投稿日: 2019.04.21 | 最終更新日: 2020.04.22

風邪の予防は手洗いうがいと食事も重要です!|管理栄養士執筆

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風邪予防

冬が近づいてくると、気になるのが風邪。

手洗いうがいももちろんですが、バランスのとれた食事やしっかり休養することも大事です。
長い冬を元気に過ごすために、食事を中心に風邪予防のポイントを解説します。

ビタミンをしっかりとれる簡単レシピも紹介します!

風邪をひかないためには?

風邪は粘膜からのウイルス感染

風邪はウイルスの感染によるものです。

ライノウイルスやアデノウイルスなどの風邪の原因となるウイルスが、のどや鼻の粘膜に一定の時間はりつくことで感染してしまいます。

感染しても、早い段階でウイルスを駆除できれば早い段階で風邪を治すことができますが、体力の落ちた状態では悪化しやすく、重い鼻やのどの症状、高熱が出たりすることも。

感染予防とウイルスを倒す力をつけておくことが大事

風邪をひかないようにするには、まずはウイルスの感染を防ぐこと。
加えて、もし感染したとしても、すぐに退治できる免疫細胞の力をつけておくことが大事です。

風邪の予防のためには、食事や休養、生活習慣について日ごろからの心がけが大事です。

ウイルスをブロックするために

風邪予防の手洗い

まずは、ウイルスが感染しないようにするポイントについて。

ウイルスは空気中にも漂っている

風邪の感染源は、主に風邪をひいた人の咳やくしゃみの飛沫の中に含まれるウイルスです。

飛び散った飛沫に触れた手で目や口の粘膜に触れると、そこから感染することもあります。
また、風邪をひいた人がそこにいなくても、空気中にも風邪の原因となるウイルスが漂っています。

そのウイルスが、呼吸などによって口や鼻の中に取り込まれ、粘膜から侵入することで風邪のウイルスが体内に入ってしまいます。

マスクとうがい・手洗いでウイルスを付けない・取り除く

まずは手やノド、鼻にウイルスが付着するのを防ぎましょう。

・マスクをする(飛沫をブロック)

・こまめに手洗いをする(ウイルスを洗い流す)

・こまめにうがいをする(ウイルスを洗い流す)

粘膜の水分を保って感染しにくくする

また、粘膜が乾燥した状態だとウイルスが侵入しやすくなってしまいます。
粘膜にウイルスが付着してから15~20分で感染が成立してしまうともいわれています。

こまめに水を飲むことで、のどにいるウイルスを胃に流し、感染を防ぐことができます。

・マスクをする(保湿)

・うがいをする(保湿)

・20分ごとの水分補給(脱水予防、ウイルスを洗い流す)

粘膜の健康のためには食事

こまめに対策を行っていても、ウイルスの入り口である粘膜が弱っていると、ウイルスが侵入しやすくなってしまいます。
また、免疫が弱っているとウイルスをなかなか排除できずに風邪の症状が悪化することも。

粘膜や免疫細胞を健康に保つには、食事が重要です。

ウイルスに負けない体を作る食事

風邪予防のための食材

風邪をひかないようにするには、食事面は何に気を付ければいいのでしょうか?
ポイントに分けて解説します。

栄養バランスの取れた食事をする

風邪予防に、これさえ食べておけば大丈夫といったものはありません。

まずは日々の食事のバランスをとることから。
偏りなく様々な食品を食べているとバランスがとりやすいです。

日ごろあまり食べないな、と思うものを意識して取り入れてみてくださいね。

タンパク質を十分に摂取する

いろいろなものを食べるようにすることに加えて、必要なのが免疫細胞のもととなるタンパク質の摂取です。

ダイエット中などで食事量が減っていると、必要なタンパク質が不足することも。
お肉や卵、魚など、たんぱく源となる食材をしっかりとりましょう。

量の目安は、1回の食事で手のひらサイズくらいがいいとされています。

ビタミンAを含む食品

ビタミンAはにんじんなどの緑黄色野菜やうなぎなどに含まれている、粘膜の健康を保つビタミンです。

粘膜が弱っていると、そこからウイルスが侵入しやすくなってしまいます。
油に溶ける性質があるため、油を使った料理がおすすめです。

体温を上げる食事

体温が上がると免疫細胞の働きが活発になるため、風邪の予防にも効果的です。

風邪をひいて熱が上がるのは体がウイルスを排除するために免疫細胞の働きを高めるためともいわれています。
あたたかい食事や飲み物で体を温めましょう。

風邪にかかりにくくする生活習慣

体が疲れていたり、体温が低かったりすると、ウイルスに感染しやすく、免疫細胞の働きも鈍ってしまいます。

・睡眠をしっかりとる(疲れをとる)

