体脂肪を減らす正しいダイエットとは?イマカラの基本的な考え方②

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カロリーコントロール

ダイエットにおいて、多くの人が気にする「体重」。

しかし、体重の増減は体についた脂肪だけではなく、筋肉や体内の水分、消化管の内容物(便など)によって影響を受けます。

また、体内の水分や消化管の内容物は1日のうちでも増減が大きく、短期的な絶食や便秘の改善で減少した体重はこういった脂肪以外の重みであることが多いです。

もちろん、そのような変化によって見た目にもほっそり見えるということはあるのですが、減りやすいものは同時に増えやすいものでもあるのです。

長期的に安定してやせた状態を維持するためには、変動しやすい要素による体重の変化ではなく、減りにくく増えにくい「体脂肪」を減らすのがいちばんです。

体脂肪を減らすには、エネルギーとしての消費が原則

世の中にはマッサージや便秘の解消をもってダイエットを行う方法も存在しますが、体脂肪は体の細胞の一部なので、マッサージや排便などで排出することはできません。
ため込んだ体脂肪を減らすには、ほぼ例外なくエネルギーとして消費することが必要になります。

エネルギーの消費による体脂肪の減少はじわじわと進むので、即効性はありませんが、急に戻るということも少ないです。

摂取エネルギーと消費エネルギー

人間の体は食事からエネルギーや栄養素を摂取し、エネルギーを使って新しい細胞を作ったり、筋肉を動かしたり、脳を動かしたりしています。

食べたエネルギーが使ったエネルギーよりも多かった時には、余ったエネルギーを脂肪として貯蔵し、
反対に食べたエネルギーが使ったエネルギーよりも少なかった時には貯蔵しておいた脂肪をエネルギーにして使っています。

このエネルギーの量を示した単位がカロリー・キロカロリー(kcal)です。

1㎏の脂肪は1日240kcalで1か月

体脂肪の増減は、食事による摂取エネルギーと日常生活や運動による消費エネルギーの差によっておこるものです。

つまり、食事と運動を管理することで、体脂肪は減らすことができるのです。

ただし、体重の減少=体脂肪の減少とは言えません。

運動により筋肉がつけば、体脂肪が減って引き締まって見えても筋肉の増えた分の重さが増えます。(アスリート体型・筋肉質)

逆に、体重が減っていっても筋肉が落ちて体脂肪の量は変わらず、むしろ増えていることもあります。(隠れ肥満)

摂取したエネルギーを減らすか、消費するエネルギーを増やすことで、体にたまった体脂肪を減らすことができます。

体脂肪1㎏のエネルギーは、約7200kcalといわれています。

1ヵ月で1㎏の体脂肪を落とそうとするとき、消費エネルギーを摂取エネルギーに比べて1日あたり7200÷30=240kcal低くするのが目安になります。

筋肉が減ると太りやすくなってしまう

食事量を極端に減らすダイエットでは、体脂肪のエネルギーのほか、筋肉もエネルギー源として分解されてしまいます。

筋肉が減ると消費エネルギーが減り、体温が下がり、血行が悪くなります。

体重が減ったとしても、食事を元に戻すと、ダイエット前よりも消費エネルギーが減ってしまっているため、余計に太ってしまうというリバウンドが起こります。

筋肉量の減少を防ぐには、筋肉の維持に必要な質と量の食事をとること、筋肉そのものに負荷をかけて筋肉量の減少を防ぐことが必要です。

体脂肪・筋肉以外の体重の増減にかかわるもの

足のマッサージをする女性

人の体は様々な組織からできており、体重は様々な要因によって増減します。

ダイエット方法によっては、体脂肪以外の体重の変化もまとめて「やせた」と言っている場合も多く見受けられます。

体脂肪や筋肉以外の増減は短期間で変化しやすいため、区別して考える必要があります。

細胞間の水分(むくみ)

