2019.07.05

血液サラサラ・便秘に効果ありは本当?納豆の栄養と効果的な食べ方

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納豆の健康効果

和食の代表的な食材のひとつである納豆。
毎日食べているという方も多いのではないでしょうか。

身近な存在である納豆ですが、食物繊維と納豆菌による整腸作用や、骨の健康を保つビタミンKが豊富であることが特長です。

納豆に含まれる栄養素の機能について、納豆を使った便秘解消・骨の健康にいい簡単レシピも紹介します!

同じなのは名前だけ。「納豆」でも全くの別物がある

そもそも納豆とは、大豆を納豆菌によって発酵させた発酵食品のことを言います。

現在、一般的に納豆と呼ばれているものは「糸引き納豆」といいます。

納豆菌ではなく麹菌によって発酵させた後に乾燥と熟成をさせた「塩辛納豆」「浜納豆」「寺納豆」というものもありますが、製法も味も異なるものとなります。
また、豆を砂糖で甘く煮た甘納豆もまったく違うものなので、間違えないようにしましょう。

納豆の栄養価

今回はいわゆる「納豆」、糸引き納豆の栄養価について紹介します。

納豆と同じくたんぱく質を主に含む食品のたまご・豚肉と比較してみましょう。

納豆 豚ロース
エネルギー 200kcal 151kcal 291kcal
タンパク質 16.5g 12.3g 18.3g
脂質 10.0g 10.3g 22.6g
炭水化物 12.1g 0.3g 0.2g
うち食物繊維 6.7g 0g 0g
ビタミンK 600㎍ 13㎍ 2㎍
*100gあたり(納豆2パック、たまご小さめ2個相当)

※横スクロールで表全体の確認が可能です。

タンパク質が豊富

納豆の原料は豆の中でも「畑の肉」といわれるほどタンパク質が豊富な「大豆」です。

通常、植物性食品のたんぱく質はヒトの体での利用効率(アミノ酸スコア)はあまり高くないのが一般的です。
それに対し、大豆ではたんぱく質の含有量も多く、加えて肉類などと同じく「アミノ酸スコア100」で質の良いたんぱく質、と言えるのが特徴です。

食物繊維と納豆菌の整腸作用

通常、たんぱく質を多く含む肉類などの動物性食品には食物繊維がほとんど含まれていません。

納豆はたまごや肉類と同じたんぱく源でありながら、食物繊維を多く含んでいるのも大きな魅力といえるでしょう。

また、納豆菌は胃酸に強く、生きて腸まで届いて腸内の善玉菌の働きを助ける作用があることが知られています。

薬の代わりになるほどの期待はできませんが、便秘が気になった時には納豆の作用を試してみるのもいいかもしれません。

ビタミンKが豊富

また、納豆菌の産生する物質の中に、人にとって必須のビタミンKもあります。
ビタミンKは骨形成を促進して、骨質の改善・骨粗しょう症の予防をする効果があります。

納豆にはビタミンKが豊富で、1/2パック(25g)で1日に必要なビタミンKをとることができます。

しかし、ビタミンKは抗凝血薬の作用を弱める働きがあるため、血栓塞栓症の治療薬であるワルファリンを服用している人は納豆を食べてはいけません。
このような疾患を持った方は主治医の先生の指示に従うようにしましょう。

ナットウキナーゼで血栓が溶ける?のウワサ

納豆菌が発酵の過程で作り出すナットウキナーゼという酵素には血栓溶解作用があることがわかり、将来的には動脈硬化、脳梗塞を予防できる可能性が期待されています。

しかし、血栓の溶解作用が見られたのは試験管内での実験で、人での実験ではないため、「納豆を食べれば血液サラサラ」と単純に考えることはできません。
ナットウキナーゼはタンパク質でできた酵素であるため、単に納豆を食べるだけでは胃酸などによってその働きを失ってしまうと考えられます。

残念ながら、今のところは納豆やナットウキナーゼを取り入れることで血液についての何らかの健康効果を得られる、とは言えないようです。

納豆の栄養素を活かす組み合わせ

納豆と組み合わせたい食材

納豆+発酵キムチ(納豆菌+食物繊維+乳酸菌の腸内環境改善作用)

納豆には食物繊維が豊富に含まれており、納豆菌と合わせて腸内の善玉菌の働きを高めるはたらきが期待できます。
発酵キムチにはヨーグルトなどと同様に乳酸菌が多く含まれており、こちらも腸内環境を改善する作用があります。

ただし、日本で市販されているキムチには、乳酸発酵しているものと、乳酸発酵はしていないキムチ風浅漬けのようなものがあります。
腸内環境改善の観点で選ぶのであれば、乳酸発酵しているものが望ましいですね。
乳酸発酵をしていることが明記されていない場合、明確に見分けることは難しいですが、韓国から輸入しているものや、韓国の製法に近いものを選ぶのがおすすめです。

納豆+オリーブオイル(納豆菌+食物繊維+オレイン酸で便秘解消)

納豆菌や食物繊維と同じく便秘の解消に役立つ食品成分にオレイン酸があります。
オレイン酸はオリーブオイルなどに含まれており、小腸で吸収されずに大腸を刺激することで腸の運動を活発にする働きがあります。
納豆と一緒に摂取することで腸内環境を整えつつ腸の動きを促してくれるので、便秘改善によりよい組み合わせといえそうです。

納豆+干しエビやチーズ、ゴマ(ビタミンK+カルシウムで骨の健康維持に)

納豆に含まれるビタミンKの骨質改善・骨粗しょう症の予防のために、十分な量のカルシウム摂取が望ましいといえます。
日本人はカルシウムが不足しがちな場合が多いので、干しエビやチーズ、ゴマといったカルシウムを多く含む食品を合わせるのもおすすめです。

納豆+生卵はよくない?

