2019.04.19

冷え性の原因は?改善のための食べ物と毎日の習慣について

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冷え性の女性

寒い時期、冷え性に悩む女性は多いのではないでしょうか?
手足から全身まで冷え切ってしまうと、顔色も悪く体調も崩しがちに。

冷え性の原因は寒さだけでなく、血行不良や運動不足など、熱を生み出しにくい体にあるかもしれません。
冷え性のメカニズムとすぐにできる対処法、体質改善に役立つ食事のレシピを紹介します。

冷え性の症状

冷え性の症状

冷え性といわれる自覚症状としては

・手足の先が冷たい

・体が冷えてこわばる

・顔色が悪い

・肩こりや頭痛

などがあげられます。

冷え性からつながる悪影響も

冷え性が原因となって起こる影響としては、

・体温低下による免疫細胞の機能低下で感染症にかかりやすくなる

・内臓の冷えで便秘や下痢になりやすくなる

・冷えで眠れなくなることによる倦怠感や不調が起こりやすくなる

・体温産生が少なく、エネルギー消費が少ないため太りやすくなる

手足の冷えだけでもつらいのに、その上感染症にかかってしまったり太ってしまったりといった影響は避けたいものです。

冷え性のメカニズムを知り、根本から改善していきましょう!

冷え性の原因・メカニズム

冷え性がおこる原因は大きく分けて3つ、①体温を作れない②体温が末端まで運ばれない③気温と体温のバランスをとる働きが弱っている ことがあります。

体温を作る機能が低下している

筋肉はエネルギーを消費して体温を作る機能を持ちます。
対して、脂肪は保温の機能はあるもののそれ自体は熱を作り出すことはできません。

もともと、女性は男性に比べて筋肉が少なく、脂肪が多い体つきになっています。

そのため、女性では作り出す熱量がもともと少ないというのが原因の一つ。
やせ形の女性では保温機能を持った脂肪組織も少ないので、どんどん冷えていってしまうのです。

さらに、食事を制限するダイエットを行っていると、体温を作るエネルギーとなる食事の量が少ないことから冷え性がおこることも考えられます。

また、冷たい食べ物や飲み物を飲む機会が多いと、内臓から体温を奪われてしまい、冷えの原因となります。

血流が悪いため体温を運ぶ血液が末端まで流れずに冷える

血液には酸素や栄養素以外にも、体温を全身に運ぶ役割も持っています。
血流が悪くなって血液が体の先まで届かなくなると、手足などの末端が冷えることにつながります。

また、体温が下がると体は中心部の体温を維持するため、血管が収縮してさらに血流量が減ってしまいます。
そのため、さらに手足が冷えてしまうという悪循環に陥ってしまいます。

さらに、血流が悪くなることで老廃物がたまりやすくなり、冷えが原因となってむくみや肩こり、頭痛などの症状が出ることもあります。

血液の流れが悪くなる要因としては、まず血圧が低く血流が弱いことや、体温が低いことがあげられます。

また、心臓から遠い位置にある血管では筋肉の動きが血液の流れを助けています。
しかし筋肉の量が少なかったり、運動量が少なかったりすると血液を流すポンプ機能が弱く、血行不良になりやすいといえます。

その他にも、締め付けの強い衣類を身に着けていると、その部分が圧迫されて血流を阻害する場合があります。

これらの要因はやはり女性に多くみられるもので、女性が冷えやすい原因の一つと言えるでしょう。

自律神経の乱れ

自律神経とは、体内で私たちが意識的にコントロールできない内臓の動きや血管などの制御を行っている神経を指します。

気温などの情報を受けて体温調節をしたり、体が緊張状態になると血圧をあげたり、反対にリラックスしているときは胃腸などの働きを高めたりといった調節を行っています。

強いストレスや寒暖差の大きい環境にいると自律神経が乱れることがあり、体の調節機能に異常をきたします。
自律神経が乱れた状態では寒いのに体温をあげる機能が働かず、冷え症の症状が出る人もいます。

