投稿日:2020.12.31 | 最終更新日:2023.08.16

夏休みのお昼ごはんはどうする?栄養バランスを整えるコツを紹介

プロの手で栄養バランスが考えられている「給食」のない休みの日は、栄養バランスが乱れやすいのをご存じでしょうか?
夏休みのような長期休みに栄養バランスを整えるためのポイントを解説します。
夏休みのランチに活用できる簡単・便利な栄養バランス向上のポイントも紹介します。

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給食のイメージ

夏休みは栄養バランスが乱れやすい

乳幼児や学童期は体が大きく成長していく時期であり、栄養バランスのとれた食事が重要な時期です。
保育園や学校で提供される給食は、その年代ごとに必要な栄養素の量などを考慮した、栄養バランスの取れたものとなっています。

しかし、夏休みのような長期休みの場合には、給食がないことで1日を通した食事の栄養バランスが乱れやすくなることが知られています。

給食のない日は食事摂取基準をクリアできない子どもが多い

日本の小中学生を対象に、給食のある日とない日を比較し、理想の栄養素摂取量等のバランス(食事摂取基準)を満たしている児童・生徒の割合を調べた調査があります。

この調査では、給食のある日に比べて、給食のない日のほうが「食事摂取基準をクリアできていない児童・生徒」が多かったことが報告されています。*1)

基準値から外れる栄養素には、「不足するもの」「とりすぎるもの」の両方が存在しています。

不足しやすい栄養素

不足しやすい栄養素としては、以下の栄養素が挙げられていました。

  • カルシウム
  • ビタミンC
  • カリウム
  • 食物繊維

このうち、カルシウム、鉄、ビタミンC、カリウムは必須栄養素であり、健康維持のために十分量を摂取する必要がある栄養素です。

特にカルシウムや鉄は、骨や血液の原料になるものでもあり、幼児期・学童期の体の成長に特に必要な栄養素です。

食物繊維は必須栄養素ではないものの、習慣的に十分な量を摂取することで各種生活習慣病の発症リスクを下げることが知られています。

取りすぎやすい栄養素

取りすぎやすい栄養素では、食塩(ナトリウム)が代表的です。

食塩はとりすぎると将来の高血圧リスクを高めるため、取りすぎないように気を付けたい栄養素です。

食塩は給食がある日でもとりすぎているため、夏休み以外でも減塩は心掛けたいポイントです。

夏休みのお昼ごはんで栄養バランスを整えるコツ

給食の牛乳

休みの日に不足しやすい栄養素・取りすぎやすい栄養素はそれぞれ統計としてみた時にはあるものの、個人ごとに詳しい食生活の内容は異なるため、「足りない栄養素はこれだ」と具体的に判断することは難しいといえます。

また、食事を見直すためには栄養素レベルではなく、食材として考えていくのが大事です。

それぞれの家庭で食べている内容は異なるため、全員に当てはまる改善策を提示することは不可能ですが、前述の調査結果をもとに、栄養バランスのとれた食事をしている児童・生徒とそうでない児童・生徒の食生活の違いから、栄養バランスの整った食事をとるポイントをまとめることはできそうです。

具体的には、

  • 副菜をとる
  • 牛乳・乳製品を平日と同じくらいとる
  • 薄味を意識する

といったポイントを意識することで、栄養バランスを整えやすくなります。

副菜をとる

食事を構成する料理は、その内容によっていくつかに分類することができます。

  • 主食(ごはん、パン、麺などの炭水化物源)
  • 主菜(肉、魚、卵、大豆製品などのたんぱく質源となるメインのおかず)
  • 副菜(野菜、きのこ、海藻などを中心としたサブのおかず)

給食では、この「主食+主菜+副菜」の組み合わせになっている場合が多く、このスタイルを真似することで栄養バランスを整えることにつながります。

前述の調査では、栄養バランスのとれた食事をしている児童・生徒は、そうでない児童・生徒と比較して、豆・野菜・果実・きのこ・海藻類の摂取量が多かったことが報告されています。
これらは食物繊維やカリウム、ビタミンCなどの栄養素の摂取源でもあり、食事の中では「副菜(野菜のおかず)」として食べることが多い食材です。

