
最近では、ダイエット向きの食材といえばサラダチキンというイメージも強いのではないでしょうか?
毎日サラダチキンだけを食べ続けました、なんていうダイエットの体験談もありますが、栄養素の偏りも気になるところ。
ダイエット中に取り入れたい、サラダチキンの使い方、コンビニ商品でできるアレンジ方法を紹介します。
サラダチキンの特色と種類いろいろ
原料は鶏の胸肉
サラダチキンの原料は、鶏の「胸肉」です。
密封された状態で水分が抜けないように加熱されて作られるため、ぱさぱさしがちな胸肉をしっとり柔らかく食べられる肉加工品です。
味付けがすでにされているため、そのまま食べられる手軽さも特徴のひとつですね。
栄養成分値(プレーン)
各メーカー・コンビニのサラダチキンの栄養成分値を比較しました。
それぞれ内容量が違うため、今回は100gあたりの栄養成分で比較します。
伊藤ハム | プリマハム | 丸大食品 | セブンイレブン | ローソン | ファミリーマート | |
エネルギー | 92kcal | 113kcal | 98kcal | 107kcal | 126kcal | 105kcal |
たんぱく質 | 18.1g | 24.0g | 20.7g | 24.3g | 22.5g | 21.1g |
脂質 | 1.1g | 1.1-2.9g | 1.5g | 0.7g | 4.0g | 1.7g |
炭水化物 | 2.4g | 0g | 0.5g | 0.4g | 0.2g | 1.3g |
食塩相当量 | 記載なし | 1.6g | 1.6g | 1.1g | 1.5g | 1.6g |
100gあたり・2019年4月現在の商品情報より |
※横スクロールで表全体の確認が可能です。
メーカーによる違いはあるものの、おおむね100gあたり100kcal程度です。
たんぱく質に比べると脂質や炭水化物がとても少ないのが分かります。
味の種類が豊富!
プレーン、ハーブ、スモークなど、複数のフレーバーで展開されていることが多いです。
ほぐしタイプ、小さめのササミのサラダチキンもあるようなので、用途や食べる量に合わせて選ぶのもよさそうですね。
サラダチキンがダイエットにいい理由
低カロリーで高たんぱくなサラダチキンがダイエット向きといわれるのは、「低エネルギー(カロリー)」かつ「たんぱく質が豊富」であるためです。
肉類の中ではエネルギーが低い
胸肉は鶏肉の中でも脂質が少ないのが特徴です。
鶏肉は皮とその周辺に脂質が集中しているため、皮をとってしまえば豚肉や牛肉に比べてもかなり脂質を少なくできるといえます。
サラダチキンの多くは皮をとった状態で加工されており、肉類の中ではかなりエネルギーの低い部類に入ります。
摂取エネルギーをおさえつつたんぱく質を摂取できる
ダイエットで脂質のエネルギー(カロリー)を減らそうと思うと、主菜(いわゆる肉や魚のおかず)を減らすことが多く、脂質に伴ってたんぱく質も少なくなりがちです。
たんぱく質はダイエット中でも一定の量を摂取したい栄養素のひとつです。
たんぱく質以外のエネルギー源は大幅にカットされているので、サラダチキンはダイエット向きといわれるのです。
ただしダイエットはエネルギー収支がすべて
ただし、サラダチキンはダイエット向きの食品ではあるものの、「食べていればやせる」「どれだけ食べても太らない」といったたぐいのものではありません。
ダイエット、つまり体脂肪の減少のためには、摂取エネルギーが消費エネルギーを下回らなければ不可能です。
サラダチキンを取り入れることはダイエットに有効な手段ではありますが、自分の食事によるエネルギー摂取と、活動によるエネルギー消費のバランスを見なければいけません。
特別ダイエットに効果的な成分が含まれているわけではない
また、サラダチキンや鶏肉に特別な「ダイエットに効果的な成分」が入っているということもありません。
ダイエットの情報の中ではたんぱく質をとりましょう、とよく言われますが、たんぱく質は体脂肪を減らしてくれる成分ではないのです。
サラダチキンだけでは足りない栄養素
とりすぎたくない脂質は控えめで、体に必要なたんぱく質がしっかりとれて低カロリーなサラダチキンだけを食べていれば健康的にダイエットできるのでは?と考えてしまうことも少なくありません。
サラダチキンはダイエット向きの食材ではありますが、これだけでは栄養素が偏ってしまいます。
糖質も脂質も悪ではない
糖質や脂質は少ないほどいい、といったような印象を与えられがちですが、極端に少なくするのはあまりいいこととは言えません。
