甲状腺機能低下症は橋本病(慢性甲状腺炎)のような甲状腺の異常や特定の栄養素の不足・過剰摂取などが原因で起こる病気で、その発症原因には食事も関係しています。
この記事では、甲状腺機能低下症や橋本病の方向けに、甲状腺機能の改善や維持のために食事で気をつけることについて解説します。
甲状腺機能低下症で食べてはいけないものはあるか、食事制限が必要な場合にはどんな食べ物に注意が必要かを一覧で紹介いたしますので、甲状腺機能低下症の食事内容に不安がある方はぜひ参考にしてくださいね。
甲状腺機能低下症とは?症状と原因、治療内容を解説
「甲状腺」はのどぼとけの下部分に位置する臓器のことで、甲状腺から分泌されるホルモンを「甲状腺ホルモン」と言います。
甲状腺ホルモンは血液に乗って全身に運ばれ、代謝を活発にする働きを持っており、少なくなりすぎたり、多くなりすぎたりすると体調不良の原因となります。
「甲状腺機能低下症」は甲状腺ホルモンの分泌量や作用が様々な要因により不十分になることで起きる疾患です。
反対に甲状腺ホルモンが作られ過ぎる病気もあり、甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)が知られています。
甲状腺機能低下症は軽度では自覚症状がない事もありますが、代謝を盛んにする働きが低下することから以下のような症状が現れることも知られています。
- 無気力
- 疲労感
- むくみ
- 寒がり
- 体重増加
- 動作緩慢
- 記憶力低下
- 便秘
- 傾眠
- 意識障害
甲状腺機能低下症は以下のような原因から起こる事が知られています。
- 慢性甲状腺炎(橋本病)など甲状腺疾患
- ヨウ素の過剰摂取、欠乏
- 甲状腺周辺の治療・手術の影響
- 視床下部・脳下垂体の異常
甲状腺機能低下症の治療内容は原因によって異なります。
ヨウ素の過剰摂取や欠乏が原因の場合はヨウ素を適量摂取すること、甲状腺ホルモンが不足している場合には甲状腺ホルモンを服薬することで甲状腺の働きを補います。
甲状腺機能低下症で食べてはいけないものはある?気をつけるべき栄養素と食品一覧
甲状腺機能低下症では、その発症原因や合併症、治療のための薬の効果にいくつかの栄養素が関係していることが知られています。
- ヨウ素…甲状腺機能に影響する
- 摂取カロリー、脂肪酸組成、食物繊維…合併症に関係する
- ゴイトロゲン、食物繊維…薬の効果に影響する
甲状腺機能低下症において「絶対に食べてはいけないもの」はありませんが、食事内容が甲状腺機能低下症の発症原因である場合には食事内容の改善が必要となります。
一方、発症原因が食事ではない場合には、服薬によって病状が改善し、基本的に食事制限は必要ない場合も少なくありません。その場合には、極端な食事を避け、バランスのとれた食事内容になるように心がけましょう。
ただし、治療内容によっては一時的に制限が必要になる場合もあります。
甲状腺機能低下症で気をつけるべき栄養素と具体的な食品名、食事のポイントを解説します。
ヨウ素を多く含む食品の過剰摂取を避ける
ヨウ素(ヨード)の欠乏・過剰摂取が甲状腺機能低下症の原因となることがあります。
後述しますが、日本の食生活においてヨウ素欠乏は起こりにくく、どちらかというとヨウ素の過剰摂取が甲状腺機能低下症につながりやすいと考えられます。
甲状腺機能低下症の原因がヨウ素の過剰摂取であった場合には、ヨウ素の摂取量を適正範囲内に抑える必要があります。
それ以外の場合でも、橋本病(慢性甲状腺炎)や甲状腺機能低下症などの疾患を持つ患者さんの場合にはヨウ素の摂取過剰の影響を受けやすいと考えられるため、ヨウ素を多く含む食品等の過剰摂取は避けるようにすると安心です。
■ヨウ素を多く含む食品の例
- 昆布(煮物や佃煮)
- 昆布だし
- 昆布茶
- ひじき
- わかめ
- 青のり
- 焼のり
- 寒天
これらの食品を食べてはいけないという事はありませんが、ヨウ素を多く含む食品ばかリを毎日多量に食べたりするような食事は避けましょう。