むくみによって細胞間に余分な水分がたまると、その水分の重さが体重に反映され、見た目にも膨張したように見えることがあります。

マッサージや運動によって余分な水分を排出したり、塩分の少ない食事を心がけることでむくみを解消することにつながります。

むくみを解消するための食事を紹介している記事はこちら

→むくみの原因は?むくみを解消する食べ物を紹介

貯蔵エネルギーにともなう水分

人の体は脳や赤血球といった糖のみをエネルギー源とする組織や、筋肉へエネルギーを供給するために、体内にグリコーゲンという形で糖分を貯蔵しています。

グリコーゲン1gは3gの水分と結合した状態で存在しており、運動時や空腹時などではグリコーゲンの消費に伴って体から水分が排出されるといったことが起こります。

グリコーゲンの貯蔵量は体組成などの要因によって個人差がありますが、肝臓と筋肉をあわせて250g程度は存在すると考えられます。
そのため、極端な食事制限や絶食を伴うようなダイエットでは、グリコーゲンの枯渇により1㎏程度の急激な体重減少がみられることがあります。

しかし、糖質の摂取によってグリコーゲンが再び貯蔵されると、絶食によって急激に減った体重はまた急激に戻ることが予想されます。
そのため、このような体重の変化はダイエットの成果として考えるのは適切ではありません。

便秘で腸内にたまった便

胃や腸の内容物にも重さはあるため、体重に反映されます。

便秘の状態では本来なら不要のものが腸管内にとどまってしまっているため、その分の体重が加算されてしまいます。

便秘を解消することによって、ある程度の体重やおなか周りの見た目の変化がみられることもありますが、便通を改善することがやせることに直結するわけではありません。

便秘とダイエットにかかわる記事はこちら

→便秘を解消する方法は?食べ物や飲み物も大事!

→ダイエットの大敵!便秘を解消してダイエットを成功させよう

失敗するダイエット、成功するダイエットとは…

せっかく減らした体脂肪ですから、できれば長い期間すっきりしたスタイルをキープしたいですよね。
せっかくやせたと思っても、病気になってしまったり、リバウンドしてしまっては意味がありません。

急激なダイエットは失敗する

絶食や極端な食事制限、一つのものを食べ続けることにより短期間で体重を減らすダイエット方法がいくつもあります。

たんぱく質などの栄養素の供給がないまま摂取エネルギーが減少すると、体脂肪や余計な水分だけでなく、筋肉などの体に必要なものまで分解されて行ってしまいます。

そのうえ、皮膚や髪などを作るのに必要な栄養素も入ってこないので、体重が減ったとしても、筋肉がないので体に張りがなく、体温も低く、皮膚や髪もボロボロ、ということが起こります。

また、糖質を極端に制限するダイエットでは、不足する糖分を補うために筋肉が分解されたり、糖質不足によって意識障害がおこることもあります。

成功するダイエットは運動と食事を組み合わせたダイエット

通常、日常生活の中で通勤や通学、家事などの活動がある方においては、食事内容の改善だけでもダイエット効果はあります。

ですが、食事の改善に運動をプラスすることで消費エネルギーを増やし、筋肉量を維持することで体脂肪の減少効果も高まり、引き締まった体を作ることができます。

適切な食事をしっかりとりながらダイエットした場合は食事を多少戻しても体重の減少が止まるのみで、また筋肉のついた体は筋肉のない体よりもエネルギーを消費しやすくなっているので、リバウンドも起こりにくくなります。

食事と運動によるダイエットについて詳しく解説した記事はこちら

食事でダイエットするには?イマカラの基本的な考え方

運動でダイエットするには?イマカラの基本的な考え方

 

参考文献

吉田勉 監修:「わかりやすい食品機能栄養学」.三共出版,2010.

CLUB Panasonic:「BMI・タイプ別ダイエットのポイント」

厚生労働省:「健康のため水を飲もう」推進運動

厚生労働省:「健康づくりのための運動指針2006」

厚生労働省:「健康日本21 身体活動・運動」

国立健康・栄養研究所:「筋肉が1㎏増したとき、基礎代謝量は何kcal増すのか?

横浜市スポーツ医科学センター:「肥満と減量(理論編) 知っておきたい肥満と減量の基礎知識」

厚生労働省e-ヘルスネット:「健康的なダイエット:適切な体重管理で、健康づくりをしよう!」

平井 しおり管理栄養士
平井 しおり管理栄養士

2013年に管理栄養士資格取得後、保育施設に勤務、栄養相談などに従事。

現在は「イマカラ」にて、栄養とダイエットに関する科学的根拠に基づいた情報を発信しています。