投稿日: 2019.04.19 | 最終更新日: 2024.04.19

ビタミン13種類の効果を一覧で紹介。欠乏症や多い食べ物・サプリの取り方を解説

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ビタミン13種類の効果を一覧で紹介

食べ物に含まれているビタミンはごく微量ですが、その働きは幅広く、生命維持には必須の成分です。

ビタミンをしっかりとりましょう、と言われても、実際にはどんなものか知っている人はそう多くはないと思います。
例えば、ビタミンは全部で13種類もあること。
また、ビタミンといえば野菜、というイメージがありますが、実は動物性食品にしか含まれないビタミンもあるということなどです。

この記事では、ビタミンの種類や働き、効率的な食事のコツ、気を付けたい取りすぎのデメリットについて解説します。

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ビタミンとは

ビタミンとは

ビタミンはたんぱく質・脂質・炭水化物・ミネラルと並んで「5大栄養素」と呼ばれる必須栄養素の1グループです。

ビタミンは13種類に分けることができ、その性質によって水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンに大別されます。

必須栄養素としてのビタミンとは別に、ビタミン様物質と呼ばれるものもありますが、食事から摂取する必要があるか否かで区別されています。

それぞれの内容について詳しく解説します。

必須栄養素の1グループ

ビタミンは、必須栄養素として体内の調整役として働く物質の総称です。

食品に含まれる栄養素のうち、糖質・脂質・タンパク質・ミネラル以外の物質で、微量ではあるものの人体の機能を正常に保つのに必要な成分のことをビタミンと言います。
体内では、栄養素からエネルギーを作るときの手助けをしたり、健康な細胞を作るときにその補助をしたりと、機械にとっての潤滑油のような働きをしているのがビタミンです。
体内では作り出すことがほとんどできないため、食品等によって摂取する必要があります。

13種類あり、水溶性と脂溶性に分けられる

ビタミンの種類は13種類。

水に溶けやすい性質を持つ水溶性ビタミン9種類と、油に溶けやすい性質を持つ脂溶性ビタミン4種類に分けられます。

  • 水溶性ビタミン…ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ナイアシン、ビオチン、パントテン酸、葉酸、ビタミンC
  • 脂溶性ビタミン…ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK

ビタミンはそれぞれが違った働きをもち、体内の機能を正常に保っています。

ビタミン様物質との違い

今回の主題であるビタミンとは異なる、「ビタミン様物質」というものが存在します。
有名なものではビタミンUやビタミンQ、ビタミンPとよばれるものがありますが、これらは今回紹介する必須栄養素としてのビタミンとは同じ扱いになるものではありません。

ビタミンの研究が進む過程で、それまで摂取が必須のビタミンだと思われていたものがそうではなかったとわかることがあります。
そういったものが今でもビタミンと呼ばれているというのがこれらの物質です。
これらのビタミン様物質は体内で重要な役割を果たすものではありますが、必ずしも経口摂取が必要なものではありません。
また、経口摂取による効果が疑問視されているものもありますので、正規のビタミンほど重要性の高いものではないと考えておきましょう。

ビタミン13種の効果と欠乏症一覧

ビタミン13種の効果と欠乏症一覧

人体の機能を正常に保つ成分であるビタミン。
それぞれに特有の働きを持ち、体内の機能を正常に保つ働きを持ちます。

ビタミンは体内で作り出すことができないため、食事からの摂取が不足すると様々なトラブルの原因となります。

たとえばエネルギー源となる栄養素を食事から摂取していても、ビタミンが不足することによってエネルギーが作り出せないといったことが起こります。
エネルギーの産生以外にも骨や筋肉、血管を健康な状態で作る反応、視覚や味覚にかかわる機能にもビタミンが必要とされています。

ビタミンの種類とそれぞれの働き、不足状態が続いたときに起こる欠乏症について一覧で紹介します。

名称 主な働き 欠乏症
ビタミンB1 糖質をエネルギーに変える  脚気(心臓や神経系の障害)
ビタミンB2 脂質をエネルギーに変える 子どもの成長障害
口角炎や口唇炎
ビタミンB6 食事のタンパク質を体内で使える形に組み替える 皮膚炎、湿疹
痙攣、神経炎
ビタミンB12 正常な赤血球を作る 赤血球の生産異常
貧血・足のしびれ
ビオチン 糖質・脂質・タンパク質をエネルギーに変える 成長阻害・皮膚炎
パントテン酸 糖質・脂質・タンパク質をエネルギーに変える 成長阻害・皮膚炎
疲労・精神障害
葉酸 正常なDNA・細胞・赤血球を作る 赤血球の生産異常・貧血
胎児の神経系障害
ナイアシン 糖質・脂質・タンパク質をエネルギーに変える
正常な細胞を作る
皮膚炎・下痢
頭痛・神経障害
ビタミンC 皮膚や骨を健康に保つ、コラーゲンを合成する  毛細血管の脆弱化
疲労感・出血
ビタミンA 視覚を正常に保つ
生殖・味覚・免疫機能を正常に保つ
視覚の明暗順応低下
失明・粘膜強度低下
ビタミンD 骨を健康に保つ
発がん抑制
骨軟化症
骨粗しょう症
ビタミンE 細胞の老化を防ぐ
血管を健康に保つ
赤血球の脆弱化
神経系の障害
ビタミンK 骨や血液の健康な状態を保つ 血液凝固不全
出血しやすくなる

