投稿日: 2019.04.21 | 最終更新日: 2024.04.17

便秘解消に効く食べ物・飲み物は?お通じ改善のための食事と生活のポイントを解説

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便秘解消

お通じは毎日あるのが健康的な状態です。
しかし、何らかの原因によって排便習慣が妨げられると、便秘や便秘に伴う様々な症状があらわれることがあります。

便秘の症状は腹部の違和感だけではなく、おへそ周りがポッコリ出てしまうこともあり、見た目にも影響することがあります。

また、腸内環境が悪化することでウェルシュ菌などの悪玉菌が増殖してしまい、これらの悪玉菌が作った有害物質が結果的に肌荒れやニキビなどの原因になることも考えられます。

この記事では、便秘解消・便秘予防のために食事面で気をつけたいポイント、積極的に取り入れたい食べ物・飲み物について紹介します。

おすすめレシピや食事以外のポイントについても解説しますので、ぜひ参考にしてくださいね。

便秘の種類と原因

便秘の種類と原因

便秘は、その原因によっていくつかに分類されています。
原因によって対処法も異なるため、自分の便秘がどのタイプか整理しましょう。

弛緩(しかん)性便秘

弛緩(しかん)性便秘は、腸管の動きが不十分で起こるタイプの便秘です。

便が腸の中にとどまる時間が長くなることで便の水分が吸収されすぎてしまい、固くなってしまって起こる便秘です。

日本人の便秘の大部分はこのタイプと言われています。
弛緩性便秘の原因は以下のようなものが挙げられます。

  • 運動不足
  • 腹筋の筋力低下
  • 食事中の水分や食物繊維不足
  • ダイエットや朝食を食べないことなどによる食事量の低下

ダイエット中に起こりがちな便秘について詳しく解説した記事はこちら

痙攣(けいれん)性便秘

痙攣(けいれん)性便秘は、弛緩性便秘とは反対に、腸管が緊張して便がうまく動かず、腸の中に便が留まってしまうタイプの便秘です。

小さくコロコロした便が特徴で、便秘と下痢を繰り返すことも多いといわれています。
自律神経を乱すストレスなどが原因とされています。

直腸性便秘

直腸性便秘は、便意を我慢することが習慣化することで起こる便秘です。

大腸の最後、肛門の手前にある部分を直腸と言います。
通常、この部分に便が到達すると体が便意を感じ、排便が起こります。
直腸に便が到着しても排便反射が起こらず、排便が滞ってしまうタイプです。
便意を我慢することが多い人に起こりやすいといわれています。

器質性便秘

器質性便秘は、何らかの物理的原因によって腸管の中が狭くなったり、便が通過できなくなるタイプです。
他の便秘と違って別の病気が原因となっているため、原因となる疾患の治療が必要です。
激しい腹痛や血便などの症状がある場合は早めの受診をおすすめします。

便秘解消に効く食べ物・飲み物と食事のポイント

便秘解消に効く食べ物・飲み物と食事のポイント

便秘の解消のためには、原因となっている生活習慣を改善する必要があります。
便秘の原因となる生活習慣から、便秘の解消法を紹介します。

また、管理栄養士の視点から、食事で気を付けたいポイントを解説します。

水分補給

弛緩性便秘の解消のためには、水分を十分にとって排出しやすい便を作ることが大切です。

便は水分が足りないと余計に固く、動きにくくなってしまいます。
水分によって便が大きく、やわらかくなると、腸管を刺激して便意を起こすことにつながります。
ヒトの体が必要な水は食事と飲み水から2.2Lともいわれ、汗をかく季節はこれ以上にもなります。
水分不足の体にならないよう、こまめに水分補給を心がけましょう!

