自分の体を知る!「エネルギー(カロリー)」について勉強しよう

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ドーナツを手に取る

食事やダイエットに必ずついて回るのが「エネルギー(カロリー)」です。
取りすぎれば肥満につながり、少なすぎは体調不良の原因になります。
自分に必要な摂取エネルギーはどのくらいでしょうか?
年齢やからだの状況によってどのくらい変化するのでしょうか?

エネルギーについての基礎知識をお伝えします。

エネルギーとは

食材に含まれていて、体の熱を作ったり、体を動かしたりするのに必要なエネルギーの単位のことで、kcal(キロカロリー)と表記されます。
栄養士は「摂取エネルギーを増やす」「消費エネルギーと増やす」などと使います。
一般には「カロリー」と呼ばれることが多いですが、カロリーは単位を表す言葉で、栄養学的には「エネルギー」という呼び名が正しいです。

摂取エネルギーと消費エネルギー

ヘルスメーターと食事、運動

エネルギーは2つに分けられます。

・食べ物から体に取り入れる摂取エネルギー
・体を維持したり動かすことで使われる消費エネルギー

また、人間の体は動いていなくても、体温を一定に保ったり、内臓を動かしたりするためにエネルギーを消費しています。
このときに必要なエネルギー量を基礎代謝量とも言います。
人が消費するエネルギーは、基礎代謝+体を動かすことによるエネルギーです。

自分の消費エネルギーを計算する

摂取エネルギーも、消費エネルギーも、人によってさまざまで、同じ量を食べて同じだけ動いていても、人によって痩せたり太ったりということが起こります。

なぜそのようなことが起こるかというと、人はそれぞれ体重・性別・年齢・体組成が異なるためです。
その要因のうち、基礎代謝の違いに最も大きくかかわってくるのが体重です。

自分の基礎代謝は?

体重当たりの基礎代謝基準値から、自分の体重を元に基礎代謝量を概算することができます。

18~29歳女性の場合
基礎代謝(kcal)=現在の体重(㎏)×22.1(kcal)
30~49歳女性の場合
基礎代謝(kcal)=現在の体重(㎏)×21.7(kcal)

18~29歳男性の場合
基礎代謝(kcal)=現在の体重(㎏)×24.0(kcal)
30~49歳男性の場合
基礎代謝(kcal)=現在の体重(㎏)×22.3(kcal)

基礎代謝量は体組成でも差が出ますので、必ずしも正確な値にはなりません。

基礎代謝にかかわる要素については別の記事で詳しく解説しています。

基礎代謝とは?基礎代謝を上げればダイエットにも有効?

自分の消費エネルギーの目安を計算する

一般的に、ただ寝ているだけの人はほとんどいませんね。
寝ているだけであればおおむね基礎代謝ぶんのエネルギーだけを消費していますが、家事をしたり、通勤や通学、運動などを行うことによって、より多くのエネルギーを消費しています。
それを計算に入れると、

1日をほとんど座って過ごす人身体活動レベルⅠ)
消費エネルギーの目安(kcal)=基礎代謝×1.5

デスクワーク中心だが通勤や通学、家事、軽いスポーツ習慣がある人(身体活動レベルⅡ)
消費エネルギーの目安(kcal)=基礎代謝×1.75

立ち仕事や肉体労働、活発なスポーツ習慣のある人(身体活動レベルⅢ)
消費エネルギーの目安(kcal)=基礎代謝×2.0

このような式でおおむね計算することができます。

計算でわかる「エネルギー」はあくまで目安

計算は細かいですが、この計算によって導き出された数字が正しいとは言えません。

あくまで目安であり、人それぞれが毎日の生活でどのくらいエネルギーを消費しているのは困難であるためです。

また、食品からの摂取エネルギーに関しても、食品に含まれる栄養素の個体差や、調理条件の違いがあるため、正確なエネルギー(または栄養素量)は分かりません。

エネルギーコントロールはどうする?

