
身近な食材でありながら、知らないことも多いこんにゃく。
どんなものからできていて、どんな栄養素が含まれているのでしょうか?
こんにゃくに含まれる栄養素と、おすすめの活用法を紹介します。
Contents
こんにゃくの栄養価と特徴
栄養成分表
こんにゃく | しらたき | |
エネルギー | 5 kcal | 6 kcal |
水分 | 97.3 g | 96.5 g |
たんぱく質 | 0.1 g | 0.2 g |
脂質 | 微量 | 微量 |
炭水化物 | 2.3 g | 3.0 g |
食物繊維 | 2.2 g | 2.9 g |
*100gあたり、日本食品標準成分表2015年版(七訂)より作成 |
「糸こんにゃく」や「しらたき」も形状が違うだけの「こんにゃく」です。
糸こんにゃくはこんにゃくと同じく黒いつぶつぶのあるものを、しらたきは真っ白いこんにゃくを細長くしたもの。
そのほか、ボール状の「玉こんにゃく」や生食できる「刺身こんにゃく」などもあります。
用途に合わせて、様々な使い方ができるのもこんにゃくの特徴ですね。
こんにゃくは低カロリーで食物繊維が豊富
こんにゃくはほとんど水分でできており、残りの大部分が食物繊維です。
そのため、体内でエネルギー源となる成分はほとんど含まれていません。
低カロリー食材として認知されている野菜類やきのこ類と比べてもかなり低いのが特徴的です。
こんにゃくを構成する成分のうち、水に次いで多いのが炭水化物のうちの食物繊維です。
こんにゃくに含まれる食物繊維は「グルコマンナン」と呼ばれる種類のもので、こんにゃくの独特の触感のもととなる成分です。
もともと、グルコマンナンは食物繊維のうちのひとつです。
食物繊維には
・たっぷりの水を含んでゲルになる水溶性食物繊維 ・水に溶けず腸管を刺激する不溶性食物繊維 |
の2種類があります。
グルコマンナンは水溶性食物繊維のひとつですが、こんにゃくの製造過程で不溶化し、こんにゃくとして食べるとき、体内では不溶性食物繊維としてはたらきます。
こんにゃくゼリーなど、凝固剤を使用していない食品の場合には水溶性食物繊維として体内ではたらくため、どのような食品からとるかによっても体内でのはたらきが違ってきます。
こんにゃくの原料はコンニャクイモ、つぶつぶは海藻粉末
こんにゃくの原材料は「こんにゃく芋」と呼ばれる芋の一種。
生の状態ではシュウ酸カルシウムという成分が人体に毒性を持つため、そのままでは食べられません。
このこんにゃく芋を乾燥させて細かい粉末状にし、水を加えてよく練ったものに凝固剤として水酸化カルシウムや炭酸ナトリウムを加え、熱を加えることで固めて作られます。
昔の製法では、凝固剤は植物を燃やした灰を水に溶いたものを使っていたそうです。
また、一般的なこんにゃくには、真っ白なものと、黒いつぶつぶの練りこまれたものがありますが、こんにゃくに含まれる黒いつぶつぶは、実はひじきなどの粉末。
こんにゃく芋の皮が混じった昔ながらのこんにゃくの見た目を再現するために加えられているそうです。
こんにゃくの利点を生かした使い方・レシピ
食物繊維の摂取量アップに
食物繊維は便秘予防や将来の生活習慣病リスクを下げるためにも、摂取量を増やしたい栄養素のひとつ。
野菜やキノコ、お米などの穀類から摂取することができますが、これらの食材と比べても、こんにゃくは摂取エネルギーを増やさずに食物繊維の摂取量を増やせるのが魅力です。
摂取エネルギーを抑えたい人はカサ増しにも
エネルギーが抑えられる特徴を活かして、ダイエットにも活用することができます。
おかずの具材としてとりいれるほか、麺・米の代わりに、こんにゃくを使った代用商品も販売されています。
ダイエットを目的としたこんにゃくの使い方について詳しく解説した記事はこちら |
【レシピ紹介】食事のボリュームアップに、定番おかずのこんにゃくの甘辛炒め
【材料】2食分
板こんにゃく | 1枚(250g) |
しょうゆ | 大さじ1(18g) |
みりん | 小さじ1(5g) |
砂糖 | 小さじ1(4g) |
ごま油 | 小さじ1/4(1g) |
※横スクロールで表全体の確認が可能です。
【作り方】
1. 板こんにゃくを一口大にちぎる。
2. 鍋に水とこんにゃくを入れて火にかけ、沸騰してから2分くらいまでゆでる。
3. こんにゃくをざるにあけ、水気を切ったら油を敷いていない鍋やフライパンに入れ、乾煎りする。
4. こんにゃくの表面が乾くくらい水分が飛んだら調味料をすべて加え、こんにゃくに絡ませながら煮詰める。
5. たれが少し残るくらいになったら出来上がり。
【栄養価】
1食分31kcal 食物繊維2.8g
甘辛味で食べ応えがありますが、エネルギー(カロリー)は控えめのおかずです。
作り置きやお弁当のおかずにもぴったりです。
こんにゃくを使う時の注意点
不溶性食物繊維の取りすぎに注意
こんにゃくに含まれる不溶性食物繊維は、腸内で便の骨組みとなって腸を刺激し、排便を促す働きがありますが、とればとるほどお腹の調子が整うといったものではありません。
度を越してとりすぎると排便が妨げられ、腸閉塞につながる恐れがあります。
あくまでたくさんの種類の食材のひとつとして、適度な範囲で取り入れるのがよいでしょう。
冷凍すると食感が変わってしまう
基本的にこんにゃくは冷凍に適さない食材です。
いちど凍ったこんにゃくを回答すると、水分が抜けてスポンジのような状態に。
食感が大きく変わってしまうため、冷凍前と同じようにはならないのが難点です。
しかし、最近ではこの食感の変化を逆手に取り、冷凍こんにゃくをお肉に代用するなどの使い方もあるようです。
お好みに合わせて、トライしてみるのもいいかもしれませんね。
まとめ:ヘルシー食材として積極的に取り入れましょう
食物繊維の摂取源として、また、低カロリー食材として。
使い道豊富なこんにゃくをぜひ活用してくださいね。
参考文献 |