肉類の脂質もとりすぎは問題があるものの、ある程度の量を食事からとる必要のある「必須脂肪酸」と呼ばれるものを含んでいますし、
糖質についてもある程度の量は取らないと脂質やたんぱく質に偏ることのリスクが大きくなったり、集中力が落ちたりといったことが起こります。
過剰摂取によって肥満や生活習慣病などのリスクが高まるのは糖質や脂質だけではなく、たんぱく質にも言えることなので、注意が必要です。
ビタミン、ミネラル、食物繊維が不足がちに
鶏肉はたんぱく質を豊富に含みますが、ビタミンやミネラル、食物繊維に関してはあまり良い食品とは言えません。
食事をすべてサラダチキンにしてすぐに体調不良が表れるといったことはありませんが、食事が偏った状態が長期にわたると様々な問題が表れてくる可能性があります。
そのため、「サラダチキンは低エネルギー(カロリー)でダイエットにいいから」というだけの理由で食事をすべてサラダチキンにするというのはおすすめできません。
鶏肉だけではなく、豚肉、牛肉、魚類、野菜やきのこ、果物、穀類を食べるようにすることでビタミンやミネラル、食物繊維の不足のリスクを避けることができます。
低カロリーでダイエット向きの食材のひとつとして、サラダチキンだけに頼らないようにするのが大切です。
コンビニでそろえる低カロリー&良バランス食のヒント
サラダチキンは手軽に食べられて低カロリーなのが魅力
サラダチキンの利点はコンビニで手軽に買えて、そのままでもおいしく食べられる上に低エネルギー(カロリー)という点ではないでしょうか。
コンビニで食事を選ぶとき、手軽なおかずとして手に取りやすいものには、レジ横においてあるフライドチキンなどがありますね。
フライドチキンは1個あたり300kcal前後ですが、サラダチキンなら1個100~150kcal以内であることが多く、エネルギーは半分以下におさえられます。
野菜たっぷり&控えめの炭水化物と組み合わせるのがおすすめ
サラダチキンだけを食べるような食事では、野菜や穀類が主な摂取源となるビタミンCや食物繊維に関しては不足しがちです。
「たんぱく質を豊富に含む食品」であるサラダチキンに加え、不足しがちな栄養素を補うためにできる組み合わせを紹介します。
サラダと一緒に食べる
ビタミンCやカリウム、食物繊維の摂取源としては野菜をメインにしたサラダがおすすめです。
サラダだけでは栄養素が低すぎますが、サラダチキンと組み合わせることでお互いの弱いところを補ってくれます。
ドレッシング別売りのものを選び、サラダチキンを「具&味付け要員」として食べるとカロリーカットと減塩にもなりますね!
控えめサイズのごはんやパンと一緒に食べる
食物繊維といえば野菜というイメージも強いですが、実は穀類も優秀な摂取源です。
玄米の入ったおにぎりや、全粒粉や小麦ふすまの入ったパンを食べるとさらにいいですね。
サラダチキンに偏った食事では便秘になりやすいので、食物繊維で便秘予防しましょう!
コンビニで買えるサラダチキン並みのダイエット向き食材
コンビニで手に入る手軽なたんぱく質食品は、サラダチキンだけではありません。
いろいろな種類の食品を取り入れるほうが摂取できる栄養素の幅が広がり、バランスの良い食事に近づけることができます。
・低エネルギー
・すぐに食べられる
・たんぱく質が多め
という点に注目すると、サラダチキン以外にも取り入れたい食材は意外に多いものです。
サラダフィッシュ
最近ではサラダチキンの派生商品として、そのまま食べられる味付け済みの魚の切り身も発売されています。
サーモンやサバ、タラ、マグロなどの種類があり、ビタミンDやn-3系脂肪酸などの栄養素が取れるのが魅力です。
魚種の違いからエネルギーはチキンほど安定していませんが(サバなどの脂質の多い魚では比較的エネルギーも高め)、バリエーションのひとつとして、連続しないように取り入れる分にはダイエットへの悪影響は少なそうです。
ゆでたまご
サラダチキンに比べると脂質が高めですが、ビタミンやミネラルは全体的に高めで栄養価が高いです。
コンビニで売られているものは味付きの場合が多いので食べやすいのが魅力ですね!
おでん
練り物が中心のおでんは、脂質や糖質が比較的少なくダイエット向きです。
あたたかいおだしがあることで満足感も感じやすいのがうれしいところ。
おだしに塩分が多いので飲みすぎには注意が必要です。
運動も大事!
今回は食事についての記事ですが、せっかくのたんぱく質も、適度に運動を行わなければ筋肉の維持には使われません。
食事の見直しに加えて、できる範囲の運動を組み合わせることでダイエット効果も高められますので、ぜひ取り入れてみてくださいね。
参考文献 |