このほか、食品ではないものとして、うがい薬などからのヨウ素摂取も多くなりすぎないようにすると安心です。
また、甲状腺機能低下症の治療や検査に伴って制限が必要になる場合があります。
この場合には、医師の指示のもとヨウ素制限を行うようにしましょう。
カロリー(エネルギー)の過剰摂取を避ける
甲状腺機能低下症では、基礎代謝が落ちる影響でカロリー消費が減り、肥満になりやすくなります。
服薬治療を行うことで基礎代謝が正常になり、体重増加が防げる場合もあるため、必ずしも必要ではありませんが、肥満状態が解消されない場合にはカロリー(エネルギー)の適正化が必要です。
具体的には、以下のような食品の摂り過ぎを避けると、必須栄養素を確保しつつ摂取カロリーを減らすのに効果的です。
- 砂糖類の多い食品…ジュース、菓子類
- 脂質の多い食品…揚げ物など油脂類を多用する料理、脂身の多い肉類、菓子類
甲状腺機能低下症のある方では健康な人と基礎代謝や1日の消費エネルギー量が異なることが考えられるため、医師や管理栄養士に相談の上、身体状況をチェックしてもらいながら取り組むようにすると安心です。
飽和脂肪酸を避けて脂肪酸組成を整える
甲状腺機能低下症では血中のLDLコレステロール値が高くなりやすく、生活習慣病のひとつである脂質異常症になりやすいことが知られています。
服薬治療を行っても脂質異常症の状態が続く場合には、食事内容の改善も必要になる場合もあります。
カロリーや脂質の摂り過ぎがある場合には、摂取カロリー及び脂質の摂取量を減らします。
カロリーや脂質の摂取量を改善しても血中コレステロール値が高い場合には、脂質の内容にも気を配るとよいでしょう。
脂質の構成成分である脂肪酸は飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸に分けることができ、それぞれ血中LDLコレステロール値に与える影響が異なります。
■脂肪酸の種類と働き、摂取源
脂肪酸の種類 | 血中LDLコレステロール値への影響 | 多く含む食品 |
飽和脂肪酸 | 上げる方向に働く | 乳脂肪分、肉の脂身、菓子類 |
一価不飽和脂肪酸 | 影響を与えない | 油脂類全般 |
多価不飽和脂肪酸 | 下げる方向に働く | 植物油、魚の脂 |
血中LDLコレステロール値が高い状態を改善するには、飽和脂肪酸を多く含む乳脂肪分や肉の脂身、菓子類を避け、植物油、魚の脂から脂質を摂取するように心がけるようにしましょう。
- 肉料理を減らし、魚料理の頻度を増やす
- バター、生クリームなど乳脂肪分の多い食品の摂取を減らす、または植物油に切り替える
- 脂質の多い菓子類の摂取を減らす
不飽和脂肪酸、特に多価不飽和脂肪酸は「LDLコレステロール値を下げる油」とも考えることができますが、食事に取り入れる際はいつもの食事にプラスするのではなく、ほかの油脂分(特に飽和脂肪酸の多い油脂)と置き換えて使うことを意識するとよいでしょう。
薬を阻害する成分を避ける
甲状腺機能低下症の治療では、主に甲状腺ホルモン剤(チラーヂン®S)を服用しますが、一部の食品成分はこの薬の働きを阻害することが知られています。
■甲状腺機能低下症の薬(チラーヂン®S)の吸収を阻害することが知られている食品及び食品成分
- 大豆製品(豆乳、納豆、豆腐など)
- 濃いコーヒー
- 多量の食物繊維
- カルシウム(乳製品など)
- 鉄分(サプリメント等)
- 亜鉛(サプリメント等)
そのため、甲状腺機能低下症で服薬治療を行っている場合には、薬を阻害する成分を含むこれらの食品は摂取するタイミングに気をつける必要があります。
具体的には、薬の服用方法を守り、薬の服用前後にこれらの食品(サプリメント等も含む)を摂取しないことが大切です。
「ゴイトロゲン」は避けるべきか
ヨウ素の取り込みを阻害して甲状腺の働きを妨げる(または、甲状腺腫を引き起こす)物質を「ゴイトロゲン」と言います。
