投稿日:2022.03.21 | 最終更新日:2023.08.08

幼児食とは?1歳・2歳の子どもの食事のポイントと注意点を紹介

離乳食が終わった後の子どもたちは少しずつ段々と大人と同じものを食べられるようになりますが、大人とは違い配慮が必要なところも。
子どもたちの食べる力と必要な栄養素に適した「子どもに合った食事」のポイントをまとめてみました。

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パンを食べる男の子

幼児食とは

幼児食とは文字通り「幼児のための食事」であり、離乳食と大人の食事の間に位置する食事の形です。

離乳食が終わったあとも、1~3歳、場合によっては5~6歳くらいまでは配慮が必要な時期であるため、この時期の子どもたちの食べる力や必要な栄養素に配慮した食を用意してあげることが望ましいでしょう。

離乳食の次の食事

幼児食は離乳食の次に位置する食事の形であり、幼児期に適した栄養・形態・味付けの食事です。

生まれたばかりの赤ちゃんはミルクや母乳しか飲みません。
その後、ミルク以外の食事に慣れていくのが離乳食です。

栄養素の大部分を食事からとれるようになると、「離乳の完了」とされますが、これは大人と同じものが食べられるということではありません。

離乳期を過ぎた後も、子どもたちはまだ食べる力が未発達であり、必要となる栄養素のバランスも大人とは異なります。
このような時期の子どもたちに適した食事が幼児食であり、幼児期の子どもたちが必要な栄養素を安全にとったり、健康的な味覚を形成したりするのに役立ちます。

幼児食はいつから食べる?

幼児食は、離乳が完了した後から始めます。

離乳の完了は12~18か月ごろが目安ですが、個人差もあるのであまり厳密に考えないようにしましょう。

今日から幼児食、ときっぱり分けるのではなく、離乳食と同様に少しずつ変化させていくとよいでしょう。

幼児食はいつまで食べる?

年齢やひとりひとりの食べる力によっても異なりますが、小学校入学前の6歳前後までが目安です。

しかし、成長に応じて食べる力は変わってくるため、離乳の完了以降ずっと同じものを食べるわけではありません。

小学校入学までに、徐々に大人の食事に近づけていくイメージで進めるのが良いでしょう。

幼児期(特に1.2歳児)の特徴

離乳食の完了以降の子どもの食事に関する特徴をまとめると、以下のようなものが挙げられます。

  • 咀嚼嚥下機能(食べる、飲み込む力)が未発達である
  • 体の大きさの割に必要とする栄養素量が多い
  • 味覚形成の時期である

それぞれについて以下で解説します。

噛む力・飲み込む力が未発達

2~3歳ごろまでの子どもたちは(個人差はありますが)歯が生えそろっていなかったり、口や舌を動かすのがまだ上手でないため、大人と比べて食べにくいものが多い時期です。

  • 固いもの
  • 歯でとらえにくいもの
  • 口の中でまとまりにくいもの
  • ぺらぺらと薄いもの

…などが食べにくいことが特徴です。

体格に対して栄養素が多く必要

子どもたちは体が小さく一度にたくさんは食べられませんが、その一方で体に必要な食事量は多いことが特徴です。
まず、体重当たりの基礎代謝が高いため、エネルギー(カロリー)は多く必要。
加えて、体を大きくするための栄養素(筋肉のもとになるたんぱく質や骨のもとになるカルシウムなど)が特に多く必要となる時期です。

  • エネルギー(カロリー)
  • たんぱく質
  • カルシウム
  • 鉄分

これらの栄養素を意識してとりたい時期といえます。

味覚形成の時期

母乳やミルクしか飲まなかった時期から離乳食を経て、いろいろな食材を知り、慣れていく時期です。
そのため、なるべくいろいろな食材の味を経験させたいですね。

また、大人になるにつれ自然と濃い味を好むようになるため、子どものころから大人向けの濃い味に慣れてしまうと、大人になってからより濃い味を求めるようになってしまい、塩分のとりすぎなどが心配されます。
塩分のとりすぎは高血圧などの生活習慣病のリスクにもなるため、小さいころから気を付けてあげましょう。

幼児食・子供の食事のポイント

牛乳を飲む女の子

では、具体的にはどのような点に気を付ければよいのでしょうか?

