2021.03.29

アーモンドミルクの栄養素、魅力はどんな点?|管理栄養士執筆

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アーモンドミルク

「植物性ミルク」のひとつとして近年注目されている「アーモンドミルク」。

健康的なイメージをもつ新たな食品のひとつですが、具体的にはどのような栄養素が含まれているのでしょうか?

アーモンドミルクの栄養的な特徴と利点を紹介します。

アーモンドミルクとは?どんな栄養素があるの?

アーモンドミルクってどんなもの?

「アーモンドミルク」はミルクと名前につきますが、牛乳が含まれているわけではなく、ナッツ類のひとつであるアーモンドから作られる「ミルクに似た食品」です。

豆乳やココナッツミルクとあわせて「植物性ミルク」といわれることもあります。

どうやって作られる?

シンプルな製法で作られるアーモンドミルクは、水に浸したアーモンドをミキサーにかけ、ペースト状のアーモンドを絞ったものです。

市販されているアーモンドミルクは、味や品質を整えるため、砂糖などの糖類や食物繊維、ビタミンE、油脂、乳化剤、増粘剤、香料などが加えられているものが一般的です。

■市販されているアーモンドミルクの原材料の例

*スタンダードタイプ(例)
アーモンドペースト、砂糖、食物繊維(イヌリン)、果糖ぶどう糖液糖、デキストリン、ハチミツ、植物油脂、食塩、アーモンドオイル加工品/pH調整剤、香料、セルロース、乳化剤、炭酸Ca、増粘剤(キサンタンガム)、ビタミンE

*砂糖不使用のもの(例)
アーモンドペースト、食物繊維(イヌリン)、食塩、アーモンドオイル加工品/pH調整剤、セルロース、クエン酸Ca、乳化剤、香料、増粘剤(キサンタンガム)、ビタミンE

アーモンドミルクの栄養データ

アーモンドミルクは製造中にアーモンド以外の材料を加えて作られるため、製品によっても含まれている栄養素やその量が異なります。

ここでは、一般に市販されている製品の栄養成分表示を紹介します。
(商品の違いや規格変更等により数値は変化します)

アーモンドミルク
(スタンダード)
アーモンドミルク
(砂糖不使用)
エネルギー 40kcal 20kcal
たんぱく質 0.6g 0.5g
脂質 1.6g 1.5g
コレステロール 0㎎ 0㎎
炭水化物 7.0g 2.0g
食物繊維 2.0g(添加あり) 1.5g(添加あり)
食塩相当量 0.3g(添加あり) 0.3g(添加あり)
カリウム 18㎎ 19㎎
カルシウム 30㎎(添加あり) 30㎎(添加あり)
リン 13㎎ 13㎎
ビタミンE 5.0㎎(添加あり) 5.0㎎(添加あり)
*100ml/100gあたり。メーカー商品情報より
アーモンドミルクの主成分は炭水化物と脂質

アーモンドミルクの主成分は炭水化物、次いで脂質。たんぱく質はほとんど含まれていません。
また、エネルギー(カロリー)は砂糖の有無によっても異なり、糖類が入ると飲みやすい一方でエネルギーは倍になるようです。

食物繊維やビタミンEが液状の食品としては比較的多く含まれています。

栄養素豊富だけどアーモンド由来の栄養が濃縮された食品…というわけではなさそう

アーモンドミルクを製造しているメーカー各社では、
「コップ1杯(200ml)で1日分のビタミンE」
「食物繊維(がとれる)」
「カルシウム(がとれる)」
「アーモンドはビタミンE、食物繊維が豊富、アーモンドの栄養を手軽にとれる」
ということを売りにしているようです。

確かにアーモンドミルクにはビタミンEや食物繊維などが比較的豊富に含まれていますが、いずれもアーモンド以外の原材料(イヌリン、ビタミン、○○Ca)によって含有量が底上げされているのが少々気になる点といえます。

アーモンド由来の栄養素が豊富な食品…というよりは、アーモンド由来の飲料に、サプリメント的に栄養素が強化された食品…と考えたほうがよいかもしれません。

豆乳や牛乳、またはアーモンドそのものと比べるとどう違う?

アーモンドミルク

アーモンドミルクはいわゆる植物ミルクのひとつで、牛乳や豆乳の代わりとして取り入れられることが多い食品です。

では、牛乳や豆乳の代わりにアーモンドミルクを取り入れると、エネルギーや栄養素にはどのような違いがあるのでしょうか?

牛乳・豆乳とアーモンドミルクのデータを比較してみる
アーモンドミルク
(砂糖不使用)
普通牛乳 無調整豆乳
エネルギー 20kcal 67kcal 46kcal
たんぱく質 0.5g 3.3g 3.6g
脂質 1.5g 3.8g 2.0g
コレステロール 0㎎ 12㎎ 0㎎
炭水化物 2.0g 4.8g 3.1g
食物繊維 1.5g 0g 0.2g
食塩相当量 0.3g 0.1g 0g
カリウム 19㎎ 150㎎ 190㎎
カルシウム 30㎎ 110㎎ 15㎎
リン 13㎎ 93㎎ 49㎎
ビタミンE 5.0㎎ 0.1㎎ 0.1㎎
*100ml/100gあたり、メーカー商品情報、日本食品標準成分表2015年版(七訂)より
■低カロリー

牛乳、豆乳に比べると100mlあたりのエネルギーは低め。糖類を添加したタイプ(豆乳だと調製豆乳に相当)でも、無調整豆乳(46kcal/100g)や低脂肪乳(46kcal/100g)を下回ります。

