投稿日: 2020.04.03 | 最終更新日: 2024.04.12

コロナ予防にいい食べ物はある?新型コロナウイルス感染症対策と食事のポイント

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コロナ予防にいい食べ物はある?

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、注目が集まっているのが「予防法」。
ネット上では新型コロナウイルス感染症に対して効果あり!と売り出している食品やサプリメントもありますが、本当に効果があるものなのでしょうか?

この記事では、新型コロナウイルス感染症を予防することに対する食事の効果と気をつけるべきことについて解説します。

食事以外の基本的な感染症対策のほか、誤った情報に振り回されないためのポイントも紹介します。

コロナ予防のための食事のポイント

コロナ予防のための食事のポイント

コロナにかからないために、食事は大切な要素です。

とはいえ、食べることでコロナにかかりにくくなるような特定の食べ物というものはなく、コロナの予防効果をうたう健康食品には注意が必要です。

新型コロナウイルス感染症にかからないために気をつけるべきポイントを紹介します。

コロナ予防効果のある食べ物は無い

結論から言えば、2024年現在でも、新型コロナウイルス感染症に対して予防効果が科学的に認められている食品・サプリメントはありません。

また、コロナウイルスに限らず、「免疫力を高める食品」というものもありません。
そもそも「免疫力」という単語そのものが医学用語ではなく、定義があいまいなもので、科学的根拠のあるものではありません。
また、ヒトの体がもつ「免疫」はバランスが重要なもので、強ければ強いほどいいというものでもありません。

コロナ予防効果をうたう健康食品に注意

新型コロナウイルスの拡大に伴い、根拠のないコロナウイルス予防効果をうたう健康食品やサプリメント、その他雑貨などの広告も広がっています。

この状況を受けて、消費者庁は「新型コロナウイルスに対する予防効果を標榜する商品の表示に関する改善要請等および一般消費者への注意喚起」を行っています。

なかには、予防効果をうたう商品の販売業者等が家宅捜索や書類送検されるケースも。

具体的には、ビタミン類、ポリフェノール類、オリーブ葉エキス、マヌカハニー、タンポポ茶、あおさ、スピルリナ、レイシ、納豆など。
いずれも感染を予防する科学的根拠が存在するものではありません。

販売業者が積極的にアピールしていなくとも、「○○がコロナ予防にいいのではないか」といったウワサが広まることも。
具体的には、納豆、ニンニク、など。納豆は一時スーパーでも品薄になるほどでした。

悪意のあるものではないにしろ、嘘情報であることは変わりません。
また、食べること自体は体に悪い影響を起こすことはありませんが、「コロナにいい(らしい)ものばかりを食べる」ような場合には食事のバランスを欠くことにつながりかねません。

バランスの良い食事が大切

「これを食べると新型コロナウイルス感染症にかかりにくくなる」といった特定の食品はありません。
食事による予防法をあえて挙げるとすれば、「バランスよく、しっかり食べること」といえます。

疲れがたまっていたり、体力が落ちていたりと、体が弱っているときには感染症にかかりやすくなります。
また、特定の食品に偏った食事は摂取栄養素の偏りにつながり、体調を崩す要因になりえます。

「感染症にかかりやすい状態」にならないためには、食事面では以下のようなことに気を付けましょう。

  • 摂取エネルギー(カロリー)が不足しないようにする

過度の食事制限はせず、十分な食事量を確保しましょう。

  • 特定の食品ばかりに偏った食事は避ける

いろいろな食品を偏りなく食べることは、摂取栄養素を偏りなくとることにつながります。

新型コロナウイルス感染症対策のポイント

風邪予防のための食事以外のポイント

予防に効く食品やサプリメントはありません。
だからと言って、感染予防対策は全くないということではありません。

新型コロナウイルス感染症は、一般的に「飛沫感染」と「接触感染」によって感染すると考えられています。

  • 飛沫感染…ウイルスに感染した人のくしゃみ、せき、つばなどの飛沫と一緒にウイルスが放出され、ほかの人が口や鼻から吸い込むことによる感染です。
  • 接触感染ウイルスに感染した人のウイルスを含む飛沫が手につき、その手で触れたものにほかの人がさわり、ウイルスのついた手で口や鼻などの粘膜を触ることによる感染です。

自分が感染しないための有力な予防策は、「手洗い・うがいをしっかり行うこと」「マスクの着用」「3つの密を避けること」でこれらの感染経路を断つことです。

こまめな手洗い・うがい

接触感染を避けるためには、手にウイルスがついた状態でウイルスが体内に入り込みやすい粘膜に触れないことが必要です。
とはいっても、ウイルスは目に見えないうえ、外出時は意外といろいろなところを触ってしまうもの。
「触れない」ことも大事ですが、ついてしまったウイルスが体内に入らないように「手洗い」をこまめに行うことが重要です。

手洗いのタイミングとしては、帰宅時や調理作業の前後、食事の前など。
手洗い動画なども参考に、洗い残しの無いようにしましょう。

→首相官邸、厚生労働省より発表されている手洗いの手順

マスクの着用

マスクは飛沫感染を避けるのに有効な手立てのひとつです。

マスクは「かからないため」だけでなく、「うつさないため」にも重要なポイントです。
マスクを着用することで、空気中の飛沫を吸い込むことを防ぎ、また、くしゃみや咳を周囲に広げないことにつながります。

