
テレビや書籍で注目される「みそ汁」のダイエット効果。
身近なメニューであるみそ汁にそんな効果があるのでしょうか?
みそ汁をダイエットに取り入れるメリットと、効果的な取り入れ方を紹介します。
Contents
低カロリーな一品として利用できることが利点
ダイエットの本質はカロリー収支
体脂肪を減らすダイエットの原則は非常にシンプルです。
ダイエット期間中において、「摂取エネルギーを消費エネルギーよりも小さくすること」。
不足するエネルギーを体脂肪から調達することで、体脂肪の減少につながります。
体脂肪を減らすためのダイエットとカロリーについて詳しく解説した記事はこちら |
どんなダイエット食品・ダイエット方法においても、摂取エネルギーを小さくする、または消費エネルギーを大きくすることができれば、「ダイエットに効果あり」といえそうです。
摂取エネルギーを抑えられるおかずのひとつとして習慣的に取り入れるのが◎
みそ汁は「摂取エネルギーを抑えつつ食事の満足感を得られるおかず」になるのが最大の利点です。
具体的には、
・水分とともにたっぷりの野菜を食べるのに適しているため、低カロリーで食べ応えがある ・脂質が少ない代わりにだしのうまみがあるため、エネルギーを抑えつつ満足感が得られやすい |
という理由から、ダイエット中に食事量を減らす手助けになりそうです。
また、多くの日本人になじみがあり、いつもの食事に取り入れやすいことからも、習慣的な摂取カロリーのカットに役立つメニューといえますね。
みそ汁の原材料そのものに特別なダイエット効果(機能性)があるわけではない
気を付けたいのは、みそ汁およびみそ汁の原料に「摂取することで体重を減らす効果」があるわけではないということ。
みそ汁そのものはあくまで食事からの摂取エネルギーの全体量を減らすための「補助的なもの」として、食事内容を見直しつつ取り入れるのが大事なポイントです。
利点を生かした使い方→野菜たっぷりで食事のボリュームアップ
食事のボリュームアップに、野菜たっぷりを意識して
具体的な取り入れ方としては、サラダや温野菜など、低カロリーでいわゆる「ダイエット向き」といわれている野菜料理のバリエーションのひとつとして考えるのがおすすめです。
取り入れる際のポイントは
・野菜をたっぷり入れて具沢山に ・だしをきかせた薄味がおすすめ |
の2点。
野菜たっぷりの具沢山みそ汁は食べ応えがあり、食事の満足感をアップしてくれます。
また、野菜から食物繊維をしっかりとることで、満腹感を引き延ばしてくれることも期待できそうです。
薄味がおすすめなのは、食べすぎを防ぐため。塩辛いおかずはごはんが進み、食べすぎにつながりやすいというデメリットがあります。
ダイエット中のみそ汁は、汁物としてではなくおかずのひとつとして食べられるようにするといいですね。
みそ汁以外の食事の量を控えめにすることも忘れずに!
野菜たっぷりのおみそ汁を心がけることに加えて必要なのが、「そのほかの食事を減らすこと」。
今までの食事量にプラスするだけではさらにお腹いっぱいになるだけでダイエットになりません。
みそ汁以外の「ごはんなどの主食」「肉や魚のメインおかず」の量をある程度減らしたり、カロリー控えめの内容に見直したりといったことが必要です。
とはいえ、「食事はみそ汁だけ」のような厳しい食事制限は体調不良のもととなりますので避けてくださいね。
話題の「みそ汁ダイエット」に効果はある?
書籍やテレビでも注目されている「みそ汁を使ったダイエット方法」。
そのひとつ、特製合わせみそで作るみそ汁がダイエットに効果アリという情報は本当でしょうか?
テレビで話題のやせるみそ汁とは?
テレビで話題になった「みそ汁」はすりおろしタマネギ、りんご酢、赤みそ、白みそを混ぜ合わせた特製みそを使ったもの。
これら4つの材料にはそれぞれ健康効果がある成分が豊富に含まれるとされ、白みそのGABA、赤みそのメラノイジン、りんご酢のカリウム、玉ねぎのケルセチンが健康やダイエットに効果を発揮するとされています。
やせる機能性成分はない。あくまで摂取エネルギーカットに活用しよう
しかし、このレシピで摂取できる量の食品成分について、ダイエット効果の裏付けとなる信頼性の高いデータは見つかっておらず、ダイエット目的で特別なレシピのみそ汁を採用する必要性は低そうです。
みそ汁に使う味噌の内容にかかわらず、本質である「摂取エネルギーのカット」につなげられればどんなみそ汁でもダイエットに対してはプラスになります。
原料に含まれる微量成分など、あまり細かいポイントについては気にしすぎないほうが続けやすいでしょう。
まとめ:ヘルシーな野菜料理のひとつとして取り入れよう
おみそ汁は低カロリーなおかずとしてバリエーションも多く、習慣にしやすいという点でダイエットに有効なメニューのひとつといえそうです。
とはいえ、「みそ汁を食べればほかの食事は何を食べてもチャラになる」「みそ汁ならどれだけたくさん食べても太らない」というわけではありません。
また、おみそ汁のような汁物は意外と塩分量が多く、おみそ汁ばかり食べるのは塩分の過剰摂取にもつながりやすいので気を付けたいところです。
あくまで「ヘルシーなおかず」のひとつとして、適度に取り入れるのがいいでしょう。
参考文献 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所:「健康食品」の安全性・有効性情報(カリウム、γ-アミノ酪酸(GABA)について) 三浦 理代.メラノイジンの生理機能 日本醸造協会誌,97巻4号(2002) 本間 清一.メラノイジンに関する食品化学的研究 日本栄養・食糧学会誌,58巻2号(2005) Fumitaka HAYASE, Sachiko HIRASHIMA, Genichi OKAMOTO, Hiromichi KATO.Scavenging of Active Oxygens by Melanoidins Agricultural and Biological Chemistry,53巻12号(1989) 亀形恵美, 中津川研一. 味噌の種類による抗酸化性の比較 学苑生活科学紀要, No.8302 7~29(2009.12) |