プロテインを飲むだけ、は太る?女性が気になるダイエットの疑問を解説

  • Facebook
  • Twitter
  • はてなブックマーク
プロテインを飲む女性

日常的にトレーニングを行う人が増えている中で、注目されているプロテイン。
引き締まった体づくりに活用される一方で、「飲むと太る」という声も聞かれます。
なぜ、そのようなことが起こったのでしょうか。
プロテインを飲んで太ってしまう理由、太らないためのポイントを解説します。

プロテインが太るって本当?

ダイエットをしている人の中で、プロテイン(粉末状のプロテインサプリ)を使っている人も少なくはありません。

ダイエットの一環として使っているはずですが、中には太ってしまったという人も。
その原因は、プロテインの性質をよくわかっていないままの人が、自分に合った選び方・使い方をできていないことが考えられます。

「なんとなくよさそうだから」ではなく、今の自分にどんなものが必要なのかを知ったうえでプロテインを使うことを選択できると、このようなことは起こりにくくなるのではないでしょうか?

そもそも、プロテインをとる目的とは…

プロテインを計量する人

メインの目的はタンパク質補給

プロテインをとる目的として挙げられるのは、
トレーニングによって筋肉をさらに大きく発達させるためのタンパク質補給」
普段の食事ではたんぱく質が不足しており、サプリメントとして簡単に摂取するため」
これらの理由が最もシンプルなものといえるでしょう。

タンパク質摂取に伴う脂質のエネルギー(カロリー)をカットするため

また、
「ダイエット中で食事量を制限しているが、筋肉量を維持するためトレーニングと併用」
「通常の食材ではたんぱく質に付随してしまう脂質などの余分なエネルギー(カロリー)を避けるため
このような目的も考えられます。

プロテインだけで体は変わらない

プロテインは、あくまでタンパク質を主成分としたサプリメント。
「飲むだけで筋肉が増える」
「飲むだけで筋肉質な体になって引き締まる」
「飲むだけで痩せる」
といったものではありません。

プロテインってどんな効果があるの?初心者向け解説

自分にプロテインが必要なのか

また、プロテインがダイエット中の人すべてに必要なものか、といえばそんなことはありません。
プロテインを飲む意味があるのは
・トレーニングによってタンパク質の必要量が増加している人
・現在の食生活ではたんぱく質が不足する人
ともいえるでしょう。

現在の運動によってタンパク質の必要量が増える?

タンパク質の必要量が増すほどのトレーニング量というのは実はかなり多く、1日あたり200~400kcal程度の運動ではたんぱく質の必要量は増えない(いつもの食事以上にタンパク質を摂取する必要はない)という報告もあります。

運動量と消費エネルギー(カロリー)は体重によって変わるので一概には言えませんが、40㎏~80㎏の人ではジョギング50分、早歩き75分、歩行100分、水泳40分に相当すると考えられます。
この程度の運動であれば、通常の食事に加えて特にタンパク質を追加する必要はないということです。

筋肉を大きくしたいのか、タンパク質に伴うエネルギー(カロリー)をカットしたいのか

筋肉を大きくしたい人にとってプロテインは有用といえるでしょう。
しかし、ダイエット目的の運動やトレーニングをしている人には、もともと不足していないのであれば、プロテインという形でたんぱく質の補給をする必要性は必ずしもないと考えられます。

タンパク質の摂取に伴う脂質のエネルギー(カロリー)をカットする目的でプロテインを取り入れるのであれば、食事の中の肉料理などの量を調節する必要があります。

また、ダイエット中にトレーニングや運動と並行して食事制限を行っている場合には、タンパク質の摂取量も少なくなっていることがあります。
そういった、食事制限によりタンパク質摂取量が低下している場合には必要なタンパク質を確保するためのプロテインの活用はとても意味のある事といえるでしょう。

太るのはプロテインだけが原因ではない

食材と体重計

太る=エネルギー(カロリー)オーバーしている

太るというのは、食事からの摂取カロリーが運動や基礎代謝による消費エネルギー(カロリー)を上回った状態で起こります。
つまり、太ったということは

・消費エネルギー(カロリー)よりも食事からの摂取エネルギー(カロリー)をとりすぎている
・摂取エネルギー(カロリー)に対してのエネルギー(カロリー)消費が少なすぎる

