2019.04.21

スーパーフード・チアシードはダイエットに効果あるの?

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チアシード

水を含んでゼリー状になり、ダイエットにも効果的といわれるチアシード。
スーパーフードの一つとしても有名ですが、どのような栄養素が含まれていて、本当にダイエット効果はあるのでしょうか?

スーパーフードとして注目されるチアシードとは?

スーパーフードとは

さまざまなメディアで注目されている「スーパーフード」ですが、そもそもどんな食べ物を指す言葉なのでしょうか?

スーパーフードの定義:
栄養バランスに優れ、一般的な食品より栄養価が高い食品であること。
あるいは、ある一部の栄養・健康成分が突出して多く含まれる食品であること。
(一般社団法人日本スーパーフード協会のサイトより)

このように紹介されています。
数字や特定の栄養素についての具体的な定義はないため、スーパーフードとして紹介されていてもその食品がスーパーフードである理由は個別に検証する必要があるとも考えられます。

チアシードとは

シソ科の「チア」という植物の種子で、原産地はメキシコです。
直径1㎜ほどの黒や茶、灰色の粒状で、水に浸すと水分を吸収し、種の周りにゼリーのような物質を形成します。
味はほとんどなく、独特の食感があります。

チアシードの栄養素

チアシード
(乾燥10g・
水戻し100gあたり)
食事摂取基準に
対しての充足率
(18-69歳女性の値)
同じくらいの栄養素を
含む食品の例
エネルギー 48.6kcal
たんぱく質 1.65g 3.3%
脂質 3.07g
炭水化物 4.21g
 うち食物繊維 3.44g 17% ごぼう60g(3.4g)
カリウム 40.7㎎ 1.6% ほうれん草6g(41.4㎎)
カルシウム 63.1㎎ 9.7% 牛乳60ml(66㎎)
0.77㎎ 7.3% 豚レバー6g(0.78㎎)
亜鉛 0.46㎎ 5.8% 牡蠣4g(0.58㎎)
α-リノレン酸
(18:3,n-3)
1.8g 113%
(n-3系脂肪酸として)
煎りクルミ20g(1.8g)

※横スクロールで表全体の確認が可能です。

1回に食べるのは乾燥状態で10g程度

栄養素が豊富といわれるチアシードですが、1回の量は乾いた状態で10g程度、10倍の水につけて水分を含ませると100g程度です。
今回は1回に食べられる量を想定して10gあたりの栄養成分値を記載しました。

エネルギー(カロリー)はタピオカよりもやや低め

水で戻した状態では100g当たり50kcalほどになりますが、これはゆでたタピオカ(100gあたり62kcal)よりもやや低めのエネルギー(カロリー)です。

食物繊維が豊富

特徴的なのが、食物繊維の量です。
炭水化物のうち8割が食物繊維であるため、整腸作用が期待できそうです。

チアシードにはこんにゃくなどと同じ「グルコマンナン」といわれる水溶性の食物繊維が豊富で、水に浸すとゼリー状になるのはこのグルコマンナンによるものと考えられています。
便秘が気になる人は適量のチアシードを食事に取り入れることで、便秘解消に役立つかもしれませんね。

摂りすぎは便秘の原因にも

ただし、摂りすぎも注意が必要です。
チアシードを1日にたくさん摂りすぎたり、十分な水分を一緒にとらなかったりすると、消化管内の水分を吸収しすぎて便秘を悪化させることも考えられます。

ミネラルが豊富?

チアシードはミネラルが豊富といわれますが、実はそれほどでもありません。
水戻ししたチアシード100gに含まれるミネラルは、
カリウム…ほうれん草6g分
カルシウム…牛乳60ml分
鉄分…豚レバー6g分
亜鉛…牡蠣4g分
に相当する程度で、1日に摂取したい量と比較しても10%以内にとどまり、チアシードだけでカバーできるミネラルの範囲は限定的です。

必須脂肪酸のα‐リノレン酸が豊富

脂質が多く、その6割をn-3系脂肪酸のα-リノレン酸が占めています。
水戻ししたチアシード100gで、n-3系脂肪酸の摂取目安量1日分をとれることが魅力です。
α-リノレン酸を含むn-3系脂肪酸はヒトの体内で合成することのできない「必須脂肪酸」といわれ、食事からの摂取が必要です。
欠乏状態では皮膚炎などが起こるといわれています。

