主食・主菜・副菜をそろえるとよいのはなぜ?|管理栄養士執筆

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主食・主菜・副菜のそろった食事

ごはんやパン、麺などの「主食」、肉や魚を中心とした「主菜」、野菜などのおかず「副菜」の3つをそろえることは、健康的な食事のためのポイントのひとつと考えられています。

特定保健指導のような国を挙げての健康施策においても、目標とすべき食事のかたちとして紹介されていますが、主食・主菜・副菜をそろえることは具体的にどのような利点があるのでしょうか?

3つそろえると「栄養バランスの取れた食事」になりやすい

主食・主菜・副菜にはそれぞれ栄養的に特徴がある

主食、主菜、副菜にはいろいろな種類の食品が当てはまりますが、それぞれに含まれる栄養素の特徴があることが知られています。

主食・主菜・副菜の役割

主食は主に炭水化物源であり、主なエネルギー源となります。
主菜は主にたんぱく質源となり、脂質の摂取源としても比較的大きなものとなります。
副菜の主な食材となる野菜は食物繊維やカリウムの摂取源として重要です。
その他、果物も食物繊維やカリウムの摂取源として、乳製品はカルシウムの摂取源として適量の摂取が望まれます。

主食・主菜・副菜をそろえると栄養バランスがよくなる傾向あり

主食・主菜・副菜をそろえて食べることでこれらの栄養素をバランスよくとることにつながります。

平成27年の国民健康・栄養調査では、主食・主菜・副菜をそろえて食べる頻度が高いほど、栄養素の摂取量が食事摂取基準などの栄養素等の摂取目標をクリアする割合が高くなった*1)ことが報告されています。
*1)平成 27 年国民健康・栄養調査

普段の生活において、「食事に含まれる栄養素の量が適切か」を把握することはほぼ不可能ですが、「主食・主菜・副菜がそろっているか」はチェックしやすく、工夫すればクリアできるポイントです。
主食・主菜・副菜をそろえることは、実現しやすい栄養バランスを整える方法といえそうです。

健康的な生活に役立つかも

主食・主菜・副菜をそろえて食べることは、摂取する栄養素の量やバランスから一歩進んで、病気の発症やそれに関わる死亡率にも影響するようです。

循環器疾患の死亡率の低下

主食・主菜・副菜をバランスよくとる目安として、より詳しく量などを示した「食事バランスガイド」というものが広く用いられています。

食事バランスガイド引用:厚生労働省:「食事バランスガイド」について より

複数の研究*2)*3)において、この食事バランスガイドに沿った食事(≒主食・主菜・副菜のバランスが取れている食事)がとれているほど、循環器疾患による死亡リスクが少なくなることが報告されています。
*2)Oba S, et al. Diet based on the Japanese Food Guide Spinning Top and subsequent mortality among men and women in a general Japanese population. J Am Diet Assoc. 2009; 109:1540-7.
*3)Kurotani K, et al. Quality of diet and mortality among Japanese men and women: Japan Public Health Center based prospective study. BMJ. 2016; 352:i1209.

循環器疾患は心臓や血管にかかわる病気のことで、循環器疾患のうち、高血圧や心筋梗塞、脳梗塞などは「生活習慣病」のひとつとして、その発症や悪化に食事をはじめとした生活習慣の乱れが関係していることが知られています。

心筋梗塞や脳梗塞は命にもかかわる重大な病気です。
長く健康でいるために、食事のバランスを整えることは身近なポイントのひとつといえるのではないでしょうか。

主食・主菜・副菜をそろえる工夫

では、主食・主菜・副菜がそろったバランスのとれた食事をとるためには、どんなポイントがあるのでしょうか?

