牛乳は太る?ダイエット中の飲み方・選び方|管理栄養士執筆

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牛乳

栄養価が高いイメージの牛乳は、ダイエットでは避けられることも。
ダイエット中は牛乳を飲まないほうがいいのでしょうか?
ダイエットと牛乳の関係と、太らないためのポイントを紹介します。

太るメカニズムと牛乳のエネルギー

太る=摂取エネルギーの過剰

そもそも、太る、というのは運動などによる消費エネルギーよりも食事などからの摂取エネルギーが上回ったことで、余ったエネルギーが体脂肪として蓄積されてしまうことです。

体脂肪を減らすためのダイエットとカロリーについて詳しく解説した記事はこちら

→体脂肪を減らす正しいダイエットとは?

つまり、本質は一定期間を通しての消費エネルギーと摂取エネルギーのバランス。
よって、牛乳を含め、特定の食品が原因で太るということはありません。

牛乳は飲み物としては高カロリーだけど…

飲む機会の多い飲み物のエネルギーを比較したものを紹介します。

食品 エネルギー
牛乳 67kcal
コーラ 46kcal
オレンジジュース(濃縮還元) 42kcal
コーヒー 4kcal
緑茶 2kcal
*100gあたり
*文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2015年版(七訂)」より作成

牛乳を飲み物として考えた場合、牛乳は比較的エネルギーの高いものになります。

とはいえ、200ml(コップ1杯または牛乳瓶1本または小パック1本)を毎日飲んでいたとしても牛乳から摂取するエネルギーは134kcalほど。
通常のデスクワーク勤務程度の身体活動のある場合の18-64歳の女性では2000kcal前後、18-64歳の男性では2700kcal前後の推定エネルギー必要量と比較すると、大きく影響するものではありません。

牛乳は栄養価の高い食品でもある

また、牛乳はたんぱく質やカルシウムの摂取源となる食品でもあります。

若い世代では体の成長のため、成人以降でも骨粗鬆症の予防やたんぱく質の確保のために積極的にとりたい食品のひとつです。
そのため、ダイエット中に合っても、牛乳は「なるべく取らないほうが良い食品」というわけではありません。

牛乳の栄養について詳しく解説した記事はこちら

→牛乳はやっぱり栄養豊富!牛乳の魅力を紹介

牛乳の栄養素をとりつつ太らないためには…

牛乳の種類別表示

「水替わり」は飲みすぎかも

牛乳はダイエットにおいて真っ先に減らすべきものではありませんが、過剰摂取は体脂肪増加の原因になりえます。

食事バランスガイドでは、乳製品の摂取目安は牛乳として200mlほど。
これはエネルギーだけでなくカルシウムの摂取目的も含む目安ですが、1日200mlを大きく超えて「水代わり」に飲むような場合には、牛乳からの摂取エネルギーが多くなりすぎるため、牛乳の摂取量を抑える必要があるでしょう。

カロリーや飽和脂肪酸が気になるなら低脂肪乳という選択肢も

牛乳売り場には、普通の牛乳のほか、脂肪分を取り除いた「低脂肪乳」「無脂肪乳」がある場合も。
脂肪分が少なくなる分エネルギーも抑えられるので、ダイエット中には選択肢に加えてみてはいかがでしょうか?

■低脂肪乳、無脂肪乳でどのくらい変わる?

「低脂肪乳」「無脂肪乳」を選ぶことで、摂取エネルギーを抑えたい人、飽和脂肪酸の摂取量が気になる人(血中LDLコレステロール値が高いなどの理由)でも、エネルギーや飽和脂肪酸の摂取量を抑えつつ牛乳の栄養素を摂取することができます。

普通牛乳 低脂肪乳 脱脂乳
エネルギー 67kcal 46kcal 34kcal
たんぱく質 3.3g 3.8g 3.4g
脂質 3.8g 1.0g 0.1g
飽和脂肪酸 2.33g 0.67g 0.05g
炭水化物 4.8g 5.5g 4.8g
カルシウム 110mg 130mg 100mg
*100gあたり
*文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2015年版(七訂)」より作成

低脂肪乳では脂質の半分以上がカットされ、エネルギーも2/3ほどに抑えられています。
無脂肪乳(脱脂乳)ではさらに少なく、エネルギーは半分ほどになっています。
たんぱく質やカルシウムといった脂質以外の栄養素に大きな変化はないので、栄養素の摂取にも適しています。

■補足:飽和脂肪酸について

牛乳はカルシウムなどの効果的な摂取源となるいっぽうで、取りすぎが生活習慣病リスクと関連する「飽和脂肪酸」を比較的多く含む食品でもあります。

日本人の食事摂取基準(2020年版)では、1日あたりの飽和脂肪酸摂取量は総摂取エネルギーの7%以下にとどめることが目標量として定められています。
これは、1日に2000kcalを摂取する人の場合、140kcalぶん、重さにして15.5gにあたります。
200mlの牛乳から摂取される飽和脂肪酸は4.7gほど。
飽和脂肪酸はほかの食品からも摂取されるもので、コップ1杯程度の牛乳では、過剰摂取の直接的な原因にはなりにくいと考えられますが、気になる人は低脂肪乳などを選ぶのもリスクを下げるひとつの方法になります。

まとめ:牛乳だけでなく、食事と運動全体を見よう

牛乳だけでなく、特定の食品によって太る、ということはありませんが、体脂肪が増えてしまうのは何らかの理由によって摂取エネルギーが過剰になっている(または消費エネルギーが少ない)ためです。

摂取エネルギーを増やしている原因は人それぞれ。
自分が普段の食事で何を食べすぎているのか、どれが余分なのかを見極められると理想的です。

砂糖類やアルコール、過剰な量の油脂は減らしても必須栄養素の不足につながりにくいので、はじめに見直すのがおすすめです。

参考文献

厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会」 報告書

文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

一般社団法人Jミルク:「乳の知識」

全国飲用牛乳公正取引協議会:「飲用乳ってなに?」

社団法人日本栄養士会監修:「食事バランスガイド」を活用した栄養教育・食育実践マニュアル.第一出版,2011.

平井 しおり管理栄養士
平井 しおり管理栄養士

2013年に管理栄養士資格取得後、保育施設に勤務、栄養相談などに従事。

現在は「イマカラ」にて、栄養とダイエットに関する科学的根拠に基づいた情報を発信しています。