投稿日: 2019.07.05 | 最終更新日: 2023.02.09

納豆のカロリーと栄養素は?納豆の健康効果と体に良い食べ方を紹介

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納豆

納豆は古くから日本人に親しみ深い食材のひとつですが、実は栄養的にも優秀な食材なんです。
納豆の栄養価とその特徴を活かした取り入れ方を紹介します。

納豆の栄養素

含まれる栄養素によって食事・料理のグループ分けをする場合、納豆は豆腐などの大豆製品のほか、肉、魚、たまごといった食材と近いグループに属します。

納豆の栄養価を紹介し、同グループに属するたまご・豚ロースと比較してみましょう。

■納豆の栄養価とたまご、豚ロースとの比較

納豆 豚ロース
エネルギー 200kcal 151kcal 291kcal
タンパク質 16.5g 12.3g 18.3g
脂質 10.0g 10.3g 22.6g
炭水化物 12.1g 0.3g 0.2g
うち食物繊維 6.7g 0g 0g
ビタミンK 600㎍ 13㎍ 2㎍
*100gあたり(納豆2パック、たまご小さめ2個相当)
文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2015年版(七訂)」より作成

タンパク質に富む

納豆の原料は「畑の肉」ともいわれる大豆で、豆類の中でもたんぱく質が豊富なことで知られています。

大豆が原料である納豆も、植物性食品でありながら、動物性食品のたまご・豚肉と比較しても引けを取らないたんぱく質の含有量となっています。

また、植物性食品(例:米や麦など)のたんぱく質はヒトの体での利用効率(アミノ酸スコア)はあまり高くないのが一般的ですが、大豆でのアミノ酸スコアは肉類などと同じ100であり、質の良いたんぱく質、と言えるのが特徴です。

食物繊維と糖質

通常、たんぱく質を多く含むたまごや肉類などの動物性食品には食物繊維がほとんど含まれていません。

しかし、納豆は動物性食品と同じたんぱく源となる食材でありながら、食物繊維を多く含んでいるのも大きな魅力といえるでしょう。

炭水化物のうち、食物繊維を除いたものが糖質ですが、通常、糖質と比較すると食物繊維の含有量は少ないことがほとんどです。
一方、納豆においては、炭水化物のうち半分以上を食物繊維が占めているのが特徴です。

ビタミンKも豊富

また、納豆菌の産生する物質の中に、必須栄養素のひとつ「ビタミンK」もあります。
ビタミンKは骨形成を促進して、骨の健康を保つ働きを持っています。

納豆にはビタミンKが豊富で、1/2パック(25g)で1日に必要なビタミンKをとることができます。
通常の食生活で不足しやすい栄養素ではないので、毎日食べる必要はありませんが、納豆に特徴的な栄養素のひとつです。

補足:ビタミンKは抗凝血薬の作用を弱める働きがあるため、血栓塞栓症の治療薬であるワルファリンを服用している人は納豆を制限されることがあります。
このような疾患を持った方は主治医の先生の指示に従うようにしましょう。

機能性成分

たんぱく質やビタミンKといった必須栄養素以外にも、納豆は大豆イソフラボンやナットウキナーゼといった機能性成分を含むことが知られています。

あくまで食品として取るものであるため、薬のような効果があるようなものではありませんが、機能性成分も納豆の魅力のひとつといえそうです。

納豆の機能性成分(ナットウキナーゼ、大豆イソフラボン)について詳しく解説した記事はこちら

→骨粗鬆症や更年期に効果アリ?納豆の機能性成分

納豆の利点を生かす体に良い食べ方

納豆と組み合わせたい食材

植物性食品でありながら、特徴的な栄養素のバランスとなっている納豆。
栄養の視点からは、どのように活用するのが良いのでしょうか?

たんぱく質の摂取源として

納豆は同じたんぱく源であるお肉やお魚と違い、焼いたり煮たりといった調理が必要なく食べやすいのが特徴です。
1日の中でも特に忙しい朝はいくつもおかずを用意するのは難しいため、ごはんだけ、パンだけといった簡素なものになりがち。
手軽にたんぱく質を摂取できる納豆は「主食(糖質)だけ」に偏りがちな朝ごはんの栄養バランス改善によさそうです。

食物繊維のちょい足しに

また、納豆はたんぱく源でありながら、食物繊維が取れる点も特徴のひとつです。
1パック50gでとれる食物繊維は3g程度と、これだけで1日分がまかなえるものではありませんが、習慣的な「ちょい足し」に役立ちそうです。

納豆活用レシピ紹介

納豆の栄養を活かしたおすすめレシピを紹介します!

簡単調理で食事の栄養バランス改善に役立ちます。

【レシピ動画紹介】食物繊維たっぷり。豆苗とえのきの納豆和え

【材料】2人分

納豆(たれ付き) 1パック(45g)
豆苗 1/2パック
めんつゆ[3倍濃縮] 大さじ1
ごま油 大さじ1

※横スクロールで表全体の確認が可能です。

【栄養価】

1人分 145kcal たんぱく質8.2g 脂質8.8g 炭水化物13.2g 食物繊維6.1g

納豆とえのきを合わせた食物繊維たっぷりなメニューです!
レンジだけで作れて簡単、ご飯のおかずにも、麺類にかけてもおいしく食べられそうですね。

納豆の栄養素についてのウワサ

納豆について、食べ方やほかの食品との食べ合わせによって栄養価が変わってしまうといわれることも。

実際にそのようなことがあるのか、個別に解説します。

納豆と生卵の食べ合わせ

納豆と生たまごを一緒に食べると、納豆の栄養価が下がるといわれることがあります。

どういうことかというと、卵の白身にはアビジンというタンパク質が含まれています。
このアビジンは納豆に含まれるビタミンの一つであるビオチンの吸収を阻害するといわれています。

そのため、納豆と生卵の組み合わせはNG!といわれることがありますが、実際にはビオチンは納豆以外にも様々な食品に含まれており、通常の範囲の食生活では欠乏の心配はほとんどありません。
納豆に生卵をかけたくらいでは欠乏にはつながりませんので、あまり気にしなくてもよいでしょう。

それでも気になるという人は一緒に食べるときには黄身だけにしたり、半熟卵などにして白身に火を通すと、アビジンの作用を防ぐことができます。

納豆を混ぜる回数

納豆をよく混ぜると栄養価が高くなるといわれることがありますが、本当でしょうか?

実際のところは、混ぜる回数によって栄養素の量が変わるということはありません。

ただし、よく混ぜることによって納豆の粘り成分であるポリグルタミン酸が分解して旨味成分のグルタミン酸が出てくるため、旨味が増しておいしく感じやすくなります。

また、混ぜることによって粘り部分が空気を含んでふわふわとした食感になるので、まろやかな味が好きな方はよく混ぜるとよりおいしく食べられるかもしれませんね。

まとめ

たんぱく質・食物繊維摂取に手軽で便利な納豆。
お好みの食べ方で、毎日の食事に取り入れたいですね。

健康のために朝ごはんを習慣化するコツについて詳しく解説した記事はこちら

平井 しおり管理栄養士
平井 しおり管理栄養士

2013年に管理栄養士資格取得後、保育施設に勤務、栄養相談などに従事。

現在は「イマカラ」にて、栄養とダイエットに関する科学的根拠に基づいた情報を発信しています。