ビタミン13種を多く含む食品一覧

ビタミン13種を多く含む食品一覧

ビタミンというと野菜や果物のイメージがありますが、実際にはビタミンは肉類や魚類、穀物、豆類、果物、卵、乳製品、油脂類などに幅広く含まれています。
食品ごとにもっているビタミンの種類が違うため、食事が偏ってしまうとビタミンの不足状態に陥りやすいのです。

ビタミンの種類ごとに主な給源となる食品を紹介します。

名称 主な給源の食品
ビタミンB1 豚肉、うなぎ、ナッツ類、大豆、玄米など
ビタミンB2 レバー、魚類、納豆、卵、牛乳など
ビタミンB6 魚類、レバー、バナナ、玄米、鶏肉、ピーマン、にんにくなど
ビタミンB12 レバー、貝類、魚類、チーズなど
ビオチン レバー、卵、豆類、魚介類、ナッツ類など
パントテン酸 レバー、魚類、鶏肉、きのこ、アボカド、納豆、卵など
葉酸 レバー、緑の葉物野菜、納豆、果物など
ナイアシン 赤身の魚、レバー、豆、鶏肉、玄米、小麦
ビタミンC 緑黄色野菜、果物、じゃがいもなど
ビタミンA レバー、鰻、あん肝、魚介類、緑黄色野菜、バターなど
ビタミンD 青魚、きのこ類、卵黄など
ビタミンE 植物油脂、ナッツ類、魚介類、緑黄色野菜など
ビタミンK 納豆、ほうれん草など緑の葉物野菜など

ビタミンを無駄なくとるためのポイント

ビタミンを無駄なくとるためのポイント

ビタミンが豊富に含まれている食品も、調理法や食べ方によっては摂取量が減ってしまうこともあります。
ビタミンを効率よく取り入れるためには、その性質によって調理法を工夫すると効果的です。

具体的には、水溶性ビタミンは調理の際に水に溶けださないようにすること。
脂溶性ビタミンは油脂と組み合わせると吸収率が高まります。

それぞれの内容について詳しく解説します。

水溶性ビタミンは水に溶けださないようにする

水溶性ビタミンを逃さないためには、調理の過程で水に浸しすぎないことが大切です。

水溶性ビタミンは水に溶けやすい性質を持っています。
そのため、食材を細かく切って水にさらしたり、ゆでたりするとその水の中に流れ出してしまいます。

ビタミンがゼロになるという事はありませんが、少しでも効率的にビタミンを摂りたい場合には野菜などで水にさらす必要があるものはあまり細かく切らず、さらす時間も短時間にとどめるのがおすすめです。

