甘酒はきれいにダイエットできるって本当?

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甘酒ダイエットの効果

以前テレビで紹介されたことで注目されている甘酒を使ったダイエット。

美容効果も高いとして人気が高まっているようですが、効果はあるのでしょうか?

甘酒ダイエットって?

基本は置き換え

甘酒ダイエットのやり方はいくつかあるようです。

・3回の食事のどれか、または間食の代わりに甘酒を飲むという置き換え式のもの

・食事の前に飲んで満腹感を高めて食事量を減らすというもの

つまり、「甘酒を飲んだ代わりにもっと高カロリーなものを減らしましょう」ということです。
置き換えるか、食前に飲むかの方法に違いはありますが、根本は同じですね。

甘酒ダイエットは効果ある?

世の中に広まっている「○○ダイエット」といったものは大部分がこのような方法が紹介されていますが、実際に効果はあるのでしょうか?

結論から言えば、甘酒にはわざわざダイエットに使うほどの効果はないと考えられます。

ネット上にはさまざまな口コミがありますが、今回は栄養データに基づいて考えていきましょう。

甘酒の栄養成分データ

甘酒には酒粕から作ったものと米麹から作ったものの2種類に分けられます。

今回はダイエットや美容の分野で注目されている米麹甘酒の栄養価を見ていきましょう。

米麹甘酒はおかゆを米麹で糖化させた後にお湯などで割って飲むため、加える水分量などにより栄養価が異なります。

厚生労働省が発表している日本食品標準成分表のデータと、大手メーカーで市販されているそのまま飲める製品の100gあたりの栄養価をまとめたものがこちらの表です。

市販品A 市販品B 市販品C 成分表・甘酒 成分表・全粥
エネルギー 61.6 kcal 69 kcal 74.4 kcal 81 kcal 71 kcal
糖質 14.24g 16.5g 16.88g 18.3g 15.7g
脂質 0g 0g 0.24 g 0.1 g 0.1 g
タンパク質 1.2 g 0.7 g 1.28 g 1.7 g 1.1 g
ナトリウム 63.0㎎ 47.2㎎ 74.4㎎ 60㎎ 微量
食塩相当量 0.16g 0.12g 0.16g 0.15g 0g
アルコール

※横スクロールで表全体の確認が可能です。

主成分は糖質

ばらつきはありますが、おおむね100gあたり70kcal程度です。
約80%が水分で、主成分は糖質です。

エネルギー(カロリー)はおかゆと同じくらい

一般的なジュース類やミルクティーが100gあたり40kcal前後ですので、甘酒は倍近いエネルギー(カロリー)を持っています。
米を5倍の水で炊いた全粥とほぼ同じ成分で、エネルギー(カロリー)も近い値になっています。

全粥は甘酒を米麹で糖化させる前の状態に近いと考えられるので、おかゆを飲むくらいのエネルギー(カロリー)があると思ったほうがいいですね。

ダイエットに使える食材とは

甘酒の原料の米麹

ダイエットに効果的な食べ物は、どれだけ低エネルギー(カロリー)でおなかの満足感があるか、少量でもたくさん食べた気持ちになれるか、次の食事まで間食せずに我慢できるかという点が重要ですが、その点で甘酒はあまり効果的な食材とは言えません。

低エネルギー(カロリー)でおなかの満足感があるか

エネルギー(カロリー)のある糖質・脂質・タンパク質に対してゼロカロリーの水分や食物繊維の量が多いと低カロリーでもおなかにたくさんの体積が入るため、満足感が得られます。
代表的なものは根菜以外の野菜やきのこ、こんにゃくなどです。

少量でもたくさん食べた気になれるか

噛み応えがあって食べるのによく噛む必要があり、食べるのに時間がかかる食べ物は少量でもたくさん食べた気持ちになりやすいです。
タケノコやごぼうなどの噛み応えのある野菜、するめなどの乾物も当てはまります。

次の食事まで間食せずに我慢できるか

砂糖と比較してでんぷん質など、栄養素そのものが消化吸収しにくいものや、食物繊維などの消化吸収をゆっくりにする成分が含まれている食品は、栄養素がゆっくりと吸収されるためいわゆる「腹持ちがいい」食べ物といえます。
腹持ちがいいと空腹感を感じるタイミングが遅れるため、空腹に負けて間食をすることが避けやすいです。
同じエネルギー(カロリー)・近い成分でも砂糖より玄米などの精製度の低いもの、野菜ジュースよりも荒く切ったサラダなどが当てはまります。

甘酒は水分は多いが、エネルギー(カロリー)のわりに食べ応えはない

たっぷりの水分とお米が一緒に炊かれた甘酒はおかゆに近いものといえます。
水分量という点では白いご飯に比べれば同じエネルギー(カロリー)でも体積が増えるため、その点ではダイエットむきの食材と言えるでしょう。

しかし水分が多いことでやわらかくなっているため噛むことはほぼなく、噛み応えという点では全くダイエットむきとは言えないでしょう。

さらに米麹の作用によって吸収しやすくなった甘酒の糖質は食物繊維もほとんどなく、「より消化しやすいおかゆ」となっています。
つまり、おかゆ以上に満腹感は続かないことが予想されます。

甘酒ダイエットを検証する

米麹食事を甘酒に置き換えて摂取エネルギーをおさえるという方法は妥当なのでしょうか?

