投稿日: 2019.05.03 | 最終更新日: 2023.08.03

太らない食事のポイントは?エネルギー密度を意識した食べ方を紹介

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太りやすい食事と太らない食事

食事改善によるダイエットというと、まずは食事量を抑えることを考える人が多いのではないでしょうか。

いつもの食事を半分に減らせば、確かに摂取カロリーは半分になりますね。
しかし、食事量を減らすダイエットでは食事の満足感が薄くストレスがたまることも。

そこで、長期間続けてもストレスの少ない、食事量はそのままでも摂取エネルギーをおさえられる「エネルギー密度」に着目した「太らない食べ方」を紹介します。

太らない食生活のために、「エネルギー密度」というものを意識してみませんか?

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エネルギー密度とは

太りやすい食事と太らない食事

多くの人は聞きなれないと思われる「エネルギー密度」という言葉。
カロリー密度と表現する場合もあります。
栄養学的には、食品の重さに対するエネルギー量を指し、同じ重さでもエネルギーの高いものをエネルギー密度(カロリー密度)が高いと表現します。

例えば、100gのオレンジゼリーは89kcalですが、100gのプリンは126kcalです。
この場合、プリンのほうがエネルギー密度が高い食品といえます。

食品に含まれる栄養素によってエネルギーは異なる

食品のエネルギーを決める要素となるのは食品に含まれる栄養素です。
エネルギーの高いものから紹介すると、

  • 脂質(9kcal/g)
  • アルコール(7kcal/g)
  • 糖質(4kcal/g)
  • タンパク質(4kcal/g)
  • 酢酸(3.5kcal/g)
  • 食物繊維(0~2kcal)
  • 水分(0kcal)

などがあげられます。

体内で使われないものはエネルギーにならない

基本的に食品のエネルギーはこれらの栄養素がどれだけ入っているかによって決まりますが、厳密には食品によって体内での吸収のしやすさや利用効率によってエネルギーの値が異なります。
特にこんにゃくや海藻類、きのこ類は栄養素の量から換算するよりも半分程度しかエネルギーとして使われないとされています。
(このサイトで扱う日本食品標準成分表ではこれらの要素が考慮されています)

お酢にもエネルギーがある?

また、酢酸はお酢そのものではなくお酢の中に含まれる成分の一つ。一般的に料理に使われる食酢には5%程度しか含まれていません。
お酢を大量に摂取する人はあまりいないかと思われますが、例えば10gの食酢に含まれる酢酸のカロリーは1.75kcalです。酢酸のエネルギーに関してはあまり気にしなくても平気といえますね。

加えて、ビタミンやミネラル、その他の微量栄養成分はエネルギー源として活用されず、含まれる量も微量であるためエネルギーやエネルギー密度にはほとんど影響しません。

満腹感を感じるメカニズム

人の食欲や満腹感は複数の要素によってコントロールされています。

  • 胃に食物が入ってきたことによるホルモン分泌量の変化
  • 栄養素が吸収されたことを示す血糖値の上昇
  • 食事をしたときのおいしさなどによる充足感

などが要素として挙げられます。

早食いは食べすぎる

このうち、最も満腹感に影響を与えるのは血糖値の上昇といわれています。
しかし、ものを食べたタイミングと血糖値が上がるタイミングにはタイムラグがあるため、早食いの人は満腹を感じるタイミングにはエネルギーオーバーになっているといったことが起こりやすく、早食いは「太りやすい食事の仕方」ともいえます。

カロリー控えめでおなかいっぱい食べるためには

また、胃が小さいときには食欲を刺激するホルモン(グレリン)が出ていますが、胃に食べ物が入ってくるとその分泌量が減って食欲が収まることも分かっています。

つまり、しっかり食べても太りにくい食事というのは、エネルギーをおさえつつ、胃が十分にふくれる、食事量と血糖値のタイムラグが少ない(ゆっくり食べる)食事と言えるのではないでしょうか?

エネルギー密度の低い食事はたくさん食べても太らない?

重さに対してエネルギーの低い食べ物をエネルギー密度の低い食べ物と言います。

上で説明した満腹感のメカニズムでは、血糖値の上昇、胃の膨張、心の満足が満腹感をもたらします。

ゆっくり食べているのと似た状態

エネルギー密度が低い食べ物は、一口に対してのエネルギーも低くなります。
そのため、いつも通り食べていてもゆっくり食べたのと似た状態になり、早食いの人が陥りがちなエネルギーオーバーを防ぐことができます。

おなかがふくれる満足感

また、エネルギー密度の低い食事では食べ物の体積は少ないわけではないため、胃が膨れたことによる満腹感も得ることができます。

野菜などから不足しがちな栄養素を補給

さらに、単に食事を減らすと、減らす必要のないビタミンやミネラル、食物繊維の摂取量も減ってしまいます。
野菜や海藻類、果物などを摂取することで(すべてをカバーできるわけではありませんが)ある程度これらの栄養素を摂取できる点も利点といえます。

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エネルギー密度の高い食事・低い食事とは

脂質の多いサーモンと少ないサーモン

食事のエネルギー密度を決めるポイントは食事に含まれる水分の割合、脂質の割合です。

それぞれ、食事シーンに合わせて考えてみましょう。

食材の水分の割合

食品の成分の中で、水はエネルギー源にならないものです。
そのため、水分の多い食品はその分エネルギーがおさえられます。

チョコレートと果物の例

おやつの時間、たとえば100kcalにおさめたい時、水分をほとんど含まないアーモンドチョコレートなら17g(3~4粒)食べられます。
対して、水分をたっぷり含んだ果物なら100kcalでみかん1個(70g)とリンゴ半分(100g)が食べられます。

重さでいえばなんと10倍。
食べきれないといったことも起こるかもしれませんね。

揚げ物と汁物の例

料理でいえば、とうふとわかめのお味噌汁は1杯200gほどで60kcal程度。
唐揚げで60kcalというと25gのものをひとつ分です。

同じカロリーでも、水分の多いお味噌汁のほうがしっかりおなかにたまる気がしませんか?

