ビタミンB2の多い食べ物とは?働きと必要量、効果的な食べ方を紹介

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ビタミンB2は必須栄養素のひとつで毎日の食事からの摂取が必要とされていますが、ビタミンB2の摂取に役立つ食べ物にはどんなものがあるでしょうか?

ビタミンB2の働きと必要量、ビタミンB2を多く含む代表的な食べ物について、ビタミンB2を効率的に摂取するためのポイントを解説します。

ビタミンB2とは

ビタミンB2は化学名で「リボフラビン」という物質で、体内で合成できないために食事から摂取する必要がある「必須栄養素」です。
ビタミンB2は水溶性ビタミンのうち、ビタミンB群に属するビタミンのひとつです。

ビタミンB2の働き

ビタミンB2は必須栄養素として体内でエネルギーの代謝や物質の代謝など、様々な化学反応を助ける働きを持ちます。

三大栄養素のエネルギー代謝にかかわる

ビタミンB2は糖質、脂質、たんぱく質をエネルギーに変える仕組みに関与しています。
特に脂質をエネルギーとして消費するときに多く消費されることから、脂質の摂取量が多い人では特に必要性の高いビタミンとなります。

たんぱく質の合成にかかわる

ビタミンB2は全身の細胞を構成する「たんぱく質」の合成に関与し、皮膚や毛髪の細胞を正常に作ることを助ける働きを持ちます。
子どもたちの成長の過程では新しい体組織をつくるためにたんぱく質の合成が盛んにおこなわれるため、体の成長にとって重要な役目を果たします。

過酸化脂質の分解を促進する

ビタミンB2は動脈硬化などの細胞の老化を進行させる「過酸化脂質」の分解を促進する働きを持ちます。
動脈硬化は高血圧や心筋梗塞、脳梗塞などの重大な病気の原因になるため、ビタミンB2はこれらの病気を予防する方向に働きます。

ビタミンB2の不足・過剰摂取による影響

必須栄養素のひとつとして、体内で様々な働きを持つビタミンB2ですが、不足した場合や過剰摂取した場合にはどのような影響があるのでしょうか?

ビタミンB2が不足すると

ビタミンB2は脂質をはじめとする3大栄養素のエネルギー代謝やたんぱく質の合成にかかわる栄養素です。
ビタミンB2が不足すると体内でこれらの働きが正常に行われなくなってしまいます。
具体的な症状としては、

  • 成長抑制(成長期の子ども)
  • 口内炎
  • 口角炎
  • 舌炎
  • 脂漏性皮膚炎

などが起こることが知られています。

ビタミンB2を過剰摂取すると

通常の食品からの摂取では、ビタミンB2の過剰摂取が起こる心配はほぼありません。

また、ビタミンB2は過剰量を摂取すると吸収率が下がることが知られています。
加えて、体内に過剰量が吸収された場合にも余分なビタミンB2は速やかに尿から排出されるため、過剰摂取による健康障害は起こりにくい事がわかっています。

ビタミンB2の摂取推奨量と平均的な摂取量

ビタミンB2は必須栄養素のひとつであり、一定量の摂取が必要とされますが、健康維持のために摂取するべき量はどのくらいでしょうか?
また、日本人の食生活ではビタミンB2を十分に摂取できているのでしょうか?

日本人の食事摂取基準と国民健康・栄養調査のデータから解説します。

ビタミンB2の必要量、摂取推奨量

日本人の食事摂取基準2020年版において、ビタミンB2の摂取基準値は以下のようになっています。

■日本人の食事摂取基準2020年版のビタミンB2の摂取推奨量(㎎/日)

年齢等  男性  女性
0~5か月  0.3(目安量)  0.3(目安量)
6~11か月  0.4(目安量)  0.4(目安量)
1~2歳  0.6  0.5
3~5歳  0.8  0.8
6~7歳  0.9  0.9
8~9歳  1.1  1.0
10~11歳  1.4  1.3
12~14歳  1.6  1.4
15~17歳  1.7  1.4
18~29歳  1.6  1.2
30~49歳 1.6  1.2
50~64歳  1.5  1.2
65~74歳  1.5  1.2
75歳以上  1.3  1.0
妊婦  –  +0.3(付加量)
授乳婦  –  +0.6(付加量)

厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会」 報告書 より作成

ビタミンB2は消費するカロリー(エネルギー)が多くなるほど必要な量も増えるため、より多くのカロリーを必要とする人(体格の大きい人や成長期など)で必要な量が増える特徴があります。

ビタミンB2の平均摂取量

令和元年の国民健康・栄養調査では、20歳以上の男女におけるビタミンB2の摂取量の中央値は

  • 男性…1.17㎎/日
  • 女性…1.07㎎/日

となっており、摂取基準の推奨値を下回る結果が得られています。
この結果を見ると不足が心配されますが、ビタミンB2は「摂取カロリー(エネルギー)が多いほど必要量が増える」性質のある栄養素であり、摂取基準の推奨値は1000kcalあたり0.6㎎に相当します。

同じく令和元年の国民健康・栄養調査において、20歳以上の男女におけるカロリー(エネルギー)摂取量の中央値は、

  • 男性…2098kcal/日
  • 女性…1684kcal/日

となっています。
ビタミンB2の1日あたりの摂取量を摂取カロリー1000kcalあたりに計算しなおすと、

  • 男性…0.56㎎/1000kcal
  • 女性…0.63㎎/1000kcal

となり、国民健康・栄養調査での測定値には過少申告等の測定誤差もあるため、この計算が必ずしも正しいとは言えませんが、摂取カロリーに対して推奨値にあたる量(0.6㎎/1000kcal)に近い量が摂取できているようです。

また、日本人の食事摂取基準2020年版における摂取基準値は「これ以上下回ると欠乏症状が現れる量」ではなく、「これ以上とっても尿中に排泄されてしまう量(体内のビタミンB2が満タンになる量)」から計算されているため、摂取基準の数値を下回ると欠乏症状の恐れがあるという訳ではありません。

少なくとも、日本人の平均的な食生活を送っている人の場合には、ビタミンB2の不足による健康への影響が心配される人はさほど多くないと考えて良いのではないでしょうか。
そうでない場合、例えば極端に偏った食生活を送っている人、アレルギーや宗教上の理由で食べられる食材の種類が少なくビタミンB2の摂取源となる食材がとれない人では、ビタミンB2の摂取量が不十分である可能性も考えられます。

ビタミンB2を多く含む食べ物

ビタミンB2はどのような食品から摂取できるのでしょうか?

ビタミンB2は動物性食品・植物性食品のいずれにも含まれている栄養素で、おもな摂取源となるのは

  • 乳類
  • 肉類
  • たまご類
  • 魚介類

が代表的です。
その他、野菜類や納豆、アーモンド、一部のきのこ類にも含まれています。

乳類

令和元年の国民健康・栄養調査において、ビタミンB2の摂取源としては乳類が1位となっています。

■乳類のビタミンB2含有量(100gあたり)

食品名  ビタミンB2含有量(100gあたり)
パルメザンチーズ  0.68㎎
カマンベールチーズ 0.48㎎
チェダーチーズ 0.45㎎
プロセスチーズ  0.38㎎
クリームチーズ  0.22㎎
ヨーグルト(低脂肪・無糖)  0.19㎎
低脂肪乳  0.18㎎
普通牛乳  0.15㎎

文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2020年版(八訂)」 から作成

重さあたりのビタミンB2含有量を比較すると、原料乳を濃縮したチーズ類で比較的多くなっています。
一方で、一度に食べる量や食べる頻度を考慮すると、普通牛乳や低脂肪乳がより効率的な摂取源となりそうです。

肉類

肉類は重さあたりのビタミンB2の含有量が多く、乳類に次ぐビタミンB2の摂取源となっています。

■肉類のビタミンB2含有量(100gあたり)

食品名  ビタミンB2含有量(100gあたり)
豚レバー(生)  3.60㎎
牛レバー(生)  3.00㎎
鶏レバー(生)  1.80㎎
鶏ハツ(心臓)(生)  1.10㎎
豚タン(舌)(生)  0.43㎎
牛ハラミ(横隔膜)(生)  0.35㎎
マトン(もも・脂身付き)(生)  0.33㎎

