投稿日:2021.03.01 | 最終更新日:2021.01.29

お餅やお刺身・生たまごは何歳から食べられる?|管理栄養士執筆

お餅や生ものなど、子どもにあげるのに迷う食材はいくつかありますよね。
いずれも進んで食べさせるものではありませんが、子どもが大人と同じものを欲しがることもあるため、悩むところではないでしょうか。

今回は、生ものとおもちについて、子どもにあげるにはなぜ注意が必要なのか、何歳から食べることができるのかを紹介します。

  • Facebook
  • Twitter
  • はてなブックマーク
生魚を使った料理

生ものに注意が必要なのはなぜ?

生魚や生卵といった生ものが子どもたちに気軽に食べさせることができない理由のひとつめは、加熱したものと比べると少なからず「食中毒のリスクがあるもの」であるため。

生卵はサルモネラ菌、生魚は腸炎ビブリオといった食中毒の原因となる細菌が付着している場合があります。
乳幼児は大人と比べて免疫など、体の抵抗力が弱いため、食中毒を起こしやすい、または食中毒を起こしたときに重症化しやすいことが危惧されます。

また、お刺身などの一部には、加熱調理されたものよりも噛みにくい、飲み込みにくいものもあり、噛む力、飲み込む力が未発達な乳幼児ではのどに詰まらせるなどのトラブルにつながります。

生ものを食べられる年齢や目安、注意点

生ものを安全に食べられる年齢などについて、明確に決められたガイドラインはありません。

早くても3歳ごろから、体調のいいときに新鮮なものを少しだけ…といったように、大人よりも気を付けてあげるようにしましょう。
のどに詰まらせる恐れのあるものは控えるか、よく噛んでから食べるように伝えてあげましょう。

また、生ものでは加熱したものよりもアレルギーの症状が強く出る場合があります。
生卵やえび・かになどは食物アレルギーを起こしやすい食品ですので、体質や体調を考慮して慎重にあげるようにしましょう。

お餅に注意が必要なのはなぜ?

一方、お餅が乳幼児に不向きなのは、「のどに詰まらせやすい食品」であるため。
粘りがあり噛み切りにくく、口の中の水分が少ないとスムーズに飲み込みにくくなることが特徴として挙げられます。

餅

おもちによる窒息…というと、高齢者が話題になることが多いですが、高齢者と同じように噛む・飲み込む力が弱い乳幼児も窒息のリスクが高くなります。

生もののような食中毒のリスクは少ないものの、急な事故につながりやすい食品といえるでしょう。

お餅を食べられる年齢や目安、注意点

お餅を安全に食べられる年齢についても、明確なガイドラインはありません。
早くとも3歳以降が一つの目安になりますが、おもちのような食品をしっかり噛んで飲み込める力がついているかが問題となるため、3歳以上でも注意が必要な食品です。

小さく切ったものを食べさせるなどのほか、汁物や飲み物と一緒に出して飲み込みやすい状態を作ってあげるのもいいでしょう。

また、食べる前に子ども自身とよく噛んで食べること、詰め込まないでゆっくり食べること、食べているときに立ったり、話したり、ふざけたりしないことなどを約束することも大切です。

食べているときは子どもから目を離さないようにして、異変があったらすぐに気づける状態にしておきましょう。

年齢や噛む・飲み込む力に不安がある場合には、お餅ではなく
・うるち米をつぶして作ったおもち風お団子
・小麦粉で作ったすいとん
・市販のもち代替品(介護食用)
などを活用するのも一つの方法です。

まとめ 子どもの発達や体調をよく見てあげるようにしましょう

生もの、お餅はともに「早くても3歳以降」までは食べさせるのは避けたほうがよさそうです。
とはいえ、3歳以降であればだれもが問題なく食べられるという訳ではない点に注意が必要です。

特に噛む力・飲み込む力の発達は個人差も多く、また、その日の体調によっても変わるため、慣れるまではよく観察してあげることが必要です。

子どもたちが安全に、楽しく食べ物の幅を広げていけるよう、しっかりサポートしてあげてくださいね。

参考文献

窒息事故の発生と原因食品についての調査報告

公益社団法人 日本小児科学会:「~食品による窒息 子どもを守るためにできること~」

平井 しおり管理栄養士
平井 しおり管理栄養士

2013年に管理栄養士資格取得後、保育施設に勤務、栄養相談などに従事。

現在は「イマカラ」にて、栄養とダイエットに関する科学的根拠に基づいた情報を発信しています。