■コレステロールゼロ

植物由来のアーモンドミルクには、豆乳と同様にコレステロールは含まれていません。
血中コレステロール濃度の数値を指摘されている人にはうれしいポイントといえそうです。

■食物繊維が豊富

生活習慣病の予防効果から、摂取量を増やしたい食物繊維。
添加されたイヌリン由来のものも含むことが気になる点ではありますが、豆乳や牛乳と比べて食物繊維が多く、手軽に摂取量を増やすことができそうです。

■ビタミンEが豊富

活性酸素の除去などにかかわり、健康な体を維持するのに必要なビタミンE。
通常の食生活の上では不足が気になる栄養素ではないため、ビタミンEを理由にぜひともアーモンドミルクを飲みましょう!ということにはなりませんが、魅力のひとつであるとは言えるでしょう。

■牛乳・豆乳が飲めない人でも飲める

乳糖不耐症(牛乳に含まれる乳糖をうまく分解できず下痢を起こす)や乳アレルギー、大豆アレルギーがある人でも、アーモンドミルクなら飲める場合があります。

飲み物として飲むほか、料理の材料としても、牛乳や豆乳の代替品として使うことができるのが魅力です。

■たんぱく質は少ない

豆乳や牛乳には100gあたり3g程度のたんぱく質が含まれており、たんぱく質の摂取源のひとつとして取り入れる人も少なくありません。
しかし、アーモンドミルクにはたんぱく質はほとんど含まれていないため、同じように考えるのは難しそうです。

■カリウム、カルシウムが少ない

牛乳はカルシウムが豊富なことがよく知られている食品のひとつです。
カリウムに関しては様々な食品からとれますが、牛乳や豆乳も(主要なものではないものの)摂取源に含まれます。

アーモンドミルクの栄養素を見ると、カルシウムは牛乳に比べて少なく、カリウムに関しては牛乳と豆乳のどちらに比べても少ないことがわかります。

カルシウムとカリウムはいずれも日本人の食生活ではもう少し摂取量を増やしたい栄養素であるため、習慣的に摂っている牛乳や豆乳をすべてアーモンドミルクに置き換えた場合、摂取量が減ってしまうのは残念なポイントといえるかもしれません。

アーモンドミルクはアレルゲンになりにくい?

アーモンドミルクは「アレルギーの人でも飲める」といわれることも。

たしかに、乳アレルギーや大豆アレルギーがあって牛乳や豆乳が飲めなくても、アーモンドミルクなら飲める場合もあります。

しかし、アーモンドは必ずしもアレルギーの原因物質にならないということはなく、アーモンドに対してアレルギー反応を示す人も(牛乳や大豆に比べると少ないものの)存在します。

今までアーモンドを食べていて特に問題ないという人はあまり気にする必要はありませんが、今までアーモンドを食べたことのない人や、アレルギーをおこしやすい体質の人は、かかりつけの医療機関に相談したり、少量から試してみることをおすすめします。

アーモンドミルクはエネルギーを抑えながらアーモンドの栄養が摂れる?

アーモンドミルクの栄養素の中で、ビタミンEや食物繊維を目的とした場合、アーモンドミルク100mlと同じ量のビタミンEと食物繊維をとろうとすると、素焼きのアーモンドでは17.5g、エネルギーは106kcalに相当します。

アーモンドミルク
(無糖)
アーモンド
(素焼き)
重量 100g 17.5g
エネルギー 20kcal 109kcal
ビタミンE 5.0㎎(添加あり) 5.0mg
食物繊維 1.5g(添加あり) 1.9g
*100ml/100gあたり、メーカー商品情報、日本食品標準成分表2015年版(七訂)より

 同じ量のビタミンE、食物繊維をとることを考えると、(すべてがアーモンド由来のものではないものの)確かにアーモンドミルクのほうがカロリーは低く抑えることができそうです。

【まとめ】アーモンドミルクの魅力と取り入れるときの考え方

アーモンドミルクの栄養的利点は「低カロリー」「ビタミンE・食物繊維」「コレステロール0」

アーモンドミルクの栄養的な利点は、
・牛乳・豆乳に比べて低カロリー
・ビタミンEと食物繊維が豊富(ただし添加されたものを含む)
・ビタミンEと食物繊維の含有量のわりにアーモンドそのものよりもカロリーが低い
・豆乳と同様にコレステロールを含まない
ということが挙げられます。

一方でカルシウムが少ないなどの特徴もあり、栄養的にもほかの食品と比べて圧倒的に優秀…といったものではありませんが、少なくともカロリーの低い牛乳や豆乳の代替品としては魅力があると考えます。

低カロリーなミルクの選択肢として取り入れるのがよさそう

牛乳や豆乳に関して、体に合わない、違う味のものを探している…といった場合には、新しい選択肢の一つとしてアーモンドミルクを取り入れてみるのもいいでしょう。

栄養素の摂取を目的に取り入れてもいいですが、ビタミンEや食物繊維の主な摂取源はナッツや乳製品ではなく、油脂類や穀類が大きくかかわっています。
また、アーモンドミルクを取り入れたからと言ってそれ以外の食事は何を食べてもいいということは残念ながらありません。
バランスの取れた食事の一部として、アーモンドミルクを上手に取り入れてくださいね。

参考文献

文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会」 報告書

厚生労働省:「国民健康・栄養調査」

消費者庁:「アレルギー物質を含む食品の表示について」

平井 しおり管理栄養士
平井 しおり管理栄養士

2013年に管理栄養士資格取得後、保育施設に勤務、栄養相談などに従事。

現在は「イマカラ」にて、栄養とダイエットに関する科学的根拠に基づいた情報を発信しています。