2019.10.07

野菜不足をサプリで補える?野菜の栄養と食べる意味

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野菜をサプリで置き換えられるか

野菜を毎日しっかり食べている!と自信をもって言える人はさほど多くはないように思います。
野菜不足の食生活を少しでも良くしたい、というときに「サプリメントで補えないかな?」と考える人も多いのではないでしょうか?
野菜を食べるメリットの中には、サプリで補えるものとそうでないものが存在します。
食事選びの参考に、サプリと野菜の違いを考えてみましょう。

サプリメントとは?

サプリメントとは?

ひとくちにサプリメントと言っても、使われている成分やその含有量は製品によっても様々です。
日本では、「サプリメント」そのものを法的に示すはっきりとした定義はありませんが、厚生労働省では「サプリメントとは特定成分が濃縮された錠剤やカプセル形態の製品だと考えられいる」、としています。

ビタミン・ミネラルのサプリメントと非必須栄養素のサプリメント

一般にサプリメントといわれるものには主となる成分によって2種類に分けることができます。

必須栄養素を補う目的のサプリメント

ビタミンやミネラルはヒトの体にとって一定量の摂取が必要な栄養素です。
必須栄養素であるビタミン・ミネラルのサプリメントは、普段の食事だけでは足りない場合に、「欠乏を防ぐ」目的で取るのが一般的です。
一定の範囲内で含有していれば、栄養機能食品として販売できます。

摂取栄養素の偏りを補う目的でとるサプリメントは、おおむね栄養機能食品に属します。

必須性はないものの、体への有効性が期待される成分を取り入れるためのサプリメント

コラーゲンやアントシアニン、リコピン、カテキンなどの食品由来の成分は、必ずしも体に必要なものではありません。
からだにとって必須ではないものの、何らかのよいはたらきが期待されている食品がサプリメントに利用されています。

しかし、サプリメントの形になっているからと言って必ずしも効果があるということではありません。
ヒトを対象とした実験などで有効性が認められていればトクホなどとして認められますが、そうでない、いわゆる健康食品は一般的な食品と同じ扱いになります。

サプリメントは野菜の代わりになる?

野菜に含まれる栄養素をサプリからとれるのであれば、野菜の代わりになるかもしれません。
野菜に含まれているとは、どんなものでしょうか?

野菜=ビタミン?

野菜の栄養素、というと「ビタミン」が思い浮かぶ人が多いのではないでしょうか?

子どものころ、学校で「たべもののはたらき」を習ったとき、「野菜はビタミン」と覚えたという人も少なくないでしょう。

食品分類3色表

では、野菜に含まれるビタミンをサプリメント(栄養機能食品)、例えばマルチビタミン・ミネラルサプリからとれば、野菜不足を補えるのでしょうか?

残念ながら、野菜の代わりにはなりません

結論から言うと、残念ながらいずれのサプリメントも、野菜の代わりにはなれません。

ビタミンは野菜の栄養素なんじゃないの?と思う人もいるかとは思います。

確かに、野菜にはビタミンCや(体内でビタミンAに変換される)β-カロテン、葉酸などが含まれています。

例えばマルチビタミン・ミネラルサプリでは野菜に含まれるビタミンやミネラルを摂取することはできます。

しかし野菜の代わりになることができないのは、「ビタミン・ミネラル以外の成分」や、「野菜そのものを食べることによるメリット」を肩代わりすることができないためです。

野菜を食べる意味って?

野菜料理

野菜に含まれる主な栄養素とその働き
ビタミンC

コラーゲンの合成にかかわり、皮膚や骨の形態を維持したり、
からだを酸化ストレスから守る、「抗酸化作用」を持ちます。

β-カロテン

主に緑黄色野菜に含まれ、体内でビタミンAに変換されて利用されます。
視覚・味覚・免疫機能の維持などのはたらきを持ちます。

葉酸

主に緑葉野菜に多く、DNAの合成など、細胞分裂にかかわる働きを持っています。

カリウム

体内の水分・ミネラルバランスの調整のほか、様々な働きを持っています。
現代日本人がとりすぎているナトリウムを排出するのにも必要なミネラルです。

食物繊維

必須栄養素ではありませんが、様々な調査報告から、十分な量の摂取で心筋梗塞、脳卒中、循環器疾患、糖尿病などにかかりにくくなることが知られています。

サプリに含まれる栄養素が食品と同じように働くかはわかっていない

これらの栄養素の補給、という観点で見ればサプリメントでも摂取自体は可能です。
しかし、食品由来の栄養素とサプリメントのように抽出・濃縮された栄養素では、必ずしも同じ働きをするとは言い切れないようです。

野菜を食べることによるメリットとは?