卵の白身にはアビジンというタンパク質が含まれています。
このアビジンは納豆に含まれるビタミンの一つであるビオチンの吸収を阻害するため、納豆と生卵の組み合わせはよくないといわれています。

とはいえ、毎日生卵を食べる習慣があるわけではないのであれば、ビオチンの欠乏をさほど気にする必要もないと考えられます。

気になる人は一緒に食べるときには黄身だけにしたり、半熟卵などにして白身に火を通すとよいでしょう。

納豆をよく混ぜると栄養価が高くなる?

納豆、何回混ぜますか?

納豆の食べ方でよく話題になるのが、「納豆の混ぜ方」ですね。
100回混ぜる、400回混ぜる、たれを入れる前に●回、たれを入れてから●回など、人によっても様々なポリシーがあるようです。

栄養素は増えないが、旨味やまろやかさは増す

好みはともかくとして、混ぜる回数によって栄養素の量は変わるのでしょうか。

実は、回数によって栄養素の量が変わるということはありません。
ただし、よく混ぜることによって納豆の粘り成分であるポリグルタミン酸が分解して旨味成分のグルタミン酸が出てくるため、旨味が増しておいしく感じやすくなります。

また、混ぜることによって粘り部分が空気を含んでふわふわとした食感になるので、まろやかな味が好きな方はよく混ぜるとよりおいしく食べられるかもしれませんね。

納豆レシピ

【レシピ動画紹介】便秘解消に、豆苗とえのきの納豆和え

【材料】2人分

納豆(たれ付き) 1パック(45g)
豆苗 1/2パック
めんつゆ[3倍濃縮] 大さじ1
ごま油 大さじ1

※横スクロールで表全体の確認が可能です。

【栄養価】1人分 145kcal たんぱく質8.2g 脂質8.8g 炭水化物13.2g 食物繊維6.1g

納豆と食物繊維豊富なえのきを合わせた便秘解消メニュー!
レンジだけで作れて簡単です。
ご飯のおかずにも、麺類にかけてもおいしく食べられそうですね。

カルシウムたっぷり! 納豆+干しエビ+ゴマのチヂミ

納豆と干しエビのチヂミ

【材料】2人分

納豆 1パック(50g)
ニラ(5㎝幅に切る) 1/2束(50g)
干しエビ 5g
1個
100ml
薄力粉 110g
ごま油 大さじ1(12g)
しょうゆ 大さじ2(30g)
大さじ1.5(20g)
ラー油 お好みで
(ごま油でも可)
白いりごま 小さじ1(3g)

※横スクロールで表全体の確認が可能です。

【作り方】
1. ボウルに卵と水を入れて泡だて器でよく混ぜる。
2. 薄力粉を入れて混ぜ、納豆、ニラ、干しエビを入れて混ぜる。
3. フライパンにごま油を入れて加熱し、温まったら2の生地を流し入れて中火で焼き色がつくまで焼く。
4. 裏返して両面を焼き、焼きあがったら四角く切り、皿に盛る。
5. たれの材料をすべて混ぜ、食べるときにつける。

【栄養価】1人分397kcal カルシウム260㎎(1日の必要量の約40%)

カルシウムたっぷりの食材を組み合わせたスタミナメニューです。
納豆のにおいも気になりにくいので、納豆が苦手な人にも挑戦しやすいメニューです。

注意点

納豆を含む大豆製品には、栄養成分の中でも注目されることの多い「大豆イソフラボン」が含まれていますが、とりすぎに注意が必要です。
厚生労働省より大豆イソフラボンの安全な1日の摂取量の上限値は70~75mgと示されており)、これは納豆で約100g分(2パックほど)に相当します。

普段の食生活に大豆製品を取り入れるだけで十分な量が摂取できるので、サプリメントなどの濃縮されたものでは、使い方によって過剰摂取になる恐れがあります。

納豆などの食品からの摂取は問題ないとされていますが、取りすぎによる子宮内膜増殖症などの健康被害が報告されていることからも、偏った食事はせず、いろいろなものを食べるようにしたいですね。

※横スクロールで表全体の確認が可能です。

吉田勉 監修:「わかりやすい食品機能栄養学」.三共出版,2010.

国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所:「健康食品」の安全性・有効性情報(イソフラボン、ナットウについて)

Sumi H, Hamada H, Tsushima H, Mihara H, Muraki H.A novel fibrinolytic enzyme (nattokinase) in the vegetable cheese Natto; a typical and popular soybean food in the Japanese diet.Experientia. 1987 Oct 15;43(10):1110-1.

細井 知弘.Probioticとしての納豆菌の作用―腸内菌叢と腸管免疫システムに対する作用―日本醸造協会誌 / 98巻12号(2003)

須見 洋行.世界に誇る納豆 : その効能成分(<シリーズ>教科書から一歩進んだ身近な製品の化学-和食の化学-)化学と教育 / 63巻7号(2015)

厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」 報告書

厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2015年版)」