ナッツ類は何歳から食べていい?
豆・ナッツ類を食べて良い年齢は、その食品の形状によって異なります。
- 乾燥状態
- ペースト状・粉末状
それぞれの食べて良い年齢について、理由も併せて詳しく解説します。
乾燥状態は6歳以降から
煎り大豆や丸ごとのナッツ類は誤嚥や窒息の恐れがあるため、5歳までは食べさせないようにしましょう。
具体的な食品の例としては、以下のようなものが挙げられます。
■5歳までは食べさせない豆・ナッツ類の例
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- 6歳以降も慣れるまでは大人が見守り、落ち着いた状態でよく噛んで食べるよう声をかけるようにしましょう。
ペースト状・混ぜ込んだものは1歳前後から
豆・ナッツ類であっても、誤嚥や窒息の心配のない、ペーストや粉末の場合であれば5歳よりも前に食べることが可能です。
離乳食開始以降、食べられる食材を増やしていく過程で、食材のひとつとして取り入れても良いでしょう。
具体的な年齢の基準などはありませんが、1歳前後以降が安心かもしれません。
ペースト状・粉末状の豆・ナッツ加工品は以下のようなものがあります。
■大豆の加工品
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■ナッツ類の加工品
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豆腐は離乳食でも定番の食材ですので、初期からでも食べさせることができます。そのほかのきな粉などは中期以降に試してみましょう。
ナッツ類に関しては離乳食がある程度進んだ1歳前後であれば、あまり心配せずに与えられるのではないでしょうか。
ただし、ピーナッツバターやアーモンドプードルを使った食事は甘いお菓子に近いものが多いので、味覚形成の観点から見た場合には、積極的にあげる必要はありません。
また、大豆やナッツ類はアレルギーの原因物質になることもあるため、食物アレルギーの心配がある場合には、主治医等に確認してから少量ずつ試すのが良いでしょう。
ナッツ類による誤嚥・窒息に注意が必要な理由とは
ナッツ類は乾燥していて軽いために、息を吸った際に一緒に気管に入ってしまい、誤嚥や窒息を起こす恐れがあるためです。
子供は歯が生えそろっていないなどの要因から、大人に比べてかみ砕く力、飲み込む力が十分に発達していません。
そのため、豆・ナッツ類に限らず誤嚥(食べ物などが気管に入ってしまうこと)や窒息のリスクが高い年代といえますので、リスクの高い食品は避ける、または窒息しないような配慮をする必要があります。
豆・ナッツ類の特徴
煎り豆やナッツ類は乾燥していて軽いため、飲み込む準備ができていないときや息を吸ったときにのどへ移動して喉に詰まることがあります。
小さく砕いた場合でも気管に入って気管支炎や肺炎の原因になることもあり、大きさにかかわらず5歳以下の子どもには食べさせないようにしたい食品です。
煮豆などの柔らかい豆料理の場合、硬い豆よりはかみ砕きやすい一方で、そのまま飲み込んだ場合には同じように窒息のリスクがあります。
そのまま飲み込むことの無いよう、軽くつぶしてあげるなどのサポートが必要かもしれませんね。
事故報告と消費者庁からの注意喚起
令和3年1月、消費者庁より「5歳以下の子どもには硬い豆やナッツ類等は5歳以下の子どもには食べさせないで」という注意喚起が発表されました。
平成26年度から令和元年までの6年間で、食べ物が誤って気管に入って窒息したことにより14歳以下の子供が80名死亡し、そのうち9割の73名が5歳以下であったそうです。
食事が不幸な事故につながらないよう、気を付けてあげたいですね。
ナッツ類以外の窒息に注意が必要な食品
消費者庁の注意喚起では、事故につながりやすい食品として硬い豆やナッツ類以外の食品が挙げられていました。
窒息や誤嚥の原因となる食品についてまとめます。
ミニトマト・ぶどうなど
子どもの口の大きさは年齢によっても異なりますが、3歳児でおよそ4cmといわれています。
口に入る大きさのものはどれも誤嚥や窒息の原因になりうるとされていますが、6~20㎜の大きさのものはのどに詰まらせやすいそうです。
特に、つるっとした球状のものは、粒のままだと窒息につながりやすい食品です。
- ミニトマト
- ブドウ
- さくらんぼ
- うずらの卵
- 球状のチーズ
もち類
お餅のように粘着性のある食品は飲み込みづらく、窒息しやすい特徴があります。
お餅のほか、類似の食品にも注意しましょう。
- お餅
- 白玉だんご
- お団子
- わらび餅
お菓子類
飴やカップ入りのゼリー、マシュマロなども窒息事故が報告されている食品です。
6~20㎜の大きさのものはのどに詰まらせやすい一方、この大きさのお菓子類は多くなっているため、注意が必要です。
- 飴玉
- ラムネ
- カップゼリー
- マシュマロ
- グミ
誤嚥・窒息しやすい食品を食べるときの注意点
のどに詰まりやすい食品は一切食べない、というのはなかなか難しく、厳密に管理しすぎても食事の幅を狭めることになってしまいます。
普段の食事をなるべく安全なものにするための注意点を紹介します。
誤嚥しにくい形状にする
ミニトマトやブドウ、うずらの卵、サクランボのような球状の食品は歯でとらえにくく、滑りやすいことが知られています。
ゼリーなどは製品によって弾力が強いため、噛みにくくのどに詰まらせる恐れがあります。
- 球状でなくするために4~8等分にカットする
- 噛みやすいように調理して柔らかくし、つぶす
- ゼリーは崩してからスプーンで与える
などの配慮を行うことで、比較的安全に食べることができます。
水分をとる
口の中に水分が少ないことでお餅、パンなどの食品が詰まりやすくなる場合があります。
喉を湿らせることで、うまく飲み込みやすくなりますので、食事中はこまめに水分を取りましょう。
落ち着いた状態で食べる
誤嚥や窒息事故では、食べ物そのものの詰まりやすさだけでなく、「危険な食べ方」も事故の原因となります。
食べ物を口に入れたまま笑ったり、しゃべったり、声を出したり、寝転んだりすると息を吸い込むときにのどに詰まる・気管に入る危険性が高まります。
5歳以下はもちろんのこと、それ以降の年齢でも、食べ方には注意が必要です。
食べるときはしっかりと座り、食べることに集中するように約束するのもひとつの対処法となります。
イベントは代替品を使用する
節分の豆まきなどのイベントでは、小さい子どもが煎り大豆(福豆)などの固い豆類をさわる機会となり、事故が起こりやすくなります。
5歳以下の子どもたちが参加する豆まきでは、豆ではなく豆に見立てた丸めた紙を投げるようにしたり、個包装された小袋タイプを活用したりするなどの工夫が必要です。
食べずに豆をまくだけにするという方法もありますが、子どもが拾って食べてしまうことも考えられますので、この場合でもまいた後は後片付けをしっかり行うようにしましょう。
季節の行事は楽しいものですが、つらい事故につながらないよう、十分に配慮をしてあげたいですね。
まとめ
普段の食事は上手に食べられていても、いつもと違う雰囲気で食べるイベントの食事では不意の事故が起こりやすくなってしまいます。
食べ物の大きさや形状への配慮はもちろん、子ども自身が落ち着いて食べられる状態かも気にしてあげる必要がありそうです。
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参考文献
消費者庁:「食品による子どもの窒息・誤嚥事故に注意!」(令和3年)