副菜が不足しがち

主食・主菜・副菜のうち、最も不足しやすいのは「副菜」で、平成27年国民健康・栄養調査*1)では、主食・主菜・副菜をそろえた食事の頻度が週4~5日以下の人のおおよそ70%以上がそろえられないものとして副菜を挙げています。
(揃えられないものとして主食と回答した人は15%前後、主菜は22%前後)

副菜は主に野菜のおかずが属します。
食事を簡単に済ませようとすると主食や主菜に偏りやすい特徴があり、食事バランスを整えるためには、副菜を意識的に増やすことが重要なようです。
*1)平成 27 年国民健康・栄養調査

野菜は血圧低下、血糖値低下、血清脂質改善の効果があることが報告されているカリウムや食物繊維が豊富なところが魅力です。
栄養バランスを整えて、長く健康でいるためにも、副菜もそろえるようにしたいですね。

副菜を増やすためのポイント
■野菜は小鉢1~2皿を毎食とることを目標に

副菜の中心的な食材となる野菜の1日分の摂取目標量は350g。
野菜料理の場合、小鉢ひとつ分でおおよそ70gの野菜をとれると考えると、1日に小鉢5つ分程度、1食あたり1~2皿程度が目安となります。
1食で350gの野菜をとるのは大変ですが、複数回に分ければ無理なく食べられそうですね。

■主食+主食のセットは避ける

ラーメン+チャーハン、そば+天丼…といった組み合わせは外食では定番ですが、副菜がなく主食ばかりになってしまうため、食事のバランスとしてはあまり好ましくありません。

ラーメンやそばだけでは物足りない…という時には、チャーハンや天丼ではなく、野菜のおかずやデザートとしての果物やヨーグルトなどの乳製品をプラスしてみてください。
外食メニューに選択肢がないときは、お店ではひとまずラーメンやそばだけにしておいて、コンビニなどで副菜となるものを買い足すという方法もあります。

■一品ものより定食スタイルを選ぶ

ごはんとメインのおかず、サイドのおかずがセットになった定食スタイルはどんぶりものなどの1品ものと比較すると主食・主菜・副菜がそろっており栄養バランス的にも優れています。

多種類の料理を交互に食べることで早食いにもつながりにくく、ダイエットの観点からもおすすめの食事スタイルです。

■お菓子を果物に置き換え?

「副菜」ではありませんが、果物は野菜と同じくカリウムや食物繊維を含むほか、食べるときに調味料による塩分を必要としない点が優れています。

お菓子の食べすぎは肥満のもとですが、果物はある程度までなら体重の増加抑制に関連します。
デザートの中でも低カロリーに抑えられるうえ、食物繊維やカリウムの摂取にも優れているので、積極的にとっていきたいですね。

■朝食の栄養バランスアップに乳製品が便利

こちらも副菜からはそれますが、乳製品はカルシウムの吸収率が高く、どの世代においても不足しがちなカルシウムの摂取源として最適ですので、1日のうちのどこかでとりたい食品です。

朝の時間帯は忙しく、パンだけ、おにぎりだけ…という人も少なくありません。
牛乳やヨーグルト、チーズなどは朝食にプラスしやすく、栄養バランスを整えるのに役立ちます。

まとめ

主食・主菜・副菜をそろえることは、栄養バランスの改善に加え、将来の健康づくりにも関係することが分かっています。

普段の自分の食事は副菜をとれているか、どこかにプラスできるポイントはないか意識してみるところから始めてはいかがでしょうか?

参考文献

厚生労働省:「平成 27 年国民健康・栄養調査」

厚生労働省:「食事バランスガイド」について

社団法人日本栄養士会監修:「食事バランスガイド」を活用した栄養教育・食育実践マニュアル.第一出版,2011.

Oba S, et al. Diet based on the Japanese Food Guide Spinning Top and subsequent mortality among men and women in a general Japanese population. J Am Diet Assoc. 2009; 109:1540-7.

Kurotani K, et al. Quality of diet and mortality among Japanese men and women: Japan Public Health Center based prospective study. BMJ. 2016; 352:i1209.

平井 しおり管理栄養士
平井 しおり管理栄養士

2013年に管理栄養士資格取得後、保育施設に勤務、栄養相談などに従事。

現在は「イマカラ」にて、栄養とダイエットに関する科学的根拠に基づいた情報を発信しています。