コーヒーにダイエット効果が?バターコーヒーはやせるの?

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ダイエットにも使えると話題のコーヒー

ダイエットの話題の中に定期的に表れる「コーヒー」。
実際に、コーヒーにダイエット効果はあるのでしょうか?
コーヒーを使った話題のダイエット、「バターコーヒー」についても解説します。

コーヒーがダイエットに効果的?

ダイエットに効果を与えるのでは?と考えられている成分

コーヒーがダイエットに効果的なのでは?と考えられているのには、様々な機能性をもつコーヒーの成分の存在があります。
代表的なものは、

・クロロゲン酸
・コーヒー豆マンノオリゴ糖
・カフェイン

などがあります。

トクホにもなっている!

これらの成分の中でも、クロロゲン酸は特定保健用食品にも利用されている成分です。
トクホの効果が普段のコーヒーでも期待できるのであればとてもうれしいニュースですが、実際にどのような効果が分かっているのか、ひとつずつ紹介します。

コーヒー豆に含まれる成分:クロロゲン酸

クロロゲン酸とは

クロロゲン酸はコーヒー豆に含まれるポリフェノールの一種で、渋味や酸味のもととなる成分です。

トクホに利用されている成分

コーヒーのコーヒーポリフェノール(クロロゲン酸)を関与成分として、「体脂肪が気になる方に適する」特定保健用食品(コーヒー飲料)が販売されています。

このトクホ飲料では、BMIが平均27.7の人たちに12週間にわたって1日1本トクホ飲料を飲んでもらったところ、腹部脂肪面積(おなかの部分を輪切り状に撮影したCT画像の体脂肪の面積)が10㎠ほど低減したそうです。

普通のコーヒーでも効果はある?

このトクホ飲料1本に含まれるクロロゲン酸の量は、一般的なコーヒーおよそ2.5杯(約375ml)に相当するとのことです。
理論上は1日3杯程度のコーヒーを飲めば、このトクホ飲料と同等の効果が得られる可能性があると考えられますが、一般的なコーヒーを多量に摂取しても同様の効果が得られるという研究報告はないそうです。

コーヒー豆に含まれる成分:コーヒー豆マンノオリゴ糖

コーヒー豆マンノオリゴ糖って?

焙煎し細かく挽かれ、熱湯でコーヒーを抽出した後の「かす」に含まれる成分で、「加水分解」という処理を行った後に得られる成分です。

トクホに利用されているが現在は販売されていない?

このコーヒー豆マンノオリゴ糖を関与成分として、「体脂肪が気になる方に適する」特定保健用食品が許可されていますが、現在ではメーカーの商品リストにはなく、製造・販売はされていないようです。

一般的なコーヒーには含まれていない

また、この成分は単にコーヒーに含まれている成分ではなく、豆の部分から特殊な処理を行って得られる成分です。
そのため、この成分の効果を一般的なコーヒーで期待するのは難しいといえそうです。

コーヒーに含まれる成分:カフェイン

カフェインとは

カフェインはコーヒーや緑茶などに含まれる苦み成分のひとつで、ヒトの体に様々な影響を与えることが分かっています。

・覚醒作用
・疲労感の軽減作用
・血圧上昇、心拍数上昇、体温上昇作用

など、「元気になる感覚」をもたらすため、エナジードリンクや眠気覚ましなどにも利用されている成分です。
その一方で、

・利尿作用があるため、夏場の脱水症状に注意が必要
・過剰摂取でめまいや不眠、吐き気などの報告もある
・精製されたものの過剰摂取で死亡例もある

ことから、取り入れ方には注意が必要な成分でもあります。

とはいえ、日常的に飲むコーヒーに含まれるカフェインの量では、深刻な作用は起こりにくいと考えられています。

やせる効果は?

カフェインそのものには体温を上げたり、心拍数を上げるなどの「基礎代謝を上げる」ような働きがあります。

1日3杯のコーヒーを摂取することで基礎代謝が12%ほど増加した*1)という研究報告もあり、ダイエット効果が期待されています。
*1)Acheson KJ, Zahorska-Markiewicz B, Pittet P, Anantharaman K, Jéquier E. Caffeine and coffee: their influence on metabolic rate and substrate utilization in normal weight and obese individuals. Am J Clin Nutr. 1980 May;33(5):989-97.

しかし、カフェインを含むコーヒーの摂取でどれだけ体重に変化が表れたのかを調べた研究では、体重増加抑制効果があると認められたのはBMI30以上の女性のグループのみで、その変化は12年間でおよそ1.9㎏の体重の増加が抑えられた*2)、という内容だったそうです。
*2)Lopez-Garcia E, van Dam RM, Rajpathak S, Willett WC, Manson JE, Hu FB. Changes in caffeine intake and long-term weight change in men and women. Am J Clin Nutr. 2006 Mar;83(3):674-80.