日本人は水分摂取量が不足気味ともいわれています。
便秘解消の観点では、寝起きにコップ1杯の水を飲むようにすると水分補給とともに、腸も刺激されて効果的といえます。

腸内環境を整える食べ物

弛緩性便秘だけでなく、便秘全般の改善のために腸内環境を整える食べ物を意識しましょう。

腸の中には腸内細菌が存在し、人の体への働きによって善玉菌、日和見菌、悪玉菌に分けられます。
悪玉菌の勢力が強くなると腸の動きが鈍り、便秘などの原因になります。

発酵食品に含まれる乳酸菌は善玉菌の働きを助け、腸内細菌の勢力バランスを正常に保ちます。

乳酸菌を含む食品には以下のようなものがあります。

  • ヨーグルト
  • 乳酸菌飲料
  • 納豆
  • キムチなど乳酸発酵した漬物類

また、食物繊維やオリゴ糖も善玉菌の働きを助けるため、組み合わせて取り入れることでより効果的といえます。

発酵食品の中でも特にヨーグルトの便秘解消効果に着目した記事はこちら

食物繊維が豊富な食べ物

弛緩性便秘では、食物繊維を含む食べ物を摂ることが大切です。

食物繊維は不溶性食物繊維と水溶性食物繊維に分けられ、腸管内でそれぞれの働きを持ちます。

不溶性食物繊維は便の骨組みとなって腸内の不要な物質をからめとります。
水溶性食物繊維は腸内でゲル状になって便に水分を含ませてくれる働きを持ちます。

ただし、痙攣性便秘には食物繊維が余計に刺激になってしまうため、逆効果に。便秘のタイプによって調節するとよいでしょう。

不溶性食物繊維は穀物や根菜類に、水溶性食物繊維は果物や海藻類、野菜類に豊富です。
食物繊維は肉や魚などの動物性食品には含まれていないため、野菜や果物、穀物の摂取量が少ない人は意識して取り入れるようにしましょう。

食物繊維の働きについて詳しく解説した記事はこちら

香辛料や刺激物

適量の香辛料や刺激物は、弛緩性便秘の解消に役立ちます。

適度の辛味や酸味をもつ食材は腸管を刺激して腸の動きを促してくれます。
また、油分も腸を刺激し、便の滑りを良くしてスムーズな排便を助けてくれます。

  • トウガラシ
  • レモン
  • 油脂類

とりすぎは胃や腸への負担になりますが、適量範囲で取り入れてみましょう。

温かい料理をとる

温かい料理で体をあたためることも、便秘全般・特に痙攣性便秘に良い影響をもたらします。

体がリラックスすると副交感神経が優位になり、腸の動きが活発になります。
お風呂でゆっくり湯船に浸かったり、温めたタオルでおなかを温めたりするのもいいですね。
あたたかい食べ物・飲み物も体の中から温められます。

温かいスープや飲み物を食事に加えることで、水分も摂取できて効果的です。

朝食をしっかり食べる

食事量、とくに朝食を確保することが、弛緩性便秘の解消には大切なポイントです。

ダイエット中に限らず、食事量が少ないと、十分な量の便が作られず、便が長時間にわたって腸の中にとどまることになります。
1日3食をしっかりとることが大事なポイントですが、とくに朝の時間帯が大事です。
この時間帯は腸が活発に動くため、朝食をしっかり食べることで腸管が刺激されて便意が起こりやすくなります。

お通じ改善におすすめのレシピ

便秘解消に効果が期待できるレシピを紹介します。
今回は便秘の大部分を占める弛緩性便秘に効く食材を積極的に取り入れたものになっています。

めかぶとキノコのスープ

めかぶとキノコのスープ

【材料】1人分

  • 細切りめかぶ…1パック(40g)
  • まいたけ…1/3パック(30g)
  • エリンギ…1本(40g)
  • ごま油…小さじ1/2(2g)
  • 水…200ml
  • 顆粒中華だし…小さじ1/2(2.5g)
  • 塩…小さじ1/6(1g)
  • こしょう…少々
  • たまご…1個