そのほかの原因も考えられる

また、甲状腺機能低下症などの疾患が原因となって冷えが起こっている場合もありますので、あまりにも冷え性がつらい場合は医療機関の受診をおすすめします。

自律神経の乱れもあまり大きくなると自律神経失調症といって医療機関での受診と治療が必要となります。

冷え性を改善するには

あたたかい飲み物

冷え性を改善するには、先に述べた原因を取り除いてあげましょう。

防寒着や食事・運動で体を温める

まずは単純に、冷えた部分(または全身)の温度を上げるようにしてみましょう。

冷えた手足を覆う衣類を身に着けたり、温かいものを食べたり、筋肉を動かす運動をすると体温をあげることができます。

また、エネルギーが足りないとどんなに保温をしても温まらないため、エネルギーのもととなる食品をとることも重要です。

また、この時に産生した熱を逃がさないように、汗をしっかり拭いたり、あまり薄着にならないようにしたりしましょう。

長期的な改善法としては、筋肉量を増やすために十分な量のたんぱく質を摂取しつつ筋トレを行うなども冷えにくい体づくりに有効でしょう。

血行を良くする

上記の体を温めることや筋肉をつけることも血行改善には有効です。

運動をすると血圧が上がるため、血液の流れがよくなります。
また、足湯などで局所的に温めつつ、軽いマッサージなどで血流を改善することで全身に熱を伝えることができます。

締め付けの少ない、ゆったりとした服装を心がけるのも大事なポイントです。

自律神経を整える

自律神経の乱れに関しては、明確な原因がわかりにくく、さらに個人によって異なることからも、はっきりとした対処法が提示しにくいといえます。

そのため、上記の方法を試しつつ、普段の生活から肉体的・精神的負担をなるべく減らすようにしてみましょう。

対処しやすいストレス要因のひとつは寒暖差です。
外気温と室温の差が大きいときは、衣類で調節できるように衣類を用意しておくといいですね。

冷え性を改善する食べ物

薬膳の考え方もあるけれど、栄養学とは区別して考えよう

冷え性を改善するのに役立つ食べ物を調べると、「薬膳」の考え方がよく紹介されます。

とれる地域や季節、色などで食材を分類し、体を温めるものや冷やすものに分ける薬膳の考え方は、科学的な成分の効能を根拠とする一般的な栄養学とは異なるため、ここで紹介することは控えます。

エネルギー源と体温を作るための筋肉の材料

エネルギー源となる糖質や脂質、エネルギー源と筋肉のもととなるタンパク質をしっかりとることが体温を上げる体を作ることにつながるといえます。

代表的なものを挙げると、

・糖質…エネルギー源となり、ごはんやパンなどの穀類に多い

・脂質…エネルギー源となり、油脂や肉・魚・ナッツ類にも含まれる

・タンパク質…エネルギー源のほか筋肉の材料にもなる。肉や卵、魚、大豆製品に多い

スパイスは体を温める?

ショウガや唐辛子といった香辛料・スパイス類は辛味によって熱く感じているため、体を温めるものとして考えられていますが、実はすべてが科学的に立証されているものというわけではありません。

唐辛子の辛み成分であるカプサイシンは口の中の温度を感じる器官に作用し、温度や体温が高くないにもかかわらず「熱い」感覚を引き起こします。
そのため、体温は高くないにもかかわらず、唐辛子を食べたことによって汗をかくということが起こります。

汗をかくときに皮膚の血管が拡張するために冷えが一時的に改善されることが予想されますが、汗が蒸発することでそもそも高くなかった体温がさらに低下するということもあります。

一方で、唐辛子のカプサイシンは熱産生を促進する作用ももちますが、辛味から汗をかく反応とは別のルートで起こる現象であるため、唐辛子を食べることが必ずしも体を温めることにはならないとも言えます。

また、冷え性の女性を対象にショウガの抽出物を摂取してもらった実験では、脈拍の増加は見られたものの手や足先の表面温度などには影響がなかったそうです。

体温には直接的な効果はなくとも、「あたたかくなったように感じる」という点では冷え性のつらさは多少和らぐかもしれません。
根本的な解決にはなりませんが、つらさを和らげる目的で取り入れるのがいいかもしれませんね。

効果的な組み合わせ

タンパク質源とスパイス

では、このような食品の効果を高める組み合わせはどのようなものでしょうか。

エネルギーや筋肉のもととなる栄養素と代謝を助けるビタミン類を組み合わせること

例えば糖質のご飯だけを食べていても、糖質をエネルギーに変えるためのビタミンが足りなくなり、体温上昇にはつながりにくいです。
そのため、食事から得た栄養素を効率よくエネルギーに変えるには以下のようなビタミンを多く含んだ食品を取り入れることが重要です。

