2019.10.11

牛乳はやっぱり栄養豊富!牛乳の魅力を紹介|管理栄養士執筆

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給食の牛乳

牛乳は、飲み物としても、お料理の材料としても用途の広い食品です。
学校給食のあった時には飲んでいたけれど、大人になってからはほとんど飲んでいない…という人にもぜひ飲んでほしい、栄養素たっぷりの牛乳の魅力を紹介します。

牛乳の栄養素と特徴

牛乳の基本的な栄養データ
普通牛乳 食事摂取基準比
(18-64歳女性)
エネルギー 134kcal
たんぱく質 6.6g 13.2%(推奨量50g)
脂質 7.6g
炭水化物 9.6g
食物繊維 0g 0%(目標量18g以上)
カルシウム 220㎎ 34%(推奨量650㎎)
ビタミンB2 0.30㎎ 25%(推奨量1.2mg)
ビタミンB12 0.6㎍ 25%(推奨量2.4%)
パントテン酸 1.10㎎ 22%(目安量5㎎)
*200g(約コップ1杯)あたり
「食品成分データベース:日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
「日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会」 報告書より作成
カロリーと3大栄養素

牛乳にはカゼインやホエイといったたんぱく質、飽和脂肪酸を中心とした脂質、乳糖からなる炭水化物が含まれています。

200g(コップ1杯、牛乳瓶1本、小さい紙パック1本)のエネルギーは134kcal。
飲みものとしては高めですが、その分栄養素が豊富に含まれていると考えることができます。

カルシウムの摂取源として優秀

牛乳の最も大きな特徴といえるのが、カルシウムです。
カルシウムは骨の主な成分のひとつであり、十分なカルシウムの摂取は骨の健康を保つためにも大事なポイントです。

カルシウム=牛乳といわれる理由は吸収率の高さから?

カルシウムといえば牛乳のイメージが強いですが、実際にはカルシウムを含む食品は牛乳以外にも多数存在します。

100gあたりの
カルシウム量
1回使用量 1食あたりの
カルシウム量
牛乳 110㎎ 200g(コップ1杯) 220㎎
煮干し 2200㎎ 5g(1尾0.5g10尾) 110㎎
しらす 280㎎ 10g(大さじ2) 28㎎
こまつな 170㎎ 100g(1/2束) 170㎎
木綿豆腐 93㎎ 150g(小1パック) 140㎎
「食品成分データベース:日本食品標準成分表2015年版(七訂)」より作成

牛乳は100gあたりのカルシウム量は特別に多いものではありませんが、液体であるためにたくさんの量を摂取しやすいこと、日常的に取り入れやすいところが利点といえそうです。

また、カルシウムの「吸収率」も利点のひとつ。

1998年に行われた牛乳、小魚、野菜といった食品におけるカルシウムの吸収率を調べた研究では、牛乳がおよそ40%、小魚では33%、野菜では19%であった*)とされています。
*)上西 一弘, 江澤 郁子, 梶本 雅俊, 土屋 文安.日本人若年成人女性における牛乳, 小魚 (ワカサギ, イワシ), 野菜 (コマツナ, モロヘイヤ, オカヒジキ) のカルシウム吸収率 日本栄養・食糧学会誌 51巻5号(1998)

この差は牛乳に含まれるカゼインホスホペプチド(CPP)や乳糖などのはたらきによってカルシウムが体内に運ばれやすい状態になるためと考えられています。

牛乳だけがカルシウムの摂取源になるわけではありませんが、カルシウムの含有量だけでなく、吸収率の高さを考えても、牛乳はカルシウム摂取に適した食品のひとつといえそうです。

ビタミンB2,B12,パントテン酸も豊富

カルシウムに次いで、各種ビタミンも比較的豊富に含まれています。
1杯の牛乳で栄養バランスは完璧、というわけではありませんが、豊富な水溶性ビタミンも牛乳の魅力のひとつといえそうです。

カルシウムが豊富な牛乳を有効にとろう

子どもたちの成長のために、大人の骨粗しょう症予防に

成長途中の子どもたちにとって、カルシウムは必要不可欠な栄養素です。

そのため、体重あたりのカルシウムの必要量は大人よりも子どもで多く、特に12歳~14歳では大人の1.5倍近くにもなります。
なるべく効率よく、たくさんのカルシウムが必要な世代の学校給食に牛乳が定番なのはこういった理由があるからですね。

いっぽう、成長する時期を過ぎた大人であっても、全身の骨は日々あたらしく作り替えられるため、カルシウムの補給が必要です。
将来の骨粗しょう症の予防のためにも、若いうちからしっかりとカルシウムをとることが大事です。

平成29年度の国民健康・栄養調査の結果からも、日本人のカルシウム摂取量は不足傾向がみられています。

給食を食べなくなってから牛乳を飲まなくなったな、という人はこれを機会に牛乳を取り入れるようにするといいかもしれませんね。

乳製品の1日の摂取目安は?

