甘酒できれいにダイエットできる?活用のコツと注意点|管理栄養士執筆

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甘酒

甘酒のなかでも「米麹甘酒」は「飲む点滴」「飲む美容液」ともいわれ、健康的な食品として注目されています。
ダイエットにも活用できると話題ですが、どんな点がダイエットに効果的なのでしょうか?
甘酒をダイエットに取り入れるメリットと活用のポイントを紹介します。

ダイエット中の「飲み物」ではなく「食べ物」としては低カロリー…かも。

ダイエットの原則はカロリー収支

ダイエット=体脂肪を減らすこと。
体脂肪を減らすためには、摂取エネルギーを消費エネルギーよりも少なくすることが原則です。

体脂肪を減らすためのダイエットとカロリーについて詳しく解説した記事はこちら

→体脂肪を減らす正しいダイエットとは?

甘酒を活用することで、摂取エネルギーを抑えることができれば、ダイエットに効果アリといえそうです。

「食べ物」としては脂質がほとんど含まれず、水分が多いのが利点

甘酒の栄養素について、厚生労働省が発表している日本食品標準成分表のデータと、大手メーカーで市販されているそのまま飲める製品の100gあたりの栄養価をまとめたものがこちらの表です。

市販品A 市販品B 市販品C 成分表・甘酒 成分表・全粥
エネルギー 61.6 kcal 69 kcal 74.4 kcal 81 kcal 71 kcal
糖質 14.24g 16.5g 16.88g 18.3g 15.7g
脂質 0g 0g 0.24 g 0.1 g 0.1 g
タンパク質 1.2 g 0.7 g 1.28 g 1.7 g 1.1 g
ナトリウム 63.0㎎ 47.2㎎ 74.4㎎ 60㎎ 微量
食塩相当量 0.16g 0.12g 0.16g 0.15g 0g
アルコール

*文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2015年版(七訂)」より作成

甘酒はおよそ8割が水分で、残りのほとんどが炭水化物です。

成分としては「おかゆ」とほぼ同じもので「水分が多く、脂質が少ない」のがダイエットにおける利点となりそうです。
いっぽうで、主成分の炭水化物は米麹のはたらきによってでんぷんが分解されて糖になっているため、消化吸収が早い特徴があります。

「飲み物」としてはかなりカロリーが高い部類に入りますが、おかゆのような「ごはん物」として考えればカロリーは低め。

ダイエット中に取り入れるのであれば、「飲み物」ではなく「食べ物」として扱うのがおすすめです。
主成分が炭水化物のみで脂質はほとんど含まれないため、脂質の多くなりがちな食品の代わりに取り入れるのもいいかもしれません。

「やせる成分」は含まれていない

気を付けたいポイントとしては、「飲む点滴」「飲む美容液」といわれる甘酒も、飲むだけでやせる魔法の飲み物ではないということ。

甘酒そのもの、およびその原材料についても、ダイエットに効果があるとする科学的なデータは存在しないのが現状です。

また、甘酒は食品の中でも特に低カロリーで腹持ちのよい食品、というわけではないため、ダイエットにぜひ取り入れるべきものとは言えないのが実際のところです。

利点を生かした使いかた

甘酒の原料の米麹

高カロリーおやつの代わりにするのが◎

甘い味の甘酒をダイエット中に取り入れるのであれば、間食のタイミングがちょうどよさそうです。

いつもの高カロリーなおやつの代わりに甘酒を取り入れれば、摂取エネルギーを抑えられると考えられます。

甘酒1杯よりもカロリーの高いもの、低いものリスト(量には注意!)
間食の例(1食あたり)
甘酒よりも低カロリー

みかん1個(可食部70g):32kcal

キウイ1個(可食部100g):53kcal

りんご1/2個(可食部100g):57kcal

甘酒と同じくらい

ビスケット3枚(16.2g):72kcal

甘酒1缶125ml:80kcal

バナナ1本(可食部100g):86kcal

ミルクチョコレート4粒(14g):84kcal

甘酒よりも高カロリー

ポテトチップス 小1袋(28g):157kcal

ドーナツ・ハニーグレーズド 1個:230kcal

甘酒をダイエットにつなげるには「いつものおやつ」が甘酒よりも高カロリーであることが前提。

高い頻度でドーナツやスナック菓子のようなカロリーの高いものを食べていたという人は、(間食なしが良いのはもちろんですが)おやつを甘酒にすることで摂取エネルギーを抑えることができそうです。

反対に、いつものおやつが甘酒と同じくらいの(または甘酒よりも低い)カロリーだった場合、甘酒を取り入れるメリットはありません。

自分のいつもの食生活を振り返って、甘酒を取り入れるメリットがあるか確認してみましょう。

よくある甘酒ダイエット方法、効果アリ?

米麹

甘酒を使ったダイエット方法は「置き換え」「食前に飲む」などさまざま。
これらの方法はダイエットに有効な方法なのでしょうか?
ダイエット効果と、健康面について考えてみました。

置き換えする方法

1日3食すべて甘酒1杯ずつ、といったような置き換え方法は極端にエネルギーが不足するためおすすめできません。

また、甘酒だけの食事ではたんぱく質や脂質、その他の微量栄養素が不足するため、長期間続けると体調不良の原因になります。

間食か、朝食程度までの置き換えが安心といえそうです。

食事前に飲む方法

食事前に飲む甘酒の摂取エネルギーよりも、そのあとの食事から減らせたエネルギーが大きければダイエットにつなげられます。

おすすめは、甘酒の代わりに同じ炭水化物を主に含むごはんやパンを減らす方法。
ストレートタイプの甘酒125ml(80kcal)を1本飲んで白ごはん1膳150g(約250kcal)を控えれば、1食あたり170kcalをカットすることができます。

毎日続ければ、42日で体脂肪1㎏相当のエネルギー(7200kcal)をカットすることができますよ。

まとめ:ダイエットよりも実はエネルギーチャージに適した甘酒。活用するならカロリーを意識して

ダイエットや美容の話題に登場することの多い甘酒ですが、実態は「消化吸収しやすいおかゆ」のようなもの。
素早いエネルギーチャージに適した甘酒は、消化吸収をゆっくりな食品で空腹感を避けて摂取エネルギーを減らすダイエットに当てはまりにくい食品といえます。

もちろん、同じ重さの白ごはんに比較すれば甘酒は水分が多くエネルギーが低い面もあります。
摂取エネルギー全体を確認しながら、上手にダイエットしたいですね。

参考文献

文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

平井 しおり管理栄養士
平井 しおり管理栄養士

2013年に管理栄養士資格取得後、保育施設に勤務、栄養相談などに従事。

現在は「イマカラ」にて、栄養とダイエットに関する科学的根拠に基づいた情報を発信しています。