2019.04.26

魚は体にいい食品?身近な魚の栄養素を紹介

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魚・サーモン

「魚」というと、健康的な和食に欠かせない食材としてのイメージも強いように思います。

魚の成分であるDHAやEPAといった成分も健康を後押しするものとして注目され、サプリメントの成分としても使用されています。

魚やその成分は体にどのような作用を持つのでしょうか?また、どれくらいの量を食べるべきなのでしょうか?

サバ缶を活用したレシピ、電子レンジ調理で手軽なお魚レシピも紹介します!

スーパーで買えるお魚の栄養価と特徴いろいろ

魚の食材としての位置づけは肉や卵などと同じ「たんぱく源」といえます。
メインのおかずの中心的な食材として使われることが多いように思います。
スーパーなどで手に入れやすい魚と、鶏肉、豚肉、卵を比較してみましょう。

マアジ  タイセイヨウサバ  紅鮭  鶏卵  鶏もも  豚肩ロース
エネルギー(kcal) 126 326 138 151 204 226
タンパク質(g) 19.7 17.2 22.5 12.3 16.6 18.5
炭水化物(g) 0.1 0.4 0.1 0.3 0 0
脂質(g) 4.5 26.8 4.5 10.3 14.2 15.7
飽和脂肪酸(g) 1.10 5.19 0.81 2.84 4.37 5.91
n-3系脂肪酸(g) 1.05 6.56 0.92 0.17 0.09 0.09
ビタミンD(㎍) 8.9 10.0 33.0 1.8 0.4 微量
100gあたり・すべて生の数値

※横スクロールで表全体の確認が可能です。

エネルギー(カロリー)は魚によってさまざま

魚というとヘルシー=低カロリーなイメージがありますが、エネルギー(カロリー)については魚によっても様々です。
比較的脂質の多いサバについてはほどほどに油のついた豚肉よりも高エネルギー(カロリー)である場合もあります。
また、時期や個体差による違いも大きいため、必ずしも「魚はヘルシー=太らない」とは言えないでしょう。

タンパク質や炭水化物に大きな差はない

100gあたりのタンパク質に大きな差はなく、肉も魚も優秀なタンパク質源といえます。
そのため、タンパク質をしっかりとりたいという人にも、魚はおすすめの食材といえそうです。

骨を健康に保つビタミンDが豊富

魚は肉類に比べてビタミンDが豊富なのが特徴です。
ビタミンDは食事からのカルシウム吸収を促進し、骨を丈夫に保ち、がん細胞の増殖を抑制する働きがあります。
日光の紫外線を浴びることでヒトの皮膚でもある程度はつくられるという性質があります。
不足しがちな栄養素ではありませんが、外に出て日光に当たる機会が少ない人では体内で作られる量が不十分になることも考えられるので、魚やキノコといったビタミンDが豊富な食品を取り入れるのもいい方法です。

脂質の中でのn-3系脂肪酸の割合が大きい

肉類と比べた時の大きな違いは、脂質の「量」ではなく、「質」にあります。
肉類に比べ、魚類では飽和脂肪酸の割合が小さく、n-3系脂肪酸の割合が大きいのが特徴といえます。

このn-3系脂肪酸に属するのが、DHAやEPAといった脂肪酸です。
飽和脂肪酸はとりすぎると心血管疾患などのリスクを高めますが、反対にn-3系脂肪酸は必須脂肪酸として体内でさまざまな働きをもつことが知られています。

DHAやEPAの健康にかかわる働き

飽和脂肪酸のとりすぎが心血管疾患などのリスクを上げる一方で、DHAやEPAを含む多価不飽和脂肪酸は心血管疾患や脳出血のリスクを減少することが考えられています。

このようなことから、魚は健康的というイメージがついたと考えられます。

→青魚の栄養素・DHAやEPAは体にいい?

青魚はなぜ傷みやすい?

傷みやすい魚として知られるサバ

魚の中でも、青魚はEPAやDHAといった健康にいいとされる脂質を豊富に含む一方で、傷みやすい魚としても知られています。

保存状態が悪いと細菌性の食中毒とは別の作用を起こす

青魚が傷みやすい原因はアミノ酸のひとつであるヒスチジンが多く含まれていることにあります。

青魚が死んだあと、ヒスチジンは時間の経過とともに、青魚に存在する細菌のはたらきによって「ヒスタミン」に変化していきます。
このヒスタミンは体内でアレルギー症状にかかわる物質で、加熱しても壊れません。
ヒスタミンが増えた状態の魚を食べると発疹やかゆみ、吐き気、腹痛や下痢、めまいなどのアレルギーに類似した症状が引き起こされます。

保存状態が適切でないと加熱しても食中毒に

生の状態で適切な温度が保たれないまま放置されたり、冷蔵でも生のまま長時間保管されたりすると、ヒスタミンが増えてしまいます。
ヒスタミンは加熱しても壊れない特徴があり、一度ヒスタミンが増えてしまうと、後の調理でしっかりと加熱したとしても、体調不良を引き起こすことになってしまいます。

保存状態に気を付けつつ青魚を取り入れよう

一般に販売されている総菜や缶詰などでヒスタミン中毒が起こることは稀ですが、切り身の状態でパック詰めされたものを自宅で調理するときは、なるべく新鮮なうちに使うように心がけたいですね。

魚はもっと食べたほうがいい?

