投稿日:2019.12.13 | 最終更新日:2023.01.26

トマトリコピンとは?ダイエットと美容美肌の効果効能を解説

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トマト

昔から、トマトが赤くなれば医者が青くなる、といわれるほど、健康的な食材として親しまれてきたトマト。
現代でもその機能性が注目されていますが、現時点で期待できる効果にはどのようなものがあるでしょうか?

トマトに含まれる成分のはたらきと、私たちがトマトを食べることで得られる効果の実際について解説します。

トマトリコピンとは

トマトリコピンは、トマトに含まれる色素成分です。

トマトの鮮やかな赤色はリコピンによるものであり、赤色が強いほどリコピンを多く含みます。

リコピンは「カロテノイド」というグループに属する成分で、試験管内では活性酸素を除去する抗酸化作用などのはたらきを持つこと*1)が知られています。
*1)Di Mascio P.Kaiser S,Sies H (1989)Lycopene as the most efficient biological carotenoid singlet oxygen quencher Arch Biochem Bioρhys 274,534−538

トマトリコピンのダイエット効果、美容効果の期待と実際

トマトと美容

トマトに含まれるリコピンは、抗酸化作用などの働きを持つことにより、健康効果が期待されている物質でもあります。

具体的には、リコピンが体内に入ることで

  • 美肌効果
  • ダイエット効果
  • 生活習慣病予防効果

などの効果があるのでは?と期待され、研究がすすめられています。

現状は効果について科学的根拠がない

リコピンは代謝を上げてダイエットに効果的、抗酸化作用で美肌効果も、というウワサがあります。
しかし、実際にはリコピンに関してダイエット効果や美肌効果ががあるとする「ヒトを対象とした研究報告」はなく、根拠のない話のようです。

かつてトマトの成分を含んだサプリメントが、根拠がないにもかかわらず飲むだけで痩せる効果があるかのように表示し、消費者庁から措置命令を受けた例があります。

いまだにリコピンが含有されていることによってダイエット効果・美容効果をにおわせるダイエット用のサプリや食品が出回っていることがありますが、科学的根拠に基づいたものではないことは知っておきたいポイントですね。

サプリメントや濃縮物による過剰摂取に注意

効果があるか確認できていないということは、「たくさん食べれば」「濃縮したサプリを飲めば」効果があるというわけではありません。

トマトの過剰摂取により健康被害を受けた例も報告されていることからも、むやみにたくさん食べたり、濃縮したサプリを飲むというのはおすすめできません。

特に、サプリのように濃縮されたものでは、通常ではありえない量の食品成分(今回の場合はリコピン)を一度に摂取することにつながります。

トマトの栄養的な価値

トマトを調理する

リコピンに健康効果がないのであればトマトを食べる意味はない…ということはありません。

トマトそのものはビタミンCやカリウムなどの必須栄養素を含む食品のひとつであり、低カロリーで、調理に手間がいらない、という点が魅力です。

トマトに含まれる栄養素

トマト ミニトマト
エネルギー 19kcal 29kcal
水分 94.0g 91.0g
たんぱく質 0.7g 1.1g
脂質 0.1g 0.1g
炭水化物 4.7g 7.2g
食物繊維 1.0g 1.4g
カリウム 210mg 290mg
ビタミンC 15mg 32mg
100gあたり(トマト約2/3個、ミニトマト約6個)

魅力①低カロリー

94%を水分が占めるため、エネルギー源となる栄養素は少なく、低エネルギーな食品です。
トマトを食べて痩せる、ということは期待できませんが、たくさん食べても摂取エネルギーのとりすぎにはつながりにくい食品、とは言えそうです。

魅力②カリウム、ビタミンCの摂取源に適する

トマトをはじめとした野菜類はエネルギーをとりすぎずにカリウム、ビタミンC、食物繊維をとるのに適した食品です。

食物繊維、ビタミンC、カリウムといった栄養素は十分な量をとることで、将来の循環器疾患やがんの予防に効果的に働くと考えられています。

トマトに含まれる成分について、世間の注目度はリコピンのほうが大きいですが、ヒトの体にとっては、ビタミンCやカリウムのほうがより大きな意味を持つといえます。

また、トマトは1個150gでビタミンCの1日推奨量の2割をとることができます。
栄養面で考えれば、トマトはカリウム・ビタミンCの摂取源としてよい食品ですね。

野菜1日350gの達成を手軽にサポート

野菜を1日に350gとりましょう、といわれます。

この数値は、食物繊維や抗酸化作用を持つビタミンC、取りすぎた食塩を排出してくれるカリウムなどの栄養素を十分に摂取するための目安です。

平成29年の国民健康・栄養調査では、20歳以上の男女の野菜摂取量平均値は280gほどで、足りない分は、おおよそあと70~100g。
トマトなら半分~1個を普段の食事に加えれば、「しっかり野菜をとれている」といえそうです。

まとめ

トマトは

  • エネルギーが低くたっぷり食べても肥満につながりにくい
  • 切るだけで1品になり、野菜不足を手軽に解消できる

というのが魅力の食材です。

特別なはたらきだけではなく、ぜひ食材としてのトマトを活用してみてくださいね。

野菜を350gとるメリットと野菜を増やすコツを紹介した記事はこちら

参考文献

Di Mascio P.Kaiser S,Sies H (1989)Lycopene as the most efficient biological carotenoid singlet oxygen quencher Arch Biochem Bioρhys 274,534−538

文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

厚生労働省:平成29年「国民健康・栄養調査」の結果

厚生労働省e-ヘルスネット:「緑黄色野菜」

健康日本21各論:「栄養・食生活」

国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所:「健康食品」の安全性・有効性情報(トマト、リコピンについて)

平井 しおり管理栄養士
平井 しおり管理栄養士

2013年に管理栄養士資格取得後、保育施設に勤務、栄養相談などに従事。

現在は「イマカラ」にて、栄養とダイエットに関する科学的根拠に基づいた情報を発信しています。