
子どもは窒息リスクが高い!
令和3年1月、消費者庁より「5歳以下の子どもには硬い豆やナッツ類等は5歳以下の子どもには食べさせないで」という注意喚起が発表されました。
平成26年度から令和元年までの6年間で、食べ物が誤って気管に入って窒息したことにより14歳以下の子供が80名死亡し、そのうち9割の73名が5歳以下であったそうです。
子供は歯が生えそろっていないなどの要因から、大人に比べてかみ砕く力、飲み込む力が十分に発達していません。
そのため、豆・ナッツ類に限らず誤嚥(食べ物などが気管に入ってしまうこと)や窒息のリスクが高い年代といえますので、リスクの高い食品は避ける、または窒息しないような配慮をする必要があります。
誤嚥・窒息に注意が必要な食品とは?
消費者庁の注意喚起では、事故につながりやすい食品として硬い豆やナッツ類、ぶどうやミニトマトなどの食品が挙げられていました。
それぞれどんな点が危険で、どのような配慮をすべきなのでしょうか?
■硬い豆・ナッツ類
乾燥していて軽いため、飲み込む準備ができていないときや息を吸ったときにのどへ移動して喉に詰まることがあります。
小さく砕いた場合でも気管に入って気管支炎や肺炎の原因になることもあり、大きさにかかわらず5歳以下の子どもには食べさせないようにしたい食品です。
煮豆などの柔らかい豆料理の場合、硬い豆よりはかみ砕きやすい一方で、そのまま飲み込んだ場合には同じように窒息のリスクがあります。
そのまま飲み込むことの無いよう、軽くつぶしてあげるなどのサポートが必要かもしれませんね。
■ミニトマト・ブドウなど球状の食品
子どもの口の大きさは年齢によっても異なりますが、3歳児でおよそ4cmといわれています。
口に入る大きさのものはどれも誤嚥や窒息の原因になりうるとされていますが、6~20㎜の大きさのものはのどに詰まらせやすいそうです。
ミニトマトやブドウ、うずらの卵、サクランボのような球状の食品は歯でとらえにくく、滑りやすいためにのどに詰まりやすい食品です。
大きさを小さくし、球状でなくするために4~8等分にカットする、噛みやすいように調理して柔らかくするなどの配慮が必要です。
食べ物だけでなく「食べ方」にも注意
誤嚥や窒息事故では、食べ物そのものの詰まりやすさだけでなく、「危険な食べ方」も事故の原因となります。
食べ物を口に入れたまま笑ったり、しゃべったり、声を出したり、寝転んだりすると息を吸い込むときにのどに詰まる・気管に入る危険性が高まります。
5歳以下はもちろんのこと、それ以降の年齢でも、食べ方には注意が必要です。
食べるときはしっかりと座り、食べることに集中するように約束するのもひとつの対処法となります。
節分などのイベントでは…
節分の豆まきなどのイベントでは、小さい子どもが煎り大豆(福豆)などの固い豆類をさわる機会となり、事故が起こりやすくなります。
5歳以下の子どもたちが参加する豆まきでは、豆ではなく豆に見立てた丸めた紙を投げるようにしたり、個包装された小袋タイプを活用したりするなどの工夫が必要です。
食べずに豆をまくだけにするという方法もありますが、子どもが拾って食べてしまうことも考えられますので、この場合でもまいた後は後片付けをしっかり行うようにしましょう。
季節の行事は楽しいものですが、つらい事故につながらないよう、十分に配慮をしてあげたいですね。
まとめ 食べ物の状態と子どもの状態、どちらも気を付けたい
普段の食事は上手に食べられていても、いつもと違う雰囲気で食べるイベントの食事では不意の事故が起こりやすくなってしまいます。
食べ物の大きさや形状への配慮はもちろん、子ども自身が落ち着いて食べられる状態かも気にしてあげる必要がありそうです。