文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2020年版(八訂)」 から作成

肉類では鶏、豚、牛のレバーをはじめとした内臓肉にビタミンB2が多く含まれている傾向がありますが、一回の摂取量や摂取機会が少ないのが難点かもしれません。
通常のお肉(鶏もも肉や豚肩ロースなど)でもある程度の量は摂取できるので、無理にレバーを食べようとする必要はありません。

卵類

卵類は乳類、肉類に次いでビタミンB2の摂取源として3番目に位置しています。

■卵類のビタミンB2含有量(100gあたり)

食品名  ビタミンB2含有量(100gあたり)
うずら卵(全卵)(生)  0.72㎎
鶏卵(卵黄)(生)  0.45㎎
鶏卵(全卵)(生)  0.37㎎
鶏卵(卵白)(生) 0.35㎎
うずら卵(水煮)  0.33㎎

文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2020年版(八訂)」 から作成

鶏卵の場合、1個(50g)でおよそ0.19㎎がとれます。
肉類などに比べるとさほど多くない印象がありますが、たまごは日常的に食べる機会も多いため、摂取源としては有力な食品のひとつです。

魚類

ビタミンB2の摂取源として、魚類は4位に位置する食品群です。
かに、魚卵、貝類、魚類など幅広い食品に含まれています。

■魚類のビタミンB2含有量(100gあたり)

食品名  ビタミンB2含有量(100gあたり)
ずわいがに(生)  0.60㎎
鮭いくら  0.55㎎
うなぎ(生)  0.48㎎
しじみ(生) 0.44㎎
たらこ(生)  0.43㎎
まいわし(生) 0.39㎎
ぶり(生) 0.36㎎
たいせいようサバ(生)  0.35㎎

文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2020年版(八訂)」 から作成

魚類も比較的多くビタミンB2を含みますが、比較的食べる機会が少ないものにビタミンB2が多いことから、毎日の摂取源としてはやや弱いグループといえそうです。

表の食品のほか、身近な魚類ではサバ、まがれい、さわら、サンマ、からふとししゃもなどからビタミンB2を摂取することができます。

野菜類

ビタミンB2の有力な摂取源となる食品には動物性食品が多くなっていますが、意外にも野菜類にもビタミンB2を多く含むものがあります。

■野菜類のビタミンB2含有量(100gあたり)

食品名  ビタミンB2含有量(100gあたり)
モロヘイヤ(生)  0.42㎎
ブロッコリー(生)  0.23㎎
豆苗(生)  0.21㎎
ほうれんそう(生)  0.20㎎
そらまめ(生)  0.20㎎
大根の葉(生) 0.16㎎
春菊(生)  0.16㎎
かぶの葉(生)  0.16㎎

文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2020年版(八訂)」 から作成

緑の濃い野菜に多い傾向があります。
野菜類だけで推奨量に近い量のビタミンB2を摂取するのは難しいかもしれませんが、食事内容に制限がある人には心強い摂取源となりうるグループといえそうです。

その他の食品

ここまで紹介した食品のほか、以下のような食品でビタミンB2の含有量が高くなっています。

■その他の食品のビタミンB2含有量(100gあたり)

食品名  ビタミンB2含有量(100gあたり)
納豆  0.56㎎
アーモンド(煎り、無塩)  1.04㎎
ひらたけ(生) 0.40㎎
マッシュルーム(生)  0.29㎎
エリンギ(生) 0.22㎎

文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2020年版(八訂)」 から作成

納豆は納豆菌がビタミンB2を産生することから、大豆製品の中でも特異的にビタミンB2を多く含むことが知られています。

また、ナッツ類の中でもアーモンドが、きのこ類の中でもヒラタケが特に多くビタミンB2を含みます。
いろいろな食品を幅広く取り入れることで、ビタミンB2の不足を防ぐことができそうですね。

サプリメントやビタミン飲料

ビタミンを配合した飲料やサプリメントは数多く、ビタミンB2が原材料に含まれるものも少なくありません。

栄養素等はいわゆる「普通の食品」からとるほうが栄養バランスの観点でもお勧めですが、サプリメントやビタミン飲料のようなものもビタミンB2の摂取量の上乗せで役立てることができます。