ということを示しています。

プロテインにもエネルギー(カロリー)はある

プロテインはタンパク質を主成分としたサプリメントです。
タンパク質は体内で筋肉などの材料となるほか、エネルギー(カロリー)源となるため、糖質や脂質と同じようにエネルギー(カロリー)を持った栄養素です。

タンパク質のエネルギー(カロリー)は1gあたり4kcal。糖質も同じ1gあたり4kcal、脂質は1gあたり9kcalです。

エネルギー(カロリー)のある物質ということは、食べ過ぎれば体脂肪として蓄積されるということです。
プロテイン以外の食事でしっかり必要なエネルギー(カロリー)をとっている状態でプロテインを追加すれば、エネルギー(カロリー)オーバーになる事もあるでしょう。
ダイエットをするのであれば、プロテイン以外の食事を含めた見直しが必要になります。

目的によって製品の内容もさまざま

また、気を付けたいのがプロテイン製品の内容が自分に合っているかという点です。

製品の内容はメーカーによっても様々で、1食あたりのタンパク質量も、エネルギー(カロリー)も一定ではありません。
メーカーの重視するポイントや選ぶ人のニーズに合わせて作られているため、タンパク質量も1食約5g~30g弱、エネルギー(カロリー)も1食約50~130kcalと、かなり幅のある状態です。
タンパク質以外にも、おいしさや筋肉の回復を重視した商品では糖質が多くふくまれ、高エネルギー(カロリー)なものもります。

糖質も1食あたりでほとんど含まれないものから、20g以上を含むものまで、製品によって大きな幅があります。

自分の目的に合った商品を選んでいないと、ただただ摂取エネルギー(カロリー)を増やすことにつながってしまうのです。

量にも注意

さらに、摂取量も大事なポイント。
メーカーの推奨する摂取量・回数は筋肉を増やすトレーニングをしっかり行っている人向けと考えていいでしょう。

推奨されているからといって1日に複数回の摂取をするとその分摂取エネルギー(カロリー)は増えていってしまいます。
摂取分に相当するだけのエネルギー(カロリー)消費がなければ、太っていくと考えられます。

ダイエット中にプロテインを取り入れるうえで気を付けたいこと

・プロテインを摂取する必要があるか
・プロテインと食事を合わせてエネルギー(カロリー)オーバーになっていないか

この点を確認しながら飲む量を決めることが大事なポイントです。

タンパク質の過剰摂取のリスク

エネルギー(カロリー)が過剰になっていなくても、プロテインのとりすぎが問題になることもあります。
タンパク質の過剰摂取は腎臓の負担を増やすこともあります。
また、食事中のタンパク質の比率がエネルギー(カロリー)の20%を超えた場合に(例:2000kcal摂取のうち400kcalをタンパク質で摂取=タンパク質100g)、糖尿病や心血管の疾患、がんの発症リスクの増加、骨量の減少などの可能性も考えられています。

ダイエット中のプロテイン活用例

ダイエットを目的としてプロテインの利用を考えている人向けに、活用例を紹介します。
体格や毎日の消費エネルギー(カロリー)は人それぞれですが、参考にしてみてください。

20代女性で、毎日の通勤程度の身体活動がある人の1日のエネルギー(カロリー)必要量はおよそ1950kcalとされています。

タンパク質をしっかりとれている食事の例

まず、プロテインを使わずにタンパク質を十分にとれる食事内容をざっくり紹介します。

メニュー エネルギー
(カロリー)
タンパク質
朝食 バタートースト(6枚切り)

砂糖入りミルクティー

みかん
193kcal

56kcal

32kcal 
5.4g

1.9g

0.5g
昼食  ごはん(1杯)

鮭の塩焼き(80g)

ほうれん草のおひたし

きんぴらごぼう

白菜の味噌汁
298kcal

106kcal

34kcal

97kcal

38kcal
4.4g

17.8g

2.2g

1.4g

2.5g
間食 ミルクチョコレート
(20g) 
112kcal  1.4g
夕食 ごはん(1杯)

チキンカツ(120g)

千切りキャベツ

トマトサラダ

ニラたま汁
298kcal

473kcal

12kcal

49kcal

60kcal
4.4g

23.1g

0.7g

1.0g

4.6g
合計 1858kcal 71.3g
(総カロリーの15.3%)

