
健康的なイメージのある豆乳ですが、どんな栄養素が含まれているのでしょうか?
豆乳に含まれる栄養素について、豆乳によく似た牛乳と比較しながら解説します。
Contents
豆乳の主成分は?カロリーは?
栄養データ
牛乳 | 無調整豆乳 | 調製豆乳 | |
エネルギー | 67kcal | 46kcal | 64kcal |
脂質 | 3.8g | 2.0g | 3.6g |
コレステロール | 12㎎ | 0㎎ | 0㎎ |
たんぱく質 | 3.3g | 3.6g | 3.2g |
アミノ酸スコア | 100 | 100 | 100 |
炭水化物 | 4.8g | 3.1g | 4.8g |
食物繊維 | 0g | 0.2g | 0.3g |
乳糖 | 4.4g | 0g | – |
カルシウム | 110㎎ | 15㎎ | 31㎎ |
鉄 | 0㎎ | 1.2㎎ | 1.2㎎ |
葉酸 | 5㎍ | 28㎍ | 31㎍ |
※横スクロールで表全体の確認が可能です。
*100g当たり、文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2015年版(七訂)」より作成
たんぱく質・脂質・糖質をほぼ同量ずつ含む
豆乳は脂質、たんぱく質、炭水化物をほぼ同量ずつ含む食品です。
豆乳のエネルギーは無調整豆乳で46kcal/100g、調整豆乳で64kcal/100gとなっています。
無調整豆乳は「低脂肪乳」と同じくらい、調整豆乳は「普通の牛乳」と同じくらいのエネルギーです。
調製と無調整の違いはなに?
「無調整豆乳」と「調整豆乳」では、栄養価が異なるのはなぜでしょうか?
「無調整豆乳」は蒸した大豆からとれたそのままの豆乳のこと。
「調製豆乳」は飲みやすいように少量の砂糖や塩、植物油などを加えた豆乳を指します。
よって、調製豆乳は無調整よりも脂質と炭水化物が多く、エネルギーも高めです。
牛乳とどう違う?
豆乳は牛乳の代わりに使われることも多いもの。
栄養価にはどのような違いがあるでしょうか?
無調整豆乳と牛乳を比較すると、無調整豆乳はエネルギー源となる脂質や炭水化物などの栄養素が牛乳に比べて少ない特徴があります。
調製豆乳と牛乳を比較した場合には、エネルギーや脂質・たんぱく質・炭水化物の含有量にほとんど差はありません。
さらに細かいところを比較すると、牛乳に比べて豆乳は調製・無調整ともに
・少量の食物繊維を含む(牛乳は含まない) ・鉄分・葉酸が比較的多い ・脂質のうち、不飽和脂肪酸が多い ・脂質のうち、飽和脂肪酸が少ない |
という点がメリットといえそうです。
いっぽう、
・カルシウムの含有量は牛乳に劣る |
というデメリットもあります。
また、未開封の状態では牛乳に比べて長持ちすることも魅力の一つで、加熱殺菌されて無菌包装されているため、開封さえしなければ常温でも3か月ほど保存できます。
利点を生かした使い方は?