魚を食べる食卓

魚の摂取量は減少中

上で紹介した通り、魚はタンパク質、ビタミンD、DHAやEPAといった栄養素の摂取源として優れた食品です。

しかし、魚の摂取量は年々減少しているのも事実です。
肉類に比べて魚が選ばれにくい理由としては、

・小骨があるなど、食べにくい
・価格が肉類に比べて割高
・調理が面倒

といった理由が考えられます。

魚の摂取量の基準値はないが、全く食べないのはもったいない!

では、どのくらい食べるのがいいのでしょうか?

魚を1日これくらい食べましょう、といった基準のようなものはありません。
平成29年の国民健康・栄養調査では、魚の摂取量は、平均して1日あたり50gほど。
1週間で350gほど食べているようです。
この値は平均値ですので当然これよりも少ない人もいれば、多い人もいますが、一定の参考にはなるのではないでしょうか。

推奨される魚の摂取量というものはありませんが、ビタミンDやDHA、EPAといった成分の優秀な摂取源であることを考えると、食べる量が減り続けるのはもったいないように感じます。
ひとまず、現状での平均値に近い量を食べるようにするのが第一歩といえそうです。

1日あたり50g、1週間で350gの目安

1週間で350gの魚とは、どのくらいの量を指すのでしょうか。
代表的な魚料理に使われている魚の量を比べてみましょう。

・お刺身…(8切れ)…80g
・鮭の塩焼き(1切れ)…80~100g
・サバの味噌煮(半身)…150g
・サンマの塩焼き(1尾・可食部)…100g
・アジフライ(1尾・可食部)…70g

元の魚の大きさや、切り身の切り方によって重さは変動しますが、おおむねこのくらいの量になるかと思います。

2日に1回くらいのペースで魚料理を食べるようにすると平均の摂取量に近い量が食べられそうですね。

いままでほとんど魚料理を食べることがなかった、というひとは食事のバリエーションのひとつとして、魚料理も選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

挑戦しやすいお魚料理のレシピ紹介

鮭のちゃんちゃん焼き風レンジ蒸し

鮭のちゃんちゃん焼き風

【材料】1食分

生鮭(切り身) 1切れ(80g)
少々(1g)
こしょう 2~3振り
玉ねぎ 1/8個(20g)
キャベツ 1~2枚(50g)
しめじ 30g
みそ 大さじ1(18g)
大さじ1(15g)
砂糖 大さじ1(12g)
みりん 大さじ1(15g)
醤油 小さじ1(5g)
バター ひとかけ(5g)

※横スクロールで表全体の確認が可能です。

【作り方】
1. 鮭の両面に塩、こしょうを振る。
2. 玉ねぎをくし切り、キャベツを2~3㎝のざく切り、にんじんは薄切り、しめじは石づきを取って小分けにする。
3. 皿にオーブンシートを大きめに広げ、キャベツ、玉ねぎ、にんじん、しめじを乗せ、一番上に鮭を乗せる。
4. バター以外の調味料をよく混ぜ、鮭の上にかけ、シートをキャンディ状に包む。
5. 600Wの電子レンジで6分加熱する。
6. 包みを開け、バターを乗せる。

【栄養価】
302kcal タンパク質22.2g 脂質8.7g ビタミンD25.8㎍ n-3系脂肪酸0.86g

レンジで手軽に作れる魚料理です。
野菜もしっかりとりつつ、まったりみそ味でご飯が進みます!
n-3系脂肪酸は18~49歳女性の食事摂取基準を50%を確保。
ビタミンDは摂取基準を大きく上回っています。(過剰症の心配のある量ではありません)

缶詰活用!サバカレー

サバ缶のカレー

【材料】2人分

サバ水煮缶 1缶(固形量約140g)
バター 10g
にんにく ひとかけ(5g)
(チューブでも可)
ショウガ ひとかけ(10g)
(チューブでも可)
たまねぎ 1個(200g)
トマトジュース 1パック(200g)
大さじ2(30g)
砂糖 小さじ1/2(2g)
カレー粉 大さじ1(6g)
小さじ1/3(2g)
こしょう 2~3振り
ごはん 1合(約300g)

※横スクロールで表全体の確認が可能です。

【作り方】
1. 玉ねぎは薄めのくし切りにしておく。にんにく、しょうがはみじん切りにする。(チューブでもよい)
2. フライパンにバターを入れて熱し、にんにく、しょうがを軽く炒め、玉ねぎを加えて炒める。
3. 玉ねぎが半透明になったら汁気を除いたサバ缶、トマトジュース、酒、砂糖、カレー粉を入れて煮る。
4. 全体が煮立ったら火を弱め、塩と胡椒で味をととのえる。
5. 器にご飯を盛り、カレーをかける。

【栄養価】
1人分 514kcal タンパク質20.7g 脂質12.6g ビタミンD7.7㎍ n-3系脂肪酸1.93g

あらかじめ調理された缶詰を使えばお魚料理も手軽に作れます。
水煮缶のほか、味のついたものでも作れます。
塩を加える量などで味を調整してみてくださいね。

魚料理で食事の幅を広げよう

丸ごとの魚はなかなか使えなくとも、切り身や缶詰などを活用すれば意外と取り入れやすいのではないでしょうか?

最近ではスーパーでも、味付けが済んでいて、フライパンでそのまま焼くだけの切り身も多く売られています。
使いやすいものから取り入れてみてはいかがでしょうか?

参考文献

文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2015年版)」

厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」 報告書

水産庁:「水産物消費の状況」

厚生労働省:「国民健康・栄養調査」

国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所:「健康食品」の安全性・有効性情報(魚油、DHA、EPA、EPA、n-3系脂肪酸について)

吉田勉 監修:「わかりやすい食品機能栄養学」.三共出版,2010.