※横スクロールで表全体の確認が可能です。

20代女性のタンパク質摂取の推奨量は50g、摂取カロリー全体の15~20%といわれています。
主なタンパク質源は肉や魚、卵などですが、その他の食事にも少しずつ含まれています。
毎食ごはんなどの主食と、肉や魚の主菜をそろえるだけでほとんどまかなえています。

タンパク質を十分にとれている状態で、さらにプロテインを取り入れることにあまり意味はなく、摂取カロリーを余計に増やすこと、腎臓や肝臓の負担になることにつながってしまいます。

一部をプロテインに置き換えた食事の例

上の例では摂取カロリーが推定エネルギー必要量に近い数字であるので、もう少しエネルギー(カロリー)セーブをできるようにプロテインを取り入れてみましょう。

タンパク質を多く含む料理では、夕食のチキンカツのエネルギー(カロリー)が高いものになっています。
このチキンカツの量を半分にし、減量用に糖質の少ない配合のプロテインドリンクを1食取り入れてみましょう。

メニュー カロリー タンパク質
朝食 バタートースト(6枚切り)

砂糖入りミルクティー

みかん
193kcal

56kcal

32kcal
5.4g

1.9g

0.5g
昼食 ごはん(1杯)

鮭の塩焼き(80g)

ほうれん草のおひたし

きんぴらごぼう

白菜の味噌汁
298kcal

106kcal

34kcal

97kcal

38kcal 
4.4g

17.8g

2.2g

1.4g

2.5g
間食 ミルクチョコレート
(20g) 
112kcal  1.4g
食前 プロテイン (1食) 79kcal 16.8g
夕食 ごはん(1杯)

チキンカツ(0.5人分)

千切りキャベツ

トマトサラダ

ニラたま汁
298kcal

236kcal

12kcal

49kcal

60kcal
4.4g

11.5g

0.7g

1.0g

4.6g
合計 1700kcal 76.5g
(総カロリーの18.0%)

※横スクロールで表全体の確認が可能です。

タンパク質の摂取量は増えましたが、エネルギー(カロリー)を約160kcalカットすることができました。

タンパク質の比率は健康障害のリスクを考慮すると摂取エネルギー(カロリー)の20%以内が望ましいとされています。
今回の例では、これ以上のプロテインの摂取はタンパク質の摂取過剰にもつながる可能性があるうえ、人が必要とする肉や魚の脂質に含まれる成分が不足することにもつながります。
アスリートでない人がプロテインを取り入れるのであれば1食程度に抑えるのが安心です。

その体重増加、本当に「太った」?

体重計に乗る人

このサイトでは「太った」=「体脂肪が増えた」という認識であり、単なる体重増加は太ったとは言い切れません。

「食事にも気を付けてトレーニングもしっかりしているのに、体重が増えた、太ってしまった」という声を聞くことがあります。

しっかりと運動をしているのに体重が増えることで考えられるのが、筋肉が増えて体重が増えた可能性です。

体重だけでは太ったのかはわからない

脂肪組織と比較して筋肉の組織は重く、同じように見える体型でも筋肉質の人のほうが体重は重くなる傾向にあります。

反対に言えば、同じ体重であっても、筋肉質な人は引き締まって痩せて見えるのです。

体重は増えていたとしても、体脂肪率も上がった、見た目にも太ってしまったとは言い切れません。

もし増えていたのが筋肉なら

筋肉が増えていたのであれば、痩せやすい体づくりはできています。
筋肉を増やさないような負荷の少ないトレーニングや運動と合わせて、食事のエネルギー(カロリー)を控えめにすることで、体脂肪を減らしていくことも可能です。

専門家のサポートも重要

毎日の消費エネルギー(カロリー)や摂取エネルギー(カロリー)は人それぞれで、トレーニングや食事の内容を厳密に考え、調整するのは難しいことです。

プロテインの使い方に限らず、必要に応じて、専門家に相談するのも一つの方法といえるでしょう。

参考文献

文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

兵庫県立大学 大隅 隆:「脂肪の代謝とその調節―からだのエネルギーバランス― 」

厚生労働省:健康づくりのための運動指針 2006 

厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」 報告書

Yasuhiro KIDO,Takayoshi TSUKAHARA, Kazuhito ROKUTAN,Fujiko SHIZUKA,Masaharu OHNAKA,and Kyoichi KISHI.Japanese Dietary Protein Allowance is Sufficient for Moderate Physical Exercise in Young Men J.Nutr.Sci. Vitaminol.,43,59-71,(1997 )

厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2015年版)