・入浴はシャワーだけで済まさずにお湯につかる(体を温める)

・軽めの運動で体力をつける(体温を上げる)

激しい運動のあとは疲労で風邪にかかりやすい状態になってしまうため、軽めのウォーキングなどを行うと効果的です。

風邪予防レシピ

これさえ食べれば大丈夫!と言える食品がないというのは先ほどお伝えした通りですが、不足しがちな食材を比較的簡単に、食べやすくするレシピを紹介します。

もちろん、タンパク質やビタミンもたっぷり入ったメニューです。

カラフル野菜と鮭のミルク鍋

鮭のミルク鍋

【材料】2人分

2切れ(1切れ80g)
白菜 200g(2~3枚)
にんじん 50g(1/3本)
しめじ 50g(1/2パック)
黄パプリカ 60g(1/2個)
バター 10g
300ml
和風顆粒だし 小さじ1(4g)
ひとつまみ
醤油 大さじ1(18g)
牛乳 300ml
粉チーズ お好みで
白すりごま お好みで

※横スクロールで表全体の確認が可能です。

【作り方】
1. 白菜はざく切り、にんじんは短冊切り、パプリカは一口大に、しめじは石づきを取って小分けにする。
2. 鍋にバターを入れて加熱して溶かし、3等分に切った鮭を焼く。
3. 鮭に焼き目がついたら野菜を入れ、軽く炒め合わせたら水、和風顆粒だし、塩を入れて煮込む。
4. 具材が煮えたら牛乳と醤油を入れて味をととのえ、お好みで白すりごまと粉チーズを加える。

【栄養価】1人分298kcal タンパク質26.5g ビタミンA等量280㎍

メインのおかずがお肉になりがちな方へ、お魚と野菜がたっぷりとれるお鍋です。

20代女性の場合、1日の摂取推奨量に対してタンパク質は53%、ビタミンAは43%が摂取できます!
ご飯1膳(150g)を一緒に食べても550kcalです。

すぐできる!ビタミン補給スープ

豆苗のビタミン補給スープ

【材料】2人分

豆苗 1パック(85g)
生姜(チューブ) 小さじ1/2
400ml
鶏ガラスープ(顆粒) 小さじ1(5g)
小さじ1/3(2g)
こしょう 少々
1個
ごま油 小さじ1/2(2g)

※横スクロールで表全体の確認が可能です。

【作り方】
1. 豆苗は根元を切って外し、半分の長さに切る。
2. 鍋に生姜チューブ、鶏ガラスープ、水を入れて火にかけ、沸騰させる。
3. 豆苗を入れてひと混ぜし、塩、こしょう、ごま油で味をつける。
4. 再び煮立ったら溶いた卵を回し入れ、ふんわり固まったら出来上がり。

【栄養価】1人分71kcal ビタミンA等量150㎍

5分ほどの短時間で完成する簡単メニューです!
生姜入りで体も温まるのでぜひいつものお食事にプラスしてみてくださいね。

風邪をひいてしまったら

予防を心がけていても、風邪をひいてしまうときはありますよね。
そのときは水分と食事、睡眠をしっかりとってください。
風邪を悪化させない、周りに移さないためにもうがいや手洗いは行いましょう。

風邪をひいてしまった時の飲み物や食べ物についての記事もあるので参考にしてみてくださいね。

→風邪を治したいとき、食欲がないならまずは飲み物から

→風邪のときの食べ物は?早く治すためコンビニも活用しよう

参考文献

全国健康保険協会:「風邪をひかない生活習慣!」

文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

吉田勉 監修:「わかりやすい食品機能栄養学」.三共出版,2010.

平井 しおり管理栄養士
平井 しおり管理栄養士

2013年に管理栄養士資格取得後、保育施設に勤務、栄養相談などに従事。

現在は「イマカラ」にて、栄養とダイエットに関する科学的根拠に基づいた情報を発信しています。