幼児食のポイントは、大きく3つの要素に分けられます。

  • 固さと飲み込みやすさ
  • 栄養バランスと量
  • 味付け

それぞれについて詳しく解説します。

固さと飲み込みやすさ

噛みやすく、飲み込みやすい食事を意識しましょう。

固いもの、噛みにくいもの、まとまりにくいものが食べにくいので、大人の食事と比較して柔らかめ、小さめにしてあげると食べやすくなります。
ぺらぺら、ぽろぽろ、ぱさぱさとまとまりにくいものは、スープのように水分と一緒に食べられるようにしたり、とろみをつけてあげるとよいでしょう。

栄養バランスと量

必要な栄養素をしっかり確保できる食事であることがポイントです。

個々の栄養素量を計ることは困難ですが、1日を通して、

  • 主食(ごはんやパンなど)
  • 主菜(肉・魚・卵などのおかず)
  • 副菜(野菜のおかず)
  • 果物
  • 乳製品

がまんべんなくとれると栄養素の不足リスクが小さくなります。

特に主食はエネルギー源として、主菜はたんぱく源として、乳製品はカルシウム源として重要です。

間食(おやつ)は食事のひとつとして、朝昼夕の3食でとりきれないものをとるのがおすすめです。
果物や乳製品を食べるタイミングにしやすいのではないでしょうか?
おやつがお菓子ばかりになってしまうと、エネルギーは取れますが必要な栄養素が十分にとれないこともあるので気を付けたいですね。

味付け

素材の味を活かして、味付けは大人の半分にしましょう。

食材そのものの味がよくわかるように、また、濃い味付けに慣れてしまわないよう、薄めの味付けを心掛けたい時期です。
3歳くらいまでは大人の半分の味付けで、それ以降は食べ進み具合に応じて徐々に大人の味付けに近づけてもよいかもしれません。(あえて濃い味にする必要はありません)

子どもが食べてはいけないもの・気を付けるもの

反対に、子どもに不向きな食べ物もいくつか紹介します。

具体的には、以下のようなものが挙げられます。

  • 誤嚥・窒息の危険性があるもの
  • 生のたまご・魚など

誤嚥・窒息の危険性があるもの

誤嚥とは、食べ物などが誤って気管に入ってしまうことで、気管支炎や肺炎の原因になることもあります。

誤嚥や窒息を起こしやすい食品としては、

  • お餅
  • ナッツ類
  • キャンディ
  • 丸ごとのミニトマト、ブドウ

などが挙げられます。
これらの食品は不用意に与えないように気を付けましょう。

また、これ以外にも、口に入る大きさで6~20㎜の大きさのもので、球状の滑りやすく歯でとらえにくいものはのどに詰まらせる危険が高いものといえるため

  • 小さく切ってあげる
  • 噛みやすいように調理で工夫をする

などの配慮が必要です。

生のたまご・魚など

生卵やお刺身など、日本には生で食べる文化がありますが、少なからず食中毒のリスクがあるものでもあります。
子どもは免疫などの体の抵抗力が弱いため、食中毒を起こしやすく、また、食中毒を起こした時に重症化しやすいことが心配な点です。

お刺身などの一部では加熱したものより噛みにくく飲み込みにくい場合もあるため、誤嚥や窒息の防止の意味でも、子どもにあげるのは避けたほうがよいでしょう。

まとめ

幼児期は特別なものを用意する必要はありませんが、配慮が必要な時期です。

赤ちゃんの頃と比べて大きくなったな、と思っても、子どもたちの体はまだまだ成長の途中です。
大人の食事と全く違う特別なものである必要はありませんが、からだや食べる力に合わせた食事になるよう、気にかけてあげるようにしたいですね。

誤嚥防止のために気を付けたい豆・ナッツについて詳しく解説した記事はこちら

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参考文献

社団法人日本栄養士会監修:「食事バランスガイド」を活用した栄養教育・食育実践マニュアル.第一出版,2011.

厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会」 報告書

政府広報オンライン:「えっ?そんな小さいもので?」子供の窒息事故を防ぐ!

平井 しおり管理栄養士
平井 しおり管理栄養士

2013年に管理栄養士資格取得後、保育施設に勤務、栄養相談などに従事。

現在は「イマカラ」にて、栄養とダイエットに関する科学的根拠に基づいた情報を発信しています。