ゴイトロゲンと呼ばれる物質には以下のようなものが知られており、上で紹介した薬剤の吸収を阻害する食品成分と重なるものが多くなっています。
- チオシアネート(アブラナ科植物に含まれる物質)
- イソフラボン(豆類、特に大豆に含まれる物質)
- カルシウム
ゴイトロゲンを含む食品としては、以下のようなものが知られています。
■ゴイトロゲンを含む食品の例
- 大豆
- キャベツ、芽キャベツ、ブロッコリーなどアブラナ科の野菜
- 松の実
- ピーナッツ
- さつまいも
- たけのこ
- いちご、梨、ももなどの果物類
- ほうれん草、水菜、小松菜などの葉物野菜
甲状腺機能低下症ではゴイトロゲンを含む食品を避けるべき、と言われることもあります。
しかし、実際にこれらの食品を食べて甲状腺機能に影響が出た例は少なく、通常の食事では考えにくいほどの多量を長期間にわたって食べ続けた場合と報告されています。
そのため、ゴイトロゲンを含むといわれる食品であっても、通常の食生活で摂取する量であれば、甲状腺機能低下症であることを理由に制限する必要はありません。
適量の食物繊維をとる
食物繊維は多量摂取で薬の作用を阻害してしまう食品成分のひとつですが、体にとっては有益な働きを持つ成分でもあります。
- 腸内細菌の栄養源となり、腸内環境を改善し、便のカサを増して便通を促す
- 胆汁酸の排泄を促して血中コレステロール値を下げる
これらの働きにより、甲状腺機能低下症で起こる便秘や脂質異常症の改善によい栄養素と考えられるため、摂取量を減らすのではなく、適量の摂取を心がけましょう。
日本人の食事摂取基準2020年版では、食物繊維の摂取目標量は18~64歳の男性で21g以上、18~64歳の女性で18g以上となっています。
食物繊維の摂取源となる食品には、以下のようなものがあります。
- 野菜類
- キノコ類
- 果物類
- 精製度の低い穀類(玄米、全粒粉、押し麦、オートミールなど)
薬の作用を妨げないような量・タイミングを守りつつ、積極的に摂取することを心がけましょう。
甲状腺機能低下症とヨウ素の関係とは?制限が必要な場合のポイントを解説
ヨウ素は必須栄養素に属するミネラルのひとつで、体内ではほとんどが甲状腺内に存在しており、甲状腺機能低下症とヨウ素は深く関係しています。
ここからは、甲状腺機能低下症ととくに関係深いミネラルである要素について詳しく解説していきます。
甲状腺ホルモンの材料となる
ヨウ素は甲状腺ホルモンの構成成分として働く成分です。
食事から摂取されたヨウ素は甲状腺で甲状腺ホルモンである「チロキシン(T4)」や「トリヨードチロニン(T4)」の材料となります。
甲状腺ホルモンは体内の細胞の新陳代謝を促す働きがあり、成人では基礎代謝の促進、子どもでは発育促進を行っています。
甲状腺機能低下症の原因になることがある
食事から摂取するヨウ素が不足すると十分量の甲状腺ホルモンが作られなくなり、甲状腺肥大・甲状腺腫を引き起こし、甲状腺機能低下症の原因となります。
一方、ヨウ素を摂り過ぎた場合にも甲状腺ホルモンの産生がうまくできなくなり、甲状腺肥大・甲状腺腫・甲状腺機能低下症をおこすことがあります。
このように、ヨウ素は摂取不足・過剰摂取のどちらでも甲状腺機能の異常につながることが知られており、適量の摂取が大切です。
日本人のヨウ素摂取量
ヨウ素は世界的にみると不足しがちな栄養素ですが、日本人の食生活は特異的にヨウ素摂取量が極めて多くなっています。
日本人の食事摂取基準2020年版におけるヨウ素の摂取推奨量は18歳以上の男女で130㎍とされていますが、実際の日本人のヨウ素の摂取量は1000~3000㎍(1~3㎎)程度とみられています。
そのため、日本の食生活ではヨウ素が不足することはほとんどなく、ヨウ素不足による甲状腺機能低下症は起こりにくいと考えることができます。