栄養素の摂取以外に、野菜を食べることによるメリットはあるのでしょうか?

野菜の特徴のひとつに、量に対して低エネルギー(カロリー)な食品で、咀嚼が必要な食品である、ということがあげられます。
そのため、食事の中で野菜を食べることによって、摂取カロリーを抑えつつ満腹感を得やすくなります。

肥満や生活習慣病が問題となっている現代では、ビタミンやミネラルの摂取源であると同時に、「摂取エネルギー(カロリー)を低く抑える」という効果もかなり大きな意味を持ちます。

野菜を食べることによる「摂取エネルギー(カロリー)を抑える」という働きはサプリメントでは得ることができません。

体重のコントロールや生活習慣病の予防の観点から考えると、野菜不足は野菜を食べることでしか解消できないといえそうです。

野菜はどれくらい食べるといい?

「野菜1日ぶんは350g」ともいわれますが、これは厚生労働省が呼びかけたものです。
1日あたり350gくらいの野菜をとれば、野菜からの栄養素を十分に摂取できると考えられています。

野菜350g

(350gの野菜の例)

現状、日本人は平均して300g弱の野菜を摂取しているようですが、20-30代の世代では250g前後にとどまっています。

野菜を全く食べない、という人以外も、積極的に野菜をとるようにしたいですね。

野菜を取り入れるコツ

野菜を食べることは健康のためとはいえ、難しいという人も少なくありません。
できるだけ無理なく野菜を取り入れるコツを紹介します。

手軽に食べられるものを選ぶ

調理の手間なく取り入れられるものを選べば、野菜を食べるハードルも下がります。

・コンビニのお惣菜・サラダ
・ミニトマト・レタス・ベビーリーフやサラダ用カット野菜など、包丁がいらないもの
・冷凍野菜・炒め物用カット野菜など、冷凍食品やインスタントラーメンに加えられるもの

生野菜を買ってきて、いちから料理をする必要はありません。
今までの食事に付け加えられそうなものから試してみてください。

量が気になる

生野菜は手軽だけどたくさんは食べられない、という場合は、ゆでたり炒めたり、レンジ調理などでカサを減らすと食べやすくなります。

くたくたに煮た野菜スープなら朝食にも、夜食にもぴったりです。

野菜ジュースでもいいの?

市販の野菜ジュースには1日分の野菜が取れるイメージを強調する商品もありますが、単純にイコールであるとは考えにくいでしょう。

野菜ジュースは一定のビタミンやミネラルを摂取することができますが、製造の過程で食物繊維やある程度のビタミンが除去されてしまっています。
また、液状になっているために噛む動作が必要ないことからも、満腹感を得るような効果は得られにくいと考えられます。

飲む意味が全くないわけではありませんが、可能であれば野菜そのものを食べるほうが野菜のメリットを余すところなく受けられそうです。

実は果物もおすすめ

野菜をもっと食べよう、というのは様々な場面でいわれることですが、野菜に加えて果物も食べる量を増やしたい食品です。

果物も野菜と同様にビタミンCやカリウム、食物繊維の摂取源となります。

甘みの強いものでは食べすぎるとエネルギー(カロリー)オーバーにつながりますが、それでも生の果物であればお菓子類よりは低エネルギー(カロリー)に収まるものがほとんどです。

日本人の食生活では塩分をとりすぎる傾向にありますが、果物であれば味付けの塩分は必要ない、という点もおすすめのポイントです。

サプリメントとの付き合い方

果物とサプリメント

野菜不足が気になっている人に限らず、サプリメントは手軽に健康維持ができるものとして気になる存在なのではないでしょうか。

しかし、必須栄養素であるビタミンやミネラルに限っても、自分にどの栄養素が足りていないのか、を知っている人はあまり多くはありません。

明らかに足りていないという食べ物がある場合には、できるだけサプリメントではなくその食べ物をとるようにしたほうが確実です。

なんらかの特定の食べ物が食べられない理由があり、栄養素の偏りが気になる場合には、医療機関や栄養士・管理栄養士に相談してみてくださいね。

参考文献

国立健康・栄養研究所:「健康食品を利用する際の注意すべきポイント」

厚生労働省:「健康食品による健康被害の未然防止と拡大防止に向けて」

厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」 報告書

厚生労働省「統合医療」情報発信サイト:「マルチビタミン・ミネラル」

食品安全委員会:「いわゆる「健康食品」について」

厚生労働省・生活衛生局 生活衛生・食品安全部:「健康食品の正しい利用法」

厚生労働省e-ヘルスネット:「野菜、食べていますか?

消費者庁:「栄養機能食品とは」