休みの日は丼物や麺類など、「主食+主菜」のメニューになりがちです。
このような場合に、野菜を中心とした「副菜」を取り入れた組み合わせにすることで、栄養バランスを改善することにつながります。

主食・主菜・副菜をそろえた食事と栄養バランスについて詳しく解説した記事はこちら

牛乳・乳製品をとる

カルシウムなどの栄養素の不足が心配される児童・生徒では、卵や乳製品の摂取量が少ないことが指摘されていました。

多くの保育園・学校の給食では、成長期に必要量が増えるカルシウムの摂取源のひとつとして牛乳をほぼ毎日提供しています。
給食がない日は牛乳を飲む量が減ってしまったことでカルシウムの摂取量が減ってしまった可能性が考えられます。

飲めば飲むほどいいという訳ではありませんが、家では牛乳を飲む習慣がないという場合には、休日も給食でとっているくらいの量の牛乳や乳製品がとれると、十分な量のカルシウム摂取につながります。

薄味を意識する

給食がない日こそ注意すべきものではありませんが、塩分を控えめにすることは栄養バランスのとれた食事にするための大事なポイントのひとつです。

  • 全体的に素材の味を活かした薄味にする
  • 塩気の強いメニューは少なめに抑える

無理のない範囲で減塩を心掛けられるとよいでしょう。

1日あたりの食塩摂取量について詳しく解説した記事はこちら

夏休みランチの栄養バランス改善に簡単便利なアイテムを紹介

栄養バランスのとれた食事をとることは子どもにも大人にも大事なことですが、その準備が負担になりすぎてしまうのもよくありません。

なるべくなら手作りを…と考えるのも愛情のひとつではありますが、無理をしてまですべて手作りで用意する必要は全くありません。

  • お惣菜
  • 冷凍野菜やカット野菜
  • 子供向け冷凍食品

…などを取り入れながら、無理なく食事のバランスを整えられると理想的です。

お惣菜

市販のお惣菜は種類も多く、手間のかかるおかずも手軽に取り入れられるため、副菜を増やすのにとても便利です。

  • 野菜類
  • きのこ類
  • 海藻類

といった不足しやすい食材をメインに使ったものを選ぶのがポイントです。

いつもの休日ランチに1品足してみてくださいね。

冷凍野菜・カット野菜

休日のお昼ごはんに便利な冷凍・インスタント・レトルト食品は野菜が不足しがちですが、下ごしらえが済んでいる冷凍野菜やカット野菜はこれらのメニューに野菜をプラスするのに最適です。

  • カップラーメンに冷凍ほうれんそうをプラス
  • インスタントラーメンと同時に鍋用カット野菜を煮込む
  • 冷凍パスタに冷凍洋風ミックス野菜をプラス
  • レトルトカレーに冷凍ミックスベジタブルをプラス

…といった風に、調理の負担は少なく、野菜の栄養をカバーすることができます。

冷凍野菜・カット野菜を栄養バランス向上に活用する方法について詳しく解説した記事はこちら

子供向け冷凍食品

冷凍食品・インスタント食品・レトルト食品・外食など、手間なく食べられる料理の多くは大人向けに作られているため、子どもたちには塩分が強すぎるといったことも少なくありません。

近年では子ども向けに塩分控えめで楽しく食べられるように開発された冷凍食品も数多く販売されていますので、ぜひ活用してみてくださいね。

まとめ

家で過ごす時間が長くなると気になる食事の栄養バランス。
給食の献立を参考に、副菜を足したり、乳製品を取り入れるのがよさそうです。

子どもたちの将来の健康のためにも、できることから気にかけてあげたいですね。

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参考文献

*1)Asakura K, Sasaki S. School lunches in Japan: their contribution to healthier nutrient intake among elementary and junior high school children. Public Health Nutr. 2017; 20(9): 1523-33.

社団法人日本栄養士会監修:「食事バランスガイド」を活用した栄養教育・食育実践マニュアル.第一出版,2011.

厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会」 報告書

平井 しおり管理栄養士
平井 しおり管理栄養士

2013年に管理栄養士資格取得後、保育施設に勤務、栄養相談などに従事。

現在は「イマカラ」にて、栄養とダイエットに関する科学的根拠に基づいた情報を発信しています。