一方、日本人において平均的な摂取量1000~3000㎍は世界的に見れば「摂り過ぎ」ですが、日本人において甲状腺機能に問題はほとんど起こっていないことから、日本人の平均的な食事の程度までであれば問題ないと考えて良いとされています。
これは、日本人は昔からヨウ素を多く摂取している食習慣のため、欧米と比較して過剰摂取の害も出にくいからである…と考えられています。
とはいえ、通常の食生活のレベルを超えて摂り過ぎることで甲状腺の機能低下につながることもありますので、ヨウ素の多い食品を極端に多くとるような、偏った食事内容にならないように注意が必要です。
ヨウ素を多く含む食品・薬剤
ヨウ素は海藻類に多く含まれる栄養素です。
具体的には、以下のような食品に多く含まれています。
■ヨウ素を多く含む食品とその含有量(100gあたり)
食品名 | ヨウ素含有量(食品100gあたり) |
まこんぶ(素干し) | 200,000㎍ |
ひじき(乾) | 45,000㎍ |
昆布茶(粉末) | 26,000㎍ |
昆布佃煮 | 11,000㎍ |
昆布だし(液状) | 11,000㎍ |
乾燥わかめ(乾) | 10,000㎍ |
あおのり(素干し) | 2,700㎍ |
焼きのり | 2,100㎍ |
ヨウ素は海藻類の中でも昆布に多く含まれています。
和食では「だし」の材料として昆布を使うことの多いため、和食中心の食生活はヨウ素の摂取量も多くなりがちです。
昆布だしそのもののほか、昆布の成分を含む以下の調味料ではヨウ素を多く含んでいます。
- 顆粒和風だし
- だし醤油、麺つゆ
- ふりかけ、お茶漬けの素
- キムチの漬け汁
日本人において普段の食生活でこれらの食品を食べないようにする必要はありませんが、医師の指示があった場合などには注意するようにしましょう。
ヨウ素制限が必要な場合
甲状腺機能低下症の原因がヨウ素の過剰摂取だった場合には、食事からのヨウ素摂取を制限する必要がある場合もあります。
一方、甲状腺機能低下症の原因がヨウ素の過剰摂取ではない場合では、食事からのヨウ素制限は必要ない場合も多くなっていますが、一部の検査や治療のために一時的にヨウ素制限が必要になる場合もあります。
いずれにしても医師の診断と指示のもとで行うものであり、自己判断で食事制限を行うことは避けましょう。
不安がある場合には、医師や管理栄養士に相談するようにしてくださいね。
ヨウ素・カロリー控えめレシピの紹介
甲状腺機能低下症において、食事療法が必要になることは少ないものの、場合によってはヨウ素を控えることが必要なこともあります。
また、カロリー控えめ、飽和脂肪酸控えめの食事を心がけることで、甲状腺機能低下症に合併しやすい肥満や脂質異常症を改善することが期待できます。
ここからは、甲状腺機能低下症で意識したいヨウ素控えめ・カロリー控えめのレシピを紹介します。
白身魚の中華あんかけ
※画像はイメージです
分量(1人分)
- かれい…70g(1切れ)
- 塩…0.5g
- こしょう…0.5g
- 片栗粉…適量
- 油…4g(小さじ1)
- 玉ねぎ…25g(1/8個)
- にんじん…25g(1/8個)
- 干しシイタケ…2g(1個)
- 干しシイタケの戻し汁…45ml
- 顆粒鶏ガラスープ…1.25g(小さじ1/2)
- 片栗粉…0.75g(小さじ1/4)
- 水…15ml(大さじ1)
作り方
- 干しシイタケは60ml程度の水でもどしておく。
- 玉ねぎ、戻した干しシイタケは薄切りに、にんじんは細切りにする。
- かれい切り身は表面の水分をとって塩・こしょうをふり、片栗粉をまぶして焼く。
- 小鍋に干しシイタケの戻し汁と切った野菜を入れて火にかけ、火が通るまで煮る。
- 顆粒鶏ガラだしで味を整えて、水で溶いた片栗粉を加えてとろみをつける。
- 皿にかれいを盛り、野菜あんをかける。
栄養価
- カロリー…106kcal
- たんぱく質…14.7g
- 脂質…1.1g
- 炭水化物…10.8g
- ヨウ素…15㎍
- 食物繊維…2.0g
- 食塩相当量…0.9g
