やせるお茶?トクホのお茶にダイエット効果はあるの?

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トクホとダイエット

「脂肪を分解する」「脂肪を消費する」
ダイエット中の人にはとても魅力的な効果をうたう「トクホ」の商品ですが、実際にダイエット効果はあるのでしょうか?

トクホで認められた「効果」はどのくらいだったのか、実際のダイエットでの取り入れ方を解説します。

そもそもトクホとは?

そもそもトクホとは、正式には「特定保健用食品」というものです。
消費者庁の定義によると、

食生活において特定の保健の目的で摂取するものに対し、その摂取により当該特定の保健の目的化期待できる旨の表示を行うもの。
特定保健用食品として食品を販売するには、その表示について消費者庁長官の許可を受けなければならない。
表示の許可に当たっては、食品ごとに食品の有効性や安全性について国の審査を受ける必要がある。

とされています。
簡単に説明すると、「特定の健康効果がある食品で、有効性や安全性について国の審査をクリアしたもの」です。

また、トクホの中にもランク付けがあります。
通常のトクホに比べると実験方法や結果の信頼度が低いなどの理由で「条件付きトクホ」といわれるものも存在します。

条件付きトクホ…特定保健用食品の審査で要求している有効性の科学的根拠のレベルには届かないものの、一定の有効性が確認される食品を、限定的な科学的根拠である旨の表示をすることを条件として許可する特定保健用食品。

トクホマークに「条件付き」との表示があり、
「根拠は必ずしも確立されていませんが、…に適している可能性がある食品です。」
といった文章が表記されているものがこれに当たります。

どんなものがある?

茶葉

ひとくちにトクホといっても、成分も食品の形態もさまざまです。
今回はダイエットにかかわるもの、その中でもCMなどでよく知られており、コンビニなどでも手に入れやすい「飲み物」を中心にまとめました。

ダイエットに効果が期待できそうなトクホの機能としては、大きく2つに分けられます。
食事に働きかけるもの、体内に働きかけるものです。

食事由来の脂肪や糖の吸収を妨げるもの

難消化性デキストリンなどを含んだものがこれにあたります。

難消化性デキストリン

難消化性デキストリンはトウモロコシなどのでんぷんから作られる食物繊維のひとつです。
さまざまな飲料に加えられるため、複数のメーカーから多数のトクホ商品が発売されています。

脂肪や糖の吸収を緩やかにするはたらき

難消化性デキストリンは食事に含まれる糖や脂肪の吸収をゆるやかにし、血糖値や血中中性脂肪の上昇をゆるやかにすることが知られています。

食後の血糖値の急上昇は体脂肪の蓄積にかかわると考えられているため、ダイエット中で血糖値の変動を気にしている人には魅力的ともいえる成分かもしれません。

研究で分かった効果は?

ただし、体重の変化については1日30gの摂取を3か月間続けても0.7㎏程度の減少にとどまり、有意な差は認められなかったとする研究も。
体脂肪率については2%ほどの減少が有意なものとして認められました。
各メーカーでも血糖値や血中脂質については紹介しているものの、肥満抑制効果などについては言及していないものが多いです。

体内の脂肪の消費を高めるもの

食事ではなく、体内の脂肪の消費を高める働きをするものとして、高濃度茶カテキンやケルセチン配糖体があげられます。

高濃度茶カテキン

カテキンは緑茶などに含まれるポリフェノールの一種で、苦みや渋みのもととなります。
カテキンを含んだトクホとしては「ヘルシア緑茶」などが有名です。
カテキンをおよそ3か月(12週間)の長期にわたって摂取することによって、

・体重や体脂肪の低減効果(体重-1.3㎏、脂肪面積-24.5㎠)がみられた
・運動時の脂肪燃焼量が増加した

という結果からトクホとして使用されています。

カテキンについての研究で気になる点は?

ただし、研究に参加した被験者のBMIは体重・脂肪量の実験では26、運動時の脂肪燃焼量の実験では23~24前後とやや高めでした。
また、ヘルシア緑茶のメーカーである花王のホームページでは美容・痩身目的のものではないという表記がされています。

ケルセチン配糖体

ケルセチンもカテキンと同様にポリフェノールの一種で、玉ねぎなどに含まれています。
ケルセチン配糖体の含まれるものとしては脂肪の分解を助ける「特茶」などが有名ですね。
こちらもおよそ3か月(12週間)にわたって飲用することで、

・体脂肪面積の低減(-10.58㎠)

という結果が得られたそうです。

ケルセチン配糖体についての研究で気になる点は?

