投稿日: 2019.12.26 | 最終更新日: 2023.08.04

オリーブオイルにダイエット効果はある?痩せるための使い方を解説

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スプーン1杯のオリーブオイルでダイエット

健康的な油として注目されるオリーブオイル。
オリーブオイルをダイエットに取り入れる利点はあるのでしょうか?
ダイエットに役立つしくみと活用のポイントを解説します。

オリーブオイルのダイエット効果

ダイエットの原則は「食事からの摂取エネルギーを運動などによる消費エネルギーよりも小さくすること」。
摂取エネルギーの不足により体脂肪が消費されるため、この状況を作り出す必要があります。

体脂肪を減らすためのダイエットとカロリーについて詳しく解説した記事はこちら

オリーブオイルを取り入れることで食事からの摂取エネルギーが減れば、ダイエットに活用できるといえそうです。
そのほか、便秘などの体重増加の原因となりうるものの解消も、本質とはずれるものの、ダイエットの一部と考えることもできます。

ダイエットの観点からオリーブオイルの特徴をまとめると、以下のようになります。

  • カロリーは他の油脂と同程度である
  • 腹持ちを良くする効果 
  • 便秘解消効果

それぞれについて解説します。

カロリーは他の油脂と同程度

オリーブオイルがほかの油脂と比べてダイエットに効果的かというとそうではありません。

いわゆる「油・オイル」といったものはほぼ純粋な脂質100%であるため、カロリーに違いはありません。

オリーブオイル サラダ油(調合油) バター
エネルギー 921kcal 921kcal 763kcal
炭水化物 0g 0g 0.2g
タンパク質 0g 0g 0.5g
脂質 100g 100g 83.0g

※横スクロールで表全体の確認が可能です。

オリーブオイルをダイエットに活用したいという場合には、ほかの油脂との差はほとんどないことを知っておくとよいでしょう。

腹持ちを良くする効果

食べ物が胃にとどまる時間は含まれる栄養素の種類や割合によって変わることが分かっています。
一般に食事が胃にとどまる時間は炭水化物が多い食事で短く、オリーブオイルのような脂質が多い場合は長いといわれています。(たんぱく質は中間くらい)

ダイエット中はカロリーを気にして脂質の摂取量が減りがち。
脂質の少ない食事では消化吸収が速やかに行われるため、空腹感を早く感じてしまうこともありそうです。

ダイエット中においても極端に油分を制限するのではなく、普段より少なめの食事に適量の油脂分を加えることで満腹感を引き延ばし、間食を控えるのに役立つかもしれませんね。

便秘解消効果

また、便秘は体重にも反映されるため、ダイエット中は気になるものですよね。

オリーブオイルに多く含まれるオレイン酸は小腸で吸収されず大腸まで届いて腸管を刺激するといわれ、便秘解消の手助けになることが期待できます。

オリーブオイルを使ったダイエットの注意点

ハーブオイル

オリーブオイルは適切な使用で食事の満足感を高めたり、便秘を改善したりする効果が期待されていますが、その一方で使い方を間違えると逆効果になったり、体調不良の原因になることも。

オリーブオイルを適切に使用するための注意点をまとめました。

摂取カロリーの過剰に注意

オリーブオイルは油脂の一種であり、ほかの油脂類と同様、重さあたりのカロリーが高い食品です。

そのため、むやみにとりすぎると単に摂取カロリーを上乗せすることになってしまいます。

オリーブオイルを取り入れたぶん、ほかの部分で油脂を控えめにするなどして、摂取カロリーが多くならないように注意しましょう。

胃腸への負担に注意

オリーブオイルを多飲することによって消化管の不調を引き起こさないよう注意しましょう。

油の多い食品を食べた後、胸やけや食欲不振などを経験したことのある人は多いのではないでしょうか。
油脂は食品成分の中でも消化しにくいものであり、少量であれば満腹感の長持ちにつながりますが、多量に食べると胃や腸に負担をかけ、胃もたれなどの不調を起こしやすくなります。

アメリカで注目された手法で、食間にオリーブオイルを大さじ1.5~3.5を1日3回に分けて飲むというダイエット方法があります。

この方法では、オリーブオイルを摂取することで脳に働きかけて低い体重を適正な体重と覚えさせ、食欲をコントロールする…といった仕組みが説明されていますが、これはオリーブオイルを食間(空腹時)に飲むことで、胃もたれやそれに伴う食欲不振に近い状態を作り出し、その後の食事量が減るということが本質ではないかと考えられます。
油を単体で飲むことで気分が悪くなる人も多く、だれにでもおすすめできる健康的な方法とは言えなさそうです。

オリーブオイルの利点を生かした使い方

オリーブオイル

オリーブオイルの利点と注意点を踏まえて、どのように取り入れるのが良いのでしょうか?

摂取カロリーを抑える目的で取り入れるよりも、食事の満足感を高める目的や、より健康的な食事にするために取り入れるのがよさそうです。

適量で食事の満足感アップ

オリーブオイルを含む油脂類は食事の満腹感を長引かせることが利点です。

ダイエット中では食事は低カロリーなものが望ましいですが、ノンオイルではさっぱりしすぎて満腹感や腹持ちがよくない料理に少量のオイルを加えることで満足感を高めてくれる効果を活用しましょう。

活用例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • サラダのドレッシングとして
  • 脂質の少ない鶏むね肉などの調理油として

摂取カロリーが多くなりすぎないよう、あくまでもアクセントとして取り入れるのがよさそうです。

動物性油脂との置き換えで生活習慣病リスクを抑える

オリーブオイルを含む植物油はバターや牛脂、ラードといった動物性油脂と置き換えて使うことで、生活習慣病リスクを下げることができます。
ダイエットの目的が生活習慣病の予防である場合には、意識したいポイントでもあります。

油脂はその「脂肪酸構成」によって体に与える影響が異なることが分かっています。

オリーブオイルを含む植物油の多くは血中LDLコレステロール値を上げ、生活習慣病リスクを高める「飽和脂肪酸」が動物性油脂に比べて少なく、比較的生活習慣病リスクに影響しにくい油脂であることが知られています。

バターの代わりにトーストに使用したり、脂身の少ない肉を使う代わりにオリーブオイルを取り入れたりと、意識して置き換えると食事をより健康的なものにできそうです。

オリーブオイルの健康効果について詳しく解説した記事はこちら

まとめ

ダイエット中では摂取カロリーを気にするあまり、脂質や糖質が極端に少ない食事になりがちです。

体が必要とする栄養素の不足を防ぐ意味でも、満腹感を引き延ばしてダイエットの後押しをする意味でも、適度の油脂類はとって問題のあるものではありません。

食事全体のカロリーを管理することは必要ですが、上手に取り入れることでダイエットをより快適なものにできるのではないでしょうか?

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参考文献

文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

公益財団法人 長寿科学振興財団 健康長寿ネット:「便秘予防の食事レシピ」

厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会」 報告書

厚生労働省e-ヘルスネット:脂質異常症 / 高脂血症

平井 しおり管理栄養士
平井 しおり管理栄養士

2013年に管理栄養士資格取得後、保育施設に勤務、栄養相談などに従事。

現在は「イマカラ」にて、栄養とダイエットに関する科学的根拠に基づいた情報を発信しています。