また、ビタミンB2はビタミンB6の活性化に必要とされることから、サプリメントやビタミン飲料ではビタミンB2と合わせてビタミンB6が配合されていることが多くなっています。

ビタミンB2の効果的なとり方

ビタミンB2は様々な食品に含まれていますが、

  • 水溶性ビタミンである
  • 光で分解される
  • 脂質の代謝に必要とされる

という特徴に合わせたとり方ができるとより効果的です。
それぞれの具体例を紹介します。

丸ごと、汁ごと食べられる料理にする

ビタミンB2は水溶性ビタミンに分類される物質で、食品の断面などから水に溶けだしやすい性質を持ちます。

そのため、肉類や魚類、野菜類などを細かく切ってゆでるような調理法の場合、煮汁などに溶けだして口に入るビタミンB2の量が減るといったことが起こります。

ビタミンB2を無駄なく取り込むためには、

  • ゆでずに焼く、炒める、蒸す、レンジ調理などにする
  • ゆでる場合には断面が少なくなるようにする
  • 汁ごと食べられるスープにする

などの工夫をするとよいでしょう。

ビタミン飲料は光にあてない

ビタミンB2は「光にあてると分解する」という性質があり、牛乳の場合、直射日光に2時間当てるとビタミンB2が85%も壊れてしまうことが知られています。

牛乳を2時間直射日光にあてる状況はそうそうないかもしれませんが、ビタミンB2を配合した飲料類では比較的起こりやすい状況なので注意が必要です。

遮光できる色付きのビンに入ったものでは心配は少ないですが、コップに移したりして放置すると、せっかくのビタミンB2が壊れてしまう可能性があります。

ダイエット中は不足に注意

ビタミンB2は脂質のエネルギー代謝に特に必要な栄養素です。
ビタミンB2が不足すると脂質がエネルギーとして十分に消費されないため、ダイエット中で体脂肪を減らしたい人にとっては、ビタミンB2は積極的に摂取したい栄養素です。

ビタミンB2を多く含む食品を積極的にとることをおすすめします。
野菜類やきのこなど、ビタミンB2の含有量のわりに摂取エネルギーが少ない食品を選べるとより効果的です。

まとめ

ビタミンB2は脂質をはじめとする3大栄養素のエネルギー代謝やたんぱく質の合成にかかわり、健康維持のために摂取する必要のある必須栄養素のひとつです。

ビタミンB2の主な摂取源となる食べ物には

  • 乳類(牛乳、乳製品)
  • 肉類(各種レバー、内臓肉)
  • たまご類
  • 魚介類(かに、魚卵、貝類など)
  • 野菜類(緑の葉物野菜)
  • 納豆、アーモンド、ひらたけ

などが挙げられます。
より効率的にビタミンB2を摂取するためには、

  • 水に溶けださないよう切り口は少なくし、茹でこぼしを避ける
  • スープなどで汁ごと食べる
  • 光にあてない

といったポイントがありますので、料理をするときには意識してみてくださいね。

ビタミンB2はサプリメントやビタミン飲料にも含まれますが、ビタミンB2以外の栄養素の不足や過剰摂取を防ぎ、将来にわたって健康状態を維持するためには、いろいろな食品をまんべんなくとる「バランスの取れた食事」が重要です。

バランスの取れた食事について詳しく解説した記事はこちら→健康やダイエットに!バランスのよい食事のコツ|管理栄養士執筆

参考文献

厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会」 報告書

厚生労働省:「国民健康・栄養調査」

文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

吉田勉 監修. わかりやすい食品機能栄養学. 三共出版, 2010.

上西一弘. 食品成分最新ガイド 栄養素の通になる 第5版. 女子栄養大学出版部, 2022.8

平井 しおり管理栄養士
平井 しおり管理栄養士

2013年に管理栄養士資格取得後、保育施設に勤務、栄養相談などに従事。

現在は「イマカラ」にて、栄養とダイエットに関する科学的根拠に基づいた情報を発信しています。