お肉などもゆでるとビタミンが流れ出しやすいので、炒めものや、スープにすることで無駄なくビタミンを摂取することができますよ。

脂溶性ビタミンは油で吸収率が上がる

脂溶性ビタミンは油に溶けやすい性質があります。

少量の油を使った料理では、脂溶性ビタミンが油に溶けて吸収率が上がるので、炒め物などがおすすめです。

一方、素揚げにするなど食材に直接大量の油が触れる料理法では流れ出やすくなると考えられます。

揚げ物でも衣をつけて脂溶性ビタミンが流れ出ないようにすると効率よく摂取できます。

生活習慣が乱れるとビタミンの無駄遣いにつながる

食事から一定量のビタミンを摂取していても、生活スタイルによってはビタミンが浪費され、不足してしまうことがあります。

アルコールを摂取すると、アルコールを分解するためにビタミンB群を大量に消費します。
特に大量の飲酒習慣がある人ではビタミンB1の欠乏症がみられることもあります。

また、ビタミンCは喫煙によって消耗されやすいことが知られています。
喫煙者では非喫煙者と比較して必要量が3割以上多くなるともいわれています。

ビタミン不足を避けるためにも、お酒は適量に、喫煙は控えることが望ましいですね。

ビタミンサプリの注意点

ビタミンサプリの注意点

ビタミンが不足しないように、サプリメントを飲んだほうがいいのかと思う人も多いのではないでしょうか。

ビタミンのサプリメントは不足の懸念があるときには便利ですが、いくつかの点に注意が必要です。

  • 過剰摂取につながりやすいこと
  • 食事バランスの改善が前提であること

ビタミンのサプリメントを取り入れるときに気をつけたい点を紹介します。

脂溶性ビタミンの過剰摂取に注意

ビタミンAなど、脂溶性ビタミンではサプリの摂取により過剰症の心配があるため、慎重に取り入れましょう。

脂溶性ビタミンは多量摂取した場合には肝臓に送られて貯蔵されます。
脂溶性ビタミンは摂りすぎの状態が続くと過剰症と言われる症状が出ることもあります。
水に溶けにくく簡単には排出ができないため、必要な量以上にはとらないようにすることが必要です。

代表的な過剰症は、ビタミンAの過剰摂取によるもので、妊産婦における胎児の奇形が起こりやすくなる、皮膚のひび割れや髪の毛の脱毛などが報告されています。

サプリに頼りすぎて複数のサプリを摂取している場合などでは、耐容上限量を超えて摂取してしまう場合も考えられます。
自分の食生活ではどんなものが必要なのか、可能であれば栄養士などの専門家に相談するのも一つの方法です。

食事バランスを整えることが優先

サプリメントはあくまで食事だけでは不足するものを補う目的で使うものであって、食事内容を見直す前に取り入れることはお勧めできません。

サプリはその成分しか補給できないのが弱点で、サプリメントをとるだけでは「摂りすぎ」や「別の成分の不足」の改善にはつながりません。

例えば、美肌効果を期待してビタミンCをサプリとしてとっていても、食事量が少ない、内容が偏っているなどが原因でコラーゲンそのものの原料となるタンパク質が食事の中に十分に含まれていなければその効果は期待できません。
加えて、糖質などのエネルギー源が不足した状態では、タンパク質はエネルギーに変えられてしまって肌の細胞を作るほうにまで回らないことも。

また、塩分の取りすぎ、脂質の摂りすぎのような摂りすぎによるトラブルはサプリメントでは解決できません。

ビタミンを含め、栄養素は単体ではなくチームで働いています。
ビタミンサプリの効果を得るためには、その他の栄養素も十分に摂取する必要があります。

ビタミン不足に限らず、栄養バランスの乱れを避けるために必要なのは、「いろいろな食品を偏りなく食べること」
健康にいいからと言って特定のものだけを食べ続けることは、ビタミンやその他の栄養素の偏りの原因となり、かえって体調を崩すことにもつながりかねません。

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まとめ

ビタミンは健康維持のために食事からの摂取が必要な微量栄養素で、それぞれに特有の働きを持っています。

種類が多く、必要な量がとれているか不安になりやすいビタミンですが、食事の量とバランスが整っていれば、欠乏症はさほど気にすることはありません。
体のサイクルをうまく回すため、毎日の食事にいろいろな食材を取り入れてくださいね。

一方、不足を気にするあまり、ビタミン豊富な食材にばかり偏った食事もオススメできません。

たとえば、レバーはたくさんのビタミンと鉄分が豊富に含まれた食品ではありますが、毎日食べるのは避けたほうがいい食品の一つ。

通常の食生活で毎日のようにレバーを食べる人はあまりいないと思いますが、ビタミンが豊富だから、または鉄分が豊富だから貧血対策に!と言って毎日のように食べることが長期にわたると、過剰症が起こることもあります。
たまに焼き鳥や炒め物などで食べる分には問題ありませんので、貧血やビタミン不足が気になる方は低めの頻度で取り入れてみてください。

また、水に溶けやすい水溶性ビタミンは、一度に多量に摂取した場合、使い切れなかった分は尿と一緒に排出されてしまいます。
そのため、水溶性ビタミンは「摂りだめ」しにくいのが特徴で、こまめな摂取が必要です。

どんな食品も、適量を、適度に食べるようにしたいですね。

ビタミン各種について詳しく解説した記事はこちら

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参考文献

一般財団法人 東京顕微鏡院:「栄養成分 各論①ビタミン」

厚生労働省e-ヘルスネット:「ビタミン」

吉田勉 監修:「わかりやすい食品機能栄養学」.三共出版,2010.

上西一弘. 食品成分最新ガイド 栄養素の通になる 第5版. 女子栄養大学出版部, 2022.8

平井 しおり管理栄養士
平井 しおり管理栄養士

2013年に管理栄養士資格取得後、保育施設に勤務、栄養相談などに従事。

現在は「イマカラ」にて、栄養とダイエットに関する科学的根拠に基づいた情報を発信しています。