2019.04.21

疲労回復の基本は休養。プラスするのにおすすめの食べ物は?

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疲労回復するためには

忙しい毎日を送る人にとって、疲労はなるべくためたくないもの。基本となるのは「休養」です。

疲れをとるためにはスタミナ料理と栄養ドリンク、または話題の機能性成分ではどれが効果的でしょうか?
疲れをとるために心がけたい食事の工夫について解説します。

疲労とは?

疲労は体からのアラート

何らかの原因により体に負担がかかっており、体が「休みなさい」という警告信号のひとつです。
疲労感のほかに痛みや熱も体が発する警告信号です。

疲労の原因と種類

疲労は、

・十分に休養をとることで回復が見込める疲労
・何らかの病気の症状の一つとしてあらわれる疲労

の二つに分けることができます。

休養によって回復する疲労

一般的な疲労というものは体や精神に負荷がかかったことによって起こるものであり、

・運動や筋肉に対する負荷による疲労
・生活リズムの乱れなどによる睡眠不足、睡眠リズム障害
・暑さや寒さなどによる環境ストレス
・人間関係などによる精神ストレス

といったものがこれに当てはまります。

原因となっている病気の治療が必要な疲労

一方、単純な体への負担以外の原因によって疲労感を感じることがあります。

・風邪などの感染症による倦怠感、だるさ
・貧血による疲労感
・睡眠時無呼吸症候群による睡眠不足
・甲状腺機能亢進症などによる疲労感・倦怠感

十分な休養をとっても改善しない場合や、何か月も続くような疲労感は単なる疲れではなく、何らかの疾患が原因になっていることも考えられますので、医療機関に相談することをおすすめします。

原因は一つとは限らない

病気ではない疲労に対しても、いくつかの原因が組み合わさって現れていることが多いといわれています。
疲れを感じたら、生活を全体的に見直すきっかけにするのもいいかもしれませんね。

それぞれの対処法・食事の場合

疲労回復のための食事

疲労回復のためには、睡眠のような休息に加えて、エネルギー源となる食事の工夫も有効です。

エネルギー補給のための3大栄養素
糖質、脂質、たんぱく質

体のエネルギーになる栄養素は、糖質、脂質、タンパク質です。
これらの栄養素が不足すると、体を動かすためのエネルギー(カロリー)が作れません。
糖質は主に穀類、タンパク質は肉や魚、卵、脂質は食用油脂や様々な食材に含まれています。

スタミナ料理が合わない場合もある

疲労回復には高カロリーの肉や揚げ物!という人もいるかと思いますが、油の多い料理は消化吸収しにくいという特徴があります。
胃腸も疲れている場合にはスタミナ料理は消化に負担がかかり逆効果になることもあります。

負担をかけにくい食事としてはやわらかく調理した糖質がおすすめ。
かつて甘酒が夏バテ防止のための飲み物として親しまれていたのも、消化にいいエネルギー源として優秀だったためではないでしょうか。

エネルギーを使うための潤滑油としてのビタミン

エネルギーとなる栄養素を体内で活用するためにはビタミンが必要になる場面があります。
ビタミンB群と呼ばれるグループに属する8つのビタミンは、糖質や脂質、タンパク質の代謝にかかわっています。

十分な量のビタミンが取れていないとせっかくのエネルギー源の栄養素も効率的に使われません。
お肉や魚、野菜を偏りなく食べることで、不足することはほとんどありませんが、今まで偏った食事をしていたという人は、意識していろいろな食材をとるようにしてみてくださいね。

ビタミンとは?水溶性と脂溶性で違う食事のコツを紹介

民間療法や研究途上の食品

にんにくの疲労回復効果

「疲労回復に効く」といわれている食品や食品成分が多く存在します。
しかし、上で紹介した以外の特別な効果というものは科学的な根拠がないものも多いです。
いくつかまとめてみましたので紹介します。

にんにく

にんにくはスタミナ食材として古くから知られています。
にんにくに含まれるアリシンという成分がビタミンB1(チアミン)と結合することで、ビタミンBが吸収されやすくなることが分かっています。

ビタミンB1は糖質のエネルギー代謝にかかわるビタミンで、豚肉などに含まれています。
にんにくだけではスタミナ回復にはならず、糖質やビタミンB1と一緒にとることでエネルギーの産生がスムーズになりますが、疲れをとることに直結するとは言いにくいでしょう。

黒酢

健康食品にも使われていることがありますが、人に対する健康効果については十分な研究報告が存在しません。
アミノ酸が豊富ともいわれますが、タンパク質(アミノ酸が多数結合したもの)の含有量は黒酢100g中に1gと、同じ重さの鶏むね肉(皮つき)の1/20にも及びません。

クエン酸

果物の酸味成分として含まれており、体内のエネルギー産生に関して重要な働きをしている成分です。
食品として摂取した場合に疲労回復などの効果があるのかについては十分な研究データがないため、クエン酸を多く含む食品が疲労回復に効果があるとは言い切れません。

イミダゾールジペプチド

鶏肉などに含まれる成分で、タンパク質の一種です。
疲労回復にいいとされていますが、ヒトの体内ではアミノ酸に分解されてしまうため、ジペプチドとしての機能が残っているのか、疲労回復に効果があるのかは「不明」です。

栄養ドリンク、エナジードリンクって効く?

疲れがたまってきたとき、栄養ドリンクやエナジードリンクを飲む、という人も多いのではないでしょうか?
栄養素は食事からとるのが最も良いとされていますが、それがままならないときにこれらのドリンクは心強い存在でもあります。

栄養ドリンクやエナジードリンクに含まれる成分ごとに、効果を紹介します。
製品によって含まれる成分や量も異なるので、選ぶときの参考にしてくださいね。

糖分とビタミンがエネルギーになる

上で述べたように、糖質はエネルギー源になります。
低カロリー表示のあるものは量が少ないこともありますので注意が必要です。

また、栄養素をエネルギーにするためのビタミンB群が含まれていることが多いです。
食事が十分にとれないときに、配合されていると嬉しい成分といえそうです。

カフェインは疲れを感じにくくする

製品によってはカフェインが配合されています。
カフェインの入ったものは飲むと意識がはっきりして「疲れが取れた!」と感じやすいのですが、実際には疲れがなくなったわけではありません。

体は疲れているのに脳が疲れを感じにくくなるため、長期間にわたる使用はおすすめできません。
ここぞ!というときにだけ取り入れたい成分ですね。

カフェインの効果とは?とりすぎには要注意

食事以外の疲労回復法

睡眠で疲労回復

食事面での疲労回復法について紹介しましたが、食事と同じかそれ以上に疲労回復に効果があるのは「休養すること」です。

・体を休めてリラックスする
・お風呂で温まって寝付きやすくする
・十分な睡眠時間をとる

体力を温存し体力の回復に専念することが疲労回復には最も効果的といえます。

また、体の疲れが取れてきたら、

・適度のスポーツ
・趣味の活動をする
・旅行に行く

といったような「心のリフレッシュ」のできることをするのも効果的です。

仕事や勉強を頑張るためにも、休養は十分にとるように心がけたいですね。

参考文献

吉田勉 監修:「わかりやすい食品機能栄養学」.三共出版,2010.

公益社団法人 大阪府栄養士会:「疲労と栄養管理 講演Ⅱ「科学に基づいた疲労回復法」」

国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所:「健康食品」の安全性・有効性情報(黒酢、クエン酸、イミダゾールジペプチドについて)