コメント
低カロリーで多価不飽和脂肪酸割合の高い魚をメイン食材にした主菜メニューです。
だしに昆布を使わず、しいたけと鶏ガラだしで中華風に味を整えました。
同じ白身魚でもタラはヨウ素を比較的多く含むため、かれいがおすすめです。
鶏むね肉のトマトソース
※画像はイメージです
分量(1人分)
- 鶏むね肉…150g(1/2枚)
- 塩…0.1g
- こしょう…0.05g
- にんにく…3g(1/2かけ)
- オリーブオイル…4g(小さじ1)
- 玉ねぎ…25g(1/8個)
- トマト缶…100g(1/2個)
- 顆粒コンソメ…2.65g(小さじ1/2)
作り方
- 鶏むね肉は塩・こしょうを振って下味をつけておく。
- フライパンにオリーブオイルとにんにくのみじん切りを入れて熱し、香りが立ったら鶏むね肉を皮目から焼き、焼き色がついたら裏返し、蓋をして蒸し焼きにする。
- 鶏肉に火が通ったら取り出し、脂の残ったフライパンに玉ねぎを加えて炒める。
- 玉ねぎが透き通ってきたらトマト缶を加えて煮込み、顆粒コンソメで味を整える。
- 鶏肉をスライスして皿に盛り、トマトソースをかける。
栄養価
- カロリー…269kcal
- たんぱく質…33.5g
- 脂質…13.2g
- 炭水化物…8.6g
- ヨウ素…0㎍
- 食物繊維…1.9g
- 食塩相当量…1.3g
コメント
昆布を使わない洋食もヨウ素を少なく抑えやすいメニューです。
コンソメとにんにく、トマトで旨味が出るレシピになっています。
脂身の少ない鶏むね肉を使うことでカロリーも抑えられます。
まとめ
甲状腺機能低下症は発症原因に食事由来のヨウ素摂取量が関係している場合には、ヨウ素摂取量の改善で機能回復が期待できます。
一方、橋本病(慢性甲状腺炎)などの食事以外の原因がある場合には、服薬による治療を行い、食事内容の制限は必要ない場合も少なくありません。
とはいえ、甲状腺疾患がある人は他の人よりもヨウ素の過剰摂取の影響を受けやすいことも考えられるため、ヨウ素を多く含む食品の過剰摂取は避けたほうが安心です。
その他、甲状腺機能低下症では肥満や脂質異常症、便秘が起こりやすいことが知られているため、これらの改善・予防のためにカロリーや脂肪酸バランス、食物繊維の適量摂取が大切です。
いずれにしても、具体的な食事内容については個人に合わせて考える必要があるため、医師や管理栄養士に相談しながら決めるようにしてくださいね。
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参考文献 山田 正信, 森 昌朋, 3.中枢性甲状腺機能低下症, 日本内科学会雑誌, 2010, 99 巻, 4 号, p. 720-725 医療法人神甲会 隈病院 KUMApedia:「橋本病の食事療法」 医療法人神甲会 隈病院 KUMApedia:「ヨウ素制限について」 長崎甲状腺クリニック:「チラージンSの吸収障害を起こす食べ物」 厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会」 報告書 文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」 五訂増補 調理のためのベーシックデータ. 女子栄養大学出版部, 2009.6 上西一弘. 食品成分最新ガイド 栄養素の通になる 第5版. 女子栄養大学出版部, 2022.8 |
監修医師
医院名 | NOBUヘルシーライフ内科クリニック |
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院長名 | 藤原 信治 |
資格 | ・医学博士 ・日本内科学会認定 総合内科専門医 ・日本糖尿病協会認定 療養専門医・指導医 ・日本腎臓病学会認定 腎臓指導医 ・日本透析医学会認定 透析専門医・指導医 ・日本循環器学会認定 循環器専門医 ・厚生労働省認定 難病指定医 |