カロリーコントロール

食事のカロリー計算はむずかしい、アプリを活用するのも方法のひとつ

健康や美容を維持するために気になるエネルギーコントロールですが、日々の食事から摂取エネルギーを計算することは難しいのが現実です。

近頃では食事内容を入力することでエネルギー計算をしてくれるアプリなどもあるので、活用してみるといいかもしれません。

体重の記録が最も簡単で確実なエネルギー管理

ここ数か月の摂取エネルギーが多いか少ないかを判定するには、体重の記録が最も簡単な方法といえます。
ここ数か月でほとんど体重変化が見られなければ、体格や活動量に合った量を食べることができています。

体重が徐々に増えてきた、または減ってきたというときは、消費エネルギーに対して摂取エネルギーが多くなりがちであったり、少なくなりがちであったりすることがわかります。

やりやすいものから始めてみよう

もし、いつもどのくらいの量を食べているのかわからない、体重の変化がわからないという人は、まずは体重と食事内容の記録から始めてみるといいかもしれません。

なるべく自分の負担にならない、継続ができそうなものがおすすめです。

通常よりも摂取エネルギーが必要になる場合

成長過程にある子どもたちや、妊娠中・授乳中の女性に関しては、基礎代謝や活動によるエネルギー消費に加えて、体を成長させる分や母乳として消費する分のエネルギーを付け加える必要があります。

子ども

子どもは、体を維持することと同時に、成長に伴って骨や筋肉などの体組織を作る必要があります。
そのため、基礎代謝と活動による消費に加え、成長に必要な分だけ多く摂取する必要があります。

また、もともと年齢の低い子どもほど基礎代謝は大きく、成長を加味した1日のエネルギー必要量は大人よりも大きくなることも。

女性は12~14歳での2400kcal、男性は15~17歳での2850kcalが、一生のうち最も大きいエネルギー必要量になります。

妊娠中の女性

妊娠中の女性も、胎児の成長のためにエネルギーを多く摂取する必要があります。
胎児の成長レベルにより必要量が変わるため、増やす量は時期によって変動します。
目安として、

妊娠初期は平常時に加えて+50kcal
妊娠中期は平常時に加えて+250kcal
妊娠後期は平常時に加えて+450kcal

という数値が示されています。
妊娠中にエネルギーが足りないと、生まれてきた子どもが将来肥満や生活習慣病になりやすくなる傾向があります。
反対に、エネルギーの摂取が多すぎると出産時の負担が増えるなどの弊害もあるため、主治医の指導を受けながら調節する必要があります。

母乳で赤ちゃんを育てている女性

赤ちゃんに母乳をあげている女性は、母乳に含まれるぶんのエネルギーや栄養素を多く摂取する必要があります。

目安として、平常時+350kcalという数値が示されています。

筋肉量を増やしたい成人

筋トレを行って筋量を増やそうとするとき、筋肉を新たにつくるためのタンパク質に伴うエネルギーが必要です。
人によって筋トレの内容や目標が異なるため、明確な数値を決めることはできませんが、エネルギーが不足した状態では効率よく筋肉が増えていかないことが予想されます。

まとめ

食事はエネルギーがすべてではありませんが、食事のコントロールをするうえで最も基礎となる要素のひとつです。
健康や美容のためにも、日ごろの食事量やエネルギー表示に気を付けてみるのも良いのではないでしょうか。

ダイエットの際のエネルギーの考え方については別の記事でも詳しく解説していますので、見てみてくださいね。

→エネルギー(カロリー)を理解するとダイエットが楽になる!

参考文献

吉田勉 監修:「わかりやすい食品機能栄養学」.三共出版,2010.

高松薫、山田哲雄 編集:「運動生理・栄養学〔第3版〕」.建帛社,2010

中村丁次、外山健二 編著:「栄養教育論Ⅱ」.建帛社,2009

厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2015年版)」