
ニュージーランド生まれのキウイフルーツは、ほぼ一年中にわたって市場に出回っている、手に入れやすい果物のひとつです。
果肉が緑色のものと黄色のものがあり、栄養価はそれぞれ違いがありますが、どちらも栄養素が豊富!
キウイフルーツに含まれる栄養素について紹介します。
Contents
キウイの栄養素とカロリー
キウイフルーツには果肉が緑色のグリーンキウイと果肉が黄色のゴールドキウイがあります。
それぞれについて、カロリーと主要な栄養素の含有量を紹介します。
■キウイフルーツの栄養成分値
グリーンキウイ | 充足率 | ゴールドキウイ | 充足率 | |
エネルギー | 51kcal | – | 59kcal | – |
糖質 | 10.8g | – | 13.5g | – |
カリウム | 300㎎ | 12% | 300㎎ | 12% |
ビタミンE | 1.3㎎ | 20-26% | 2.5㎎ | 38-50% |
ビタミンC | 71㎎ | 69% | 140㎎ | 140% |
葉酸 | 37㎍ | 15% | 32㎍ | 13% |
食物繊維 | 2.6g | 14% | 1.4g | 8% |
*日本食品標準成分表(八訂)より・100g(約1個)あたりの成分値、糖質は炭水化物-食物繊維の値 *充足率は日本人の食事摂取基準2020年版:18歳以上女性の値に対して |
ゴールドキウイはビタミンC、ビタミンEが多い
緑色と黄色のキウイで比較すると、黄色(ゴールドキウイ)のほうがより多くビタミンを含みます。
特に多いのはビタミンCとビタミンEで、どちらも「抗酸化作用」を持ち、全身の細胞を過剰な酸化から守るビタミンです。
加えて、ビタミンCは体内でのコラーゲンの合成にかかわり、また、腸内で鉄分の吸収を高めるはたらきを持っています。
ゴールドキウイは一般的に出回っているフルーツの中では最も多くビタミンCを含んでおり、1個分約100gで1日の摂取基準を超える量が摂取できます。
(ビタミンCに関してはキウイ1つ分程度の取りすぎによる心配はほとんどありません)
グリーンキウイは食物繊維とビタミンCが豊富
いっぽうのグリーンキウイも、栄養価が低いということはありません。
ビタミンCはゴールドキウイよりは少ないものの、果物の中では十分に多いといえるレベルです。
また、食物繊維はグリーンキウイのほうが多く、ゴールドキウイの倍近くの量が含まれています。
食物繊維は十分な量を摂取することで腸内の便のかさを増やし、排便を促すはたらきをもちます。
加えて、長期的には生活習慣病リスクの低下にかかわることが知られており、日本人にとって積極的にとりたい栄養素のひとつです。
キウイのカロリーはほかの果物と同程度
キウイはたくさんの栄養素を含みますが、エネルギーはグリーンキウイで53kcal/100g、ゴールドキウイで59kcal/100g。
これは、みかん(46kcal/100g)りんご(57kcal/100g)、ブドウ(59kcal/100g)などの一般的な果物とさほど大きな差はありません。
果物の中でもエネルギーが高くない一方でビタミンやミネラルなどの栄養素は比較的多く含まれているので、ダイエット中でもうれしいくだものといえそうですね。
キウイを含む果物の魅力
キウイは果物の中でも食物繊維やビタミンCが豊富ですが、キウイに限らず果物は健康によい影響をもたらす食品のひとつです。
具体的にはカリウム・ビタミンC・食物繊維の摂取源として優秀であること、栄養素の損失が少ないことが挙げられます。
くだもの全般は各種栄養素の摂取源として有用
キウイに限らず、くだもの全般はカリウム、食物繊維、ビタミンCの摂取源として積極的にとりたい食品です。
カリウムは短期的にはミネラルバランスの調整、長期的には高血圧や心血管疾患のリスク低下に関与するはたらきがあります。
日本人はナトリウム(塩分)をとりすぎている傾向があり、低カロリーながらカリウムを豊富に含む野菜や果物を積極的に取り入れることが推奨されています。
加工せず食べるので栄養素損失が少ない
ビタミンCやカリウムは野菜にも多く含まれますが、加熱をしたりゆでたりすることで減ってしまうのが難点です。
キウイフルーツをはじめとしたくだものは生で食べられるので、栄養素の損失がほとんどないのがうれしいですね。
キウイは特に取り入れやすい・習慣化しやすい
キウイは果物の中でも簡単に食べられるのが利点。
半分に切るだけで、スプーンですくって食べられる手軽さが魅力です。
果物は皮むきが面倒…という人でも、習慣にしやすいフルーツです。
効果的な使い方と注意点
キウイはどの種類もビタミンCやカリウムの摂取源として優秀な食材ですが、それぞれの特徴をより活かすためには、目的ごとに使い分けてもよさそうです。
キウイの摂取による直接的な効果を期待するのは難しいですが、
便秘がちな時は食物繊維が豊富なグリーンキウイを、
肌荒れが気になるときはビタミンCやビタミンEが豊富なゴールドキウイを、
という使い方もいいかもしれません。
キウイの美容・整腸などの効果について詳しく解説した記事はこちら |
栄養素以外にも、グリーンキウイの酸味が苦手な人は、ゴールドのほうが酸味は弱く、食べやすいと考えられます。
キウイフルーツは果物としては栄養素が豊富に含まれるもののひとつではありますが、炭水化物・たんぱく質・脂質などは少ないため、キウイフルーツだけで栄養バランスは完璧、というものではありません。
「食事バランスガイド」では、キウイを含めた果物の摂取目安は、1日あたり200gほど。
栄養バランスのとれた食事のためには、適量のごはんやパン、肉や魚、油脂、野菜など、様々な食品と一緒に食べるのが望ましいでしょう。
まとめ
キウイフルーツは簡単に食べられるだけでなく、栄養価も高いくだもののひとつです。
健康的な食生活の一部として、キウイフルーツ(をはじめとしたくだもの全般)を取り入れてみてはいかがでしょうか?
参考文献 文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2015年版(七訂)」 吉田勉 監修:「わかりやすい食品機能栄養学」.三共出版,2010. 厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会」 報告書 社団法人日本栄養士会監修:「食事バランスガイド」を活用した栄養教育・食育実践マニュアル.第一出版,2011. |