ただし、対象はBMI25~30の軽度の肥満の人で、体脂肪面積は減少したものの、体重やウエスト周囲に変化は見られなかったそうで、実感できる人はそう多くないかもしれません。
脂肪の消費における分解→燃焼の分解部分を助ける働きがあるものの、脂肪を燃焼するための運動などがなければ、消費されることはないとも考えられます。

トクホはダイエットに効果がある?

体重計に乗る女性

結局、トクホはダイエットに効果があるのか?といえば、紹介した通り、「ごく限られた条件のもとで限られた範囲の効果がある」といえます。

効果の検証方法は信頼できる

トクホの実験はランダム化比較試験など、医薬品などの効果を検証するのと同等の方法で行われており、実験方法の信頼度は高いといえます。

ランダム化比較試験とは:

薬や機能性食品の効果を検証するにあたり行う実験では、効果のないものを摂取していても被験者が「効果のあるものを摂取している」と思い込むことで有効性を示す結果が得られてしまう、または無意識のうちに食生活などに気を使ってしまっていい結果が出てしまうなどの影響が考えられます。

そういった影響を取り除くために使われるのがランダム化比較試験といった方法です。

反対に、ランダム化比較試験のような方法を行わない、多くの健康食品についての実験結果にはあまり信頼性がないとも言い換えられます。
誰にでも当てはまるわけではないのがポイント

例えば、カテキンによって体重が減少した研究の場合の「条件」は

・BMIが25~35の21~65歳の男女
・カテキン539.7㎎の飲料500mlを1日1本摂取
・12週間毎日続けた

となります。
何が言いたいかというと、この研究結果はこの条件のもとでだけ有効であるということです。
厳密に言ってしまえば、上記の条件に一つでも当てはまらないものがあれば効果は期待できるとは言えないということになります。

実証された効果がそもそもわたしたちの期待値より低い

また、条件をすべてクリアできた場合に、12週間後の「効果」として

・体重が1.3㎏減った
・全脂肪面積が24.5㎠減った

といった結果が期待できるといえます。

3か月、毎日飲み続けることによって1.3㎏の体重減少がみられた結果については、多いとも少ないとも言えないのですが、みるみる痩せる魔法のお茶とは言えないことは伝わるのではないでしょうか。

もちろん、信頼性の少ない「トクホですらない健康食品」に比べれば、はるかに効果を信頼できるものだと思います。
しかし、その効果は私たちが期待するほど大きいものではないかもしれません。

ダイエットを成功させるには

ランニングをする女性

トクホといえど薬ではない

トクホは薬ではありませんが、「健康食品」といわれるジャンルの中では最も安全性や有効性が確認されているものといえます。

そんなトクホでも、単体でのダイエット効果というのは極めて限定的です。

食事と運動にトクホをプラス

トクホ飲料は飲むだけ無駄、とまでは言いませんが、ダイエットの成功のためには、基本となる食事の管理、身体活動の確保が最重要なものだと考えます。

トクホ飲料を飲むだけでは思ったような効果は得られないと考えるのが自然ですし、もちろんトクホ飲料を飲んでいるからといって食べたものが帳消しになるわけではありません。

食事管理や運動のサポート役として、賢くトクホを活用したいですね。

参考文献

消費者庁:「健康や栄養に関する表示の制度について」

アサヒ飲料:「食後の血糖値の上昇をおだやかにする難消化性デキストリンとは?」

岸本由香,若林茂,徳永勝人.内臓脂肪蓄積に及ぼす難消化性デキストリン長期投与の影響 日本食物繊維研究会誌Vol.4 No.2(2000)

花王:「茶カテキンの継続摂取で1日約100kcalのエネルギーを消費。」

国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所:「健康食品」の安全性・有効性情報「カテキン」

日本カテキン学会:「効果・作用」

サントリー:「特茶の秘密-体脂肪を減らすのを助ける」

国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所:「健康食品」の安全性・有効性情報「ケルセチン」