朝食や昼食、夕食に置き換える場合

一般的な市販の甘酒は、飲みきりタイプのパッケージで120~190gほど入っています。
エネルギー(カロリー)に換算すると1回で74~134kcalほどですね。
多すぎず少なすぎない範囲の1回の食事はおおむね400~800kcalの間に入ることが多いので、そのうち1回を140kcal以内に抑えられるとしたらかなりのエネルギー(カロリー)カットになります。

さほど腹持ちがよくないので、結局は我慢が必要

ただし、先に述べた通り甘酒はエネルギー(カロリー)の低さのわりに食べ応えがあるか、腹持ちがいいかといえばそうではありません。
間食を我慢できるかという点も重要ですが、次の食事でドカ食いをしないようにすることも必要になります。
甘酒に置き換えるのも単純に食事量を抑えるのもあまり変わらないといえるでしょう。

置き換えによる栄養素の不足・偏り

甘酒の栄養素はほとんどが糖質で、筋肉の維持に必要なタンパク質や、栄養素を効率的に利用するのに必要なビタミン類もほとんど含まれていません。

甘酒に置き換えるからと言って今までの食事から肉や卵、野菜や果物を減らしてしまったら食事の栄養バランスは悪化の一途をたどることに。

タンパク質不足で体熱を作ってエネルギーを消費してくれる筋肉が減少し、ビタミン不足で体内の脂肪や糖質などのエネルギー源を消費できない体になってしまいます。
ダイエットをするつもりがどんどん痩せにくい体になることも考えられるのです。

我慢して甘酒に置き換えても、空腹になりやすいうえ太りやすい体になるのは避けたいことですね。

間食に置き換える場合
低エネルギー(カロリー)で空腹を紛らわせるものが間食向き

今まで食べていた間食が置き換えた甘酒よりも高カロリーであればその差の分のダイエット効果が期待できます。

しかし、飲み物で100gあたり70kcal前後、1杯190gで140kcalというのはかなり高カロリーなもので、間食を置き換えるものとしては、甘酒は最適なものとは言いにくいです。

甘酒よりもキャラメルマキアートのほうが低カロリー

例えば、スターバックスコーヒーのキャラメルマキアートは100mlあたり約58kcalで、同じ飲み物でも実は甘酒のほうが高カロリーです…。
ダイエットのために飲む飲み物としては二つともあまり適したものとは言えませんね。

今までの食生活にもよりますが、ダイエット目的で飲んだ甘酒で余計に太ってしまうなんてことも考えられます。

食前に飲む場合

食前に飲むことでそのあとの食事量をおさえようというダイエット方法もあります。
食前の甘酒とそのあとの食事を一部置き換える方法とも考えられますね。

飲んだ甘酒のエネルギー(カロリー)を加味してもカロリーカットできるかどうか

満腹感の感じ方は個人差があるので一概には言えませんが、この方法で必要なのは食前に甘酒を飲んだ後、食事でそれを上回るエネルギー(カロリー)をどれだけ減らせるかという点です。

甘酒はそもそものエネルギー(カロリー)が高めの食品のため、満足感も高いですがその分効果も低め。

甘酒1パック(190g、140kcal)を飲んだ後にごはん1膳(150g、252kcal)を減らせたとしても、効果は110kcalのカットにとどまります。

1日110kcalのエネルギー(カロリー)カットでは、体脂肪1㎏の減量に2か月以上かかる計算になります。
ネット上のダイエット記事が伝えるほど、劇的な変化は望めないといえるでしょう。

甘酒は痩せることを目的としなければとても優れた食品

甘酒はダイエットに向いていないという内容をお伝えしましたが、飲んではいけないものではありません。
飲む点滴、飲む美容液とも呼ばれる甘酒はとても消化吸収に優れ、エネルギー補給をするのには最適な飲み物です。

それゆえに、ダイエットには不向きとも言えます。

甘酒の栄養素やアレンジ方法については別の記事でも詳しく解説していますので是非読んでみてください。

→甘酒の栄養素について詳しく解説した記事はこちら

ダイエットの原則

ダイエット

原則として、体脂肪の増減は摂取エネルギー(カロリー)と消費エネルギー(カロリー)の差によって現れます。

特定の食品をとったからと言って食べたエネルギー(カロリー)が帳消しになったりということはありません。

また、だからといってやみくもに食事を制限するのではダイエットはなかなか成功しません。

・自分の体格
・現在の自分の消費エネルギー(カロリー)
・現在の自分の摂取エネルギー(カロリー)
・食べ過ぎているものがあるか、それを減らせるか
・身体活動を増やして消費エネルギー(カロリー)を増やせるか

このようなことをひとつずつ考えることで、健康的にダイエットをすることができます。
ダイエットの考え方について詳しく書いた記事もあります。

ダイエットについて、イマカラの基本的な考え方

ひとつの食品の効果に期待するダイエットは効果の程度がわかりづらく失敗しがち。
目標やノルマを明確にしつつ、ひとつの食品に偏ることなく食事を整えてダイエットを成功させてくださいね。

参考文献

文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

スターバックス コーヒー:「エネルギー・アレルゲン・原料原産地情報」