
チョコレートが乳幼児に不向きな理由
乳幼児期は必要な栄養素量・食事量に対して体が小さく、1日3回の食事+間食で必要な栄養素を摂取しています。
そのため、乳幼児期のおやつ(間食)は大人のおやつ(間食)とは異なり、楽しみとしてだけではなく、食事の一部として必要な栄養素が取れることが求められます。
幼児期にとりたい栄養素の摂取源としての間食…に対してチョコレートは「お菓子」に分類され、あくまで「嗜好品」であり、幼児期に摂取したい栄養素の摂取源としてはあまり役立ちません。
さらに、砂糖や脂質を多く含み、少量でも高カロリー(ミルクチョコレート:551kcal/100g)であるため、食べすぎは肥満につながる恐れも。
また、味覚を作る時期にチョコレートの濃い味に慣れてしまうこともあまり望ましいこととは言えません。
チョコレートには子どもの体に悪いものが含まれている…ということはありませんが、乳幼児期にすすんで食べさせるものではないことは確かです。
明確な線引きはないけど、チョコそのものは3歳以降がベター
とはいえ、チョコレートを食べさせていい年齢などについて、明確な線引きができるガイドラインのようなものはありません。
あえて線引きをするとすれば、離乳食を終えてしばらくたち、大人の食事に近いものを食べられるようになってくる3歳以降をひとつの目安にすることができるのではないでしょうか。
とはいえ、乳が含まれることが多いためアレルギーがある場合には注意が必要ですが、そうでなければ基本的には窒息のような事故や、体調不良につながるような食品ではないため、意図せず早い時期に食べてしまった場合でも、さほど心配をする必要はありません。
(チョコレート菓子の中にはコーティング等によりのどに詰まりやすい形状のものもあるため、個別に注意が必要です)
食べたがる場合は「ココア風味」なら安心かも
板チョコのようなチョコレートそのものはなるべく避けたいですが、「チョコレート風味のなにか」「ココア味のなにか」のような、ココア成分が少なく甘味が優しいものであれば、3歳以前でも食べて問題ありません。
具体的には、ほんのりチョコレート色がついたような、ココアパウダーを少量混ぜ込んだ蒸しパンやホットケーキなどは離乳食の終わったころから食べても問題ありません。
市販の乳幼児向けお菓子のほか、手作りであればチョコレート(ココアパウダー)や砂糖の量を調節できるのでより安心ですね。
チョコ風味、ココア風味の次に心配が少ないのは、チョコチップやトッピング程度のチョコレートが使用されたもの。
全体に対してのチョコレートの量が少ないため、食べたがるけどまだあまりあげたくない…というときの妥協案になるのではないでしょうか。
まとめ 子どもの気持ちにも配慮しながら柔軟に
子どもとチョコレートに関しては、周りの大人やきょうだい、お友達が食べているのを見て食べたがる…といったパターンが多いのではないでしょうか。
栄養の面では食べさせる必要性はないため、欲しがらないのであれば特にあげる必要はありませんが、あまり神経質に「絶対に食べてはいけないもの」としてしまうのも望ましくありません。
食べたいのに自分だけ食べさせてもらえない、となると、かえって食べられる年齢になったときにチョコレート(または菓子類)に対しての執着が強くなったり…といったことも考えられます。
ほんのりチョコ風味のものを取り入れたり、食べる量を決める、食べた後はしっかり歯磨きをする…など、ルールやお約束を取り入れながら、柔軟に対応するのがよいのではないでしょうか。