日本人とn-3系脂肪酸

ただし、欧米と比べて魚を食べる機会が多く、動物性油脂と比較して植物性油脂の割合の大きい日本人では、欧米ほどn-3系脂肪酸の不足は考えにくく、摂取源としてのチアシードの必要性や魅力は大きくないと考えられます。
お魚を全く食べない、油脂の摂取量を厳しく制限しているという人にとっては、必要な脂質の摂取源としてチアシードを活用するのもいいかもしれません。

まとめると

チアシードは食物繊維とn-3系脂肪酸が豊富で、他の食事で不足しがちな人は活用できそうです。

ただしカロリーは水だけで戻しても100gで50kcalほどあるため、他の食事とともに、とりすぎに注意しましょう。
ジュースなどで戻す場合はさらに注意が必要です。

ビタミンやミネラルは少量の使用ではさほど多くないため、サプリメント感覚で食べるのはやや期待しすぎといえるかもしれません。

チアシードを紹介するメディアでよく言われる「水とチアシードさえあれば生きていける」というほどには、栄養的に魅力的な食材だとは言いにくいでしょう。

チアシードがダイエットに効果ありってホント?

チアシードと女性

チアシードはダイエットに効果あり、とよく言われますが、実際のところはどうなのでしょうか?

チアシードを使ったダイエット法

チアシードを使ったダイエット方法は、食前に水戻ししたチアシードを飲み、そのあとの食事量を抑えるというもの。

つまり、チアシードを飲んだ分以上の食事量を減らせなければ、摂取カロリーは減らず、ただ足すだけではカロリーオーバーになってしまうことも考えられます。

1ヵ月に1㎏落とすには

1ヵ月に1㎏の体脂肪を減らすためのカロリーオフの目安は、1日240kcal。
チアシードを1日10g(+約50kcal)食べることで1日300kcal分の食事量を抑えることができれば、1ヵ月で1㎏の減量が可能です。

300kcalの目安

白ごはん 180g(1杯)
食パン 120g(6枚切り2枚)
鶏唐揚げ 100g(3~4個)
アイスクリーム 150g(1~1.5個)

チアシードを飲んでも痩せない?

チアシードに特別に「痩せる成分」が含まれているわけではないため、ダイエットには食事量の制限が必須になります。
チアシードを飲むことによる満腹感の感じ方は個人差があるため、効果は「食事量を抑えられた人は痩せられる」としか言いようがありません。

チアシードに近い食べ物

チアシードは多量の水分を含んでゼリー状になる点でダイエットに効果的といわれていますが、同じグルコマンナンを主成分とする食品にはこんにゃく(100gあたり5kcal)などもあり、同じ重さでもカロリーは1/10です。

また、チアシードほどではないにしろ、食物繊維と水分を多く含む食材としては野菜や海藻、きのこ類なども挙げられます。
100gあたりのカロリーについて、トマトは19kcal、キャベツは23kcal、戻したわかめは17kcal、エリンギは19kcal、エノキタケは22kcalです。

低カロリーで満腹感を高めてくれる食材は身近なものにも意外に多く、食事の工夫をするうえでチアシードだけにこだわる必要性は低いようにも思えます。

ダイエットとしてはチアシードだけでは不十分

チアシードとランチ

結局のところ、消費エネルギーに対して摂取エネルギーを大きくしなければ体脂肪の減少は見込めません。

体脂肪を減らすダイエットには

・摂取エネルギーを減らす
・消費エネルギーを増やす

これらのどちらか、または両方がなければ成功しません。
その手助けとしてチアシードを活用するのは良いことですが、チアシードを飲んでいるからといって、摂取エネルギーが帳消しになったり、何もしなくても痩せたりといったものではないのです。

ダイエット中に何を食べるのか、自分に合うものを選んでいきたいですね。

参考文献

文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2015年版)」

一般社団法人 日本スーパーフード協会:「スーパーフードとは」

国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所:「健康食品」の安全性・有効性情報(チアシードについて)

米国農務省 USDA National Nutrient Database for Standard Reference:「Seeds, chia seeds, dried」

Nieman DC, Cayea EJ, Austin MD, Henson DA, McAnulty SR, Jin F.Chia seed does not promote weight loss or alter disease risk factors in overweight adults.Nutr Res. 2009 Jun;29(6):414-8.