「水を飲むだけ」ダイエットに効果はある?|管理栄養士執筆

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水

「ダイエットのために1日2Lの水を飲む」という方法はよく耳にするもの。

水は生命維持にも欠かせないものですが、たっぷりの水を飲むだけでダイエット効果は得られるのでしょうか?

水をたくさん飲むダイエット方法について、効果と注意点を紹介します。

水ダイエットのメリットは「カロリーオフ」の手助けになること

ダイエットの原則はカロリー収支

体脂肪を減らす目的のダイエットにおいて、必要なのは「摂取エネルギーを消費エネルギーよりも小さくする」ということ。

体脂肪を減らすためのダイエットとカロリーについて詳しく解説した記事はこちら

→体脂肪を減らす正しいダイエットとは?

ダイエット中に水をたっぷり飲むことで摂取エネルギーを減らしたり、消費エネルギーを増やすことにつなげられれば、ダイエットに効果アリといえそうです。

ゼロカロリーの飲み物としてカロリーオフに活用

わたしたちヒトは1日に2.5Lほどの水を必要とします。
そのうち、食事以外の飲み水から補給しているのは1.2Lほど。

そんな「水分」の補給のために移動中や仕事中であっても水分補給をするという人は多いはずですが、ダイエット中において見落とされがちなのがこの「水分=飲み物」のカロリーです。

■身近な飲み物のカロリー表
商品 1本あたりエネルギー
ミルクティー(500mlペットボトル) 185kcal
缶コーヒー・微糖(185g缶) 30kcal
コーラ(500mlペットボトル) 225kcal
カフェラテ(トールサイズ:350ml) 220kcal

*各社商品情報ページより作成

※横スクロールで表全体の確認が可能です。

飲み物は噛む必要がないものなので、カロリーのわりに満腹感に影響しにくい食品です。
本来、水分補給は「水」をとるためのもの。
なるべく無駄な摂取エネルギーを抑えたいダイエット中においては、水分補給に伴う飲み物からの(不必要な)エネルギー摂取は控えたいポイントです。

飲み物は水だけ、と決めることで飲み物由来のエネルギーをカットすることができますね。

満腹感の後押しでカロリーオフ

いっぽう、食事の面でもたっぷりの水分はダイエットに効果的です。

ヒトは「胃が膨れたこと」でも満腹感を感じています。
ダイエット中に食事量を減らしていても、たっぷりの水分とともに食事をすることで胃が膨れ、満腹感を後押ししてくれそうです。

便秘の解消・むくみの軽減によいかも?

水分摂取量が少ない人では、血液の水分が少なくなると血液やリンパ液が流れにくくなり、細胞の老廃物や水分をうまく回収できなくなる結果、むくみが起こることがあります。

また、水分摂取が少ないと、腸内で便が必要以上に固くなってしまい、便秘の一因になります。

体脂肪の増減とは異なりますが、たっぷりの水分をとることでダイエット中に気になるむくみや便秘の改善につながるかもしれないのはうれしいポイントといえそうです。

たっぷりのお水、どう取り入れる?利点を生かした活用法

ジュースと水

水を飲んでダイエットする方法のポイントは、「水を取り入れた分、そのほかの飲み物や食べ物を減らすこと」。
食事内容はそのままで水だけを増やしても特にダイエット効果はないので注意しましょう!

カロリーありの飲み物は水にチェンジで摂取カロリーカット

ふだん、のどが渇いたときにどんな飲み物を選んでいるでしょうか?

エネルギーのある飲み物を選ぶのが習慣になっていた場合には、その飲み物を水に変えるだけでダイエットにつなげられるかもしれません

たとえば、某コーヒーショップのカフェラテは、トールサイズ(350ml)でおよそ220kcal。
5gの砂糖を加えた場合のエネルギーは240kcalとなります。
この場合、1杯のカフェラテをやめて水に変えるだけでも、1ヵ月で1㎏の体脂肪が減らせるほどのカロリーオフが期待できます。
(体脂肪1㎏=7200kcal、240kcal×30日=7200kcal)

少なめの食事といっしょにたっぷりの水分をとってカロリーオフでも満腹感

ダイエット中には食事量を減らすとともに、食事と一緒にたっぷりの水を飲むことを心がけましょう。
減らした食事量を水で補えば、おなかも膨れますね。

ただし、食事を水で流し込むような食べ方はNG。
満腹感が得られにくく、食べすぎにつながります。
よく噛んでゆっくり食べつつ、お水をこまめに飲みましょう。

水をたくさん飲むと代謝が上がってやせる?のウワサ

冷たい水を飲むと体温が下がり、元の体温に上げるためにエネルギーを消費するというダイエット情報を見かけました。

体温が下がる環境では体温をつくるためのエネルギー消費が増えることが分かっていますが、冬のように寒い時期でも増えるのは基礎代謝の5-10%ほど。
成人以降の女性の場合、余分に消費されるのは50-100kcal程度にとどまります。
外からずっと冷やされている冬でも、エネルギー消費の増加はさほど大きくありません。
水を飲んだ一時の些細な温度変化にエネルギー消費を期待するのは難しそうですね。

まとめと注意点

体調不良の女性

過剰な水分摂取に注意

水分補給は基本的には良いことですが、過剰な水分の摂取も問題になることがあります。

1日かけて2L程度では全く問題ありませんが、短時間に2Lの水を飲み干したり、1日で3Lや4Lもの水分を摂取すると、「水中毒」と呼ばれる状態に陥ることがあります。
水中毒では体内のナトリウムの濃度が極端に低くなり、頭痛や嘔吐、精神症状などが起こることがあり、最悪の場合は死に至ることも。
何事も適度に取り入れるのがよいようです。

あくまでカロリーオフの手助けに

水はダイエットに役立てることができますが、その効果は食事や飲み物からのカロリーカットがあってこそ。

食事内容を変えずに水を飲む量を増やすだけではダイエットにはつながりません。

・カロリーありドリンクの代わりに
・ひかえめボリュームの食事の満腹度アップに

ポイントを絞って取り入れるのがおすすめです。

参考文献

厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」 報告書

厚生労働省:「健康のため水を飲もう」推進運動

島岡 章,町田 和彦,熊江 隆,菅原 和夫,倉掛 重精,岡村 典慶,末宗 淳二郎.基礎代謝の季節変動について 〔日生気誌24(1):3-8,1987〕

一般社団法人 北海道薬剤師会:「水中毒とは」

平井 しおり管理栄養士
平井 しおり管理栄養士

2013年に管理栄養士資格取得後、保育施設に勤務、栄養相談などに従事。

現在は「イマカラ」にて、栄養とダイエットに関する科学的根拠に基づいた情報を発信しています。