投稿日: 2022.06.10 | 最終更新日: 2023.08.17

プロテインでダイエットできる?痩せるためにおすすめの置き換え方法

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プロテインはトレーニング中の人だけでなく、ダイエット中の人にも人気ですが、ダイエットに役立つ特徴があるのでしょうか?
ダイエットの観点から見た時のプロテインの利点とダイエットにプロテインを活かす方法をまとめました。

プロテインとは?

そもそも、プロテインとは何のための食品なのでしょうか?
プロテインの基本的な成り立ちと取り入れる目的を整理します。

たんぱく質に特化したサプリメントの一種

プロテインとは英語で「たんぱく質」を指す言葉です。
一般に「プロテイン」というと、たんぱく質に特化したサプリメント様の食品を指します。

含有成分は商品によっても様々ですが、たんぱく質を中心に、糖質や各種ビタミン・ミネラルのほか、トレーニングなどによいとされる機能性成分が添加されている場合もあります。

プロテインサプリメントの目的

プロテインは基本的に、たんぱく質の効率的な摂取を目的としたサプリメントです。

運動やトレーニングによる消費エネルギーの増加に伴ってたんぱく質の摂取必要量が増加した場合や、筋量を増やすために筋肉の材料となるたんぱく質を通常より多く摂取したい場合に活用されます。

プロテインを取り入れる目的について詳しく解説した記事はこちら

プロテインでダイエットできる?

プロテインはたんぱく質を効率的に摂取することに適したサプリメントですが、ダイエット中の人で取り入れているという人も少なくありません。
プロテインはダイエットにも効果的な食品なのでしょうか?

プロテインをダイエットに取り入れるメリットはある?

ダイエットは体についた余分な体脂肪を減らすものです。
体脂肪を減らすためには、日常生活や運動で消費するエネルギー(カロリー)を、食事から摂取するエネルギー(カロリー)よりも小さくすることで体脂肪をエネルギー源として消費する必要があります。

食べ物や食品成分について、ダイエットに効果があるといえるのは

  • 摂取することで(摂取したエネルギー以上に)消費エネルギーを増やすことができる
  • 摂取することで摂取エネルギーを抑えることができる

いずれかの効果があるものと考えることができます。

プロテインサプリメントの主成分はたんぱく質ですが、たんぱく質にもエネルギー(カロリー)はあり、また、摂取したエネルギー以上の消費エネルギーを増やすような、いわゆる痩身作用はありません。

一方で、プロテインはサプリメントであるため、製品によって含有する成分が細かく調整されている点が特徴です。
低カロリーを重要視した製品の場合、

  • 同じ量のたんぱく質を摂取する場合に通常の食品から摂取するよりもエネルギーが低く抑えることができる

という点が、ダイエットにプロテインを取り入れることのメリットといえます。

プロテインをダイエットに取り入れるデメリットはある?

プロテインはもともと体脂肪を減らすダイエットを目的とした食品ではありません。

また、たんぱく質はエネルギー源となる栄養素のひとつであり、プロテインに含まれるエネルギー(カロリー)は必ずしも低くありません。

製品の選び方を誤ったり、ダイエット中に適さないとり方をしたりすると摂取エネルギーを余分に増やすことにつながり、逆効果になることも予想されます。

加えて、たんぱく質はとればとるだけ健康的、というような栄養素ではありません。
たんぱく質の過剰摂取による健康への悪影響も心配されますので、適量範囲での活用が重要です。

プロテインのとりすぎによるたんぱく質の過剰摂取について詳しく解説した記事はこちら

ダイエットにプロテインを使うならどう使う?量やタイミング

もともとはたんぱく質の効率的な摂取のためのサプリメントであるプロテインを、ダイエット目的で利用するにはメリットとデメリットのどちらもあるようです。
ダイエットにおけるプロテインのメリットを活かすには、どのように使うのがよいのでしょうか?

足すのではなく置き換えが基本

プロテインそのものにもエネルギーはあるので、普段の食事に単に足すだけでは摂取エネルギーが増えてしまい、ダイエット効果は見込めません。

プロテインをダイエットに活用するには、普段の食事のどこかを減らして代わりにプロテインを取り入れる、置き換えて使い、結果として摂取エネルギーが低くなるようにするのが基本的な使い方になります。

脂質を伴うたんぱく源の代わりに

普段の食事の中でたんぱく質の摂取源となるのは、以下のような食品が中心です。

  • 肉類
  • 魚介類
  • たまご
  • 乳製品
  • 大豆製品

このうち、肉類と魚介類は

  • 部位によって脂質を多く含むものがある
  • 料理になる際に、揚げ物など油脂を多く含む調理法も多い

という特徴があり、たんぱく質の摂取に伴って脂質の摂取量も増えがちです。

脂質自体はたんぱく質と同じ必須栄養素でありエネルギー源になる栄養素のひとつですが、1gあたりのエネルギーが9kcalと、たんぱく質や炭水化物に比べて多いのが特徴です。

現代の食事では脂質が不足することはあまりなく、とりすぎによる摂取エネルギーの上乗せが気になる栄養素ですので、ダイエット中には摂取量を低めに抑えることが勧められます。

プロテインは製品によってその成分量が調整されているため、同じ量のたんぱく質を摂る場合に、通常の食材や料理からたんぱく質をとるよりも付随する脂質が少なく済む場合があります。