【作り方】

1. 舞茸は一口サイズにさき、エリンギは短冊切りにする。
2. 鍋にごま油をひいて火にかけ、舞茸とエリンギを炒める。
3. 水、中華だし、塩、こしょうを加えて煮立たせる。
4. めかぶを加えてほぐし、再び煮立ったら溶き卵を回し入れる。
5. 卵が固まったら出来上がり。

【栄養価とコメント】1人分

  • カロリー…116kcal
  • 食物繊維総量…3.8g

不溶性食物繊維を多く含むキノコ類と、水溶性食物繊維を多く含むめかぶをスープにしました。
めかぶで優しいとろみのついたスープで水分も取れて体も温まります。

トースターでとろとろホットバナナ

トースターでとろとろホットバナナ

【材料】1人分

  • バナナ…1本(100g)

【作り方】

1. バナナをアルミホイルに乗せ、皮の側面のやや上側に包丁で切り込みを入れる。(焼いた後ここから皮をむいて食べます)
2. オーブントースターで5~8分ほど、皮が黒くなるまで焼く。
3. お皿にとり、スプーンなどですくって食べる。

【栄養価】1人分

  • カロリー…86kcal
  • 食物繊維総量…1.1g

食物繊維が豊富なバナナを焼くとトロっとした食感になるので、朝は食欲がない人にも食べやすくなり、体も温まります。
ヨーグルトやホットミルクにも相性がいいのでセットで食べるのもおすすめ。
食パンにジャム感覚で付け合わせたり、シナモンを振りかけるアレンジも可能です!

お通じ改善のための食事以外のポイント

お通じ改善のための食事以外のポイント

便秘解消には食事が大きな役割を果たしますが、食事以外の生活面での工夫も大きな意味を持っています。

運動や休養など、食事以外で意識したいポイントを紹介します。

適度な運動

腹筋の筋力不足も原因になる弛緩性便秘には運動も大切です。

腸の周辺にある腹筋の筋力が不足していると、便を押し出す力や腸への刺激が弱まって便秘の原因に。
筋トレも有効ですが、30分程度の軽いウォーキングも腹筋を鍛えることにつながります。

ストレス解消・疲労回復

痙攣性便秘では、ストレスや疲労の解消も重要です。

腸をはじめとした消化管は自律神経によってコントロールされています。
体が疲れていたり、ストレスを受けていたりすると自律神経の働きが弱まったり、逆に働きすぎたりすると、どちらも便秘などのトラブルの原因になることもあります。
十分な睡眠や休養をとり、ストレスを軽減することで便秘を解消することにもつながります。

便意を我慢しない

直腸性便秘では、便意を我慢しないようにしましょう。

便意の我慢を繰り返していると直腸の働きが弱まって便意を感じにくくなってしまいます。
朝食の後にトイレに行く時間が取れるよう、朝はすこし余裕をもって起きるようにできるといいですね。

整腸薬・便秘薬を活用する

生活の改善で便秘の解消の効果があまり見られない場合は、整腸薬や便秘薬の使用も検討しましょう。
薬によって便秘に働きかけるメカニズムが違うので、薬局やドラッグストアで自分に合ったものはどれかを相談するのがおすすめです。

まとめ

便秘について解消法を紹介しました。
便秘が軽いうちは食事などの改善で解消されることもありますが、便秘の期間が長い場合や、症状が重い場合は医療機関に相談してみてくださいね。

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参考文献

厚生労働省e-ヘルスネット:「便秘と食事」

第一三共ヘルスケア:「便秘の症状・原因」

ロート製薬:「便秘が招くお肌のトラブル」

厚生労働省:「健康のため水を飲もう」推進運動

文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

平井 しおり管理栄養士
平井 しおり管理栄養士

2013年に管理栄養士資格取得後、保育施設に勤務、栄養相談などに従事。

現在は「イマカラ」にて、栄養とダイエットに関する科学的根拠に基づいた情報を発信しています。