
「嫌いな食べ物」になりやすい食べ物はどんなもの?
子どもの好き嫌いについてのアンケート調査はいくつもありますが、嫌いな食べ物の1位となるのはやはり野菜が大部分を占める印象です。
野菜を嫌う原因としては、
・食べにくい
・噛みにくい
・固い
・苦い
・味が嫌い
・嫌なにおいがする
などの理由が挙げられています。
子どもの味覚は大人よりも敏感であったり、物をかむ力が未熟だったりするために、大人と同じようには食べられないものも多いようですね。
好き嫌いは成長のための栄養素摂取に影響する?
好き嫌いがあると栄養バランスの乱れが心配になることはありませんか?
特定の食材ひとつが食べられなくても、子どもの成長に対して栄養的に問題となることはほとんどありません。
必須栄養素は多くの場合いろいろな種類の食品に含まれているため、ほかの食べられるものからとれていることが多いはずです。
特に野菜においては、成長に必要な栄養素の摂取源としての役割はあまり大きいものではないので、あまり焦らなくても大丈夫です。
どちらかというと、「なんでも食べられるおおらかさ」や「いろいろなものにチャレンジする気持ち」を育てるために、好き嫌いを克服できるのが理想的です。
子どもに食べたい!と思ってもらうためのポイント
好き嫌いを克服するためには、「無理やり食べさせる」のはNGです。
「食べてみようかな」「食べたいな」という気持ちを持ってもらうのが大事で、そのための手助けをしてあげるのがよいでしょう。
・食べやすくする
嫌いな食べ物とその理由では、固い、かみにくいなどの要因が挙げられていました。
子どもの口は小さく、かむ力も弱いため、大人は食べられるものでも食べにくいと感じることも。
なぜ嫌いなのか…を訊ねてみて、それに応じて小さめ・薄めにカットしたり、柔らかく火を通したりすることで、食べやすく調理してあげることで、苦手意識を減らすことができます。
・好きな料理に少し混ぜる
例えばピーマンが嫌いな子どもにとって、ピーマンの肉詰めやチンジャオロースのようなメニューよりも、子供に人気のミートソースに少しピーマンを加えたもののほうが食べやすいはず。
好きなものにつられて食べられたら、ピーマンも食べられたね、とほめてあげると達成感が得られます。
・気分を盛り上げる
食べるときの気持ちは食べる意欲に大きく影響します。
怒られながら食べるよりも、家族みんなで楽しい雰囲気で食べたり、かわいい・華やかな盛り付けの食事のほうが新しい食材にチャレンジする気持ちにつながります。
・食事の前に食材に触れる
買い物に行ったときに選び取る、調理の前に野菜を洗う、切ったり炒めたりといった調理に参加する…など、「自分がかかわった食材」は興味を持って食べてくれることが多くなります。
また、実物でなくても、食材をテーマにした絵本などを読むことによって興味がわくことも。
さらに余裕がある場合には、ご家庭で野菜を育ててみるのも方法のひとつです。
保育園などではこのような体験を食育プログラムとして取り入れていることも多く、子どもたちも張り切って参加してくれます。
どうしても食べない…。すぐに食べられなくても大丈夫です
あれこれ試してみてもどうしても嫌いなものは嫌い!という場合もあります。
解説した通り、特定の食品ひとつを避けていても栄養面でのリスクはさほど大きくないので、気長に待って問題ありません。
無理に食べさせる必要は全くないので、いつか「食べてみようかな」と思う日が来ることを期待して待つようにしましょう。
ただ、一切食卓に出さないようにしてしまうと「試しに食べてみる」という機会を失ってしまうので、たまには食卓に出して家族がおいしく食べている様子を見せてあげるのがよいでしょう。
まとめ
子どもの好き嫌いは大人の好き嫌いと異なり、今はまだ食べられないけど、成長したら食べられるようになる…といったことも多いものです。
無理になんでも食べる子どもにしつけるのではなく、楽しい・おいしい気持ちで食べられる食べ物を増やしていけるといいですね。
参考文献
厚生労働省:楽しく食べる子どもに~食からはじまる健やかガイド~「食を通じた子どもの健全育成のあり方に関する検討会」報告書