【表】同量のたんぱく質を摂取するときの脂質及びエネルギーの比較

たんぱく質 重量 脂質 エネルギー
豚ロース肉(脂身付き) 16.0g 83g 15.9g 206kcal
鶏むね肉(皮なし) 16.0g 68.5g 1.3g 72kcal
プロテイン(一例) 16.0g 21g(粉末) 1.0g 77kcal

文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2020年版(八訂)」およびプロテイン商品情報より作成

上記の表ではプロテインよりも皮なしの鶏むね肉のほうがよりエネルギーが低くなっていますが、調理油やドレッシングなどの味付けで油脂等のエネルギーが付加されることを考慮すると、プロテインのほうが摂取エネルギーを抑えられる可能性が高いと考えることができます。

1日の食事のうち、例えば昼食はメインのおかずを省略してプロテインに置き換える、などの方法で、たんぱく質の摂取量は変えることなく摂取エネルギーを抑えることにつながるかもしれません。

今までの間食の代わりに

製品によっても差がありますが、プロテインは1食(200~250ml)あたり70~150kcal程度のものが一般的です。

今までの食生活でお菓子や嗜好飲料類をとることが多く、毎日200kcalを超えるような間食をとっていた場合には、間食をなくしプロテインに置き換えることで、摂取エネルギーを低く抑えることができるかもしれません。

プロテインを活用したダイエット中に気を付けたいこと

プロテインとダイエットのイメージ

プロテインをダイエットに取り入れるにあたって気を付けたいのは、やはり「プロテインはそもそも痩せるために作られている製品ではない」ということです。

たんぱく質の摂取源としてみればエネルギーは低いものの、飲み物としてみれば100mlあたり少なくとも30~40kcalはあり、これはコーラなどの清涼飲料水と同じレベルであり、飲み物としてはエネルギーの低い部類とは言えません。

また、飲み物であるために咀嚼の必要がないため、同量のたんぱく質に相当する食品(肉、魚、たまご、乳製品、大豆製品)と比較して満足感が得られにくい可能性も考えられます。

プロテインをダイエットに活用するためには、何と置き換えて使うのか、置き換えて使うことによりどのくらい摂取エネルギーを抑えられるのかを意識しながら使う必要があるでしょう。

ダイエット中のプロテインの選び方

製品によってさまざまな特徴があるプロテイン。
ダイエット中の場合はどのようなことに気を付けて選ぶのがよいのでしょうか?

プロテインの中身は商品によってさまざま

プロテインはメーカーごと、製品ごとに配合されている成分の種類やバランスが異なります。
製品ラインナップは各社さまざまですが、目的ごとに大きく4つに分けて解説します。

標準タイプ

各社でスタンダードなものとしてたんぱく質を中心に脂質や糖質も一定量含まれています。
飲みやすさとたんぱく質量、エネルギーのバランスがとれているものが多いです。

高たんぱく質に特化したタイプ

1食あたりのたんぱく質の含有量が特に多く、たんぱく質の効率的な摂取に適しています。
そのため、糖質が少なく風味が飲みにくい場合もあるようです。

筋肉の回復に適したタイプ

筋肉のエネルギー回復のための糖質が比較的多く、たんぱく質の含有量は低めです。
糖質が多いため、たんぱく質の含有量に対してカロリーが高くなる傾向があります。

減量やシェイプアップに適したタイプ

筋量アップタイプと比較するとたんぱく質はあまり多くなく、中程度の含有量です。
脂質や糖質は比較的低く抑えられていることが多くなっています。

ダイエットに適したプロテイン商品とは

上で紹介したもののうち、ダイエットに取り入れるのであれば減量やシェイプアップに適したタイプか、高たんぱく質に特化したタイプをおすすめします。

たんぱく質以外の糖質、脂質が少なくなっており、たんぱく質量に対してのエネルギーを低く抑えることができます。

両タイプを比較して1食あたりのエネルギーは同程度である場合には、飲みやすさを考慮すると減量・シェイプアップに適したタイプが取り入れやすいものになりそうです。

栄養成分表示をチェックするのもおすすめ

プロテインをいくつかの種類に分けて解説しましたが、実際のプロテインの製品ラインナップはメーカーによって多岐にわたり、きっぱりと区別するのはなかなか難しくなっています。

ダイエット中のひとつの目安としては、プロテインの製品パッケージに表示されている栄養成分表示を確認し、1食あたりのたんぱく質の含有量に対してエネルギーが低くなっているものを選ぶとよいでしょう。

まとめ

プロテインはもともと、運動や筋力トレーニングを行っている人の筋量アップやパフォーマンス向上のためのたんぱく質の効率的な摂取に役立つサプリメントです。

プロテインそのものに痩せる効果はありませんが、普段の食事と一部置き換えて取り入れることで、必須栄養素であるたんぱく質の摂取量を維持しながら、摂取エネルギーを抑えることができます。

例えば、食事のうち、主菜(メインのおかず)と置き換えたり、間食と置き換えたりすることで、1日のトータルの摂取エネルギーを低くすることにつながるかもしれません。

一方で、プロテインの製品には様々なバリエーションがあり、ダイエットに活用できるものとそうでないものとが混在しています。

今までの自分の食生活を振り返り、食事のどの部分とプロテインを置き換えるとダイエットに効果的なのかを見極めてから取り入れることをおすすめします。

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置き換えダイエット5選

参考文献

文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

平井 しおり管理栄養士
平井 しおり管理栄養士

2013年に管理栄養士資格取得後、保育施設に勤務、栄養相談などに従事。

現在は「イマカラ」にて、栄養とダイエットに関する科学的根拠に基づいた情報を発信しています。