2019.12.20

口内炎に効くビタミンとは?食品とサプリの効果|管理栄養士執筆

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肌の健康にかかわる食材

口内炎を治したい!というとき、ビタミンをとるのがよい、といわれています。
具体的には、どのビタミンが口内炎とかかわりがあるのでしょうか?
マルチビタミンサプリメントの効果についても解説します。

ビタミン不足は口内炎の原因のひとつ

口内炎の種類にはいくつかありますが、最も多くみられるものは赤い縁取りの白い潰瘍ができる「アフタ性口内炎」です。
この口内炎ができる原因ははっきりとはわかっていませんが、

・噛んでしまったことによる物理ダメージ

・疲れ・ストレス・睡眠不足によるバリア機能低下

・ビタミン不足によるバリア機能低下

などがあげられます。

不足・欠乏が口内炎に関連するビタミンについて

食事からの摂取量が不足することで口内炎の原因となりうるビタミンとしては、

・ビタミンB2

・ビタミンB6

・ナイアシン

があげられます。

いずれも食事からの栄養素を体内でエネルギー源や体組織の材料として利用するのに必要な「ビタミンB群」に属するビタミンで、不足すると皮膚や粘膜に異常を生じる原因になります。

■口内炎に関連するビタミンの主な摂取源

ビタミンB2:レバー、アーモンド、納豆など

ビタミンB6:にんにく、マグロ赤身、豚肉赤身、鶏むね肉など

ナイアシン:肉・魚類全般、豆類、パン酵母など

身近な食品にも幅広く含まれているため、特定の食品を選んで食べる必要はないともいえます。

不足しないためには偏りのないバランスのとれた食事が◎

これらのビタミンは、不足しがちな栄養素なのでしょうか?

日本人の食事摂取基準2015年版による摂取目標量と、
平成29年国民健康・栄養調査による栄養素摂取量を比べたのがこちら。

食事摂取基準
(推定平均必要量:18-49歳)
国民健康栄養調査
(20歳以上の平均摂取量)
ビタミンB2 男性 1.3㎎ 1.22㎎
女性 1.0㎎ 1.15㎎
ビタミンB6 男性 1.2㎎ 1.24㎎
女性 1.0㎎ 1.08㎎
ナイアシン 男性 13㎎NE(ナイアシン当量) 16.5㎎
女性 9-10㎎NE(ナイアシン当量) 13.7㎎
*日本人の食事摂取基準2015年版、平成29年国民健康・栄養調査より作成

※横スクロールで表全体の確認が可能です。

平均値はおおむね推定平均必要量を超えていますね。

推定平均必要量より少ない場合でも、ただちに口内炎などの欠乏症状が現れるわけではないため、口内炎の原因となるほどの欠乏状態にある人はそう多くはいないと考えられます。

とはいえ、肉や魚を全く食べないなどの特殊な食生活では不足する場合も考えられますので、基本的には何かに偏った食事を避け、いろいろな食品をまんべんなくとるようにするのがいいでしょう。

ビタミンのサプリやドリンクはアリ?

口内炎ができたとき、マルチビタミンのサプリが思い浮かぶ人も多いのではないでしょうか。
たしかに、ビタミンに皮膚や粘膜を健康に保つ働きがあったり、ビタミン欠乏の症状として口内炎が表れることがあるのは事実です。

しかし、体質的に口内炎を繰り返しやすい人(再発性アフタ性口内炎)がマルチビタミンサプリを摂取しても、口内炎にかかりにくくなったり、口内炎が早く治るということはなかった、とする研究報告*)があります。
*)Lalla RV, Choquette LE, Feinn RS, Zawistowski H, Latortue MC, Kelly ET, Baccaglini L. Multivitamin therapy for recurrent aphthous stomatitis: a randomized, double-masked, placebo-controlled trial. J Am Dent Assoc. 2012 Apr;143(4):370-6.

口内炎予防以外の意味でもビタミンが不足しないように栄養バランスのとれた食事をとることは大事です。
しかし、ビタミン欠乏がない多くの人にとっては、いつもの食事に上乗せする形でビタミンサプリを摂取しても、口内炎の予防や治療につながるとは言えないかもしれません。

ビタミン以外にも気を付けたい口内炎の原因

口内炎の原因はビタミン不足だけではなく、口腔内のケガであったり、疲労の蓄積やストレスなどがあげられます。

ビタミンの摂取も重要ではありますが、ビタミンだけが原因ではない場合が多いようなので、

・口の中を噛んでしまったときには口内炎にならないように清潔を心がける

・疲れやストレスを解消するためにしっかりと体を休める

といったことも気を付けたいポイントです。

また、このような原因以外にも、ベーチェット病など特定の病気の症状として口内炎があらわれる場合もあります。
なかなか治らない場合や範囲が広い場合などは医療機関での受診をおすすめします。

参考文献

国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所:「健康食品」の安全性・有効性情報(ビタミンB2、B6、ナイアシンについて)

吉田勉 監修:「わかりやすい食品機能栄養学」.三共出版,2010.

厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2015年版)」

厚生労働省:平成29年「国民健康・栄養調査」の結果

Lalla RV, Choquette LE, Feinn RS, Zawistowski H, Latortue MC, Kelly ET, Baccaglini L. Multivitamin therapy for recurrent aphthous stomatitis: a randomized, double-masked, placebo-controlled trial. J Am Dent Assoc. 2012 Apr;143(4):370-6.

平井 しおり管理栄養士
平井 しおり管理栄養士

2013年に管理栄養士資格取得後、保育施設に勤務、栄養相談などに従事。

現在は「イマカラ」にて、栄養とダイエットに関する科学的根拠に基づいた情報を発信しています。