脂肪燃焼スープダイエットとは?効果と注意点を解説

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脂肪燃焼スープ

1週間で数㎏もの体重が減らせたらそんなに簡単なことはありません。
しかし、「脂肪燃焼スープダイエット」では7日間でやせることができると評判です。
名前からして効きそうですが、本当に効果はあるのでしょうか?

脂肪燃焼スープダイエットとは?

ダイエット方法の中でも根強い人気のある脂肪燃焼スープダイエット。

いろいろなやり方があるようですが、流行のもととなった方法を調べてみました。

7日間のダイエットプログラム

脂肪燃焼スープダイエットは、あらかじめ定められたレシピで作ったスープを中心に、7日間決められたもののみを食べるダイエット方法です。

もともとはアメリカの医療機関において、短期間で体脂肪を落とすために実施された方法と言い伝えられているものの、その話の出どころは不明で、真偽は定かではありません。

スープのレシピ、スケジュールが決められている

7日間の食事の中心となるスープのレシピと、食べるものについてのスケジュールが決められているのが大きな特徴です。

しかし、「脂肪燃焼スープダイエット」を紹介する情報によってレシピが微妙に異なっていたり、食べるもののスケジュールにもばらつきがあり、確固たる方法というものはない、というのが現状です。

脂肪燃焼スープのレシピ

脂肪燃焼スープダイエットについて調べていく中で、いくつかのレシピを得ることができました。
おおむね内容は似ているものの、細かい内容に違いがあることが分かります。

情報源 ①日本 ②日本 ③日本 ④アメリカ(倍量)
玉ねぎ 400g(大2個) 大3個 大3個 6個
キャベツ 1/2個 1/2個 1/2個 1玉
ピーマン 100g(4個) 大1個 大1個 2個(パプリカでも可)
セロリ 1本 1/2-1本 1/2-1本 1本
人参 1本 なし なし 3本
マッシュルーム なし なし なし 1袋
ホールトマト缶 2缶 1缶 1缶 1-2缶
コンソメスープの素 適宜 1個 1個 1-2キューブ
ひたひた ひたひた 2-3リットル 約3リットル
野菜ジュース1.4リットル
塩コショウ 適宜 適宜 適宜 塩は少量か無し
その他 なし カレーパウダーなども可 なし スパイス・ハーブ類使用可

※横スクロールで表全体の確認が可能です。

脂肪燃焼スープダイエットのスケジュール

脂肪燃焼スープダイエットのスケジュールは以下のようなものが標準的なものでした。

  • 1日目:野菜スープ+バナナ以外のフルーツ
    (果物ジュースまたはクランベリージュースのみOKとする場合もある)

  • 2日目:野菜スープ+トウモロコシと豆類以外の野菜
    (乾燥豆以外の豆はOKの場合、ベイクドポテト+バターをOKとする場合もある)

  • 3日目:野菜スープ+トウモロコシと豆類以外の野菜+フルーツ
    (乾燥豆以外の豆はOKとする場合もある)

  • 4日目:野菜スープ+バナナ3本+スキムミルクまたは脱脂乳500ml
    (バナナは8本とする場合、スキムミルクは飲めるだけとする場合もある)

  • 5日目:野菜スープ+赤身牛肉または鶏肉または魚350-700g+トマト最大6個
    (鶏肉は皮なしのものとする場合もある)

  • 6日目:野菜スープ+牛肉+野菜

  • 7日目:野菜スープ+玄米+野菜+フルーツジュース
    (フルーツジュースはクランベリージュースのみとする場合もある)

脂肪燃焼スープダイエットのスケジュールに関しても、情報元によって微妙に違いがありました。

内容が指定されているが、量に関しては比較的自由

1日目はスープとフルーツのみ、5日目はスープとお肉をたっぷり、など内容は細かく指定されているものの、量に関しては比較的自由であることも特徴のひとつです。

スープや野菜は基本的に食べたいだけ食べてよく、
バナナや肉類など、量が指定されているものもありますが、日本人の感覚からするとその量はかなり多く、実質食べ放題に近い感覚で食べることができそうです。

この食事内容を実践することで、短期間で体脂肪を燃焼させてやせることはできるのでしょうか?

脂肪燃焼スープはやせる?