食事バランスガイドによると、カルシウムの摂取源としての乳製品の目安は、牛乳の場合1日あたり200mlほど。(年齢や活動レベルにより異なります)
乳製品には、ヨーグルトやチーズといった乳加工品も含まれますので、取り入れやすいものを選ぶのがよさそうです。

骨の健康にはビタミンDも合わせて

ビタミンDはカルシウムとともに骨の健康を維持するために重要な必須栄養素です。
ビタミンDは日光に当たることでヒトの皮膚でも作られる特性があり、食事や日照に関して一般的な生活をしている人では不足のリスクはあまり高くはないと考えられますが、

・日照時間が短い地域に住んでいる
・戸外での活動がほとんどない

といった人では、食事からも積極的にビタミンDをとることがすすめられます。

ビタミンDは牛乳にはほとんど含まれておらず、魚に多く含まれています。
骨の健康を維持したい!というときには、牛乳の摂取だけでなく、魚を食べる機会を確保する、というのもひとつの方法です。

牛乳から栄養補給するときに気を付けたいこと

牛乳が合わない体質…無理して飲むべき?

牛乳は栄養価の高い食品である一方、乳アレルギーや乳糖不耐症によって体質的に摂取することができない人もいる食品でもあります。

■乳アレルギー

乳アレルギーは牛乳の成分に対して免疫が過剰反応を起こして様々な症状があらわれるもので、症状の重さによっては命にかかわる重大な疾患です。
そのため、牛乳が栄養素に富んだ食品だとしても、医師の指示なしに摂取するべきではありません。

■乳糖不耐症

一方、乳糖不耐症はアレルギーとは異なるものになります。
牛乳に含まれる糖質である乳糖を消化吸収できない体質の人では、乳糖が食物繊維のような働きをするため、腹痛や下痢などの症状を起こすこともあります。

・冷たい牛乳ではなく温める
・少量ずつ飲む
・加熱調理を行う料理に使う
・チーズやヨーグルトなどを選ぶ(加工中に乳糖が取り除かれたり分解される)

このような工夫次第で問題なく食べることができるようです。

→食物アレルギー、乳糖不耐症について詳しく解説した記事はこちら

→「食物アレルギーとは?初心者向け解説」

→「牛乳で腹痛や下痢になりやすいのはなぜ?乳糖不耐症とは?」

「牛乳からしか取れない」という栄養素はない

牛乳はたんぱく質やカルシウムの摂取源として優秀ではあるものの、「牛乳からしか取れない栄養素」というものはありません。

たんぱく質はお肉やお魚、たまごから、
カルシウムは小魚や野菜類からもとることができる栄養素です。

無理に牛乳からとる必要はありませんので、体に合ったものから無理なくとるのがいいでしょう。

まとめ:栄養価の高い食材のひとつとして

エネルギー、たんぱく質、カルシウムの摂取源として優秀な牛乳。

バランスのとれた食事の一部として、上手に取り入れたいですね。

参考文献

厚生労働省:平成29年「国民健康・栄養調査」の結果

厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会」 報告書

文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

一般社団法人Jミルク:「乳の知識」

全国飲用牛乳公正取引協議会:「飲用乳ってなに?」

上西 一弘, 江澤 郁子, 梶本 雅俊, 土屋 文安.日本人若年成人女性における牛乳, 小魚 (ワカサギ, イワシ), 野菜 (コマツナ, モロヘイヤ, オカヒジキ) のカルシウム吸収率 日本栄養・食糧学会誌 51巻5号(1998)

社団法人日本栄養士会監修:「食事バランスガイド」を活用した栄養教育・食育実践マニュアル.第一出版,2011.

平井 しおり管理栄養士
平井 しおり管理栄養士

2013年に管理栄養士資格取得後、保育施設に勤務、栄養相談などに従事。

現在は「イマカラ」にて、栄養とダイエットに関する科学的根拠に基づいた情報を発信しています。