2022.03.21

子どもに合った、食べやすい食事のポイントは?|管理栄養士執筆

離乳食が終わった後の子どもたちは少しずつ段々と大人と同じものを食べられるようになりますが、大人とは違い配慮が必要なところも。
子どもたちの食べる力と必要な栄養素に適した「子どもに合った食事」のポイントをまとめてみました。

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パンを食べる男の子

離乳食の次は、大人と同じ食事?

生まれたばかりの赤ちゃんはミルクや母乳しか飲みませんよね。
その後、ミルク以外の食事に慣れていくのが離乳食であり、離乳の完了は12~18か月ごろが目安です。
では、それ以降は大人と同じ食事でいいか…というとそうではなく、この時期の子どもたちの体の特徴にあった食事を用意してあげるのが望ましいでしょう。

離乳食を終えたこの時期の子どもたちに合った食事は、「幼児食」とも呼ばれ、子どもたちの食べる力や必要な栄養素に配慮した食事が適しています。

乳幼児期の特徴とは?

離乳食の完了以降の子どもの食事に関する特徴をまとめると、
・咀嚼嚥下機能(食べる、飲み込む力)が未発達である
・体の大きさの割に必要とする栄養素量が多い
・味覚形成の時期である
…ということが挙げられます。
それぞれについて以下で解説します。

■咀嚼嚥下機能が未発達である
2~3歳ごろまでの子どもたちは(個人差はありますが)歯が生えそろっていなかったり、口や舌を動かすのがまだ上手でないため、大人と比べて食べにくいものが多い時期です。
・固いもの
・歯でとらえにくいもの
・口の中でまとまりにくいもの
・ぺらぺらと薄いもの
…などが食べにくいことが特徴です。

■体の大きさの割に必要とする栄養素量が多い
子どもたちは体が小さく一度にたくさんは食べられませんが、その一方で体に必要な食事量は多いことが特徴です。
第一に体重当たりの基礎代謝が高いため、エネルギー(カロリー)は多く必要。
加えて、体を大きくするための栄養素(筋肉のもとになるたんぱく質や骨のもとになるカルシウムなど)が特に多く必要となる時期です。

■味覚形成の時期である
母乳やミルクしか飲まなかった時期から離乳食を経て、いろいろな食材を知り、慣れていく時期であるため、なるべくいろいろな食材の味を経験させたいですね。
また、大人になるにつれ自然と濃い味を好むようになるため、子どものころから大人向けの濃い味に慣れてしまうと、大人になってからより濃い味を求めるようになってしまい、塩分のとりすぎなどが心配されます。
塩分のとりすぎは高血圧などの生活習慣病のリスクにもなるため、小さいころから気を付けてあげたいですね。

どんな食事が子どもに合った食事?

では、具体的にはどのような点に気を付ければよいのでしょうか?

■噛みやすく、飲み込みやすい食事
固いもの、噛みにくいもの、まとまりにくいものが食べにくいので、大人の食事と比較して柔らかめ、小さめにしてあげると食べやすくなります。
ぺらぺら、ぽろぽろ、ぱさぱさとまとまりにくいものは、スープのように水分と一緒に食べられるようにしたり、とろみをつけてあげるとよいでしょう。

■必要な栄養素をしっかり確保できる食事
1日を通して、主食(ごはんやパンなど)・主菜(肉・魚・卵などのおかず)・副菜(野菜のおかず)・果物・乳製品がまんべんなくとれると栄養素の不足リスクが小さくなります。
特に主食はエネルギー源として、主菜はたんぱく源として、乳製品はカルシウム源として重要です。
間食は食事のひとつとして、朝昼夕の3食でとりきれないものをとるのがおすすめです。
果物や乳製品を食べるタイミングにしやすいのではないでしょうか?
お菓子ばかりになってしまうと、エネルギーは取れますが必要な栄養素が十分にとれないこともあるので気を付けたいですね。

牛乳を飲む女の子

■素材の味を活かして、味付けは大人の半分で
食材そのものの味がよくわかるように、また、濃い味付けに慣れてしまわないよう、薄めの味付けを心掛けたい時期です。
3歳くらいまでは大人の半分の味付けで、それ以降は食べ進み具合に応じて徐々に大人の味付けに近づけてもよいかもしれません。(あえて濃い味にする必要はありません)

子どもの食事で避けたいものは?

反対に、子どもに不向きな食べ物もいくつか紹介します。

■誤嚥や窒息を起こしやすいもの
誤嚥とは、食べ物などが誤って気管に入ってしまうことで、気管支炎や肺炎の原因になることもあります。
誤嚥や窒息を起こしやすい食品としては、お餅やナッツ類、キャンディなどが挙げられます。
これ以外にも、口に入る大きさで6~20㎜の大きさのもので、球状の滑りやすく歯でとらえにくいものはのどに詰まらせる危険が高いものといえるため、小さく切ってあげたり、噛みやすいように調理で工夫をするなどの配慮が必要です。

■生もの
生卵やお刺身など、日本には生で食べる文化がありますが、少なからず食中毒のリスクがあるものでもあります。
子どもは免疫などの体の抵抗力が弱いため、食中毒を起こしやすく、また、食中毒を起こした時に重症化しやすいことが心配な点です。

お刺身などの一部では加熱したものより噛みにくく飲み込みにくい場合もあるため、誤嚥や窒息の防止の意味でも、子どもにあげるのは避けたほうがよいでしょう。

まとめ 特別なものを用意する必要はありませんが、配慮してあげましょう

赤ちゃんの頃と比べて大きくなったな、と思っても、子どもたちの体はまだまだ成長の途中です。
大人の食事と全く違う特別なものである必要はありませんが、からだや食べる力に合わせた食事になるよう、気にかけてあげるようにしたいですね。

参考文献

社団法人日本栄養士会監修:「食事バランスガイド」を活用した栄養教育・食育実践マニュアル.第一出版,2011.

厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会」 報告書

政府広報オンライン:「えっ?そんな小さいもので?」子供の窒息事故を防ぐ!

平井 しおり管理栄養士
平井 しおり管理栄養士

2013年に管理栄養士資格取得後、保育施設に勤務、栄養相談などに従事。

現在は「イマカラ」にて、栄養とダイエットに関する科学的根拠に基づいた情報を発信しています。