ビタミンB6を含む食べ物7選。効果と1日の摂取量も解説

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ビタミンB6は健康維持のために一定量の摂取が必要な栄養素のひとつです。
身体の各種機能の維持のほか、妊娠期のつわりの改善への効果も期待されています。

ビタミンB6の働きと必要量のほか、不足や過剰による影響、ビタミンB6の摂取源となる食品について解説します。

ビタミンB6とは

ビタミンB6は化学名では「ピリドキシン」と呼ばれる物質です。

欠乏すると健康障害がおこるため、日々の食事からの摂取が必要となる「必須栄養素」のひとつであり、必須栄養素のビタミンのうち、水に溶ける性質を持つ水溶性ビタミンに分類されます。

ビタミンB6の働き

ビタミンB6はたんぱく質の代謝、神経伝達物質の合成を助ける働きを持ちます。

ビタミンB6は体内の化学反応を助ける「補酵素」として働く栄養素です。
ビタミンB6がかかわる化学反応は多岐にわたり、結果として多くの体組織の機能維持に関与しています。

たんぱく質の代謝を助ける

ビタミンB6はたんぱく質の分解や合成、たんぱく質からのエネルギー生成を助ける働きを持ち、皮膚などの細胞を健康に保っています。

たんぱく質の摂取量が多いほどビタミンB6が多く必要とされることが分かっています。

神経伝達物質の合成を助ける

ビタミンB6はγ-アミノ酪酸、セロトニン、ドーパミン、アドレナリンといった神経伝達物質の合成を助ける働きを持ち、神経系の機能維持に必要な栄養素です。

ビタミンB6が不足することによって神経系にも異常が生じますが、ビタミンB6の過剰摂取によっても神経系に健康障害が現れることが知られています。

その他体内の各種反応に関与

このほか、ホルモンの働きの調節、免疫系の機能維持、脂質の代謝、赤血球の合成などにかかわることが知られています。

また、現時点でははっきりとは分かっていないものの、大腸がんの予防にかかわる可能性や、妊娠期の吐き気や嘔吐(つわり)の改善にかかわる可能性が示唆されています。

ビタミンB6の不足と過剰摂取による影響

ビタミンB6は必須栄養素であり、不足すると健康障害を生じます。
また、反対に過剰な量を摂取した場合にも、健康障害が起こることが知られています。

ビタミンB6の不足症状・欠乏症

ビタミンB6はたんぱく質の代謝や神経伝達物質の合成を助ける物質で、皮膚や神経系などの機能維持を助ける栄養素です。

ビタミンB6の必要量に対して摂取量が不足したときの欠乏症状としては、以下のようなものが知られています。

  • ペラグラ様症候群
  • 脂漏性皮膚炎
  • 舌炎
  • 口角症
  • リンパ球減少症
  • うつ状態(成人)
  • 錯乱(成人)
  • 脳波異常(成人)
  • けいれん発作(成人)

このほか、貧血、脂肪肝、口内炎、不眠症もビタミンB6の欠乏症として起こる可能性があるといわれています。

ビタミンB6の過剰摂取症状

通常の食品に含まれるビタミンB6の量はそう多くないため、通常の食品では過剰摂取やそれに伴う健康障害は起こりにくいとされています。

一方で、サプリメントや薬剤のように精製したビタミンB6(ピリドキシン)の多量摂取では感覚性ニューロパチーを発症することがあり、体の動作が制御できなくなる運動失調などの症状が知られています。

ビタミンB6摂取量の目安と摂取状況

健康維持のためにはビタミンB6は不足するのも過剰摂取するのも良くないようです。

健康維持のために摂取したいビタミンB6の量と現在の日本人の平均的な摂取量について紹介します。

ビタミンB6の摂取基準値

日本人の食事2020年版では、ビタミンB6の不足や過剰による健康障害が起こらない摂取量をもとに、ビタミンB6の推定平均必要量と推奨量、耐容上限量が設定されています。

ビタミンB6はたんぱく質の摂取量が多いほど必要量が多くなる性質があります。
そのため、たんぱく質の必要量が多い性別・年齢の人ほど、ビタミンB6の必要量も多くなっています。

■日本人の食事摂取基準2020年版におけるビタミンB6の摂取基準(男性)

年齢等  推奨量  耐容上限量
0~5か月  0.2㎎(目安量) 
6~11か月  0.3㎎(目安量) 
1~2歳  0.5㎎  10㎎
3~5歳  0.6㎎  15㎎
6~7歳  0.8㎎  20㎎
8~9歳  0.9㎎  25㎎
10~11歳  1.1㎎  30㎎
12~14歳 1.4㎎  40㎎
15~17歳  1.5㎎  50㎎
18~29歳  1.4㎎  55㎎
30~49歳 1.4㎎  60㎎
50~64歳 1.4㎎  55㎎
65~74歳 1.4㎎  50㎎
75歳以上  1.4㎎  50㎎

厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会」 報告書 より作成

■日本人の食事摂取基準2020年版におけるビタミンB6の摂取基準(女性)

年齢等  推奨量  耐容上限量
0~5か月  0.2㎎(目安量) 
6~11か月  0.3㎎(目安量) 
1~2歳  0.5㎎ 10㎎
3~5歳  0.6㎎  15㎎
6~7歳  0.7㎎ 20㎎
8~9歳  0.9㎎  25㎎
10~11歳  1.1㎎  30㎎
12~14歳 1.3㎎ 40㎎
15~17歳  1.3㎎ 45㎎
18~29歳  1.1㎎ 45㎎
30~49歳 1.1㎎ 45㎎
50~64歳 1.1㎎ 45㎎
65~74歳 1.1㎎ 40㎎
75歳以上  1.1㎎ 40㎎
妊婦  +0.2㎎ 
授乳婦  +0.3㎎ 

厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会」 報告書 より作成

ビタミンB6の平均的な摂取状況

ビタミンB6は通常の食生活であれば欠乏症を起こすことはほとんどなく、また、一般的な食品からの摂取では過剰摂取になることもない栄養素といわれています。

実際、令和元年度の国民健康・栄養調査でも、20歳以上の男女における摂取量の中央値は

  • 男性…1.22㎎(20歳以上、中央値)
  • 女性…1.05㎎(20歳以上、中央値)

となっており、不足や過剰摂取の心配はなさそうです。
とはいえ、個人の食生活の違いにより、極端に偏った食事では不足することもありますので、ビタミンB6を含む食品を含め、いろいろな食材をまんべんなくとるようにしたいですね。

ビタミンB6の多い食べ物7選

ビタミンB6は幅広い食品に含まれる栄養素で、動物性食品、植物性食品のどちらからも摂取することができます。

平均的な食生活の場合、最も多い摂取源となるのは肉類、次いで野菜類で、このふたつの食品群でおよそ半分を占めています。
その他、魚介類、果実類、穀類がビタミンB6の摂取源となっています。

それぞれの食品群からビタミンB6の多いものをピックアップすると、以下の7つの食品がおすすめです。

  • レバー
  • 鶏肉
  • にんにく
  • トウガラシ属の野菜(とうがらし、ししとう、パプリカ)
  • モロヘイヤ
  • マグロ
  • カツオ

肉類

肉類のうち、重さあたりのビタミンB6含有量が多いのは「レバー」と「鶏肉」です。

レバーは牛、鶏、豚の順で含有量が異なりますが、いずれも含有量は高めです。
鶏肉はむね肉やささみなど、脂身の少ない部位で多いので、たんぱく質を積極的にとっている人にはたんぱく質とビタミンB6が同時に摂れる便利な食材となりそうです。

■肉類のビタミンB6含有量(100gあたり)

食品等  ビタミンB6含有量
牛レバー(生)  0.89㎎
鶏レバー(生)  0.65㎎
鶏むね肉(皮なし・生)  0.64㎎
鶏ささみ(生) 0.62㎎
鶏むね肉(皮つき・生) 0.57㎎
豚レバー(生) 0.57㎎

文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2020年版(八訂)」 より作成

野菜類

野菜類のうち、重さあたりのビタミンB6含有量が多いのは「にんにく」「トウガラシ族の野菜」「モロヘイヤ」です。

にんにくや唐辛子はビタミンB6の含有量が多いものの、食材としてあまりたくさんは食べられないのが難点です。

重さあたりのビタミンB6含有量はにんにくやとうがらしに劣るものの、ししとうや赤・オレンジのパプリカなどの唐辛子に近い野菜類はまとまった量を食べるのに適しており、ビタミンB6も比較的多いため、良い摂取源となりそうです、

■野菜類のビタミンB6含有量(100gあたり)

食品等  ビタミンB6含有量
にんにく(生)  1.53㎎
とうがらし(生)  1.00㎎
ドライトマト  0.95㎎
ししとう(生)  0.39㎎
赤ピーマン(パプリカ)(生)  0.37㎎
モロヘイヤ(生) 0.35㎎
オレンジピーマン(パプリカ)(生) 0.32㎎

文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2020年版(八訂)」 より作成

魚介類

魚介類のうち、重さあたりのビタミンB6含有量が多いのは「マグロ」「カツオ」です。

マグロは赤身か脂身(トロ)か、にかかわらず、ビタミンB6を豊富に含みます。
カツオもとれる時期による違いはなく、春獲り、秋獲りともにビタミンB6が豊富です。

このほか、マグロやカツオと比較すると少ないものの、鮭やイワシ、サバ、サンマなどの幅広い魚類に多く含まれています。

■魚介類のビタミンB6含有量(100gあたり)