野菜と体重計

脂肪燃焼スープを使ったダイエット。
結論からいうと、「単なるカロリー制限であり、体重はある程度減るが、割に合わない」と考えます。

スープの具材に脂肪燃焼効果があるというものではない

名前に「脂肪燃焼」とついたスープは、名前だけ聞けば魔法のスープのようです。
しかし、その中の具材は一般的な野菜であり、いずれの食品にも脂肪燃焼効果など、消費エネルギーを高めるような作用のあるものは見つかりませんでした。

脂肪燃焼スープダイエットは極端に低カロリーであるため、やせる

とはいえ、実際に実施した人の中では体重が減った、という人もいるはず。
なぜ体重を減らせたのか?というと、
「7日間を通して摂取できるものが極めて低カロリーであるため」です。

ひと鍋ぶんの脂肪燃焼スープのレシピを以下とし、栄養計算をしてみました。

脂肪燃焼スープひと鍋分のレシピ(④のレシピを参考に設定)

栄養価計算用
玉ねぎ 1200g
キャベツ 1200g
ピーマン 120g
セロリ 100g
人参 450g
マッシュルーム 100g
ホールトマト缶 500g
コンソメスープの素 10g
3000g
野菜ジュース 1400g
塩コショウ 無し
備考 総量約8000g
1杯300gとして27杯分

上記のレシピで作った場合の栄養データ

1鍋分
(約5日分)
1杯分 1日分 食事摂取基準(1日分)
(18-29女性)
重量 8080g 300g 1500g(5杯)
エネルギー 1296kcal 48kcal 240kcal 推定エネルギー必要量
1950kcal
水分 7678.5g 285g 1425g
たんぱく質 49.2g 1.8g 9g 50g(推奨量)
脂質 6.1g 0.2g 1g -(重量による基準なし
炭水化物 305.4g 11.3g 56.5g -(重量による基準なし)
食物繊維 74.2g 2.8g 14g 18g以上(目標量)
カリウム 10000㎎ 371㎎ 1855㎎ 2000㎎(目安量)
食塩相当量 4.9g 0.2g 1g 7g未満

*)文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2015年版(七訂)」厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会」 報告書より作成

※横スクロールで表全体の確認が可能です。

1日5杯、重量にして1.5㎏ぶんのスープを食べたとしても、野菜スープだけの摂取エネルギー(240kcal)では体が必要とするエネルギー量(1950kcal)に遠く及びません。(1日でひと鍋8㎏を食べきっても、まだ不足しています。)
スープのほかに野菜や果物、日によって肉類なども食べられますが、指示の範囲内で最大限食べたとしても、7日間を通して摂取エネルギーが「大幅に」不足する内容となっています。

食事はしているから健康的、と考える人もいるかもしれませんが、実際には間違い。
いくら食べても「厳しい食事制限をしている状態」になるダイエット方法といえそうです。

脂肪燃焼スープダイエットは1週間で5㎏以上やせられる?リバウンドに注意!

7日間で5㎏やせられるともいわれる脂肪燃焼スープダイエットですが、実は短期間に数㎏の体重が減っても、食事を戻すことですぐに戻ってしまうことが考えられます。

脂肪燃焼ダイエットの内容から考えると、7日間のような短期間でおこる体重減少の内訳として考えられるものとしては

  • お通じ改善による消化管内容物の減少(1-2㎏?)

  • 体内グリコーゲン枯渇による水分排出(1㎏程度?)

  • エネルギー収支マイナスによる体脂肪の減少(1㎏程度)

があげられます。

お通じ改善による消化管内容物の減少(1-2㎏?)

まず、多量の野菜スープによって水分と食物繊維を多く摂取することになるため、腸管が刺激され、便の排出が促されることが予想されます。
便秘気味の人とそうでない人によって変化の度合いは変わると考えられますが、便秘がちの人であれば1-2㎏程度の体重変化がある可能性も
ただし、通常の食事に戻すことで消化管内容物の量が元に戻ってしまえば、体重もダイエット実施前に近づいてしまうため、「リバウンドしやすい」要素です。

体内グリコーゲン枯渇による水分排出(1㎏程度?)

脂肪燃焼スープダイエットの食事内容は、糖質を含むエネルギー産生栄養素が少ないことが特徴です。
食事から摂取する糖質が不足すると、ヒトの体は肝臓などに貯蔵した糖質であるグリコーゲンを利用します。
グリコーゲンを消費すると、グリコーゲンの貯蔵時に結合していた水分が排出されるといわれており、その量は1㎏程ともいわれます。

ただし、こちらも食事を戻すことで再びグリコーゲンが貯蔵され始めると、水分とともに蓄えられることになり、グリコーゲンの枯渇によって変化した体重は戻ってしまう可能性が高いと考えられます。

エネルギー収支マイナスによる体脂肪の減少(1㎏程度)

成人女性で標準的な活動量の場合、1日に消費するエネルギーは2000kcalほど。

その消費エネルギーと比べて摂取エネルギーが少ないと、足りないエネルギーを体脂肪や筋肉などから調達するために体重が減少します。

脂肪燃焼スープダイエットでは、日によって食べる内容が異なり、また食べる量が定められていないため厳密な計算はできませんが、7日間の摂取エネルギー平均が1000kcal/日だったとすると、7日間でおよそ7000kcalが不足することになります。