取り入れやすい栄養素補給に
豆乳は「飲みもの」として摂取できる食品のうち、たんぱく質や脂質を比較的多く含むものです。
食欲がないなど固形物がとりにくい状況や、成長期やトレーニング中などの栄養素をたくさん摂りたい状況においては、効率的に栄養素及びエネルギーをとることに役立ちます。
ただし、牛乳と比較するとカルシウムがすくないため、成長期に豆乳を牛乳の代用とする場合には、ほかの食事でカルシウムをとるようにしたいですね。
牛乳でおなかがゴロゴロしやすい人に
牛乳を飲むとおなかがゴロゴロしやすい…という人も多いはず。
この原因は牛乳に含まれる「乳糖」を消化できないことによるものですが、豆乳には乳糖は含まれないため、安心して飲むことができます。
血中コレステロール値が気になる人の牛乳の代用品として
血中コレステロール値が気になる場合の食事のコツは、飽和脂肪酸の割合を控えめに、多価不飽和脂肪酸の割合を多めにするのがポイントのひとつです。
豆乳は牛乳と比較して「飽和脂肪酸」が少なく、「多価不飽和脂肪酸」が多いという特徴があります。
コレステロール値が気になっている人は牛乳を豆乳に切り替えるという工夫もいいかもしれません。
豆乳を手軽に活用!レシピ紹介
豚肉とブロッコリーの豆乳シチュー
【材料】(2人分)
豚肉(薄切り) | 100g |
ブロッコリー(小房) | 1/2株(100g) |
玉ねぎ(くし切り) | 1/2個(100g) |
しめじ(石づきをとる) | 1/2パック(50g) |
バター | 10g |
薄力粉 | 小さじ2 |
豆乳 | 200g |
塩・こしょう | 適量 |
※横スクロールで表全体の確認が可能です。
【作り方】
1.フライパンか鍋にお湯を沸かし、ブロッコリーを好みの固さにゆで、ざるにあげておく。
2.熱したフライパンにバターを溶かし、豚肉、玉ねぎ、しめじを炒める。
3.肉に火が通ったら薄力粉を入れて粉っぽさがなくなるまで炒める。
4.豆乳を加え、とろみがつくまで混ぜながら煮る。
5.塩・こしょうで味を調え、ブロッコリーを混ぜ合わせる。
【栄養価】1人分278kcal
無調整豆乳の風味が苦手な人にも取り入れやすい「シチュー」を紹介します。
フライパンひとつでも調理OKですが、分離しやすいのであまり煮立たせないようにするか、片栗粉や小麦粉などでとろみをつけるとおいしく食べられます。
【レシピ動画紹介】豆乳&きなこのわらびもち
【材料】(1~2人分)
豆乳 | 200cc |
片栗粉 | 20g |
砂糖 | 20g |
きな粉 | 20g |
砂糖 | 20g |
※横スクロールで表全体の確認が可能です。
【栄養価】
1人分 砂糖全量の場合219kcal きな粉ぶんの砂糖なしの場合180kcal
豆乳ときな粉で作るかんたんおやつです。
大豆の栄養素をたっぷりとれますね!
きな粉と混ぜる砂糖はお好みで減らしてもOKです。
飲めば飲むほど健康にいい!というわけではありません
豆乳には大豆イソフラボンや大豆ペプチドなど、健康機能が期待されている成分も含まれています。
豆乳の機能性成分の美容・健康効果について詳しく解説した記事はこちら 豆乳のダイエット効果について解説した記事はこちら |
そのため、たくさん飲みたい!と考える人も少なくありませんが、実は大豆の成分はとりすぎにも注意が必要です。
注意したいのは、過剰な量の大豆イソフラボンについて。
内閣府・食品安全委員会より大豆イソフラボンの安全な1日の摂取量の上限値は70~75mgと示されており、これは豆乳で300ml分に相当します。
普段の食生活に豆乳を取り入れるだけでも十分な量が摂取できるので、いくら健康によさそうだからと言ってサプリメントまで飲むと過剰摂取になる恐れがあります。
豆乳などの食品からの摂取は問題ないとされていますが、取りすぎによる子宮内膜増殖症などの健康被害が報告されていることからも、厚生労働省が定める上限量を上回らない範囲で、上手に取り入れていきたいですね。
まとめ
ヘルシーなイメージのある豆乳ですが、なぜ健康的なのか?という点まではあまり知られていないようです。
豆乳のいいところを知って、健康なからだ作りに活かしていきたいですね!
参考文献 吉田勉 監修:「わかりやすい食品機能栄養学」.三共出版,2010. 内閣府 食品安全委員会:「大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A |