もしかしてメタボ? セルフチェック

もしかしてメタボ? セルフチェック

日頃の生活習慣が原因となるメタボリックシンドロームや生活習慣病。
今現在の身体状況や生活習慣がリスクの高い状態か、チェックしてみてはいかがでしょうか?

チェックするのは、

  • 腹囲による内臓脂肪蓄積
  • 直近の健康診断結果(あれば)
  • 生活習慣

の3つです。

腹囲から、内臓脂肪の蓄積量をチェックしてみよう

測り方

まず、軽く息を吐いた状態で、まっすぐ立ちます。
へその高さでメジャーなどをあて、1周分の長さを測定します。

もし、お腹周りの脂肪によってへその位置が下がってしまっている場合には、わき腹を触ってみて、肋骨の下と骨盤の出っ張ったところの中間点で測ります。

腹囲の測定

補足:洋服のウエストサイズとは異なりますので、注意しましょう。

85cm、90cm以上→内臓脂肪蓄積の可能性?

腹囲は何cmだったでしょうか?
メタボリックシンドロームのリスクとなる内臓脂肪の蓄積が心配されるのは、

男性の場合:85㎝以上
女性の場合:90㎝以上

となっています。

この腹囲の数値は、男女ともに内臓脂肪面積100㎠に相当します。
内臓脂肪面積が100㎠を超すと、高血圧・脂質代謝異常・高血糖といった動脈硬化性疾患のリスクを複数もつことが多くなることがわかっています。

BMIから計測する場合

「メタボリックシンドローム」の診断では腹囲の測定が必須ですが、特定健康診査・特定保健指導では、腹囲だけでなくBMIも基準値のひとつとして採用しています。

BMIは、身長と体重から肥満度を算出する方法です。

BMI=体重(㎏)÷身長(m)2
18.5未満:やせ
18.5以上25未満:普通体重
25以上:肥満

腹囲は基準値を下回っていた場合でも、BMIが25以上の肥満に該当する人は、注意が必要です。
内臓脂肪型肥満が疑われる、腹囲が基準値以上の場合よりもリスクの度合いは低いと考えられますが、BMI25以上に加えて高血圧・脂質代謝異常・高血糖に当てはまる場合には、健康リスクが高いとして、特定保健指導の対象となります。

健康診断結果から、検査値を見てみよう

もし、直近の健康診断の結果が手元にあるのであれば、その時の自分の数値をチェックしてみてもいいかもしれません。

血圧・脂質代謝・糖質代謝の異常の有無をチェック

特定健診・特定保健指導では、血圧・血糖値・血中脂質の数値を確認します。
生活習慣病リスクが高いとされる数値は、

血圧

収縮期血圧(上の血圧)130㎜Hg以上
または
拡張期血圧(下の血圧)85㎜Hg以上

血糖値

空腹時血糖(やむを得ない場合は随時血糖)100㎎/dL以上
または
HbA1c(NGSP値)5.6%以上

血中脂質

中性脂肪150㎎/dL以上
または
HDLコレステロール40㎎/dL未満

となっています。

メタボリックシンドロームの診断基準とは一部異なる点もありますが、腹囲またはBMIが基準値を上に加え、かつ血圧・血糖値・血中脂質のうち2つが高リスクに該当した場合は、メタボリックシンドロームに相当する状態であると考えられます。

また、特定健診・特定保健指導では、腹囲またはBMIに加えて1つ以上のリスクがあった場合には、特定保健指導の対象となります。

生活習慣のセルフチェック

メタボリックシンドロームとつながる様々な病気は「生活習慣病」の名の通り、日頃の生活スタイルが発症や予防に強く関係しています。

生活習慣病やメタボリックシンドロームのリスクを高くする生活習慣について、チェックしてみましょう。

生活習慣病・メタボリックシンドロームのリスクを高める生活習慣は?

現在、たばこを習慣的に吸っている。

解説

喫煙の習慣は、動脈硬化を進行させ、糖尿病・脂質異常症との関連が示されており、脳卒中・虚血性心疾患の死亡リスクを吸わない人と比較して1.5倍~4.2倍に高めます。
メタボリックシンドロームと重なった場合には、さらに動脈硬化を進め、脳梗塞や心筋梗塞のリスクを4~5倍にまで高めることがわかっています。

20歳の時の体重から、10㎏以上増加している。

解説

現在の体重とは別に、体重の増加量が多いほど糖尿病・高血圧・脂質異常症になりやすいことが示されています。
現在のBMIが普通体重でも、20歳時から10㎏以上増加している人は、5㎏以上の増加の人と比較して、冠動脈疾患(心筋梗塞など)の発症リスクが2.1倍との報告があります。

軽く汗をかく運動を行う頻度が週2回以下である。
また、日常でも座って過ごすことが多く、歩行と同程度以上の体を動かす時間が1日1時間未満である。

解説

運動をしないことそのものが疾病リスクになるわけではありませんが、歩行と同程度以上の運動の量は、生活習慣病等と反比例することが示されており、運動する人のほうが生活習慣病のリスクは低くなると考えることができます。

人と比較して食べる速度が速い

解説

食べる速さとBMIには関連があり、やせ・普通体重の人と比較して、肥満の人では食べる速度が速い人が多いことがわかっています。
また、食べる速度が速い人は、遅い人と比較して肥満・糖尿病発症のリスクが約2倍ほど高く、毎日の食事のとり方も将来の健康にかかわっていることがわかります。

朝昼夕の3食以外に間食や甘い飲み物を摂取する

解説

肥満の人では夕食後の間食をする割合が多く、肥満の一因となっていることが考えられます。
世界的にも、肥満などを減らす目的で砂糖類をとりすぎないようにしよう…という傾向が広まっています。

朝食を抜くことが週3回以上ある。

解説

朝食を抜くことそのものよりも、朝食を抜きがちな生活スタイルが問題となることが多いようです。(喫煙・飲酒が多く、運動習慣が少ない傾向)
朝食を毎日食べる人と比較して、朝食を抜くことがある人では血圧や総コレステロールが高い傾向がみられ、糖尿病発症リスク・脳出血発症リスクが高くなることが示されています。

お酒を毎日または時々飲み、1回の量がビール中瓶1本以上である。

解説

酒は百薬の長とも言いますが、毎日または時々の頻度で、1回の量がビール中瓶1本以上(アルコール換算20g以上)の場合、生活習慣病のリスクを高める飲酒量に該当する可能性があります。
1日に飲むお酒の量が多くなるほど、がんや高血圧・脂質異常症・脳出血のリスクが高まることが知られています。

心当たりのある生活習慣に注意!

腹囲や健康診断結果、毎日の生活習慣に、気になるところは見つかったでしょうか?

特定健康診査・特定保健指導では、今現在の体の状態をチェックでき、必要に応じて検査値改善のための生活習慣の見直しについて、専門家のサポートを受けられます。

将来の健康づくりのためにとても役立つ制度ですので、ぜひ、活用してくださいね。