7000kcalは体脂肪に換算するとおよそ1㎏ぶんに相当します。
不足したエネルギーを仮にすべて体脂肪から供給したとすると、体脂肪は1㎏減る、といえそうです。
(実際にはエネルギー確保のために筋肉も分解されるため、体脂肪のみが減るということはありません)

体脂肪の変化については、ダイエット終了後も摂取エネルギーと消費エネルギーが釣り合っていればリバウンドすることは考えにくいといえます。

短期間で・健康的に・確実にやせられるダイエットはない

短期間のダイエット

残念ながら、脂肪燃焼スープダイエットも魔法のダイエット方法とは言えず、短期間で健康的に、確実にやせられる方法はいまだ見つかっていないようです。

短期間では摂取エネルギーカットにも限界があり、また、短期間で落ちる体重は短期間で戻る内容であることが多いためです。

体脂肪の減少は絶食したとしても1週間で2㎏が限界

ちなみに、野菜スープすら取らない完全なる絶食の場合、成人女性の標準的な体格と活動量で不足するエネルギーは1日あたり2000kcal、7日間で14000kcalとなり、体脂肪として約2㎏ぶんに相当します。
つまり、1週間で減らすことのできる体脂肪の量は理論上2㎏程度が限界。それ以上のペースでやせることは、物理的に難しいのです。

とはいえ、7日間の完全な絶食は体調を崩してリタイアすることが容易に想像できるのではないでしょうか。
実際には、1週間に2㎏も不可能なレベルと考えたほうがよさそうです。

すぐ落ちる体重は、すぐ戻る

便や水分の排出によって短期間に体重を減らすことは不可能ではありませんが、食事内容を元に戻すとすぐ戻ってしまうものであることが多いといえます。

一方、体脂肪の減少による体重減少は(その後のエネルギー収支が釣り合っていれば)戻りにくいと考えられますが、短期間の食事の工夫だけで数㎏を減らすのは難しいでしょう。

「脂肪燃焼スープダイエット」は名前の響きや決められたレシピやスケジュールによって、かなり綿密に考えられたもののように感じてしまうかもしれませんが、結局のところは安易な食事制限と大きな差はなさそうです。

まとめ:いいところだけ取り入れて習慣にしよう

とはいえ、「脂肪燃焼スープ」が何の役にも立たないか、というと、そうではありません。
いいところを上手に取り入れて、ダイエットに役立つ習慣を身につけましょう!

野菜たっぷり、塩分少なめスープはとても良い

野菜をたっぷり食べる習慣がついているという人はそう多くはないのではないでしょうか?
野菜スープは野菜の栄養素や食物繊維を効率的にとれるうえ、低カロリーで食事のボリュームを上げてくれるため、つい食べすぎてしまう人には無理なく摂取エネルギーを抑えるポイントになります。

野菜をたっぷり使った脂肪燃焼スープでは、たくさんの野菜をしっかりとることができるので、野菜が不足しがちな人にはぴったりといえそうです。

さらに、脂肪燃焼スープダイエットのもとになったものに近いと考えられるアメリカのレシピでは、大量の野菜に対して味付けの塩分はかなり少なめ。

ほとんどの日本人は塩分をとりすぎているため、汁物の塩分を控えることで将来の生活習慣病のリスクを減らすことができますよ。

習慣になるダイエットをしよう

脂肪燃焼スープダイエットは摂取エネルギーが極めて少ない「厳しいダイエット」ですが、短期間に厳しい食事制限を行ったとしてもそのダイエット効果はさほど大きくありません。

短期間に明確な効果があらわれなくとも、無理なく続けられるダイエット方法のほうが「確実に・健康的に・リバウンドしない」ダイエットにつながると考えられます。

毎日の食事は野菜たっぷり・腹八分目を心がける、適度に運動習慣を取り入れるなど、習慣作りがダイエットのカギといえそうです。

習慣化して成功するダイエット方法について詳しく解説した記事はこちら→成功するダイエットとは?食事と運動で健康的に痩せる方法

参考文献

文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会」 報告書

国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所:「健康食品」の安全性・有効性情報(キャベツ、トマト、タマネギ、ニンジン、セロリ、マッシュルームについて)

平井 しおり管理栄養士
平井 しおり管理栄養士

2013年に管理栄養士資格取得後、保育施設に勤務、栄養相談などに従事。

現在は「イマカラ」にて、栄養とダイエットに関する科学的根拠に基づいた情報を発信しています。