本、日本酒1合、7%のチューハイなら350ml)といわれており、さらに週に2日は休肝日を入れることがあげられています。

いざ肝臓に病気が見つかった時には節酒どころか一切お酒の飲めない「断酒」が求められる場合もあります。
お酒が好きな人こそ、お酒を健康に楽しむために、日ごろからほどほどの量を心がけたいですね。

食物繊維の摂取

食物繊維といえば整腸作用のイメージがありますが、食物繊維を十分にとることで、血中のコレステロール値を下げたり、食後の血糖値の急激な上昇を抑えたりする作用があることが分かっています。
この作用によって糖尿病などの生活習慣病、心筋梗塞などの病気を予防効果が認められています。
精製度の低い穀類や、野菜・きのこ・海藻類などを毎日の食事に取り入れると食物繊維の摂取量を増やせます。

食事以外に気を付けることは?

こまめな運動

メタボリックシンドロームや生活習慣病は食事の量や内容が大きな要因となりますが、食事以外の心がけでも病気のリスクを減らせます。
できることから気を付けてみましょう!

身体活動を増やそう

消費カロリーを増やして体脂肪の減少に役立つほか、身体活動そのものが血糖値や血圧の改善にも役立ちます。
「身体活動を増やす」というのは、ジョギングやスポーツのような運動だけでなく、日常の歩行なども含まれます。
歩ける距離は歩く、エスカレーターではなく階段を使うようにするなど、取り入れやすいものから始めるといいですね。

禁煙を心がける

一見、メタボリックシンドロームとは関係のなさそうなタバコも、内臓脂肪などと同じように糖尿病や動脈硬化性の疾患のリスクを高めます。
生活習慣病以外でも、さまざまな病気のリスクを高めることが分かっていますので、なるべく吸わないことが望ましいといえそうです。

しっかり睡眠をとろう

睡眠不足は心身の体調不良の原因になります。
長期的な健康のためにも重要で、睡眠不足は肥満や高血圧になりやすくなります。
精神的な健康を保つ意味でも、規則正しい睡眠を意識したいですね。

体重チェック

普段の生活の中で血液検査をするということはほとんどありません。
日常的に自分の体をチェックできる最も簡単な方法は「体重測定」です。
生活習慣病は肥満との関連が強く、自分の体がいま徐々に肥満に向かっているのか、または減量がうまくいっているのかを確認することが重要です。
上で紹介した生活習慣の改善に加えて、効果が表れているかを体重計でチェックしてみてくださいね。

健康診断をきっかけに自分の体を考えてみよう

年に1度の健康診断が憂鬱、という人も少なくありませんが、自分の体の状態を知ることができる数少ない機会のひとつです。

生活習慣病になると、生活面で様々な制約がつくこともあります。
将来の健康を守るためにも、病気になる前の予防が大事です。

健康診断をきっかけに、ぜひ自分の体をいたわってあげてくださいね。

参考文献

厚生労働省e-ヘルスネット

厚生労働省:「労働安全衛生法に基づく健康診断を実施しましょう~労働者の健康確保のために~」

一般財団法人日本健康増進財団:「健康診断の手引き」

一般社団法人日本衛生検査所協会:「臨床検査AtoZ」