・ビタミンB1…糖質のエネルギー代謝にかかわり、豚ヒレ肉など赤身の肉に多い

・ビタミンB2…脂質のエネルギー代謝にかかわり、レバー、うなぎ、卵や納豆に多い

・ビオチン…三大栄養素のエネルギー代謝に必須で、レバー、卵、ナッツ類に多い

・パントテン酸…三大栄養素のエネルギー代謝に必須で、レバー、納豆、卵に多い

・ナイアシン…三大栄養素のエネルギー代謝に必須で、たらこ、煮干し、青魚、鶏肉に多い

食品を温かい状態で食べること

あたたかい食事は体をダイレクトに温めてくれます。
体の中が温まると、熱を放出するために血管が拡張するので、手や足の先まで熱が届きやすくなることが考えられます。

冷え性改善のためのレシピ

冷え性改善のため、簡単に作れてすぐに温めてくれる温かい飲み物のレシピと、スタミナ満点で熱を生み出す体づくりに役立つごはんもののレシピを紹介します。
しっかり食べて冷えしらずの体を目指しましょう!

血行不良からくる冷えに、手作りマサラチャイ

マサラチャイ

【材料】2人分

紅茶(粉末状がおすすめ) 5~10g(ティーバッグ2~4袋)
100ml
生姜(薄切りかすりおろし) 1~2枚または1/2かけ分(10g程度)
牛乳 400ml
砂糖 5~20g
シナモンパウダー 少々(3~5振り)

※横スクロールで表全体の確認が可能です。

【作り方】
1. 小鍋に生姜と水を入れ、火にかけて煮立たせる。
2. 紅茶を入れて2~3分煮出す。
3. 牛乳を加えて沸騰させないように温める。
4. 砂糖とシナモンパウダーを好みの味になるように加える。
5. 必要があれば茶こしで濾してカップに注ぎ入れる。

【栄養価】1人分150~180kcal

紅茶・砂糖・生姜・シナモンパウダーはお好みに合わせて調節してください。
ティーバッグのまま煮出すと濾す必要がなくて簡単ですが、袋から出したほうが茶葉がしっかり煮出されます。
生姜はスライスに比べてすりおろしたほうが風味が強く出ます。
また、おすすめは生の生姜ですがチューブでも作ることができます。
繊維質が気になるときは絞り汁だけ入れるか、煮出した後に茶こしで濾してください。
もっと手軽に作りたいときはあらかじめスパイスが入ったチャイ用のティーバッグも便利です。

牛乳と甘めの味付けでエネルギーを補充しつつ、体をあたためるメニューです。
マサラチャイはもともと様々なスパイスを組み合わせるものなので、生姜やシナモン以外にも、好みの組み合わせを見つけるのもいいですね。

熱を生み出す体を作る!レンジ調理で簡単キーマカレー

キーマカレー

【材料】2人分

豚ひき肉(赤身) 150g
玉ねぎ(みじん切り) 1/2個(100g)
パプリカ(みじん切り) 1/2個(60g)
しめじ(みじん切り) 1/2株(100g)
にんにく(みじん切り) ひとかけ(5g)
生姜(みじん切り) ひとかけ(10g)
ケチャップ 20g
カレールー(刻む) 40g(2ブロック)
薄力粉 小さじ2(6g)
80ml
ごはん 300g
温泉卵 2個

※横スクロールで表全体の確認が可能です。

【作り方】
1. 耐熱のボウルにみじん切りした野菜とひき肉、調味料、水をすべて加えて混ぜ合わせる。
2. ボウルにふんわりラップをかけて600wの電子レンジで5分加熱し、一度かき混ぜてさらに5分加熱する。
3. お皿にご飯を盛り、カレーと温泉卵を盛り付ける。

【栄養価】1人分686kcal タンパク質28.4g 鉄分3.2g ビタミンB1 0.72g ビタミンC 51㎎

豚ひき肉と卵で鉄分とたんぱく質をしっかりとり、カレーのスパイスで体を温めるメニューです。

にんにくのアリシンという成分は豚肉に含まれるビタミンB1の吸収を助け、糖質であるごはんをエネルギーに変える後押しをしてくれます。
電子レンジで簡単に調理できるので、具材をアレンジしたりしていろいろなパターンで楽しんでみてくださいね。

食事以外の改善法

食事に加えて、体を冷やさないようにする生活習慣も重要です。
薄着を避けて体の熱を逃がさないようにし、体を動かす習慣を作りましょう。
入浴もなるべく湯船にゆっくりつかるようにして、睡眠時間を十分にとって自律神経を整えるようにしましょう。
これを機会に、体全体をいたわる習慣をつけたいですね。

参考文献

吉田勉 監修:「わかりやすい食品機能栄養学」.三共出版,2010.

文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

国立健康・栄養研究所:「とうがらしの辛味成分とその作用」

国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所:「健康食品」の安全性・有効性情報(トウガラシ属、ショウガについて)