男性や標準的なBMIの人では体重の変化は見られず、カフェインやコーヒーには基礎代謝を上げる効果は認められるものの、コーヒーを飲むだけで目に見えて体重が減るといったような効果がある、とは言えないようです。

バターコーヒーダイエットってやせるの?

バターコーヒー

話題の「バターコーヒー」とは?

ダイエットに効果的と話題の「バターコーヒー」をご存知でしょうか?

アメリカ人起業家が提唱したダイエット法で、
・良質のコーヒー
・牧草肥育牛のバター(グラスフェッドバター)
・中鎖脂肪酸オイル(MCTオイル)
をミキサーにかけたものを朝食に飲むというものです。

1日0.5㎏やせる?

提唱者の起業家の方は、もともと140㎏あった体重が90㎏にまで減少したとのこと。

集中力も上がり、空腹感も感じにくくなる、腸内環境を整えて太りにくくする作用があるとのことで、「1日に0.5㎏ずつやせる」とまで言われていますが、実際に誰にでも効果が期待できるものなのでしょうか?

実際の効果は?

バターコーヒーを紹介する書籍やメディアでは、コーヒーやグラスフェッドバター、MCTオイルの機能性が注目されることが多く、「カロリー制限ではなく、これらのはたらきによってやせることができる」といわれています。

MCTオイルの主な成分である「中鎖脂肪酸」は、エネルギーとして消費されやすい脂質として知られています。

しかし、すでに体についている体脂肪までを消費するはたらきまでは期待できないため、注意が必要です。

また、中鎖脂肪酸のように消費されやすいものであっても、消費エネルギー(カロリー)と比較してとりすぎていれば体脂肪として蓄積されることが分かっています。
「とればとるほど痩せる油」とは言えないのです。

また、コーヒーの成分であるカフェインやクロロゲン酸について体重の減少に役立つはたらきはあるものの、一般的な量では目に見える効果は得られにくいことは上で解説した通りです。

バターコーヒーダイエットでは糖質制限を併用することが多いようで、バターコーヒーダイエットによって得られるダイエット効果は結局のところ「食事量、摂取エネルギー(カロリー)の減少によるもの」と考えてよさそうです。

脂質たっぷりのコーヒーを飲み、そのほかの糖質などの栄養素の摂取量を極端に減らす食事法は脂質異常症などのリスクを高めるものであり、健康面からいえばあまりおすすめできるものではありません。

ダイエット中にコーヒーを上手に取り入れるコツ

コーヒーを飲む女性

カフェインの影響

ダイエット中にコーヒーを取り入れることは、カフェインの覚醒作用により、疲労感を感じにくくなるため、食事の管理や運動に対してのモチベーションの維持につながるかもしれません。

とはいえ、カフェインの利尿作用によって体内の水分が排出されてしまうため、夏場や運動時には脱水症状に注意しましょう。
コーヒー以外の水分補給をしっかり行うと安心ですね。

また、カフェインの影響は体格や体質によっても異なるため、自分の体調と合わせて過剰にならない程度に取り入れるようにしましょう。

飲酒や薬の服用中、妊娠中などはカフェインとの相互作用が心配されますので、心配な場合は専門家に相談してみてくださいね。

食事と運動を見直してみよう

コーヒーにダイエットの手助けになるような働きはあるものの、その効果は目に見えるほどのものではなさそうです。

コーヒーやMCTオイルといったような特定の食材の効果に頼ることは、期待したような効果が得られない可能性や健康リスクを高める可能性があります。

自分の普段の生活を振り返ってみて、食べすぎているものはないか、運動は足りていないかをチェックしてみましょう。

新しいものを足すよりも、今までの生活を見直すことのほうがダイエットには効果的かもしれません。

参考文献

国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所:「健康食品」の安全性・有効性情報(コーヒー、カフェイン、共役リノール酸について)

花王株式会社:「ヘルシアコーヒー」

味の素AGF株式会社:「ニュースリリース 体脂肪が気になる方に コーヒー豆由来のオリゴ糖入りコーヒー飲料」

厚生労働省:「食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A」

農林水産省:「カフェインの過剰摂取について」

浅野 一朗, 藤井 繁佳, 尾崎 和人, 竹原 功, 矢野 夕幾, 福原 育夫. コーヒー豆マンノオリゴ糖を含むコーヒー飲料の長期摂取がヒト体脂肪に及ぼす影響. 日本食品工学会誌,6巻2号(2005)

青山 敏明.中鎖脂肪酸の栄養学的研究. オレオサイエンス3巻8号(2003)

Acheson KJ, Zahorska-Markiewicz B, Pittet P, Anantharaman K, Jéquier E. Caffeine and coffee: their influence on metabolic rate and substrate utilization in normal weight and obese individuals. Am J Clin Nutr. 1980 May;33(5):989-97.

Lopez-Garcia E, van Dam RM, Rajpathak S, Willett WC, Manson JE, Hu FB. Changes in caffeine intake and long-term weight change in men and women. Am J Clin Nutr. 2006 Mar;83(3):674-80.