食品等  ビタミンB6含有量
みなみまぐろ赤身(生)  1.08㎎
みなみまぐろ脂身(トロ)(生)  1.00㎎
びんちょうまぐろ(生)  0.94㎎
くろまぐろ赤身(天然・生)  0.85㎎
くろまぐろ脂身(トロ)(天然・生) 0.82㎎
めばちまぐろ脂身(トロ)(生)  0.80㎎
かつお(春・秋獲り)(生)  0.76㎎

文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2020年版(八訂)」 より作成

その他の食品

肉、野菜、魚のほか、ナッツ類や穀類、果実類にも比較的多くビタミンB6を含むものがあります。

ピスタチオやいりごまは1回の使用量が少なめですが、重さあたりの含有量が高いのが魅力です。

アマランサス、キヌア、玄米、小麦全粒粉は毎日の食事に取り入れることでビタミンB6摂取量の底上げに役立ちそうですね。

バナナ、アボカドは含有量はさほど多くないものの、1回の使用量が比較的多いのが魅力といえそうです。

■その他の食品のビタミンB6含有量(100gあたり)

食品等  ビタミンB6含有量
ピスタチオ 1.22㎎
いりごま  0.64㎎
アマランサス 0.58㎎
玄米 0.45㎎
キヌア 0.39㎎
バナナ(生) 0.38㎎
小麦全粒粉(強力粉) 0.33㎎
アボカド  0.29㎎

文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2020年版(八訂)」 より作成

ビタミンB6のサプリメントの効果と注意点

ビタミンB6は健康維持に必須の栄養素です。
通常の食事として、食材からの摂取が理想的ですが、生活スタイルによってはサプリメントによる摂取が便利…という場合も。
サプリメントによる摂取は効率的ですが、過剰摂取にならないように注意しながら取り入れることが必須です。

また、つわりの症状緩和への効果が知られていますが、自己流で取り入れると効果が得られなかったり、過剰摂取につながったりといったリスクがあることに注意が必要です。

過剰摂取に注意が必要

ビタミンB6は通常の食品からの摂取では過剰摂取による健康障害は起こりにくい栄養素ですが、サプリメントとしての摂取には注意が必要です。

サプリメントはビタミンB6を精製・濃縮したものであり、少量で多量のビタミンB6を摂取することができる特徴があります。

通常の食品よりも多量の摂取が容易にできてしまうぶん、過剰摂取にもつながりやすいのが難点です。
また、複数種類の有効成分が含まれるものについては、相互作用による健康障害のリスクも懸念されるポイントです。
使用量の目安を守りながら、なるべく単一成分のものを取り入れるのがよいでしょう。

つわり対策は要相談

ビタミンB6は妊娠時の吐き気や嘔吐を抑える効果があることが知られています。

つわりに苦しむ妊娠中の女性では通常の食品に加えてビタミンB6サプリメントの摂取により吐き気や嘔吐が改善することが期待されますが、自己流での実践は避けましょう。

効果があったとする報告での摂取量は摂取推奨量よりもはるかに多く、耐容上限量を超える摂取量になっているため、医師等の管理下で行うのが安全です。

ビタミンB6にかかわらず、妊娠中のサプリメントの利用については事前にかかりつけの医療機関に相談するようにしましょう。

まとめ

ビタミンB6はたんぱく質の代謝や神経伝達物質の合成を助ける働きを通じて皮膚や神経系の健康状態を維持するのに役立つ栄養素です。

不足すると皮膚炎や神経系の健康障害を引き起こしますが、過剰摂取によっても神経障害を起こすことが知られています。

通常の食生活では不足も過剰摂取も起こりにくいため、極端に偏った食事にならないようにするのがポイントです。

摂取源となる食品は肉類、野菜類、魚類、果実類、穀類など。
サプリメントでとりたい場合には、ビタミンB6のみが配合された単一成分のものを選びましょう。

つわりによる吐き気や嘔吐に効果があることが明らかになりつつありますが、摂取量や方法が特殊であるため、自己流での実践は避け、かかりつけ医療機関に必ず相談するようにしてくださいね。

ビタミン全般について詳しく解説した記事はこちら

参考文献

国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所:「健康食品」の安全性・有効性情報「ビタミンB6 (ピリドキシン)」

文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会」 報告書

厚生労働省:「国民健康・栄養調査」

厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』eJIM:「海外の情報 ビタミンB6」

吉田勉 監修. わかりやすい食品機能栄養学. 三共出版, 2010.

上西一弘. 食品成分最新ガイド 栄養素の通になる 第5版. 女子栄養大学出版部, 2022.8

平井 しおり管理栄養士
平井 しおり管理栄養士

2013年に管理栄養士資格取得後、保育施設に勤務、栄養相談などに従事。

現在は「イマカラ」にて、栄養とダイエットに関する科学的根拠に基づいた情報を発信しています。