食材の脂質の割合

エネルギー源となる栄養素の中でも、脂質のエネルギーは1g当たり9kcalと、最も高くなっています。
そのため、脂質を多く含む食品はエネルギー密度が高くなりがちです。
食材がもともと持っている脂質の量は同じ肉や魚でも幅が大きく、肉の部位や魚種を選ぶことでエネルギー密度を下げることができます。

魚種の違いの例

例えば焼き魚でも、脂の多いサンマは、100gで313kcal。
対して紅鮭は100gあたり177kcalです。

同じ量でもカロリーは半分近くに抑えられる計算です。

部位の違いの例

同じ鶏肉でも、モモ肉とムネ肉は脂質の量が違います。
油の多いモモ肉は100gあたり204kcal、ムネ肉は145kcalです。
唐揚げを食べようと思った時、同じ量でもムネ肉に変えるだけでカロリーをおさえることができます。

糖質はたくさん食べれてしまう

脂質ほどエネルギーは高くはありませんが、糖質は食品にたくさん含まれていることがあり、エネルギー密度を上げやすい成分の一つです。
砂糖や穀類をメインにした食品はほどほどの量に抑えるのがよいでしょう。

食事のエネルギー密度を下げるには、水分多め・脂質少なめの食材を取り入れるのがおすすめです。

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いつもの食事のエネルギー密度を下げるコツ

エネルギー密度はどっちが低い?

エネルギー密度の高い食品と低い食品を紹介しましたが、高エネルギー密度の食品は食べてはいけないというわけではありません。

高エネルギー密度の食品だけでおなかをいっぱいにするのではなく、1回の食事での低エネルギー密度の食品の割合を多くしましょう。

野菜や果物を増やす

最も取り入れやすいのが野菜や果物。
80~90%が水分を占めるものがほとんどです。

脂質もほぼ含まず、食物繊維を多く含むため食感もあり、ビタミンやミネラルも摂取できるのが利点です。

食物繊維が豊富な食品は消化吸収をゆっくりにして満腹感を長続きさせる効果も期待できます。

汁物をプラスする

また、スープのように水分をたっぷり使った料理も、エネルギーは抑えたまま食べ応えをアップしてくれる低エネルギー密度の食事です。

食事全体の「かさ」をふやすことで、エネルギー源の栄養素をゆっくりと体に取り込み、満腹感も得られやすくなります。

エネルギー密度を意識したコンビニ商品の組み合わせ例

例えば、今までの食事ではコンビニで菓子パンと総菜パン、ポテトサラダを選んでいたとします。

ピザパン1個262kcal
リンゴカスタードパン1個279kcal
ポテトサラダ175kcal

コンビニの食事

合計716kcal

この組み合わせを、メロンパンを生果物のバナナに、ポテトサラダをエネルギー密度の低い葉物野菜のサラダに変更、食べ応えアップのために水分の多いカップのオニオングラタンスープを足しました。

ピザパン1個262kcal
皮むきりんご 48kcal
ツナとたまごのサラダ(ドレッシング追加) 112kcal
インスタントスープ 94kcal

コンビニの食事2

合計516kcal

変更前の組み合わせと比べると、1品増えてエネルギーは200kcalオフできました。
エネルギー(カロリー)はオフしつつも、食べ応えは変更前よりもあるのではないでしょうか?

まとめ

体脂肪1㎏の増減に必要なエネルギーは7200kcalと言われています。

仮に毎日の食事を、上で紹介したように1日200kcalカットできた場合、36日で体脂肪1㎏に相当するエネルギーをカットできることになります。

食事の「量」を減らさなくても「エネルギー」を減らすことができれば、今まで体重が増え気味だった人は体重の増加を食い止められ、体重を維持していた人は緩やかではありますが減量が期待できるともいえるでしょう。

同じものをひたすら食べ続けるダイエットや、極端に食事の量を制限するダイエットをしなくても、日々の献立の組み合わせを工夫することで無理なく、十分に摂取エネルギーをおさえることができます。

エネルギー密度を知っておけば、エネルギーが低くても満足感のある、太りにくい食事をとることが簡単になりますので、食事を選ぶときはぜひ思い出してくださいね。

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参考文献

文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会」 報告書

櫻井 武.「食欲の科学」 講談社,2012

太田 一樹.空腹・満腹のメカニズム-中枢性摂食調節機構について-鎌倉女子大学学術研究所報 第12号 1-12頁 2012年

平井 しおり管理栄養士
平井 しおり管理栄養士

2013年に管理栄養士資格取得後、保育施設に勤務、栄養相談などに従事。

現在は「イマカラ」にて、栄養とダイエットに関する科学的根拠に基づいた情報を発信しています。