特に、コロナウイルス感染症をうつさない・広げないためにはマスクの着用を含めた「咳エチケット」を意識したいところです。

「咳エチケット」とは、くしゃみや咳の症状があるときに、ウイルスを含む飛沫を飛ばさない・手で受け止めないようにするためのもの。

  • マスクを着用し、口と鼻をしっかり覆う
  • マスクがない状態でくしゃみ・咳をするときはティッシュやハンカチで口と鼻を覆う。
  • とっさのときは、ひじの内側の袖で口と鼻を覆う

いずれの方法も、周りの人に飛沫感染・接触感染させないための行動です。

また、飛沫の付着したマスク・ティッシュ・ハンカチ・衣類にはウイルスが存在します。
ウイルスがほかの場所に触れないように取り扱い、使い捨てのものは廃棄するようにしましょう。

このほか、新型コロナウイルスの潜伏期間はインフルエンザ(約3日)と比較すると長く、一般的にはおよそ5日、長い場合で14日と言われています。
無症状の潜伏期間であっても、ウイルスを放出している可能性も否定できないといわれているため、症状がない場合でもうつさないための取り組みができるとなおよいでしょう。

密閉・密集・密接を避ける

飛沫感染を避けるためには、多くの人の飛沫に触れる可能性の高い場所を避けることが重要です。
感染リスクの高い場所は「3つの密」であらわされる、

  • 密閉空間(換気の悪い密閉空間である)
  • 密集場所(多くの人が密集している)
  • 密接場面(互いに手を伸ばしたら届く距離での会話や発声が行われる)

といった場所です。

間違った健康情報に騙されないために気をつけたいこと

誤った健康情報に騙されないために気をつけたいこと

新型コロナウイルス感染症をめぐっては、さまざまな「デマ」が広まっていました。

健康情報に関するデマはさまざまな悪影響を及ぼします。

根拠のない健康情報に振り回されないために知っておきたいことを紹介します。

デマのデメリットを知る

新型コロナウイルス拡大に伴い、感染症そのものの影響に加え、「インフォデミック」と呼ばれる「根拠のない情報の拡散」が問題視されています。

根拠のない情報=嘘情報、デマは悪意のあるものやそうでないものが混在していますが、いずれにせよ、間違った情報を信じて行動することにはデメリットが伴います。

  • 正しい予防法の妨げになる可能性がある

手洗いやバランスのとれた食事といった、正しい方法は「ありきたりな方法」でもあります。
目新しい情報に気を取られてしまうと、正しい予防法が実施されないことも考えられます。
根拠のない情報を重視した結果、正しい予防が行われないのは危険な状態です。

  • 物資・お金・時間・労力の無駄になる可能性がある

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、マスクの消費が増えることでトイレットペーパー・紙製品などの商品が手に入りにくくなるのでは、との間違った情報が広がり、必要以上に購入する人が増え、実際に品薄となる事態が起こりました。
不安に駆られた人のなかには、必要以上にお金をかけて高額の転売品を買った人もいるかもしれません。
また、品薄になった商品を求めて長時間並んだり、複数の店舗を回らざるを得ないといった状況も多く目にしました。

嘘の情報を多くの人が信じてしまうことによって、個人レベルでも、社会全体においても、さまざまなものが無駄に消費されることが考えられています。

デマの特徴を知る

不安になると正常な判断が難しくなることもあり、不確かな情報を信じてしまう人も多くなります。
嘘の情報を信じてしまわないためには、警視庁から紹介されている「疑わしい情報の特徴」を知っておくと便利です。

  • 強調、不安を煽る、急がせる表現
  • 生命・金銭にかかわる内容
  • 情報源・根拠が示されていない
  • 伝聞形式(~らしい)で書かれている
  • 拡散をすすめている(善意・悪意問わず)

ひとりひとりが冷静に判断することで、嘘の情報による現実への影響を小さくすることができます。
根拠が不十分な情報を耳にしたときは、ほかの人に話す前に「確かな情報かどうか」を気にする習慣をつけたいですね。

公的で専門的な情報源を把握する

ほんとうかどうか判断しにくい情報に出会ったときには、信頼できる機関の情報を参考にすることも重要です。
簡単なポイントとしては、公的機関であること、専門機関であること。

新型コロナウイルス感染症に関しては、

・厚生労働省一般向けページ

・WHO一般向けページ(日本語)

がおすすめです。

また、「○○が■■に効く」といった、健康食品やサプリメントの情報については、

・国立健康・栄養研究所「健康食品」の安全性・有効性情報

がおすすめです。

まとめ

「コロナ予防には○○がいい」といった単純でわかりやすい情報は魅力的ですが、現時点で特定の食品が効果を示すことは期待できません。

  • 3つの密を避ける
  • 手洗い・うがいをこまめに行う
  • マスクをつけ、咳エチケットを心がける

今回紹介したこれらの対策は地味でありきたりな方法ではあるものの、おさえるべき大切なポイントです。

非常時にこそ冷静に行動し、誤った情報に振り回されないようにしましょう。

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参考文献

「健康食品」の安全性・有効性情報

「健康食品」の安全性・有効性情報(新型コロナウイルスに関連した注意喚起情報一覧)

首相官邸、厚生労働省:手洗いの手順

首相官邸、厚生労働省:咳エチケット

日本医事新報社:【識者の眼】「新型コロナウイルス感染症:『怪しい民間療法』と『不安・恐怖』は表裏一体」大野 智

警視庁:不確かな情報に惑わされないために

厚生労働省:国民の皆さまへ (新型コロナウイルス感染症)

WHO:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)一般向け特設ページ

平井 しおり管理栄養士
平井 しおり管理栄養士

2013年に管理栄養士資格取得後、保育施設に勤務、栄養相談などに従事。

現在は「イマカラ」にて、栄養とダイエットに関する科学的根拠に基づいた情報を発信しています。