
キウイフルーツは果物の中でもビタミンなどの栄養素を豊富に含んでいるのが特徴です。
では、キウイを食べることで美容やおなかの健康に効果はあるのでしょうか?
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効果に直結するとはいえないけれど、美容や整腸にかかわる栄養素は豊富
キウイは果物の中でもビタミンEやビタミンC、カリウム、食物繊維といった栄養素が多いのが特徴です。
キウイに含まれる栄養素はそれぞれ
ビタミンC、ビタミンE…皮膚をはじめとした全身の細胞の健康維持にかかわる カリウム…体内の水分・ミネラルバランスの調節にかかわる 食物繊維…便のカサを増やして便通を促す |
といった働きを持ちます。
キウイを食べることでたちまち明確な効果が表れるわけではありませんが、このようなはたらきを持つ栄養素を豊富に含むという点で、キウイは美容や整腸によい食品といえそうです。
キウイに含まれる栄養素のはたらきを詳しく!
■ビタミンE、ビタミンC
ビタミンEは細胞表面の細胞膜の酸化を防ぐ「抗酸化作用」を持つビタミンで、脂肪分の多い食品に豊富に含まれる傾向があります。
キウイフルーツは脂質がほとんど含まれないのにビタミンEが豊富という特徴があります。
ビタミンCは抗酸化作用のほか、体内でのコラーゲンの生成や、腸内での鉄分の吸収を高めるはたらきをもち、美容の面からも注目されているビタミンです。
くだもの全般に広く含まれているビタミンですが、キウイはその中でもビタミンCを豊富に含みます。
ビタミンE、ビタミンCのどちらもゴールドキウイで特に含有量が高くなっています。
ビタミンCは一般的に出回っているフルーツの中では最も多く、1個分約100gで1日の摂取基準を超える量が摂取できます。
(キウイ1つ分程度では、ビタミンCの取りすぎの心配はほとんどありません。)
■カリウム
カリウムはナトリウムとともに体内のミネラルと水分のバランス維持にかかわっています。
ナトリウム(食塩など)は摂りすぎると体内に水分がたまってむくみを起こしやすくなったり、将来的には高血圧を引き起こしたりと、気を付けたい成分です。
カリウムはナトリウムの排出を促して体内のミネラルと水分のバランスを正常に保つ働きを持ちます。
日本人はナトリウムをとりすぎている傾向があり、カリウムを積極的に取ることが推奨されます。
キウイは生の果物の中でもアボカド、バナナ、メロンに次いでカリウムが豊富に含まれているフルーツです。
補足:カリウムは果物だけでなく、肉や穀類などあらゆる食品に含まれていますが、たくさん取ろうとした場合、食品によってはエネルギーもとりすぎてしまいます。 くだものや野菜はカリウム摂取に伴うエネルギーが低く抑えられることから、カリウムの摂取源として優れた食品です。 さらに、果物は調味料を加える必要がないため、塩分の摂取量を増やさないという利点もあります。 |
■食物繊維
食物繊維はヒトの消化管では消化吸収されない成分で、便の骨組みとなってカサを増やし、便通を促すはたらきをもつほか、長期的に十分な量を摂取することで、将来の生活習慣病のリスクを下げることが分かっています。
グリーンキウイは生の果物の中では比較的多く食物繊維を含みます。
1年を通じて手に入りやすいことからも、習慣的な食物繊維の摂取源として役立ちそうです。
キウイの利点を生かそう!かしこい取り入れ方と注意点
栄養素たっぷり!だけど「キウイさえ食べていれば」ということではない
キウイはさまざまな栄養素を豊富に含む果物です。
しかし、キウイそのものとして美肌効果や整腸作用、むくみ改善などの効果が得られたというデータはなく、「食べれば必ず効果があるもの」ではありません。
肌荒れや便秘、むくみといった体のトラブルはさまざまな要因から起こりうるもの。
キウイやキウイに含まれる栄養素は、残念ながらそういった様々な要因すべてをカバーできるものではありません。
お悩み解消のための取り組みのひとつとして
せっかく栄養素たっぷりのキウイを取り入れるのであれば、
たとえば、美肌のためには
・細胞の材料になるたんぱく質を十分にとる
・十分な睡眠、適度な運動をする
・保湿など、外側からのダメージを防ぐ
といった取り組みのひとつとして、栄養素を豊富に含むキウイを取り入れるのがよいでしょう。
むくみ予防のためには、
・塩分の取りすぎを控える
・水分を十分にとる
・むくみやすい部分をよく動かす
といったことも、カリウム摂取と同じように有用です。
便秘解消のためには、食物繊維だけでなく
・適度な運動で腸に刺激を与える
・十分な水分をとり、便を柔らかくする
・腸内環境を改善するプロバイオティクス食品をとる
ということも大事です。
どの取り組みも、ひとつだけ行うよりも組み合わせたほうが効果が期待できそうです。
どれか一つに頼るのではなく、生活全体を改善していくのがおすすめです。
美肌作りに?かんたん・キウイのカプレーゼのレシピ
【材料】1人分
キウイ(どちらでも) | 1個(100g) |
モッツァレラチーズ | 50g |
ブラックペッパー | 少々(お好みの量) |
オリーブオイル | 大さじ1/4 |
【作り方】
1. キウイの皮をむき、7㎜の厚さの輪切りにする。
2. モッツァレラチーズもキウイと同じ厚みに切る。
3. 器にキウイとチーズを並べてブラックペッパーを振り、オリーブオイルを回しかける。
【栄養価】
1人分208kcal ビタミンC 140㎎(ゴールドキウイの場合)69mg(グリーンキウイの場合) タンパク質10.4g
肌細胞の材料になるタンパク質を含むチーズと、コラーゲンの生成を助けるビタミンCを持ったキウイを組み合わせました。
まとめ:あくまで一要素として、キウイを取り入れよう
キウイは栄養素が豊富に含まれるくだものですが、キウイだけで大きな効果を期待するのは難しいと考えます。
美容や健康のための「おいしい一要素」として、頼りすぎないように取り入れるのがいいですね。
キウイのカロリーと栄養素について詳しく解説した記事はこちら |
参考文献 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所:「健康食品」の安全性・有効性情報 文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2015年版(七訂)」 厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会」 報告書 吉田勉 監修:「わかりやすい食品機能栄養学」.三共出版,2010. |